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実装したAIエージェント/調剤薬局

薬歴の下書きAIエージェント

服薬指導の会話から薬歴の下書きをつくります。最終確認は薬剤師が行います。

1人分の記録

5分 1分

使った道具文字起こし+Claude

導入まで6週間 費用の目安初期90万円前後+月額2万円程度(3店舗分)

01BACKGROUNDどんな会社で、なぜこの業務から着手したか

3店舗を運営する調剤薬局です。服薬指導のあとに薬歴を書く作業が閉店後まで残っていて、1人5分でも1日60人なら5時間かかっていました。指導中の会話から下書きを作り、薬剤師は確認と追記だけを行う流れにしました。

この業務を最初に選んだ理由

在庫管理の相談でした。3店舗の薬剤師に1日の流れを伺うと、閉店後の薬歴が全員に残っていました。1日60人で5時間です。在庫より先にこの5時間を減らすほうが、人手不足の解消につながります。

調剤薬局の投薬カウンター。薬袋とお薬手帳、その横にタブレット。奥に調剤室の棚が見える。薬剤師の手元だけ。明るい室内

02BEFOREAIを入れる前に起きていたこと

  • 1

    薬歴が閉店後に残る

    服薬指導の最中は次の患者さんが待っているため、記録は後回しになります。閉店後に思い出しながら書いていました。

  • 2

    書き方が人によって違う

    薬剤師ごとに書く量も項目も違うため、指導内容を共有しにくい状態でした。

  • 3

    指導の内容が抜ける

    あとから書くため、話した内容の一部が記録から抜けることがありました。

03HOW IT WORKS実装したAIエージェントの動き

薬歴の下書きAIエージェントは次の流れで処理を進めます。AIが担当する部分と、人が確認する部分を分けています。

  1. STEP 01

    服薬指導の会話を録音する

    投薬カウンターのマイクで会話を録音します。患者さんには事前に説明して同意をいただいています。

  2. STEP 02

    会話を文字起こしする

    録音した会話を文字起こしします。薬の名前と用法は薬局の薬剤マスタと照合して表記をそろえます。

  3. STEP 03

    SOAP形式で薬歴の下書きを作る

    SOAP形式に沿って薬歴の下書きを作ります。会話に出てこなかった項目は空欄のまま残します。

  4. STEP 04

    薬剤師が確認する

    薬剤師が下書きを確認して、追記と修正を行います。この時点で初めて記録として確定します。

  5. STEP 05

    レセコンに登録する

    確定した薬歴をレセコンに登録します。

会話から薬歴の下書きを作った画面(左に会話の文字起こし、右にSOAP形式の薬歴の下書き。会話のどの部分から書いたかが線でつながっている)
会話から薬歴の下書きを作った画面
薬剤師が確認する画面(下書きの各項目に確認のチェックボックス。追記欄と、空欄のまま残っている項目の一覧)
薬剤師が確認する画面

掲載しているのは、実際に納品したシステムの画面です。社名・氏名・金額など、お客様が特定できる情報はぼかしています。

04RESULTS何がどう変わったか

導入から3か月後に測った数字です。

項目導入前導入後
1人分の記録 5分 1分
1日60人分の記録時間 5時間 1時間
閉店後に残る作業 毎日 ほぼ無し
記録の書き方 人によって違う 同じ形式にそろう
「閉店後に残っていた記録が無くなりました。指導の内容が抜けることもなくなっています。」
調剤薬局/管理薬剤師

05POINTS実装のときに気をつけたこと

実際の運用で特に重視したのは次の点です。

  • 会話に出ていない内容は書かせない

    薬歴は患者さんごとに残る記録です。会話に無い内容を推測で埋めると記録として成り立たないため、項目が埋まらないときは空欄のまま残す指示にしています。

  • 同意を得た患者さんだけ録音する

    録音を始める前に患者さんへ説明して、同意をいただいた場合だけ録音しています。同意が得られない場合は従来どおり手書きで記録します。

  • 薬の名前は薬局の薬剤マスタで統一する

    文字起こしだけでは薬の名前の表記が揺れます。薬局の薬剤マスタと照合して表記をそろえたので、薬剤師が名前を直す手間はほとんど残っていません。

  • 会話と薬歴のデータを薬局の外に残さない

    会話の録音と薬歴のデータは薬局内のサーバーに保存し、外部には残さない構成にしました。データの置き場所を先に決めたことで、導入の可否の判断も早く進みました。

06STACK使った道具と選んだ理由

  • 文字起こし

    投薬カウンターでの会話を文字起こしします。薬の名前を正しく認識できるかを、実際の服薬指導で試してから選びました。

  • Claude

    会話から薬歴の下書きを作る部分に使っています。話していない内容を足さないよう指示しています。

  • 薬局内のサーバー

    会話の録音と薬歴のデータの置き場所です。外部のサービスにデータを残さない構成にしています。

道具はここに挙げたものに限りません。予算とセキュリティの条件を伺ったうえで、御社に合うものを選びます。

07PROCESS導入の進め方

この案件では、6週間で実際に使える状態まで実装しました。

  1. 1〜2週目

    同意の取り方を決める

    患者さんへの説明の文と、同意の記録の残し方を薬局と一緒に決めます。

  2. 3週目

    1店舗で試す

    1店舗の投薬カウンターで録音して、下書きの精度を確かめます。薬の名前の表記の揺れもここで直します。

  3. 4〜5週目

    薬剤師の修正内容を集める

    下書きへの追記と修正を集めて、書き方の指示に反映します。

  4. 6週目

    3店舗へ広げる

    1店舗で安定してから、残りの2店舗へ広げます。

ご用意いただくもの

  • 薬局の薬剤マスタ
  • 患者さんへの説明と同意の運用を決める時間
  • 薬歴の書式

費用の目安初期90万円前後+月額2万円程度(3店舗分)

08FIT向く会社と、向かない会社

業務量によっては、導入しても十分な効果が出ない場合があります。この仕組みが向いている条件をまとめます。

効果が出やすい

  • 1日40人以上の服薬指導がある
  • 薬歴が閉店後に残っている

向いていないケース

  • 録音への同意を得る運用が作れない
  • 投薬カウンターが騒がしく会話を録音できない

他の業種でも使えます

対面で話した内容を記録に残す仕事は他にもあります。訪問看護の記録・カウンセリングの記録・整骨院のカルテでも、会話から下書きを作って人が確定する仕組みを応用できます。

09FAQよくいただく質問

  • AIが書いた薬歴をそのまま使って良いのですか

    そのままでは使いません。AIが作るのは下書きまでで、薬剤師が確認して追記したものを記録として確定します。

  • 患者さんの会話を録音することに問題はありませんか

    患者さんには事前に説明して、同意をいただいた場合だけ録音しています。同意が得られない場合は録音せず、手書きで記録します。

  • 話していないことをAIが書いてしまいませんか

    会話に出てこなかった内容は書かない指示にしています。項目が埋まらないときは空欄のまま残します。

  • レセコンとの連携は必要ですか

    レセコンとの連携は必須ではありません。確定した薬歴を薬剤師が手作業で入力する運用でも、記録を書く時間は大きく減ります。

同じ考え方を、御社の業務に合わせて実装できます。

このページの事例は調剤薬局のものですが、同じ考え方は他の業種でも応用できます。まずは今の業務の流れを伺い、AIに任せられる部分と人が判断したほうがよい部分をお伝えします。

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