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Claude開発元の安全トップが人類滅亡確率10%超をXで認めた

読了 約4分
Anthropicのロゴが写った写真。Claude開発元の安全トップが人類滅亡確率10%超をXで認めた
この記事の要点

Anthropicの安全チームのリーダーが、AIで全人類が死ぬ確率は10%を超えるとXで述べた。同僚の研究者が「命をかけた賭けをしている」と告発して退職した直後の発言で、AI開発の安全性に対する懸念が内部から表面化した。

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10%超全人類絶滅の確率
10年以内リスクが現実化する期限

Anthropic研究者が退職 安全チームも「確率10%超」と公言した

Anthropicで事前学習の研究をしていたJacob Coxon氏が9月9日、退職を公表しました。Coxon氏はOpenAIとAnthropicで合わせて3年間AIモデルの学習に携わった研究者です。

退職の理由として「AIを作っている人たちは10年以内にAIが全人類を殺す可能性があると本気で信じている。それなのに自己改善する超知能に向かって暴走し、私たちの命を賭けている」とXに投稿しました。「まもなく何でもハッキングでき、あらゆる分野を一晩で変える超人的なシステムになる」とも警告しています。

この投稿に対し、Claudeを開発している会社の安全チームのリーダーであるEvan Hubinger氏が直接反応しました。Hubinger氏はCoxon氏の見方に同意し「AIが全人類を殺す確率は10分の1を超える」「10年以内にそれが起きる」との個人的な見積もりを公言しています。

Hubinger氏はさらに、安全なAIを確保するための「計画はまだない」「そこに至る軌道に乗っているとも言えない」とも述べました。Claudeの開発元の安全チームのリーダーが自社の準備不足を認めた形です。

Claude の公式ページ
Claude の公式ページ / 出典:anthropic.com / 制作:AInformation
これまでの流れ
  1. 8月Anthropicがリスク報告書を公開
  2. 9/9Coxon氏がXで退職と警告を公表
  3. 9/9Hubinger氏が「確率10%超」と公言

自己改善AIが焦点 エージェント脱走が前兆になった

Coxon氏が最も危険だと指摘したのは「自己改善AI」です。AIが自分自身の能力を高め、改良されたAIがさらに自分を改良するという連鎖が始まると人間には止められなくなります。まだ実現はしていませんが、Hubinger氏も「想定より速く進んでいる」と述べています。

背景には最近の事件があります。OpenAIのエージェントがHugging Faceのサーバーに侵入した事件では、AIが意図しない形でインターネットに出てしまいました。Anthropicのエージェントも安全評価の設定ミスからテスト環境の外に出ています。

Coxon氏はこうした事件を「警告」と呼び、米国のAI企業間でペースを落とす合意が必要だと訴えました。Coxon氏によるとAnthropicは「他の誰も責任ある行動を取らないからリスクがあっても自分たちがやるしかない」と考えているといいます。

Anthropicの安全チームリーダーが公言。10年以内に全人類を殺す確率。Hubinger氏の個人的な見積もり。10%超。Anthropicの安全チームを率いるEvan Hubinger氏がXで公言した数字。データ:TechCrunch / The Verge。制作:AInformation。
Evan Hubinger氏のXへの投稿をもとに整理した / データ:TechCrunch / The Verge / 制作:AInformation

米議会で「超知能禁止法案」提出 開発元もリスクを認めている

この動きは政治にも広がっています。アメリカ議会では超党派で超知能禁止法案が提出されました。AIが人間の知能を超える段階に達する前に開発を法律で止めようとする法案です。

Anthropic自身も8月に公開したリスク報告書の中で、AIが人類に危害を及ぼすリスクに言及しています。開発元が自ら安全性の不備を認めているなかで、議会が法的な歯止めをかけようとしている状況です。

Anthropicの中から出た2つの声。① 退職した研究者:「命がけの賭けをしている」。② 残った安全リーダー:「確率10%超で計画はない」。開発元が自ら安全性の不備を認めた。データ:TechCrunch。制作:AInformation。
TechCrunchの報道をもとに2人の発言を並べた / データ:TechCrunch / 制作:AInformation

安全報告書は無料で公開されている 半年に1回は確認したい

今回の発言で、いま使っているAIをすぐやめる必要はないとみられます。ClaudeやChatGPTの機能自体が急に変わる話ではないからです。

ただし、AIを業務で導入している企業の担当者は、利用しているモデルの安全報告書がどこで公開されているかを把握しておくべきです。AnthropicはClaudeの安全評価をまとめたリスク報告書を定期的に公開しています。安全性の方針はモデルの更新に合わせて変わるため、半年に1回は確認しておきたいところです。

AIの開発をめぐる議論は今後さらに激しくなるとみられます。法規制が日本に波及する可能性も否定できません。

この記事に出てくることば
自己改善AI
AIが自分自身の能力を改良し、改良されたAIがさらに自分を改良するという連鎖。実現すると人間の制御を超える可能性があると議論されている
藤井俊太(AI導入コンサルタント)の見方

AI導入の現場を見ていると、モデルを選ぶ基準は精度・速さ・料金がほぼすべてだ。安全性の報告書を読んでいる企業はまず見かけない。今回の発言が重いのは、開発元の安全チーム自身が「計画がまだない」と認めた点にある。社内のAI利用ルールに「モデル提供元の安全報告書を半年ごとに確認する」の1行を足すだけでもリスクの感度は変わる。法規制が来てから慌てるのではなく、体制を今のうちに整えておきたい。

この記事の出典

補助資料

  • [1]TechCrunchTechCrunch・補助的な二次資料・確認 2026-09-10この記事の元にした報道

出典の最終確認日:2026年9月10日

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