「字幕作業に時間がかかってしんどい」「自動で字幕を作ってくれる機能があれば……」このような悩みを持つ方は多くいます。動画編集作業において、字幕の作成は非常に時間がかかる作業です。音声を聞きつつ字幕を作成し、間違っていないかをその都度確認していると、いつの間にか数時間が経過していた、なんて経験のある方も多いのではないでしょうか?
VrewはAIを活用して精度の高い字幕を作成し、動画編集の時間を大幅に短縮できるツールです。この記事では、Vrewの使い方や利用するにあたって知っておきたい特徴と機能、料金プランなども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Vrewとは
Vrewとは、AIが動画を分析し、テロップや字幕を自動生成できる動画編集ソフトです。AIを活用した高い精度を誇る字幕が大きな魅力となっています。
近年はスマホの普及によって動画制作の需要が高まっています。中でも字幕の挿入は非常に時間のかかる作業です。そうした作業時間を大きく解消できるとして、Vrewは注目を集めています。
Vrewの開発元企業
Vrewの開発元企業は、韓国のベンチャー企業VoyagerX inc.(ボイジャーエックス)です。主に人工知能を使ってサービス開発を手がけている企業で、Vrewの他に以下のソフトも提供しています。
- vFlat:キャプチャ画像をPDFやJPGに変換できるスキャンアプリ
- VOC STUDIO:VOC(Voice Of Customer)の分析アプリ
AIを活用したサービスを中心に展開している点が特徴です。危険性について心配なユーザーも多いと思いますが、AIを使ったサービスに関して豊富な経験のある企業といえるでしょう。
Vrewの特徴
Vrewには、以下のような特徴があります。
- 無料で利用できる
- 直感的な操作で使いやすい
- AIの音声読み上げ機能がある
- 音声認識精度が高い
特に嬉しいのが、無料プランでも動画編集ができる点です。多くの動画編集ソフトの場合、無料トライアルという形で一定期間のみ利用できますが、期間を過ぎると利用できなくなってしまいます。Vrewでは無料プランでも使用期間なく使えるため、コストがかからないという大きなメリットがあります。
また、無料ながらWindows・Macの両方にも対応している点も魅力です。アプリを使えばスマートフォンでも動画編集ができるので、パソコンを持っていない方でも使えます。
直感的に操作できるため、動画編集が初めてでも迷うことなく活用できるでしょう。AI機能と合わせて、初心者でもクオリティの高い動画を作成できるツールです。
Vrewの機能
Vrewには様々な機能が搭載されています。以下の表を見てみましょう。
- 動画の読み込み
- カット編集
- ジェットカット
- 字幕挿入
- AIを使った字幕分析
- 字幕の書式・デザイン変更
- フリー画像の挿入
- BGMの挿入
- 無料フォント
- AI音声の挿入
- 動画の拡大・開店
- テキストからの動画作成
- 要約動画の作成
- アニメーション挿入
Vrewの動画編集機能は一通り揃ってはいるものの、できることは最低限です。字幕やBGMをつけたり、不要な部分をカットしたりといった編集しかできないため、凝った動画を作りたい場合は別のソフトを使う必要があります。
動画編集はやっている内に凝った編集をしたくなるものです。Vrewでは物足りないと感じた場合は、別の動画編集ソフトと併用すると良いでしょう。
Vrewを使って字幕編集をするメリット
Vrewを使うにあたって、どのようなメリットがあるのか気になる方もいるでしょう。Vrewを使うと、他の動画編集ソフトでは得られない以下のメリットを体感できます。
- 直感的な操作ができる
- 自動で字幕を生成できる
- プランが豊富なので自分にあった使い方ができる
動画編集は、どれだけそのソフトに慣れているかで効率が大きく変わります。動画投稿者それぞれがお気に入りのソフトがあるのは、使い慣れているソフトが最も効率的に編集できるためです。
ですが、ソフトに慣れるのには時間がかかります。UIもソフトによって異なるため、最初のうちは10分の動画の編集に10時間以上かかることもザラです。
Vrewは直感的な操作ができます。UIも非常に見やすいため、初心者でも迷わずに動画編集が可能です。テキストデータを入力するような感覚で使えるのもあって、迷う暇がないでしょう。
他のソフトと違ってプランも細かく設定されており、自分に合った使い方ができます。動画編集が初めての方ほど、使いやすいソフトです。
Vrewでできること
Vrewには豊富な機能が搭載されています。機能を活用すれば、以下のような使い方ができるでしょう。
- 短時間で字幕を入力する
- ショート動画を毎日投稿する
- テキストから動画を作る
- 無音部分をジャンプカットする
- 原稿を読み込ませて動画の字幕に出力する
- 海外向けに翻訳字幕をつける
- 顔出しせずにキャラクターをつけて動画を作る
- スマホで撮影した動画をパソコンで取り込む
動画を作成・投稿で大きな時短が可能です。特に字幕作業は時間がかかるので、サムネイルの作成やアナリティクスの分析に時間が割けないという方にとって、有効的な活用方法になるでしょう。
また、身バレ防止のためにキャラクターをつけて動画を作れるのも嬉しいポイントです。VTuberほどではありませんが、アニメ調のキャラクターを使って動画投稿ができます。Vrewを活用することで、動画を使って様々な表現ができるようになるでしょう。
Vrewの料金プラン
Vrewには4つの料金プランがあります。以下の表を見てみましょう。
プラン名 | 月額定期購読 | 年間定期購読(20%割引) | 期間利用権 |
---|---|---|---|
Free | 0円 | 0円 | 0円 |
Light | 1,090円 / 月13,080 / 年 | 867円 / 月10,400 / 年 | 13,080円 / 年 |
Standard | 1,990円 / 月23,800円 / 年 | 1,583円 / 月19,000円 / 年 | 23,880円 / 年 |
Business | 4,490 / 月53,880円 / 年 | 3,583円 / 月43,000円 / 年 | 53,880円 / 年 |
Freeプランは無料でずっと使えるプランのため、Vrewが気になる方は、まず無料プランをお試しで使ってみることをオススメします。使いやすいと感じたら、Lightプラン以上に変更すると良いでしょう。使える機能も増えるため、編集の幅が大きく広がります。
また、料金プランは月払いよりも年払いの方が20%お得です。長期的に使うほどコストがかからないので、長期利用を決めた時点で支払い方法を変更すると良いでしょう。
法人はビジネスプランのみ利用可能
法人がVrewを利用する場合、ビジネスプランのみ利用可能です。以前は5人未満の企業・機関・団体で全てのプランを利用できましたが、2023年7月5日以降、不可能になりました。新規でVrewを使う場合は、ビジネスプランを利用しましょう。
ただし、2023年7月4日以前からライト・スタンダードプランを使っている法人に関しては、そのまま使って大丈夫です。少しややこしいので、法人の方は注意してください。
Vrewの始め方
Vrewを始める際は、以下の順番で進めてみましょう。
- Vrewの公式サイトにアクセスし、右上にある「ダウンロード」か真ん中の「無料ダウンロード」をクリック
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、インストール
- 利用規約・個人情報処理方針を確認して、「同意して始める」をクリック
- デモ動画を確認して利用を始める
- Vrewに会員登録をしてソフト上でログインをする
- 左上の「新規で作成」をクリックし、「PCからビデオ・オーディオを読み込む」をクリック
- 編集したい動画を選んでVrewに読み込む
以上の流れで動画を読み込めます。5分とかからずにできるでしょう。
Vrewの使い方
Vrewの使い方を編集別に解説します。
字幕(テロップ)の追加・修正
Vrewは動画を読み込むと自動で字幕を作成してくれます。作成された字幕(テロップ)を追加・修正する際は、以下の手順に従って進めてください。
- クリップ下部の字幕入力項目をクリック
- 字幕を入力
非常に簡単な操作で字幕を変更できます。
AIが分析しているので、精度が非常に高いとはいえ完璧ではありません。細かい部分まで確認し、字幕に間違いがないようにしましょう。
翻訳字幕の追加・修正
Vrewを使って多言語の字幕を作る際は、翻訳字幕をつけたい動画を読み込んだ後に、以下の手順に従って進めてください。
- 「字幕」タブをクリックし、「翻訳字幕を追加」を選択する
翻訳字幕を追加する前に、必ず誤字脱字チェックを終わらせておきましょう。翻訳時に影響が出てしまうので、大切なポイントです。
- 「現代字幕の言語」を今使われている言語にし、「翻訳字幕の言語」を翻訳したい言語に変える
- 翻訳言語を選択できたら、「翻訳する」をクリック
- 修正したい場合は、メニューの「再翻訳」をクリックし、同じ操作で翻訳する
以上の流れでできます。数分もあれば字幕を多言語に翻訳できるでしょう。もし英語や韓国語など複数の言語に翻訳したい場合は、エクスポート時に以下の手順で進めてください。
- 右上の「エクスポート」ボタンをクリックし、「字幕ファイル」を選択
- 「基本字幕」と「翻訳字幕」を選択
- 「自動翻訳」をクリックし、翻訳したい言語を選択
- 翻訳したい言語が決まったら「エクスポート」を選択
こちらの方が効率的に出力できますが、動画を確認しながら編集できないデメリットもあります。1つずつ確認しながら動画を出力したい場合は、先に紹介した翻訳字幕の追懐方法で調整しながら出力しましょう。
BGMの追加
VrewでBGMを追加する際は、挿入したい動画を読み込んだ後に、以下の手順に従って進めてください。
- 「挿入」タブをクリックし、「BGM」を選択する
- BGMを挿入したい範囲の動画ブロックを選択(全体に挿入も可能です)
- 右側に開かれたBGMのパネルから、使いたいBGMを選択する(視聴も可能です)
- 「挿入」するのボタンをクリック
- 挿入されたBGMのスピーカーアイコンをクリックし、ボリュームを調整する
挿入したBGMの適用範囲は、挿入後も調整が可能です。後からでも修正できるので、とりあえず入れたい箇所を選択する形で良いでしょう。
また、ボリューム調整の際はなるべくイヤホンでの確認をオススメします。電車内などイヤホンで動画を視聴する方も多いため、同じ環境で音量を調整する方が快適に視聴できるボリュームにできます。
AI音声の読み上げ追加
VrewはAIが入力した文章を読み上げてくれます。VOICEROIDと同じような感覚で使えるので、肉声を使いたくない方にオススメの機能です。以下の手順で使ってみましょう。
- 左上の「新規で作成」をクリックし、「AI音声で始める」をクリッック
- 読み上げて欲しい文章を入力する
以上で読み上げる文章を追加できます。音声を変えたい場合は、キャラクター名前の横にある三本線をクリックすれば、以下の中から好みのキャラクターを選べます。
それぞれ特徴が異なるので、動画の雰囲気に合ったタイプの声を選びましょう。
PDFからの動画作成
PDFから動画を作成する際は、以下の流れで進めてください。
- 左上の「新規で作成」をクリックし、「スライドから動画を作成」をクリック
- 動画化したいPDFをドラッグ&ドロップする
- PDFの読み込みが終わったら、動画内のナレーション用のAIを選択する
- 出力されたテキストに問題がないか確認・修正する
- 編集が終わったら「エクスポート」を選択して動画を出力する
PDFさえあれば簡単に動画を作成できます。BGMも挿入できるため、元がPDFとは思えない動画にできるでしょう。
音声に合わせてキャラクターを動かす
動画にキャラクターを出して音声に合わせて喋らせる場合は、以下の手順で進めてください。
- 右上の「新規で作成」をクリックし、「テキストからビデオを作成」をクリック
- 動画のサイズを選ぶ
- 動画スタイルを選ぶ
- 動画でキャラクターに喋らせたい台本を作る(今回は仮で入力しています)
- キャラクターが喋るクリップを選択し、「Ctrl+k / Command + k」でマーカーを入れる
- クリップすぐ上に表示される「音声修正」をクリックし、キャラクターの音声AIを選択する
- 喋らせたいキャラクターの数だけ2~3を繰り返す
- 「挿入」タブをクリックし、「キャラクター」を選択する
- 喋らせたいキャラクターを選択する
- プレビュー画面に表示されたキャラクターの位置や大きさを調整する
- マーカーアイコンをクリックし、キャラクターの名前を変える
- マーカーを全体選択し、キャラクター画像を貼り付ける
- 別キャラクターのマーカーがついた1番上のクリップを選択し、9と同じ操作でキャラクター画像を貼り付ける
- プレビュー画面でキャラクターをクリックし、「口の動き」をクリック
- 「音声分析に合わせて口を動く」のチェックを外す
- 口が動かなくなったキャラクターをコピーして、別キャラクターのマーカーを選択し、一覧を開く
- 9と同じ操作でキャラクター画像を貼り付ける
以上の操作で、自分が喋る部分では口が動き、喋らない部分では口が動かなくなります。ゆっくり動画のような動画を作りたい場合は、こちらの方法で作成してみましょう。
テンプレートを使ったショート動画の作成
Vrewではテンプレートを使ってショート動画を簡単に作れます。以下の流れで進めてみましょう。
- 左上の「新規で作成」をクリックし、「テンプレートでショート作成」をクリック
- お気に入りのテンプレートを選ぶ
- 字幕の書式と追加したい素材を選ぶ
- プレビューを確認しながら動画を編集する
以上の流れで完成します。プレビュー画面を縦表示にしてくれているので、非常に編集しやすいでしょう。
動画ができたら、エクスポートを選んで出力すればOKです。テンプレートを使うため、従来のソフトよりも短い時間で作成できます。
Vrewを使う際の注意点
Vrewは非常に便利なソフトですが、使う際には注意したいポイントがあります。どのような部分なのか、詳しく見ていきましょう。
読点と句点には対応していない
Vrewの音声認識精度はとても高いのですが、読点(、)と句点(。)には対応していません。自分で打つ必要があります。こうした点は他の音声認識ソフトでも同じなので、自分で打つようにしましょう。
打つのが手間な場合は台詞の中で「てん」「まる」と言えば認識してくれますが、少々手間です。思うように喋れなくなるので、出力できないものと考えて編集時に好きな場所へ句読点を打つとスムーズに編集できます。
Vrewを商用利用する際のポイント
Vrewは商用利用もできるため、PRや採用時の合同説明会に使う動画を作る際にも重宝します。従来の動画編集よりも短い時間で動画を作れますが、一方で商用利用の際に覚えておきたいポイントもあります。
どのようなものか、詳しく見ていきましょう。
Vrewで映像制作したことを言及する
Vrewを使って制作した映像を公開する場合、Vrewを使ったとわかるように提示しましょう。動画に入れ込むか、以下の文章を動画の概要欄に入力する形でOKです。
「この動画はVrewを使って編集しています」
ただし、AI音声に関しては表記する必要はありません。Vrewを使って編集しているかどうかで判断してください。
無料プランではウォーターマークが入る
Vrewは無料プランでも商用利用ができますが、ウォーターマークが必ず挿入されます。ウォーターマークとは、画像や動画、文書などのデジタルコンテンツに対して、著作権や所有者情報を示すために埋め込まれるロゴやテキストのことです。無料プランでは、Vrewというロゴが必ず動画内に表示されます。
ウォーターマークは有料プランなら削除可能です。ロゴを削除する場合は有料プランに加入しましょう。
Vrewで提供している機能は全て商用利用可
Vrewではソフト内で提供されているBGMや画像、デザイン字幕といった全ての素材を商用利用できます。自分で素材を探す必要がないため、動画制作の時間を大幅に削減可能です。
商用利用可能な素材を探す時間は、動画制作の中でも大きなウェイトを占めます。Vrewならば、既に商用利用できる素材を使えるため、制作にかかる時間を大きく短縮できるでしょう。
Vrewの使い方についてのよくある質問
Vrewを使う際、多くの方が抱く疑問があります。ここからはそうした質問について見ていきましょう。
収益化目的でYouTubeにアップできる?
Vrewを使って編集した動画を、収益化目的でYouTubeにアップすることは可能です。提供している画像や動画も、出所表記不要で使用しても収益化には問題ありません。
ただし、以下の点には注意する必要があります。
- 素材の著作権は、素材を制作した著作者にある
- 他の動画サイトで配布したり販売したりできない
- フリー画像を抽出してイメージのみを配布してはいけない
- モデルがいる写真は、その人物を不適切 / 不快に表現したり誹謗中傷したりしてはいけない
- ギャンブル / 静的な商品 / 暴力 / その他公序良俗に違反するコンテンツに使用してはいけない
- 観光地や公共の建物が映っている場合は、商標権を侵害しない範囲内でのみ商用利用が可能
商用利用可能とはいえ、著作権やコンテンツでの使用には一部制限があります。使用する動画が抵触していないかどうかは、公開する前に必ず確認しましょう。
Vrewは無料で何分まで使えますか?
Vrewは動画編集など基本的な部分は無料で使えますが、AIの音声分析のみ120分の使用制限があります。毎月1日に使用量がリセットされるため、120分を超過した場合は有料プランに移行するか次月になるまで待たなければいけません。
120分と聞くと多いように感じますが、トータルで考えると短い時間です。例えば10分の動画を作った場合、12本で到達します。YouTubeで毎日投稿しようと考えた場合、半月近く足りない計算です。
まずは実際にVrewを触ってみて、もっと使いたいと感じたら有料プランへの移行も考えてみると良いでしょう。
Vrewの文字起こしの精度は?
Vrewの文字起こしの精度は、約95%に達します。専門用語や固有名詞もしっかり認識してくれるため、正確な文字起こしが可能です。
また、音声認識の精度も高く、周囲の雑音や話者のアクセントにも対応しています。カフェのような騒がしい場所でも問題なく文字起こしできます。100カ国語以上に対応しているため、グローバルな場面でも活用できるでしょう。