「Lyria 3.5」がGemini全ユーザーに開放された
Google DeepMindが9月4日に音楽生成AIモデル「Lyria 3.5」を公開した。Lyriaシリーズの最新版でGeminiアプリの全ユーザーがWebとモバイルの両方から使える。同社は「これまでで最高音質の音楽生成モデル」としている。
プロンプトを入力するとボーカル入りの楽曲を丸ごと生成する。歌声入りの曲を作れるAIモデルは限られていたがLyria 3.5でGeminiが対応した。画像を渡してその雰囲気に合った曲を作ることもできる。出力は44.1kHzのステレオ音声だ。従来モデルより表現力の高いボーカルとアレンジが出るようになった。

Geminiアプリ・Flow Music・APIの3ルートで使える
使い方は3通りある。1つ目はGeminiアプリだ。全ユーザーがWebでもモバイルでも使える。チャット画面で「こういう曲を作って」と指示するだけで曲が出てくる。Googleアカウントがあればすぐ始められる。
2つ目はGoogle Flow Musicだ。クリエイター向けに用意された環境で曲の管理や編集ができる。3つ目はAPI経由の利用だ。Google AI StudioとGoogle Vidsから呼び出せる。たとえば動画編集ツールに「BGMを自動生成」ボタンを付けるような組み込み方ができる。
Lyria 3.5の3つの使い方
| ルート | 対象 | できること |
|---|---|---|
| Geminiアプリ | 全ユーザー | Web・モバイルでプロンプトから曲を生成 |
| Google Flow Music | クリエイター | 曲の管理・編集・公開 |
| API(AI Studio / Vids) | 開発者 | 自分のアプリに音楽生成を組み込む |
動画BGMやジングルを外注なしで作れるようになった
Googleが想定する用途は動画BGM・ブランドジングル・着信音だ。営業資料の動画に音楽を付けたいが素材サイトで探す時間がないときにも使える。素材サイトの楽曲はライセンス条件の確認に手間がかかることも多い。自前で生成すればその手間が減る。
AInformationが調べた494本のAIツールのうち音楽生成に対応しているのは18本ある。専用サービスに登録しなくても既に使っているGeminiアプリから試せるのが他と違う点だ。新しいアカウントを作る手間がないので社内で音楽AIに初めて触れる人のハードルが下がった。

ジャンルとBPMから指定すると狙った曲に近づく
指定できる要素は7つある。ジャンル・楽器・BPM・キー/スケール・ムード・曲の構成・長さだ。全部を一度に指定する必要はない。プロンプトは具体的に書くほど狙いに近い曲になる。
まずジャンルとBPMだけ入れて1曲生成してみるのがよい。出てきた曲を聴いてから楽器やムードを足していくと狙いに近づきやすい。タグやタイムスタンプを使えば曲の途中で展開を変える指示も出せる。たとえば「イントロはピアノだけで30秒からドラムが入る」のような構成の指定ができる。
テキストの代わりに写真を渡す方法も使える。商品写真やイベントのチラシを入れるとその雰囲気に合った曲が出てくる。BPMは120前後がポップスの標準でバラードなら60〜80あたりから始めると作りやすい。
AInformation調べ音楽を作るAIツールはいくらで使えるか
| ツール | 月あたり | 無料 |
|---|---|---|
| GeminiGoogle AI プラン最安 | 725円/月Google AI Plus | ○ |
| ElevenLabs | $6/月スターター/約937円 | ○ |
| LALAL.AI | 1,185円/月Lite/年払い | ○ |
| Suno | 1,200円/月Pro プラン | ○ |
| Adobe Firefly | 1,580円/月Firefly Standard | ○ |
| SOUNDRAW | 1,650円/月Creator | × |
| Moises | —有料プラン | ○ |
| Soundful | $4.99/月Plus/約779円/画面は英語 | ○ |
2026年9月6日時点でAInformationが調べたもの。金額はそのツールを使える一番安い有料プランの月あたり。音楽を作るAIツール18本のうち、日本円で払えるのは5本、無料で試せるのは13本。外貨は1ドル156.2円で換算
- BPM
- Beats Per Minuteの略で1分間の拍数を表す。120BPMならポップス標準の速さで60BPMならバラード寄りになる
音楽生成AIは専用サービスに登録して使うものだったが「いつものGeminiアプリ」で済むようになった点が大きい。新しいアプリを試す手間がないので初めて音楽AIに触れる人が一気に増えるかもしれない。ただし商用利用の条件や生成物の権利関係はまだ明確でない。仕事で使うなら利用規約を確認してから始めたい。品質は実際に試さないとわからないので手元で動かしてから判断したい。
- Lyria 3.5はどの端末で使えるか
- GeminiアプリのWeb版とモバイルアプリの両方で使える。世界中の全ユーザーが対象だ。API経由ならGoogle AI StudioまたはGoogle Vidsから呼び出せる。クリエイター向けにはGoogle Flow Musicという別の入口もある。
- ボーカル入りの曲を作れるのか
- 作れる。Lyria 3.5はボーカル入りの楽曲をプロンプトから丸ごと生成する。従来モデルより表現力の高いボーカルが出せるようになった。出力は44.1kHzのステレオ音声だ。
- プロンプトには何を書けばいいのか
- ジャンル・楽器・BPM・キー/スケール・ムード・曲の構成・長さの7つを指定できる。全部を一度に指定しなくてよい。まずジャンルとBPMだけ入れて試し出てきた曲を聴きながら条件を足していくのが早い。画像を渡して雰囲気に合った曲を生成することもできる。
この記事の出典
補助資料
- [1]PC Watchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月8日
