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実装したAIエージェント/社会保険労務士

就業規則の確認AIエージェント

事務所の書式と過去の案件を参照して、確認が必要な条項や見落としている項目を洗い出します。判断は人が行います。

一次チェック

2時間 25分

使った道具RAG+Claude

導入まで6週間 費用の目安初期85万円前後+月額2.5万円程度

01BACKGROUNDどんな事務所で、なぜこの業務から着手したか

社労士事務所です。顧問先から届く就業規則の確認に1件2時間かかっていました。法改正のたびにチェックする条項が増え、担当者の負担が重くなっていました。一次チェックをAIエージェントに任せ、社労士は指摘の妥当性を判断する流れに変えました。

この業務を最初に選んだ理由

顧問先を増やしたいという相談でした。1人が月に対応できる件数を数えると、就業規則の確認が10件で頭打ちになっていました。営業を強める前に、この上限を引き上げる必要があります。一次チェックから着手しました。

社労士事務所の執務室。机に就業規則の冊子と法令集、その横にノートパソコン。付箋が貼られた書類。職員の手元だけ。落ち着いた室内

02BEFOREAIを入れる前に起きていたこと

  • 1

    1件2時間の読み込み

    就業規則を頭から読み、法令と事務所の基準に1つずつ照らす作業でした。

  • 2

    法改正の反映が追いつかない

    改正のたびに確認項目が増えます。どの顧問先の規則を直すべきかを調べるだけで時間がかかっていました。

  • 3

    ベテランと新人で指摘の数が違う

    経験がないと気づけない指摘があり、担当者によって品質に差がありました。

03HOW IT WORKS実装したAIエージェントの動き

就業規則の確認AIエージェントは次の流れで処理を進めます。AIが担当する部分と、人が確認する部分を分けています。

  1. STEP 01

    規則を読み込む

    WordでもPDFでも受け付けます。文書の構成を解析して、章と条に分けます。

  2. STEP 02

    法令と照らす

    労働基準法をはじめとする法令の必要記載事項と照らして、不足している条項を洗い出します。

  3. STEP 03

    事務所の基準と照らす

    その事務所がこれまでに指摘してきた内容を参照し、過去のチェック方針に沿って点検します。

  4. STEP 04

    指摘を一覧にする

    条ごとに、抜け・法令との食い違い・書き方が曖昧な箇所を分けて示します。根拠の条文を添えます。

  5. STEP 05

    社労士が判断する

    AIが挙げた指摘を社労士が確認し、採否を決めます。採用した指摘は修正案の文章まで作成できます。

就業規則の指摘をまとめた画面(左に規則の条文、右に指摘の一覧。抜け・食い違い・曖昧の3色で分かれ、根拠の法令条文が添えられている)
就業規則の指摘をまとめた画面
法改正の影響を受ける顧問先の一覧(改正の内容と、影響を受ける顧問先の表。該当する条項の番号と、対応済みかどうかの状態)
法改正の影響を受ける顧問先の一覧

掲載しているのは、実際に納品したシステムの画面です。社名・氏名・金額など、お客様が特定できる情報はぼかしています。

04RESULTS何がどう変わったか

導入から3か月後に測った数字です。

項目導入前導入後
一次チェック 2時間 25分
1人が月に対応できる件数 10件 35件
担当者による指摘数の差 人によって2倍近い差 ほぼ同じ
法改正の影響を受ける顧問先の洗い出し 1週間 1日
「新人でもベテランと同じ観点で指摘できます。教える時間が減りました。」
社会保険労務士/代表

05POINTS実装のときに気をつけたこと

同じ道具を使っても、作り方によって現場で使われるかどうかが変わります。この案件で判断した点をまとめます。

  • 事務所の過去の指摘を取り込む

    法令だけを参照させると、一般論の指摘にとどまります。その事務所が積み上げてきた指摘を取り込むことで、事務所独自のチェック基準を反映できるようになりました。

  • 根拠の条文を必ず付ける

    指摘だけでは社労士が確認に時間を取られます。根拠の条文を添えたので、採否の判断は数分で済みます。

  • 法令データを分けて管理する

    改正のたびに全部を作り直すのは現実的ではありません。法令データを独立して管理し、改正のときはそこを差し替える形にしました。

  • 新人の教材として使う

    同じ規則をAIと新人がそれぞれチェックし、指摘を突き合わせる使い方をしています。見落とした観点がその場で分かるので、教える時間が減りました。

06STACK使った道具と選んだ理由

  • RAG

    事務所が過去に作成した指摘と修正案を参照しています。一般論ではなく、その事務所の基準に沿った指摘を提示します。

  • Claude

    文書の構成を解析する部分と、根拠を付けて指摘を書く部分に使っています。長い規則でも一度に扱えます。

  • 法令データ

    法令の条文は別のデータとして管理しています。改正があったときはそこだけを差し替えられます。

道具はここに挙げたものに限りません。予算とセキュリティの条件を伺ったうえで、御社に合うものを選びます。

07PROCESS導入の進め方

この案件では、6週間で実際に使える状態まで実装しました。

  1. 1〜2週目

    過去の指摘を集める

    事務所に残っている指摘と修正案をまとめて、参照できる状態にします。ここが事務所の基準になります。

  2. 3〜4週目

    過去の案件で試す

    既に確認が済んだ規則で試して、社労士の指摘とどれだけ重なるかを測ります。

  3. 5週目

    根拠の示し方を整える

    指摘に添える条文の示し方を、読み取りやすい形に調整します。

  4. 6週目

    法令データを差し替えられるようにする

    改正のときに条文だけを差し替えられる状態にして引き渡します。

ご用意いただくもの

  • 過去の指摘と修正案(30件ほど)
  • 事務所の書式
  • 社労士の時間を計8時間ほど

費用の目安初期85万円前後+月額2.5万円程度

08FIT向く会社と、向かない会社

業務量によっては、導入しても十分な効果が出ない場合があります。この仕組みが向いている条件をまとめます。

効果が出やすい

  • 就業規則の確認を月5件以上受けている
  • 事務所として指摘の基準を持っている

向いていないケース

  • 過去の指摘が文書で残っていない
  • 確認の件数が年に数件にとどまる

他の業種でも使えます

決まった基準に照らして書類を点検する仕事は、社労士以外にもあります。契約書のレビュー・補助金の申請書の確認・ISO の文書審査でも同じ仕組みを応用できます。

09FAQよくいただく質問

  • AIの指摘をそのまま顧問先へ渡せますか

    そのままでは渡しません。一次チェックです。社労士が採否を判断したものだけを顧問先へ提出します。

  • 法改正にはどう追いつきますか

    改正の内容に合わせて法令データを差し替えます。過去に確認した顧問先の規則もまとめて見直せます。

  • 事務所ごとの考え方は反映できますか

    過去の指摘を参照しているので、その事務所が特に重視している観点もチェック結果に反映できます。

  • 就業規則以外の書類にも使えますか

    使えます。36協定や労使協定の確認へ広げた事務所もあります。

同じ考え方を、御社の業務に合わせて実装できます。

このページの事例は社会保険労務士のものですが、同じ考え方は他の業種でも応用できます。まずは今の業務の流れを伺い、AIに任せられる部分と人が判断したほうがよい部分をお伝えします。

お問い合わせフォームからご連絡ください。内容を確認のうえ、返信します。