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実装したAIエージェント/法律事務所

損害賠償請求書の作成AIエージェント

事実関係と計算の根拠を入れると、請求書の下書きと計算表を出します。

1件の作成

2日 1日以内

使った道具Claude Code+計算ロジック

導入まで7週間 費用の目安初期110万円前後+月額3万円程度

01BACKGROUNDどんな会社で、なぜこの業務から着手したか

交通事故の案件を多く扱う法律事務所です。損害賠償請求書の作成は事実関係の整理から始まります。慰謝料と休業損害と逸失利益を計算し、根拠を示しながら書面にまとめる作業に1件あたり2日かかっていました。計算と下書きをAIエージェントに任せ、弁護士は主張の組み立ての判断に時間を使えるようにしました。

この業務を最初に選んだ理由

もともとは案件管理システムのご相談でした。弁護士に1週間の業務を伺うと、請求書の作成に2日かかる案件が複数ありました。管理の仕組みを整えるより先に1件あたりの作成時間を短縮するほうが、受けられる案件数に直結すると判断しました。

法律事務所の執務室。机に判例集と書類の束、その横にノートパソコン。書棚に法律書が並ぶ。弁護士の手元だけ。落ち着いた照明

02BEFOREAIを入れる前に起きていたこと

  • 1

    1件に2日

    資料を読んで事実関係を整理し、基準に当てはめて計算したうえで請求書の形にまとめます。この一連の作業をすべて手作業で行っていました。

  • 2

    計算の確認に時間がかかる

    休業損害と逸失利益は前提が多く、計算の検算にも時間が取られていました。

  • 3

    書式が案件ごとにばらつく

    過去の請求書を探して書式を写していたため、案件によって構成が変わっていました。

03HOW IT WORKS実装したAIエージェントの動き

損害賠償請求書の作成AIエージェントは次の流れで処理を進めます。AIが担当する部分と、人が確認する部分を分けています。

  1. STEP 01

    資料を読み込む

    診断書・休業損害証明書・事故の記録を登録します。PDFのまま読み取れます。

  2. STEP 02

    事実関係を整理する

    治療期間・通院日数・休業日数・後遺障害の等級を抽出して一覧にします。

  3. STEP 03

    基準に沿って計算する

    損害賠償額算定基準(赤い本)に沿って慰謝料を計算し、休業損害と逸失利益を積み上げます。計算式は1行ずつ記録されます。

  4. STEP 04

    請求書を作成する

    事務所の書式で請求書の下書きを作成します。計算の根拠は別表として出力します。

  5. STEP 05

    弁護士が確認する

    前提の置き方と主張の組み立てを弁護士が確認して修正します。

資料から事実関係を整理した画面(左に診断書のPDF、右に治療期間・通院日数・休業日数・後遺障害等級を抽出した表。どのページから抽出したかの出典が付く)
資料から事実関係を整理した画面
損害額の計算表(慰謝料・休業損害・逸失利益の内訳が1行ずつ並び、それぞれ計算式と根拠が添えられた表。合計が下に出る)
損害額の計算表

掲載しているのは、実際に納品したシステムの画面です。社名・氏名・金額など、お客様が特定できる情報はぼかしています。

04RESULTS何がどう変わったか

導入から3か月後に測った数字です。

項目導入前導入後
1件の作成 2日 1日以内
計算の検算 1件30〜40分 計算式が残るので5分
請求書の構成 案件ごとにばらつく 事務所の書式で統一
事務職員が準備できる範囲 資料の整理のみ 計算表まで
「計算の検算に取られていた時間を、主張の組み立てに使えるようになりました。」
法律事務所/弁護士

05POINTS実装のときに気をつけたこと

同じ道具を使っても、作り方によって現場で使われるかどうかが変わります。この案件で判断した点をまとめます。

  • 金額の計算はAIに任せない

    同じ条件で計算結果が変わらないよう、慰謝料と逸失利益の金額計算には固定の計算ロジックを使っています。AIが担うのは資料から前提を抽出する工程と、請求書の文面を作成する工程だけです。

  • 前提の出どころを残す

    治療期間や休業日数をどの書類の何ページから抽出したかを記録しています。弁護士が原本に戻って確認できる状態にしておく必要があります。

  • 書式を案件の種類で分けた

    交通事故と労災では請求書の構成が違います。案件の種類ごとにテンプレートを分けたことで、過去の請求書を探して書式を写す作業が無くなりました。

  • 事務職員が計算表まで準備できるようにした

    以前は弁護士が計算まで行っていました。計算表を先に作成できるようにしたことで、事務職員が準備できる範囲が広がりました。

06STACK使った道具と選んだ理由

  • Claude Code

    資料を読み取って事実関係を抽出する工程と、請求書の文面を作成する工程に使っています。計算の過程をそのまま残せます。

  • 計算のロジック

    慰謝料と休業損害と逸失利益の計算はAIに任せず、計算ロジックとして実装しています。前提が同じであれば必ず同じ金額になります。

  • 事務所の書式

    過去の請求書をもとに書式をテンプレート化しました。案件の種類ごとにテンプレートを選びます。

道具はここに挙げたものに限りません。予算とセキュリティの条件を伺ったうえで、御社に合うものを選びます。

07PROCESS導入の進め方

この案件では、7週間で実際に使える状態まで実装しました。

  1. 1〜2週目

    過去の請求書をテンプレート化する

    事務所の請求書を集めて、案件の種類ごとの構成をテンプレートにまとめます。

  2. 3〜4週目

    計算ロジックを確定する

    慰謝料と休業損害と逸失利益の計算を固定のロジックとして実装します。この部分はAIに計算させません。

  3. 5〜6週目

    過去の案件で検証する

    既に終わった案件の資料から請求書を作成し、実際に提出した書面と比べます。

  4. 7週目

    弁護士の指摘を反映する

    前提の置き方と文面の構成について受けた指摘を反映して引き渡します。

ご用意いただくもの

  • 過去の請求書20件ほど
  • 使っている計算の基準
  • 弁護士の時間を計8時間ほど

費用の目安初期110万円前後+月額3万円程度

08FIT向く会社と、向かない会社

業務量によっては、導入しても十分な効果が出ない場合があります。この仕組みが向いている条件をまとめます。

効果が出やすい

  • 同じ書式の請求書を月5件以上作成する
  • 計算の前提が基準で決まっている

向いていないケース

  • 案件ごとに請求書の構成が大きく異なる
  • 過去の請求書が電子データで残っていない

他の業種でも使えます

根拠のある数字を積み上げて書類にまとめる業務は他にもあります。保険金の請求・相続の遺産分割案・労災の申請でも、計算基準と書式を変更すれば同じ仕組みを応用できます。

09FAQよくいただく質問

  • 計算をAIに任せて大丈夫ですか

    計算そのものはAIではなく固定の計算ロジックで処理しています。AIが行うのは資料からの前提の抽出と、請求書の文面の作成です。

  • そのまま提出できる品質ですか

    あくまで下書きです。前提の置き方と主張の組み立ては弁護士が判断します。

  • 事故以外の案件にも使えますか

    計算基準とテンプレートを追加すれば対応できます。現在は交通事故と労災の2種類で運用しています。

  • 依頼者への説明資料も作れますか

    作成できます。計算の根拠を依頼者向けの表現に書き換えた資料も出力できます。

同じ考え方を、御社の業務に合わせて実装できます。

このページの事例は法律事務所のものですが、同じ考え方は他の業種でも応用できます。まずは今の業務の流れを伺い、AIに任せられる部分と人が判断したほうがよい部分をお伝えします。

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