ChatGPTが2022年11月30日に一般公開されて以来、世の中では爆発的なAIブームとなり、個人だけでなく企業や政府でも積極的にAIを取り入れる動きが進んでいます。
しかし、野村総合研究所(NRI)が2024年9月に実施したアンケート調査によると、ChatGPTの認知度は70%を超えるものの、実際に利用したことがある人の割合は20%程度であることが明らかになっています。
まだChatGPTを使ったことがない方からは「始め方が分からない」「使い方が難しそう」と言った声が多く聞かれます。この記事ではこのような不安や疑問の声に対して、初心者の方にも分かりやすいようにChatGPTとは何かを丁寧に解説します。
登録方法や使い方はスクショ画像を豊富に掲載し、活用事例についても具体的なケースを数多く取り上げました。進化のスピードの早いChatGPTの最新情報を、2025年度版としてご紹介します。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、私たちが日常的に話したり書いたりしている言葉を理解し、まるで人間のように自然な文章や音声で答えてくれるAIを使った対話型チャットツールです。一般公開は2022年11月30日で、2024年末には週間の利用者数が2億ユーザーを超えています。
運営元のOpenAI社はアルトマンCEOが率い、Googleが開発したAIをベースにしており、創業時にはイーロンマスク氏が参画していたり、IT界の巨人マイクロソフトが多額の出資をしていたりと、多くのIT業界のプレイヤーの知見や資金を活かしながら開発・運営され、世界中にAIブームを巻き起こしています。
ChatGPTの仕組み
ChatGPTは、人間の言葉を理解して文章を生み出すAI(人工知能)で、「大規模言語モデル(LLM)」と呼ばれる技術が使用されています。「大規模言語モデル」は、インターネット上にある膨大な文章や数字などのデータを学習(機械学習)することによって、コンピューターが文脈や意味を理解することを可能にする技術です。
「大規模言語モデル」は最先端の技術ですが、ユーザーの質問に答える仕組みは意外とシンプルです。例えば「Aという単語の次にはBという単語が続くことが多い」「Bの後にはC」「Cの次はD」というように、学習した膨大なデータの中からパターンを見つけ出すことで、文章を作成しています。
このように学習したデータによって文章などを作り出す仕組みを持つAIのことを「生成AI(Generative AI)」と呼びます。そして、この「生成AI」の代表的な存在がChatGPTです。
ChatGPTの種類
ChatGPTは、性能を向上させるための開発が続けられています。パソコンのOSであるWindowsがバージョンごとに「Windows11」や「Windows Vista」などと名付けられているように、ChatGPTも開発が進むごとに種類が増え、バージョン(AIモデル)ごとに名前が付けられています。
2025年1月現在、一般向けに使用されているChatGPTのAIモデルは、次の表の通りです。
比較項目 | GPT-3.5 Turbo | GPT-4 Turbo | GPT-4o | GPT o1 mini | GPT o1 Pro |
---|---|---|---|---|---|
リリース時期 | 2023年6月 | 2023年3月 | 2024年8月 | 2024年7月 | 2024年9月 |
トークン上限 | 16K | 32K | 32K | 128K | 64K |
速度 | 普通 | 高速 | 非常に高速 | 高速 | 超高速 |
精度 | 中 | 高 | 非常に高い | 高い | 極めて高い |
マルチモーダル対応 | × | △テキスト、画像 | 〇テキスト、画像、音声 | △テキスト、画像 | ◎テキスト、画像、音声、動画 |
ウェブ参照 | × | × | 〇 | × | 〇 |
用途 | 日常会話、基本的なタスク | 複雑なタスク、分析 | 専門的タスク、研究開発 | 大量のデータを扱う | 超高精度な分析・クリエイティブ |
最新の学習データ | 2022年9月 | 2023年4月 | 2023年12月 | 2023年10月 | 2024年1月 |
AIモデルの比較では、生成AIに関する専門用語が多く登場しますので、それぞれのAIモデルについて詳しく説明しながら、比較項目となっている用語についても解説します。
GPT-3.5 Turbo
ChatGPT‐3.5 Turboは、ChatGPTが一般向けにリリースされた時のバージョン「3.5」の進化版にあたります。現在の主流であるGPT‐4シリーズと比較すると、生成される文章の精度は劣りますが、日常的な会話や、基本的なタスクの処理は十分に行えます。
ただし、3.5Turboが学習しているデータは2022年9月までの情報であるため、2022年後半以降に起こった出来事や、新しいトレンドに関する情報を一切持っていません。また、ChatGPTとの会話はテキストのみに限定されており、画像や音声などを添付することができないことも、GPT-4シリーズと比較すると見劣りします。
GPT-4 Turbo
GPT-4 Turboは、現在主流となっているGPT-4シリーズの最初のAIモデルです。複雑なタスクの処理や分析ができるようになったことで、生成AIの活用できる範囲が大きく広がりました。
なお、上記の表にある「トークン上限」とは、一度に処理できるデータの量のことで、GPT-4 Turboでは3.5Turboと比べると2倍のデータを処理できることが分かります。また、GPT-4 Turboからは写真やイラストなどの画像を添付することが可能になり、写真に写っているものを説明したり、画像に含まれる外国語を翻訳することが出来るようになりました。
GPT-4o
GPT-4oは「ジーピーティー・フォー・オー」と読み、GPT-4の進化版のAIモデルです。「o」は、ラテン語で「すべての」の意味を表す「オムニ(omuni)」の頭文字で、質問する際にテキストと画像に加えて音声にも対応することで「すべての」形式に対応したことを表しています。
そして、GPT-4oでは質問にURLを貼り付けることで、ChatGPTがウェブサイトを閲覧できるWEB参照機能が加わりました。これによって最新情報をリアルタイムに回答に盛り込むことが可能になっています。
GPT o1 mini
GPT o1 miniは、GPT-4oの一部の機能を制限した軽量版のAIモデルです。
ただし、GPT-4oとスペックを比較すると、トークン上限のみが唯一、GPT o1 miniが上回っていることが分かります。つまり、GPT o1 miniは多くの点で4oの下位モデルではあるものの、一度に処理することができるデータの量はGPT-4oよりも4倍も多く、大量のデータを処理できるモデルです。
GPT o1 Pro
GPT o1 Proは「ジーピーティー・オーワン・プロ」と読み、4oの進化版にあたります。超高精度な分析に加えて創造性が求められるクリエイティブな作業にも対応できるハイエンドのAIモデルです。ChatGPTでは初めて動画の添付が可能になり、動画の内容を分析することが可能になりました。
また、実際に4o Proを使用したユーザーからは、4oと比べて「分析能力が飛躍的に向上した」と性能の高さを評価する声や、返答について「2万文字を超える長文の出力がされた」などのSNSの投稿があります。
画像生成AI「DALL·E」
ChatGPTには、文章を作成するGPTシリーズに加えて、画像を生成するためにOpenAI社が開発した「DALL·E(ダリ)」と名付けられた画像生成AIが組み込まれています。簡単なテキストから画像を作成できることが特徴です。
ChatGPTの有料プラン
ChatGPTはユーザー登録することで無料で使えますが、有料プランに加入することで高い性能のAIモデルを使用可能になります。プランごとの使用可能なAIモデルは、以下の表の通りです。
無料版 | Plusプラン(月額20ドル) | Proプラン (月額200ドル) | |
---|---|---|---|
GPT-4 Turbo | 〇 | × | × |
GPT-4o | × | 〇 | 〇 |
GPT o1 mini | × | 〇 | 〇 |
GPT o1 Pro | × | × | 〇 |
DALL-E | × | 〇 | 〇 |
有料プラン「Plus」
Plusプランは、2023年3月から提供が始まったChatGPTで最初の有料プランで、月額費用は20ドルです。メインで使用されるAIモデルはGPT-4oですので、専門性の高いタスクに対応でき、テキストに加えて画像と音声を添付して質問することができます。
なお、GPT-4oの使用回数には「3時間で80回」という上限が設けられているため、回数の上限を超えた場合にはGPT-4o miniに自動的に切り替わります。
有料プラン「Pro」
Proプランは、2024年12月に新しく作られた有料プランで、月額費用は200ドルです。ハイエンドモデルであるGPT o1 Proを使用できることが特徴です。
これまでのPlusプランと比べると10倍も高いプランの登場には、日本円換算で月額3万円になることから「高すぎる」「AIインフレ」などと価格に対して驚きの声が上がっていますが、その一方で実際に使用したユーザーからはGPT o1 Proの性能の高さを評価する意見も多いです。
法人や組織向け有料プラン
ChatGPTには、企業や組織での利用を想定したプランとして、TeamプランとEnterpriseプランの2種類の有料プランが用意されています。
項目 | Teamプラン | Enterpriseプラン |
---|---|---|
対象 | 中小企業やプロジェクトチーム向け | 大規模な組織や企業向け |
使用可能モデル | GPT-4(32Kトークン対応)、GPT-4o、GPT-4o mini | GPT-4(無制限アクセス)、GPT-4o Pro |
使用上限 | 3時間あたり約100回 | 無制限 |
セキュリティ機能 | プライバシー保護(データはモデル学習に未使用) | SAML SSOなど企業レベルのセキュリティ |
管理機能 | チーム管理コンソール | 拡張された管理機能 |
カスタマーサポート | 通常サポート | 優先カスタマーサポート |
月額料金 | ユーザーあたり30ドル(年間払いで25ドル) | 個別見積もり(規模やニーズに応じて設定) |
主な用途 | チームでのタスク共有や共同作業 | 大規模プロジェクト、複雑な業務、企業全体の効率化 |
企業や組織向けの2つのプランでは、使用する人数に応じて料金が加算されるユーザー課金の料金体系となっていることに加えて、ユーザーを管理できるコンソール機能が提供されます。
また、ビジネスに関する情報の漏洩防止や、ChatGPTでの情報の不使用などの情報セキュリティ面での対策が行われています。このため、個人の使用を想定しているPlusプランやProプランと比べて、安心してChatGPTをビジネス活用することができます。
ChatGPTがでできること
ChatGPTを使用することで実現できることには、次のような作業やタスクがあります。
- 質問に回答する
- 文章を書く(記事、SNS投稿など)
- 文章を要約する
- アイデアを出す(壁打ち)
- 外国語を翻訳する
- 学習を補助する(外国語、プログラムなど)
- 画像を作る
- 画像を読み取る
- データを分析する
生成AIは現代における「ノートと鉛筆」のような存在ですので、使用方法を工夫することで多くのことができます。ここで紹介した項目については、ひとつずつ後ほど詳しく解説します。
ChatGPTができないこと
ChatGPTを使用することで実現できないことは、次のようなものです。
- 独自の意思決定
- 専門家レベルの診断や助言
- 正確性の保証
- リアルタイムの出来事への反応
- 個別のプライバシー情報の取得
- 物理的な作業
- 感情の理解と共感
- オンライン購入や操作
まるで人間のように自然に受け答えをするChatGPTには、多くのことを期待してしまいがちです。しかし、現段階においてはオリジナリティの欠如や、情報の不正確さなど、ChatGPTにできないことも少なくありません。
ChatGPTの始め方・登録方法
これからChatGPTを使い始める方は、まずはアカウントを作成してください。無料版のChatGPTはログインしなくても使用できますが、機能に制限がありますのでアカウント登録がおすすめです。
パソコンでの始め方
まず、パソコンでChatGPTでアカウント作成を行う流れをご紹介します。スマホやアプリでも基本的な流れは同じです。
1.ChatGPTの公式ウェブサイト(https://chatgpt.com/)にアクセスしてください。
2.画面右上の「サインアップ」ボタンをクリックします。
3.アカウント作成画面で「メールアドレス」を入力してください。
4.次の画面でパスワード(半角・12文字以上)を入力してください。
5.「続ける」ボタンをクリックしてください。
6.ChatGPT(OpenAI社)からメールが届きます。
7.メールに記載された6桁の番号を入力してください。
8.最後に「氏名」と「生年月日」を入力してください。
以上で、ChatGPTの登録は完了です。
スマホ(iPhone、Android)での始め方
スマホから登録する手順は、基本的にパソコンと同じですが、最初のところだけ少し注意してください。
1.ChatGPTの公式ウェブサイト(https://chatgpt.com/)にアクセスしてください。
2.画面右上の「ログイン」ボタンをタップしてください。
3.「続ける」ボタンの下の「サインアップ」のリンクをタップしてください。
ここからはパソコン版と流れは同じです。
4.アカウント作成画面で「メールアドレス」を入力してください。
5.次の画面でパスワード(半角・12文字以上)を入力してください。
6.「続ける」ボタンをクリックしてください。
7.ChatGPT(OpenAI社)からメールが届きます。
8.メールに記載された6桁の番号を入力してください。
9.最後に「氏名」と「生年月日」を入力してください。
以上で、ChatGPTの登録は完了です。
アプリ(iPhone、Android)での始め方
ChatGPTには、iPhoneおよびAndroid向けのアプリがあります。
1.ご自身のスマホ端末に「ChatGPT」のアプリをインストールしてください。
2.画面下側にある「サインアップ」ボタンをクリックします。
ここからはパソコン版やスマホ版と流れは同じです。
3.アカウント作成画面で「メールアドレス」を入力してください。
4.次の画面でパスワード(半角・12文字以上)を入力してください。
5.「続ける」ボタンをクリックしてください。
6.ChatGPT(OpenAI社)からメールが届きます。
7.メールに記載された6桁の番号を入力してください。
8.最後に「氏名」と「生年月日」を入力してください。
以上で、ChatGPTの登録は完了です。
ChatGPTの使い方
ChatGPTの操作画面はとてもシンプルです。このため、はじめての方にとっては少し使い方が分かりづらいと感じるかもしれません。
パソコンでの使い方
パソコンでChatGPTを開いた際には、次のような画面が表示されています。
ChatGPTとチャットする
まず、基本的なChatGPTとのやりとりは、「ChatGPTにメッセージを送信する」と書かれたチャットボックス(1)に入力して行います。また、何を聞けば良いのか分からない場合には、サジェスト(10)を使用してみてください。
チャットを始めてから、もう一度この画面に戻りたいときには、サイドメニューの「ChatGPT」の文字(2)か、入力マーク(8)をクリックしてください。なお、サイドメニューの開閉は、左上のボタン(4)で行います。もし、サイドメニューが見つからない時は、こちらをクリックしてください。
ChatGPTの履歴を確認する
ChatGPTを使用し続けていると、履歴欄(6)に過去のチャットのやりとりが記録されます。間違ってチャット画面を消してしまった場合には、ここをチェックしてください。また、履歴が増えすぎて見つからない時には、検索ボタン(7)から過去のチャットを検索できます。
ChatGPTの設定を変更する
ChatGPTの言語設定などを変更したい場合には、画面右上のアイコン(9)をクリックして、「設定」メニューに進んでください。チャット履歴の削除も、こちらから操作してください。また、有料プランへのアップグレードは、設定画面もしくは画面左下の「プランをアップグレードする」ボタン(12)からも可能です。
スマホとアプリ(iPhone、Android)での使い方
ChatGPTをスマホで使用する場合、ブラウザとアプリで操作が同じですので、合わせて紹介します。
パソコン版とほとんどの機能が同じですが、スマホの画面でコンパクトに表示するために、初期状態ではサイドバーが表示されていません。このため、サイドバーのメニューを表示したい場合には、左上の二本線(4)をタップしてください。
その他の操作や機能については、パソコン版と同じですが、一部の機能についてはスマホでは使用できませんので、はじめてChatGPTを使うときには、まずはパソコン版をオススメします。
ChatGPTの活用例
ChatGPTの具体的な活用例として、ChatGPTの得意分野を活かしたビジネスや日常生活に役立つ利用方法をご紹介します。
質問に回答する
日常の生活や業務のなかで登場する知らない言葉や専門用語などについて質問すると、ChatGPTが詳しく説明してくれます。何度も繰り返し質問攻めにしても、決して不満な顔をすることなく答えてくれますので、分からないことは何でも質問しましょう。
人に聞くと「自分で調べろ」と怒られそうな質問でも大丈夫です。
ただし、ChatGPTの種類(AIモデル)によって、情報の正確性やリアルタイム性、専門性には違いがありますので注意してください。
SNSやブログの記事作成
X(旧Twitter)やFacebookなどへの投稿や、ブログの記事などの文章の作成は、ChatGPTの得意なことのひとつです。どのような内容の文章を、何文字程度で書きたいのかなどを指示することで、ChatGPTは即座に文章を生み出してくれます。
SNSやブログ記事では、書きたい内容や文字数を指定することで、希望に近い文章が生成されます。
絵文字入りの投稿文が仕上がりますので、そのまま投稿してもChatGPTの文章だとは気づかない人が多いかもしれません。
メールの返信文の作成
個人情報の取り扱いには注意が必要ですが、届いたメールをChatGPTに貼り付けることによって、返信文を作成してくれます。具体的な返信内容については付け加える必要がありますが、ベースとなる文章の作成には向いています。
例えば、次のような指示でメールの本文を貼り付けます。
また、季節の挨拶や、お礼のメール、営業の提案など、ChatGPTへの指示を工夫することによって、さまざまなタイプのメールの作成にも活用できます。
長文を要約する
ニュース記事やレポートなどの長文の内容を大まかに把握したいときには、ChatGPTに長文を要約してもらうと便利です。「200文字以内で要約して」や「箇条書きで3項目に要約して」などと付け加えることによって、お好みの形式で長文を要約してくれます。
約1万2000文字の日本国憲法を「3つの箇条書きで要約」することを依頼すると、以下のような要約が完成しました。
長文の日本国憲法を3項目にまとめるのは大変ですが、要点のみを抜き出した要約になっています。
アイデア出し
ひとりで考えるよりも、誰かと話しながらの方が良いアイデアが出てくることは多いです。職場や家族の話し相手と同じように、ChatGPTを使うことでアイデア出しができます。できるだけ具体的なテーマに限定して相談することで、ChatGPTは具体的なアイデアを数多く出してくれます。
冷蔵庫にある食材を伝えれば、料理のアイデア出しもしてくれます。
詳しいレシピや作り方まで紹介してくれるので、実際に料理して食べることができます。
外国語を翻訳する
ChatGPTは現在、80か国語以上に対応しています。このため、英語をはじめとした世界のさまざまな言語を翻訳することが可能です。Google翻訳やDeepLのような専用ツールと比べると言い回しが気になることもありますが、ChatGPTで翻訳を行うことによって、翻訳文した文章を要約してもらったり、翻訳文を使って文章を書いたりと、次のアクションへと容易に進めることができます。
例えば、リンカーンの有名な演説の翻訳を依頼してみると、即座に日本語に翻訳されました。
ChatGPTのリリース直後は、決して上手な日本語翻訳ではありませんでしたが、最近では綺麗な日本語で翻訳されるようになりました。
英語学習のサポート
ChatGPTの多言語対応を活かすことで、英語の学習に役立てることもできます。英作文を添削してもらったり、英単語を使用した例文を挙げてもらったり、英語のライティングやリーディングの強化にはChatGPTが活躍します。また、長文の穴埋め問題の作成や、間違った問題のリピート学習など、工夫次第ではレベルの高い英語学習にも活用できます。
自分の英語レベルを伝えると、レベルに合わせた英語の穴埋め問題を作成してくれます。
TOIECの文章問題は選択式ですので、しっかりと答えの選択肢も用意されています。
回答の選択肢を選ぶだけでなく、その理由も説明するようにとの英文が記載されています。気軽に問題を出してくれるChatGPT先生ですが、厳しい指導スタイルでもあるようです。
プログラミング学習のサポート
英語と同じく、プログラミングについてもChatGPTの得意分野です。いわゆるプログラミング言語の学習では、専門用語が多く登場するために学習を諦めてしまうケースが多くあります。ChatGPTであれば、分からない言葉や内容を質問することで問題をクリアできるので、プログラミング初心者の方でも安心して学習に取り組めます。
例えば、プログラミング言語のPythonの初心者向けの解説を依頼してみます。
市販のPythonの参考書のような丁寧な解説が始まりました。さらにChatGPTでは質問をしたり、専門用語を深掘りしたりできるので、参考書よりも優れている点も多いです。
画像を作る
ChatGPTに搭載されている画像生成AI「DALL·E」を使って、高品質な画像を作ることが可能です。詳しい指示をすることで、イメージに近い画像を作り出すことができます。また、生成された画像が期待通りでなかった場合には、何度でも作り直すことができます。ただし、画像の生成機能は有料プランのみで、無料プランでは使用できません。
とてもシンプルな依頼文(プロンプト)で、猫の画像を作ってみました。
三毛猫のような猫をイメージしていましたが、少し違うタイプの猫の画像が出来上がりました。でも、この猫もかわいいですね。
画像の分析・文字起こし
ChatGPTに写真やイラストを渡すことによって、写真に写っているモノや文字、イラストのテイストなどを読み取ってもらうことが可能です。この機能を活かせる方法として、画像内の文字起こしが非常に便利です。イベントのポスターを撮影して文字起こしした情報をメモツールに保存したり、外国語の文章を撮影してそのまま翻訳してもらったり、活用方法はさまざまです。
単純な文字起こしだけでなく、画像の内容を読み取って解説してもらうことも可能です。
写真には男性と女性が写っており、どのような服装をしているのかが詳しく説明されています。さらにパソコンなどの卓上の物品についても漏らさずに全てを挙げています。職場の仲間同士であることまで言及していて、驚くべき分析能力です。
データを分析する
ChatGPTはコンピューターのプログラムであるため計算能力に優れています。また、情報を解析して読み解く能力も高いですので、データ分析も得意とするところです。商品の売り上げデータから大まかな傾向を分析してもらったり、アンケートの回答データをもとに顧客満足度を分析してもらったり、本来であれば数時間かかる作業が即座に完了します。
例えば、ある文房具店の3か月の売り上げを提供して、売上予測をしてもらいます。
少ないデータからは読み取れる内容も少ないですが、しっかりと4月の売り上げの予測をしてくれました。さらに詳細なデータを提供することで、分析や予測が可能です。
ChatGPTの注意点
とても便利なツールであるChatGPTですが、使用にあたっては注意しなければならないことがいくつかあります。ここでは特に注意するべき3つのことについて説明します。
古い情報や誤情報が出力される
ChatGPTは、過去に収集された大量のテキストデータをもとに回答を作り出しています。データが更新される頻度には限界があるため、常に最新の情報を正確に反映できるわけではありません。このため、すでに古くなった情報をそのまま提示してしまう可能性があります。また、ChatGPTが学習したデータそのものに偏りや誤りが含まれている場合、誤った回答を作り出すリスクもあります。
ChatGPTを利用する際には、与えられた情報をうのみにせずに、裏付けを取ることが大切です。また、質問が複雑になるほど誤情報が出力リスク増大しますので、質問や指示の方法を工夫することも重要です。
情報漏洩・セキュリティの危険
ChatGPTを利用する際には、情報漏洩の危険性を十分に理解しておく必要があります。入力したデータがChatGPTの学習データの一部として記録される可能性があり、使い方を間違えると個人情報や機密情報が第三者に漏れてしまうリスクがあります。
個人情報や機密情報がChatGPTに記憶されてしまった場合には、情報を削除することが非常に困難です。このため、個人の氏名や住所、電話番号、マイナンバーカードの番号などをChatGPTに入力することは絶対に避けてください。
著作権に引っかかる恐れ
ChatGPTはネット上の膨大なテキストデータから学習を行っているため、著作権で保護された文章や作品に含まれる表現を再生成する可能性があります。もし生成された文章が他者の著作物と極めて類似している場合、著作権侵害を疑われるリスクが発生します。特に営利目的や公開の場でコンテンツを利用する場合には、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあるため注意が必要です。
すでに中国では生成AIで作り出されたコンテンツによって著作権違反の判例が出ています。日本でも現在、生成AIが生成したコンテンツの著作権について議論が行われています。
ChatGPT以外の生成AIは?
ChatGPTと同じく生成AIと呼ばれる対話型チャットツールには、次のようなものがあります。
生成AIの名称 | 開発元 | 特徴 |
Gemini | リアルタイムの検索が可能であることに加えて、Googleのさまざまなサービスと連携できます。 | |
Claude | Anthropic | 生成される文章の美しさや、論理の展開では、ChatGPTを上回るとの評判です。 |
Perplexity | Perplexity | 調査を得意とする生成AIで、Geminiと同じくリアルタイムの検索による情報収集が可能です。 |
Grok | xAI | X(旧Twitter)に組み込まれている生成AIで、Xのポストをリアルに情報収集することが可能です。 |
Meta AI | Meta | Facebookやインスタグラムを運営するMeta社が開発しており、日本では未公開ながらもSNSのコミュニケーションに特化した開発が行われています。 |
Midjourney | Midjourney | 画像生成に特化した生成AIで、Discordというチャットツール上でプログラムが稼働します。 |
ChatGPTの登場以降、生成AIを使ったサービスは次々と登場しています。現在のところ、文章を作る生成AIのなかではChatGPTとGeminiが業界をリードし、新たな技術の開発で競い合っています。