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実装したAIエージェント/旅館・ホテル

接客ナレッジAIエージェント

60年分のマニュアルとノウハウを読み込み、スタッフの質問にその場で答えます。

新人向けの説明

3〜5日 AIが随時回答

使った道具NotebookLM+RAG

導入まで6週間(資料の読み込みを含む) 費用の目安初期70万円前後+月額2万円程度

01BACKGROUNDどんな会社で、なぜこの業務から着手したか

創業60年の旅館です。接客の決まりごとは紙のマニュアルと先輩の口伝えでした。新人が入るたびに3〜5日かけて説明していました。繁忙期は説明の時間が取れず、現場で覚えてもらうしかありませんでした。紙の資料をすべて読み込ませて、その場で答えるAIエージェントを実装しました。

この業務を最初に選んだ理由

予約サイトの見直しの相談でした。現場を伺うと新人の受け入れに3〜5日かかっていました。繁忙期はその時間が取れていませんでした。予約より先に、新人が初日から動ける状態を作るほうが接客の質につながります。

旅館の帳場。木のカウンターに宿帳とタブレット。奥に畳の廊下と障子。仲居の手元だけ。和の落ち着いた照明

02BEFOREAIを入れる前に起きていたこと

  • 1

    新人への説明に3〜5日

    館内の決まり・料理の出し方・お客様ごとの好み・季節の設え。覚えることが多く、説明にも時間がかかります。

  • 2

    繁忙期は説明できない

    忙しい時期に入社した新人は、現場で聞きながら覚えるしかありませんでした。

  • 3

    ノウハウが紙と口伝え

    60年分の決まりが冊子と個人のメモに散っていて、誰も全体を把握していませんでした。

03HOW IT WORKS実装したAIエージェントの動き

接客ナレッジAIエージェントは次の流れで処理を進めます。AIが担当する部分と、人が確認する部分を分けています。

  1. STEP 01

    資料を読み込ませる

    紙のマニュアル・手書きのメモ・過去の申し送りをまとめて読み込ませます。

  2. STEP 02

    質問に答える

    スタッフが手元のスマホから質問します。館内の決まりと過去の対応から答えます。

  3. STEP 03

    根拠を示す

    どの資料の何ページに書いてあるかを一緒に表示します。スタッフが原本で確認できるようにしています。

  4. STEP 04

    答えられなかった質問を記録する

    資料にない質問は記録して、女将や料理長が回答を追加します。

  5. STEP 05

    回答できる範囲を広げる

    追加した回答は、次回以降の質問にも活用されます。使うほど答えられる質問が増えます。

スタッフの質問に答えた画面(スマホの画面。質問と答えが並び、答えの下に根拠の資料名とページ番号のリンクが付く)
スタッフの質問に答えた画面
答えられなかった質問の一覧(資料になかった質問が一覧で並び、それぞれに回答を追加するボタン。追加済みのものにはマークが付く)
答えられなかった質問の一覧

掲載しているのは、実際に納品したシステムの画面です。社名・氏名・金額など、お客様が特定できる情報はぼかしています。

04RESULTS何がどう変わったか

導入から3か月後に測った数字です。

項目導入前導入後
新人向けの説明 3〜5日 AIが随時回答
先輩が質問に答える回数 1日15〜20回 1日3〜5回
答えられる範囲 先輩の記憶による 60年分の資料
繁忙期の受け入れ 説明の時間が取れない 新人が初日から動ける
「繁忙期に入った新人でも、その日から動けるようになりました。」
旅館・ホテル/女将

05POINTS実装のときに気をつけたこと

同じ道具を使っても、作り方によって現場で使われるかどうかが変わります。この案件で判断した点をまとめます。

  • 紙の資料をそのまま取り込む

    整理してから取り込もうとすると、いつまでも始まりません。紙のマニュアルも手書きのメモも、そのまま読み込ませるところから始めました。

  • 根拠の資料とページを示す

    回答だけを表示すると、スタッフが信じてよいか判断できません。どの資料の何ページに書いてあるかを必ず添えるようにしました。

  • 推測で答えさせない

    資料にないことは答えさせず、質問として記録しています。女将や料理長が回答を追加することで、60年分の口伝えが文字になっていきます。

  • 片手で質問できる画面にする

    接客の合間に使うので、パソコンを開く必要がある作りでは使われません。スマホから片手で質問できる画面にしました。

06STACK使った道具と選んだ理由

  • NotebookLM

    資料を読み込ませ、根拠を示しながら回答します。どの資料から答えたかが分かります。

  • RAG

    館内の決まりを検索できるようにしています。資料が増えても答えの精度が保てます。

  • スマホの画面

    スタッフが普段持っているスマホで使えるようにしました。専用の端末は用意していません。

道具はここに挙げたものに限りません。予算とセキュリティの条件を伺ったうえで、御社に合うものを選びます。

07PROCESS導入の進め方

この案件では、6週間(資料の読み込みを含む)で実際に使える状態まで実装しました。

  1. 1〜2週目

    紙の資料を読み込む

    マニュアルと手書きのメモを撮って取り込みます。60年分で段ボール4箱でした。

  2. 3〜4週目

    質問と答えを試す

    実際にスタッフが聞きそうな質問を100件用意して、答えられるかを確認します。

  3. 5週目

    答えられなかった質問を集める

    資料にない質問を記録して、女将や料理長が回答を追加できるようにします。

  4. 6週目

    スマホから使えるようにする

    接客の合間に片手で質問できる画面にして引き渡します。

ご用意いただくもの

  • マニュアルと手書きのメモ(紙のままで構いません)
  • 過去の申し送り
  • 回答を追加する担当者

費用の目安初期70万円前後+月額2万円程度

08FIT向く会社と、向かない会社

業務量によっては、導入しても十分な効果が出ない場合があります。この仕組みが向いている条件をまとめます。

効果が出やすい

  • 決まりごとが紙と口伝えで残っている
  • 新人の受け入れが年に3人以上ある

向いていないケース

  • 資料がほとんど残っていない
  • 回答を追加する担当を決められない

他の業種でも使えます

長く続いた会社ほど、決まりごとが紙と口伝えで残っています。製造の作業標準・小売の接客基準・建設の安全ルールでも、同じ仕組みで必要な情報をすぐ検索・確認できます。

09FAQよくいただく質問

  • 紙のマニュアルしかありませんが大丈夫ですか

    大丈夫です。紙を読み取って取り込みます。手書きのメモも取り込めます。

  • 間違った答えが出ませんか

    根拠の資料と該当ページを必ず表示します。資料にないことは答えず、質問として記録します。

  • 資料を追加するときはどうしますか

    フォルダへ入れるだけです。取り込みは自動で行われます。

  • 外国語で聞けますか

    聞けます。海外から採用したスタッフのために、英語とベトナム語で答えられるようにした旅館もあります。

同じ考え方を、御社の業務に合わせて実装できます。

このページの事例は旅館・ホテルのものですが、同じ考え方は他の業種でも応用できます。まずは今の業務の流れを伺い、AIに任せられる部分と人が判断したほうがよい部分をお伝えします。

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