ChatGPTでできることを解説!回答精度を上げる方法や注意点もチェック

ChatGPTでできることを解説!回答精度を上げる方法や注意点もチェック

AIの発達と共に、年々注目されているのが「ChatGPT」です。今や公的機関や大企業がChatGPTを業務に取り入れており、ビジネスやプライベートで使いこなしている方も珍しくありません。一方でその独特の使い方から、使いこなすのが難しくそうと感じている方もいるでしょう。今回はChatGPTでできることから、日常生活や仕事での活用方法について解説します。合わせて使いこなすのに必要なプロンプトの書き方や使用時の注意点についても紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。

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AI導入コンサルタント

藤井俊太(Shunta Fujii)

AIのスペシャリストとして、最新のAI情報を常にキャッチ、アップデートしている。自らもAI導入コンサルタントとして活動し、主に生成AIを駆使した業務効率化、生産性向上、新規事業開発を行なっている。
AIの総合情報サイト「AInformation」は、AIに関する専門的な情報やサービス・プロダクトを解説、紹介するWebメディア。AIの専門家集団の編集部がAIの活用法、最新ニュースやトレンド情報を分かりやすく発信していいます。藤井俊太のプロフィール

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目次

ChatGPTは対話型の言語処理モデル

人工知能を研究するOpenAI社が、2022年にリリースしたChatGPTは、対話型の生成AIサービスです。文章を入力すると、AIがその内容を読み込み、会話形式で回答します。予め膨大なデータを学習しているので、まるで人間と会話しているような、精度の高いやりとりが特徴です。

ChatGPTはリリース後5日間でユーザー数100万人を突破するなど、リリース直後から注目を集めました。現在は多くの企業に導入され、全世界のユーザー数は2024年4月時点で約1億8,000万人を超えています。

ChatGPTは現在も進化中。また有料版「GPT-4 Turbo」もあり、回答処理や入力文字が格段に増加し、画像や音楽の生成も可能です。また拡張ツールと組み合わせることで、より高度な処理ができるようになっています。

ChatGPTでできること5選

ChatGPTはさまざまな場面で使用できます。今回はその一部を紹介します。

  • 情報の収集
  • 文章の要約・作成
  • プログラミング
  • データの集計・整理
  • 相談やアドバイス

情報の収集

ChatGPTは、インターネット上にあるさまざまな情報を持っています。そのため、インターネット上にある情報であれば、情報をまとめて収集・提示することが可能です。とくにChatGPTは質問に対してピンポイントで答えてくれるため、知りたい情報を端的に教えてくれます。また提示された回答に対して深堀りもできるので、調べものに便利です。

普段の検索で必要な、「検索結果に表示されたサイトを1つずつ開いて、目的の情報を探す」という手間がなくなるので、効率的に情報収集できるでしょう。また検索結果に派生してさらに調べたい場合も、ChatGPTを使えば1ページで検索が済みます。

文章の要約・作成

ChatGPTは文章の要約が得意で、とくに論文のような長文や外国語の文章を端的に理解したい時に重宝します。有名な小説であれば、要約も可能です。ただし外国語に関しては、現在100以上の言語に対応していますが、高度な文章を完全に理解できるのは主要10言語だけです。日常会話以外の文章を訳したい場合は、対応言語を確認してから使用してください。

さらにChatGPTは自然な文章が作成できます。先述した情報収集の機能と組み合わせて使えば、多くの場面で的確な文章を作成してくれるでしょう。メールや挨拶文など、書き方にマナーがある場合でも対応してくれます。

プログラミング

ChatGPTは文章だけでなく、プログラミングにも活用できます。プログラムの生成はもちろん、記述したコードの一次的なバグチェックも可能です。指示をすれば修正案も提示してくれるので、うまく使えば効率的にコードを組めます。ただし実際に機能するかは実装してみないとわからないので、必ずテスト環境で確認してください。

データの集計・整理

ChatGPTはExcelでおこなうようなデータ整理も向いています。Excelだと複雑な計算式を組んだり、フォーマットを整えたりする必要がありますが、ChatGPTは要件を伝えるだけで、基本的なデータ集計・整理が可能です。表を作ったり、グラフを生成したりすることもできるので、文章作成と組み合わせて、資料作成もできます。

相談やアドバイス

ChatGPTの一問一答形式を活用して、相談や壁打ちが可能です。仕事の話はもちろん、人間関係の悩みのような、プライベートな話も一般的な内容であれば相談できます。自分の思考を整理したり、新しい考え方を提案してもらったりと、問題解決への第一歩をサポートしてもらえるでしょう。

ChatGPTができないこと3選

万能そうに見えるChatGPTですが、できないことが3つあります。

  • 最新情報の提示
  • 未来予測
  • 専門性の高い知識や人間の深層心理に関する事項

最新情報の提示

まずChatGPTはリアルタイムの情報を提供することができません。アップデートで情報量を増やしていますが、現時点で最新モデルがようやく2023年のデータを学習したところです。情報やデータを収集する場合は留意し、必要があれば公的機関の情報を参照してください。

未来予測

ChatGPTは過去のことを教えてくれますが、未来予測は不可能です。未来予測をしたい場合は、予測に使われる統計分析ができるツールを使用しましょう。

専門性の高い知識や人間の深層心理に関する事項

ChatGPTはインターネット上の情報を学習しているため、医学や法律などの専門性の高い情報やパーソナライズされた情報は扱っていません。AIは人間の深層心理まで理解できないので、例えば一般的な恋愛の相談はできますが、個人情報を伴う具体的な恋愛相談は対応不可です。

ChatGPTを活用できる7つの場面

ChatGPTを仕事やプライベートで活用する例を7つ紹介します。

メールや資料の作成

AI総研「ChatGPTでのビジネスメール作成のプロンプト例|コツも紹介」https://metaversesouken.com/ai/chatgpt/mail-prompt/

ChatGPTの文章生成を使えば、ビジネスメールや資料の作成が可能です。例えば取引先への謝罪メールやお祝いの挨拶は、ビジネスメールの中でもかなり気を遣って作成するもので、苦手とする方も多いでしょう。このような文章もChatGPTを活用すれば、すぐに雛型を作成してくれます。英語のメールにも対応可能なので、私もお祝いなど、決まり文句がある場合に重宝しています。

また分析を伴う資料や業務マニュアルのような、作成に時間がかかる書類も効率よく作成できます。表やグラフの生成も可能なので、視覚的な情報も資料に盛り込むことが可能です。

マーケティングや営業のサポート

SATORI「ChatGPTをマーケティング分野で活用する16の方法&プロンプト例」
https://satori.marketing/marketing-blog/chatgpt-marketing/#1.%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%BB%E6%88%A6%E7%95%A5%E4%BC%81%E7%94%BB%E7%AB%8B%E6%A1%88%E3%83%BB%E5%88%86%E6%9E%90

マーケティングや営業活動において、ChatGPTは競合調査や分析、企画出しなどの業務をサポートできます。これらの業務では、とくにレポートやプレゼンテーションの準備に時間も手間もかかります。AIの機能を活用して自動化できるところを増やすと、より深い分析や折衝のような、本来リソースをかけたい業務に時間を割けるでしょう。

さらに文章作成機能を活用して、メールマガジンやプレスリリースの作成もできます。指示をうまくおこなえば、公式文書にふさわしい硬い文章はもちろん、SNSで使われるような親しみやすい文章も作成可能です。自分が書いた文章を校閲するのもよいでしょう。ただしインターネット上の情報を参照しているので、情報元の確認や出された文章のブラッシュアップは必要です。

壁打ち相手として活用

AI総研「ChatGPTのおすすめ活用法10選|壁打ち~創作活動まで」https://metaversesouken.com/ai/chatgpt/recommended-uses/#i-2

仕事やプライベートで煮詰まったときに、ChatGPTは壁打ち相手になってくれます。壁打ちは頭がスッキリするので、優秀なビジネスパーソンは専門のメンターをつけることもあります。しかし人に説明したり、相談に対して提案したりするのは、素人にはなかなか難しいです。

しかしAIは人に話しにくい内容でも話しやすいのが強みです。対面だと緊張するという方も、顔が見えないChatGPTなら相談しやすいかもしれません。

また文章にまとめることで、客観的に物事をとらえられるのもポイントです。AIから考えの見える化や論点整理、一般的な考え方を知ることで、新たな気づきを得られるでしょう。

語学学習での話し相手

Business insider Japan「ChatGPTではじめる「時短」英語学習。自分だけの英会話講師を作るには?」https://www.businessinsider.jp/post-280798

ChatGPTは主要言語に対応しているため、語学学習にも活用できます。とくに自然な表現を学んだり、言い方の幅を増やしたりするのに適しています。またChatGPTと会話できるため、外国語でのロールプレイが可能です。ChatGPTに具体的なシチュエーションを伝えることで、実践的な学習ができます。1人での学習では習得が難しい、外国語を話す練習に最適です。

創作活動のアイデア出しとチェック

AI総研「ChatGPTのおすすめ活用法10選|壁打ち~創作活動まで」https://metaversesouken.com/ai/chatgpt/recommended-uses/#i-2

ChatGPTは、作詞や小説のプロットも作成可能です。展開を提案してもらったり、校閲をしてくれたりと、創作活動のサポートをしてくれるでしょう。拡張ツールを組合せて使えば、画像や音楽制作も可能です。また分析処理を活用して、自分の作品を分析・比較することもできるでしょう。ただしChatGPTの生成結果をそのまま使うと、著作権に触れる可能性があるため、必ずアレンジをしてください。

実際に2024年に芥川賞を受賞した九段理江氏の「東京都道場塔」は、一部の文章をChatGPTで作成されたことを公表しています。

旅行プランを立てる

WEEL「ChatGPTを使って一泊二日の東京旅行のプラン考えてみた!」https://weel.co.jp/media/innovator/chatgpt-travel/#index_id2

旅行プランを立てる時、移動にかかる費用や飲食店、観光施設の時間、お土産情報など、さまざまなことを調べますよね。ChatGPTを活用すれば、これらを一括して調べ、最適な旅行プランを提案してくれます。行きたいところは全部行きたいというわがままにも、答えてくれるでしょう。

実際、私は一人旅をする時によく使っています。自由な一人旅だからこそ、手段や予算が限られている場合は、事前に綿密な計画が必要です。季節に合わせた服装や、その国のマナーなども確認できるので、ガイドブック代わりに使えます。

毎日の献立を考える

家庭構成に関わらず、家事の悩みの1つが毎日の献立。節約のため、1週間の献立を考えてから買い物に行く方も多いですが、冷蔵庫の中身を考慮しながら、飽きないように献立を考えるのは労力が要ります。しかしChatGPTに頼めば、レシピ付き献立を考えてくれます。指示に冷蔵庫に残ってる食材や健康に対する効果を入れると、より自分に合った献立を提案します。

ChatGPTの回答精度を上げる3つの方法

ChatGPTで自分が望む回答を得るためには、プロンプトの質が鍵となります。プロンプトの質を上げる3つの方法を紹介します。

  • 指示命令と補助情報を書き分ける
  • 自分が求める回答例を書く
  • 質問を徐々に修正していく

指示命令と補助情報を書き分ける

回答精度を上げるためには、ChatGPTに対する明確な指示が必要です。そのためには、まずChatGPTへの指示命令と、指示に関する補助情報を書き分けましょう。これは箇条書きでも構いません。

仕事でも指示が不明瞭だと、目指すべきゴールも曖昧になりますよね。これと同様に、ChatGPTに対しても明確な指示を出してください。

自分が求める回答例を書く

どのように指示を出すのか分からない場合、自分が求める回答例を書きましょう。例えば「メリットを2つ、100字以内」のように、提示する個数や文字数を指定します。文章作成として使う場合は、誰からの回答か、誰に対しての回答かを書くのもおすすめです。質問の意図を理解して、制限を設定することで、要点が整理された回答を得られます。

質問を徐々に修正していく

ChatGPTから自分が求める回答とズレた回答が提示された場合、参考情報や追加情報を与えることで、回答を修正していくことができます。回答にわからない点があれば、その点を深堀りして聞くことも可能です。1回の質問で完璧な回答を得ようとせず、質問を重ねて精度を高めることで、より洗練された文章になります。

ChatGPTを使う際の注意点

ChatGPTは便利ですが、使う時には注意点があります。

ファクトチェックを必ず行う

ChatGPTはあらゆる情報を持っているといえども、精度は確実ではありません。時には誤っている情報を正しい情報かのように、提示することがあります。とくに業務利用の場合、確認せずまま使用すると、大きなトラブルを招きかねません。

情報収集にChatGPTを活用するのはよいですが、提示された情報が正しいか、ファクトチェックを必ずおこないましょう。確認する際は、官公庁や企業が公式に出している情報や文献など、信頼できる情報元を参照してください。

文章表現をチェックする

ChatGPTはさまざまなWebサイトの情報をもとに、文章を生成します。関係性の高い単語を組合せて作成するため、不適切な表現を含む場合があります。なかには偏見や差別的な内容を含むことがあり、回答を使用する際は事前に内容の精査が必要です。

またChatGPTの回答を流用すると、著作権に触れる可能性があります。とくに公に載る記事や論文で使用する際は、回答をもとに書き直しましょう。

機密情報や個人情報を入力しない

ChatGPTはその能力を高めるため、入力された内容や生成された回答は、AI学習やシステム改善に活用されます。そのため、万が一OpenAI社で情報漏洩があった場合、機密情報や個人情報が他者に渡ってしまう可能性があります

情報を守るため、ChatGPTを使用する際は、一般的な内容に変更してから利用しましょう。

今回はChatGPTでできることについて、解説しました。ChatGPTの高い言語処理能力はさまざまなことを生成できるため、仕事や趣味に取り入れれば、物事を効率よく進められます。一方でChatGPTを使用する際、プロンプトの質を高めたり、回答をチェックしたりするなど、使い方に気を付けるべき点もあります。今回紹介したポイントを考慮しながら、ChatGPTを活用しましょう。

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