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実装したAIエージェント/医療クリニック

電話の一次受けAIエージェント

予約・休診・持ち物の問い合わせに音声で答え、スタッフの判断が必要な用件だけ院内へ回します。

1日30件ほどあった電話

すべて人が対応 28件をAIが対応

使った道具音声AI+予約システム連携

導入まで5週間 費用の目安初期80万円前後+月額2.5万円程度(通話料を含む)

01BACKGROUNDどんな会社で、なぜこの業務から着手したか

内科と小児科のクリニックです。診療中に電話が鳴ると、受付スタッフが手を止めて対応していました。1日30件ほどの電話のうち、ほとんどが予約と休診日と持ち物の確認でした。この3つをAIエージェントが音声で答えるようにし、スタッフの判断が必要な用件だけを院内へ回しています。

この業務を最初に選んだ理由

もともとは、電子カルテの入れ替えについてのご相談でした。1週間分の電話を集計してもらったところ、1日30件のうち8割が診療時間と休診日と持ち物の確認でした。この8割はスタッフが対応する必要がありません。カルテの入れ替えより先に、受付スタッフが手を止める回数を減らすことにしました。

クリニックの受付カウンター。電話とパソコンが置かれ、奥に待合の椅子が見える。受付スタッフの手元だけが入り顔は写らない。明るい室内

02BEFOREAIを入れる前に起きていたこと

  • 1

    診療中に電話が鳴る

    受付スタッフが会計や案内の手を止めて電話に出ます。そのあいだ窓口の患者さんをお待たせすることになっていました。

  • 2

    同じ質問が繰り返される

    問い合わせの内容は診療時間・休診日・保険証の持ち物で、1日30件のうち8割がこの3つでした。

  • 3

    昼休みと夜はつながらない

    電話に出られない時間帯の問い合わせは、翌日へ持ち越しになっていました。

03HOW IT WORKS実装したAIエージェントの動き

電話の一次受けAIエージェントは次の流れで処理を進めます。AIが担当する部分と、人が確認する部分を分けています。

  1. STEP 01

    電話を受ける

    クリニックの番号にかかってきた電話を、AIエージェントが最初に受けます。

  2. STEP 02

    用件を聞く

    自由に話してもらい、予約・変更・休診の確認・持ち物・その他のどれに当たるかを判断します。

  3. STEP 03

    予約枠を確認する

    予約システムを確認し、空いている枠を音声で案内します。予約や変更も、その場で完了します。

  4. STEP 04

    定型の質問に答える

    診療時間・休診日・持ち物・駐車場・初診の流れはその場で答えます。

  5. STEP 05

    院内へ回す

    症状の相談や薬の問い合わせなど判断が必要なものは、用件を文字にまとめて院内のモニターへ表示します。

AIが受けた電話の一覧(時刻・用件の種類(予約/変更/休診の確認/持ち物/スタッフへ回した)・通話の要約が行で並ぶ。AIが答えたものに緑、スタッフへ回したものに青の印)
AIが受けた電話の一覧
スタッフへ回した用件の画面(通話の文字起こしと、用件の要約・折り返し先・急ぎの度合いが上に出ている画面)
スタッフへ回した用件の画面

掲載しているのは、実際に納品したシステムの画面です。社名・氏名・金額など、お客様が特定できる情報はぼかしています。

04RESULTS何がどう変わったか

導入から3か月後に測った数字です。

項目導入前導入後
1日30件の電話 すべて人が対応 28件をAIが対応
受付スタッフが電話対応に取られる時間 1日90分 1日10分
受け付けられる時間帯 診療時間のみ 24時間
予約の取りこぼし 昼休みと夜はつながらない 時間帯を問わず受付
「診療中に電話で手が止まらなくなりました。夜間の予約も取れています。」
医療クリニック/事務長

05POINTS実装のときに気をつけたこと

同じ道具を使っても、作り方によって現場で使われるかどうかが変わります。この案件で判断した点をまとめます。

  • 症状の話が出たら必ず院内へ回す

    医療では、AIが答えて良い範囲をはっきり分ける必要があります。症状と薬の話が出た時点で、AIは答えずに院内へ回します。ここを曖昧にすると導入できません。

  • 導入前に院内スタッフの声で試した

    高齢の患者さんが多い地域なので、聞き取りの精度を先に確かめました。方言や早口で聞き返しが多かった言い回しを直してから、本番の運用を始めました。

  • 院内へ回すときは用件を文字で渡す

    電話をそのまま転送すると、患者さんが同じ話を2回することになります。用件を文字にまとめて受付のモニターへ表示する形にしました。

  • 答えられる範囲を院内で決めた

    駐車場の場所や初診の流れまで含めて、答えて良い内容を先に院内で決めました。あとから範囲を広げるときも、院内で項目を追加できます。

06STACK使った道具と選んだ理由

  • 音声AI

    電話を受けて用件を聞き、回答までを担います。方言や早口でも聞き取れるかを、導入前に院内スタッフの声で確かめました。

  • 予約システムの連携

    すでに使っている予約システムのAPIをつないでいます。新しいシステムへの入れ替えはしていません。

  • 院内モニターへの表示

    院内へ回す用件は、要点を文字にして受付のモニターへ表示します。折り返し先の電話番号と用件が一目で分かります。

道具はここに挙げたものに限りません。予算とセキュリティの条件を伺ったうえで、御社に合うものを選びます。

07PROCESS導入の進め方

この案件では、5週間で実際に使える状態まで実装しました。

  1. 1週目

    電話の内容を分類する

    1週間分の電話を用件ごとに分け、どの問い合わせが何件あるかを集計します。ここでAIに任せる範囲を決めます。

  2. 2〜3週目

    患者さん役で通話を試す

    受付スタッフに患者さん役をお願いし、聞き取りと回答を確かめます。聞き返しが多い言い回しを直します。

  3. 4週目

    時間外から始める

    いきなり全部を任せず、昼休みと夜間だけから始めます。

  4. 5週目

    診療時間内へ広げる

    時間外で問題が出ないことを確かめたうえで、診療時間中の電話も受けるようにします。

ご用意いただくもの

  • 1週間分の電話の記録(用件の種類と件数)
  • 予約システムの連携の可否
  • 答えて良い内容の範囲を院内で決める時間

費用の目安初期80万円前後+月額2.5万円程度(通話料を含む)

08FIT向く会社と、向かない会社

業務量によっては、導入しても十分な効果が出ない場合があります。この仕組みが向いている条件をまとめます。

効果が出やすい

  • 1日20件以上の電話がある
  • 問い合わせの多くが予約と定型の確認である

向いていないケース

  • 電話の内容が毎回異なり、定型の質問が少ない
  • 予約をシステムで管理していない

他の業種でも使えます

予約と定型の問い合わせが多い業種なら、同じ仕組みを応用できます。美容室・整骨院・動物病院・自動車整備でも実装しました。つなぐ予約システムが違うだけです。

09FAQよくいただく質問

  • 急を要する電話もAIが出てしまいませんか

    症状の話が出た時点で院内へ回します。救急に関わる言葉が出た場合は、その場で電話をスタッフへつなぐ作りにしています。

  • 高齢の患者さんでも使えますか

    導入前に院内で試し、聞き返しが多い言い回しを直しました。音声の聞き取りが難しい場合は、待たせずにスタッフへつなぎます。

  • 録音は残りますか

    残ります。通話の内容は文字にして院内で確認できるようにしています。保存期間は院内の規定に合わせています。

  • 導入したあとに答える範囲を広げられますか

    広げられます。よくある質問を院内で追加していく運用にしています。

同じ考え方を、御社の業務に合わせて実装できます。

このページの事例は医療クリニックのものですが、同じ考え方は他の業種でも応用できます。まずは今の業務の流れを伺い、AIに任せられる部分と人が判断したほうがよい部分をお伝えします。

お問い合わせフォームからご連絡ください。内容を確認のうえ、返信します。