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実装したAIエージェント/不動産仲介

物件紹介文AIエージェント

図面と設備の情報から紹介文を媒体ごとに書き分け、重要事項説明書の記載漏れを指摘します。

1件分の原稿

50分 8分

使った道具Dify+RAG

導入まで4週間 費用の目安初期60万円前後+月額2万円程度

01BACKGROUNDどんな会社で、なぜこの業務から着手したか

賃貸と売買を扱う仲介会社です。1物件につきスーモ・アットホーム・自社サイトの3媒体へ原稿を作成していました。媒体ごとに文字数と記載できる項目が違うため、1件あたり50分かかっていました。図面を読み込ませると3媒体分の原稿ができる仕組みにしました。

この業務を最初に選んだ理由

集客のためのサイト改修を相談されました。反響の数を確認したところ、競合と比べて物件を掲載するまでに時間がかかっていました。物件を預かってから公開までの3日は、原稿の作成で止まっていた時間です。サイトを直すより先に、公開までの日数を縮めるほうが反響につながります。

不動産会社の店内。カウンターに物件の図面とノートパソコンが並び、窓には物件情報の紙が貼られている。スタッフの手元だけ。昼の自然光

02BEFOREAIを入れる前に起きていたこと

  • 1

    1件50分かかる原稿作成

    同じ物件を3媒体分書き分けます。文字数の上限も使用できない表現も媒体ごとに違います。

  • 2

    原稿を書ける人が限られる

    新人が書くと、誇大な表現が理由で差し戻しになることがありました。

  • 3

    重要事項説明書の確認が属人的

    重要事項説明書の記載漏れは、ベテラン社員が目で確認して気づいていました。

03HOW IT WORKS実装したAIエージェントの動き

物件紹介文AIエージェントは次の流れで処理を進めます。AIが担当する部分と、人が確認する部分を分けています。

  1. STEP 01

    図面と設備の情報を読み込ませる

    物件の図面と設備一覧を読み込ませます。写真があれば一緒に添付します。

  2. STEP 02

    物件の特徴を整理する

    間取り・方角・築年・駅からの距離・設備から、紹介文に盛り込む物件の特徴を整理します。

  3. STEP 03

    媒体ごとに書き分ける

    スーモ・アットホーム・自社サイトの文字数と項目に合わせて書き分けます。使用できない表現は自動で除外します。

  4. STEP 04

    表示ルールに抵触していないか確認する

    不動産の表示に関する公正競争規約に抵触する可能性のある表現がないか確認します。該当しそうな箇所は理由を付けて表示します。

  5. STEP 05

    重要事項説明書の記載漏れを確認する

    過去の重要事項説明書を参照して、その物件で記載が必要な項目が抜けていないか確認します。

3媒体分の原稿ができた画面(左に物件の図面、右にスーモ・アットホーム・自社サイトの3つのタブで原稿が並ぶ。それぞれ文字数のカウンターが付く)
3媒体分の原稿ができた画面
重要事項説明書の記載漏れを指摘した画面(重要事項説明書の項目一覧。記載済みに緑のチェック、抜けている項目に黄色のマークと理由の文)
重要事項説明書の記載漏れを指摘した画面

掲載しているのは、実際に納品したシステムの画面です。社名・氏名・金額など、お客様が特定できる情報はぼかしています。

04RESULTS何がどう変わったか

導入から3か月後に測った数字です。

項目導入前導入後
1件分の原稿(3媒体) 50分 8分
差し戻し 月8〜10件 月1件
新人が書ける物件 限られる 全物件
重要事項説明書の記載漏れの指摘 人の目のみ AIが一次チェック
「新人でも差し戻しが出なくなりました。物件を預かってから公開までが早くなっています。」
不動産仲介/店長

05POINTS実装のときに気をつけたこと

実際に現場で使い続けてもらうため、実装時には次の点を重視しました。

  • 除外した理由まで残す

    誇大な表現を自動で削除するだけにすると、なぜ消えたのか分からず担当者が元に戻してしまいます。抵触する可能性のある表現には理由を付けて表示し、最終的な判断は担当者が行えるようにしました。

  • 媒体の仕様は社内で変更できるようにした

    ポータルサイトの文字数や項目は変わります。管理画面から設定を変えられるようにしたので、仕様が変わってもこちらへ依頼せずに社内で対応できます。

  • 重要事項説明書の確認は一次チェックまでと決めた

    重要事項説明書は責任の重い書類です。AIは記載漏れの指摘までにとどめ、最終確認は宅建士が行う形を最初に決めました。

  • 過去の原稿を参照させ、自社らしい書き方に寄せた

    一般的な紹介文を作るだけなら誰でもできます。過去の原稿を参照させたことで、強みを押し出す順番や言葉の選び方が自社の原稿に近づきました。担当者が手直しする箇所が減っています。

06STACK使った道具と選んだ理由

  • Dify

    媒体ごとのルールを分けて持たせています。管理画面から文章の指示を修正できるので、媒体の仕様が変わっても社内で対応できます。

  • RAG

    過去の重要事項説明書と社内の表記ルールを参照させています。自社の書き方に沿った原稿ができます。

  • スプレッドシート

    物件の一覧と原稿の履歴をシートで管理しています。担当者が使い慣れているスプレッドシートを、そのまま操作画面として使えるようにしています。

道具はここに挙げたものに限りません。予算とセキュリティの条件を伺ったうえで、御社に合うものを選びます。

07PROCESS導入の進め方

この案件では、4週間で実際に使える状態まで実装しました。

  1. 1週目

    過去の原稿を集める

    社内で評価の高い原稿を集めて、書き方のルールを読み取ります。

  2. 2週目

    媒体の仕様を表にする

    スーモ・アットホーム・自社サイトの項目と文字数を表にします。

  3. 3週目

    20物件で試す

    実際の図面から原稿を作成し、担当者に確認してもらいます。差し戻しの理由を指示へ反映します。

  4. 4週目

    重要事項説明書の確認を足す

    過去の重要事項説明書を参照させて、記載漏れを指摘できる形にします。

ご用意いただくもの

  • 社内で評価の高い過去の原稿20件ほど
  • 媒体ごとの項目と文字数
  • 過去の重要事項説明書

費用の目安初期60万円前後+月額2万円程度

08FIT向く会社と、向かない会社

業務量によっては、導入しても十分な効果が出ない場合があります。この仕組みが向いている条件をまとめます。

効果が出やすい

  • 月に10物件以上を複数の媒体へ出している
  • 原稿の差し戻しが毎月発生している

向いていないケース

  • 扱う物件が月2〜3件にとどまる
  • 掲載先が1媒体だけで書き分けが発生しない

他の業種でも使えます

1つの元データから媒体ごとに書き分ける形は、求人・EC・旅行の商品でも同じです。文字数と項目のルールを表で持てば、媒体が増えても同じ仕組みを応用できます。

09FAQよくいただく質問

  • 誇大な表現が出てしまいませんか

    表示ルールに抵触する表現は自動で除外します。判断が必要な表現にはマークを付けて表示するので、担当者が確認して決めます。

  • 媒体が増えたらどうしますか

    管理画面に媒体を追加して、文字数と項目を設定するだけです。社内で対応できます。

  • 重要事項説明書の確認は任せきりにできますか

    できません。AIが行うのは一次チェックまでです。最終確認は宅建士が行う仕組みにしています。

  • 売買と賃貸の両方に使えますか

    使えます。書式と項目を分けて持たせているので、物件の種別で書き分けます。

同じ考え方を、御社の業務に合わせて実装できます。

このページの事例は不動産仲介のものですが、同じ考え方は他の業種でも応用できます。まずは今の業務の流れを伺い、AIに任せられる部分と人が判断したほうがよい部分をお伝えします。

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