AIツールを導入しようと思ったとき、どのツールを選ぶべきか迷っている人が多くいることでしょう。
この記事では、GeminiとCopilotのメリット/デメリットの比較や最適な活用事例、そこから分かるどんな人におすすめなのかを徹底解説します。
Geminiは大量の情報処理が得意なため、創造的なアイデア出しに役立ちます。Copilotなら、Microsoftの各ツールとの連携で、さまざまなオフィスワークの効率化が期待できます。
GeminiとCopilotの共通点は、両者ともプロンプトを会話形式で入力できる点にあります。AI初心者の方でも簡単に使用できるでしょう。
各AIツールの有料版には無料トライアル期間が設定されている場合もあるため、気軽に試してみるのもおすすめです。GeminiとCopilotの違いを知って、自分にはどちらが合っているのかを検討してみましょう。
Gemini VS Copilot 基本情報を比較
まずは、GeminiとCopilotの基本的な情報を一覧表を使って比較します。
Gemini (Google) | Copilot (Microsoft) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
種類 | Gemini (無料版) | Gemini Advanced (有料版) | Gemini for Google Workspace (有料版) | Bing Chat (無料版) | Copilot Pro (有料版) | Copilot for Microsoft 365 (有料版) | |
言語モデル | Gemini Pro | Gemini ultra | Gemini Pro | GPT-4 | GPT-4 | GPT-4 がベース | |
対応言語数 | 100以上 | - | - | 100以上 | 100以上 | 40以上 | |
連携 | - | Google拡張機能設定 あり | Google Workspace | Microsoft Edge | Microsoft 365 | Microsoft 365 | |
得意なこと | アイデア提案/発展 想像的な文章作成 的確な質問応答 長文の要約/翻訳 | 高度推論/コード生成 アイデア提案/発展 想像的な文章作成 大量のデータ処理 | 章作成支援 長文の要約/翻訳 複数人で共有可能 データ分析 アイデア提案/発展 グループ作業の効率化 | 最新情報の収集/整理 創造的なコンテンツ作成 アイデア出し | 文章作成/編集 データ分析/可視化 プレゼン資料作成 メール管理 | グループ作業の効率化 文章作成/編集 データ分析/可視化 プレゼン資料作成 メール管理 | |
画像生成 | |||||||
参照元の表示 | |||||||
リリース日 | 2023年12月 | 2024年2月 | 2024年2月 | 2023年7月 | 2024年1月 | 2023年11月 | |
利用料金 (税込) | - | 2,900円/月※ | Google Workspaceに含む | - | 3,200円/月 | 4,497円/月 |
次ではGemini・Copilotのそれぞれの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
Geminiの基本情報
Geminiは今や「ChatGPTを超えるのではないか?」と言われるほど、注目を浴びている生成AIツールです。バックボーンが検索エンジン最大手のGoogleということもあり、画像・映像・文字・文書・音声の認識や理解に優れているマルチモーダルAIとして位置づけられています。
なかでもGeminiの最高言語モデル「Gemini Ultra」は、知識・問題解決能力を計測するテストで、各業界の専門家の人間を上回る成績を残しました。
そしてGeminiは、AI初心者からプログラミングや開発を手掛けるエンジニアまで、幅広いターゲットを想定して作られたAIツールです。ビジネス現場では、Gemini for Workspaceとの連携機能を利用することで、さまざまなタスク管理やグループでの作業効率が大幅にアップします。
さらにGemini Advanced(有料版)では、拡張機能設定をオンにすることで、Googleマップ/フライトホテル/YouTube/YouTubeミュージックなどの各種ツールがシームレスに利用可能なので、知りたい情報をより効率的に集められます。
Copilotの基本情報
Copilotは、Microsoftが開発したWindowsOSで使用できるAIツールです。Microsoftが提携しているOpenAIの言語モデル「GPT-4」、「DALL-3」を搭載しています。
おもに高度なプログラミングや文章作成を得意としているため、例えばプログラミングの知識がない人でも一部のコードを入力すればその後のコードを続けて作成してくれます。
Microsoft365を組み合わせた「Copilot for Microsoft 365」では、Microsoftがリリースしている各種Officeツール(Word・Excel・Powerpointなど)とCopilotが連携し、文章やプレゼン資料の作成などさまざまなシーンでサポートしてくれます。
Gemini VS Copilot メリット/デメリットを比較
次に、GeminiとCopilotのメリット/デメリットを比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
Gemini | 複雑な問題の分析・解決 創造的なアイデアを提案 高度なプログラミングコードの生成 最新情報の提示 自然な会話でのプロンプト入力 | 開発途上で期待通りの結果が得られないことがある 情報セキュリティとプライバシー保護の不安定性 画像生成機能に制限がつく場合がある ハルシネーションのリスク |
Copilot | 情報を幅広く提供 創造的なタスクの実行 高度なプログラミングコードの生成 既存のMicrosoft365環境で利用できるため導入が簡単 自然な会話でのプロンプト入力 | 最新の情報や特定の分野に対応していない 開発途上で期待通りの結果が得られないことがある 情報セキュリティとプライバシー保護の不安定性 ハルシネーションのリスク |
GeminiとCopilotのメリット/デメリットを比較すると、両者とも自然な会話調でのプロンプト入力が行える点が共通しています。したがって、初心者でもスムーズに使用できるでしょう。
また投げかけた質問に対して、箇条書きを使って分かりやすく答えを提示してくれる点も共通しています。しかし、質問内容によりますが、情報処理においてはGeminiの方がスピーディーと言えます。
回答内容の充実度に注目すると、Geminiはこちら側の質問の意図を汲み取り、さらに違った角度から発展的なアイデアを提示してくれます。一方、Copilotは投げかけた質問に対する回答をより的確に回答してくれている印象です。
どちらも発展途上のAIツールのため、セキュリティやプライバシー保護の観点ではまだまだ改善の余地があります。今後のシステム改善でよりいっそう強固なAIツールになることを期待されます。
Gemini VS Copilot 活用事例を比較
GeminiとCopilotの活用事例を、ビジネスシーンとプライベートシーン別に紹介します。
Geminiの活用事例:ビジネスシーン
Geminiのビジネスシーンでの活用事例を、6つに絞って紹介します。
- 会議の議事録作成
- 企画・提案書作成
- 顧客の対応
- データの分析/レポート作成
- マーケティング業務の効率化
- プログラミングの補助
例えば、会議の録音データから素早く議事録を作成することも可能です。さらにそれを発展させ、会議の決定事項だけをまとめた資料を作成すれば、その日のうちに参加者内で容易にキャッチアップが行えます。
また、Geminiは顧客サービスの現場にも活用できます。顧客の問い合わせに対して、瞬時に的確な回答を生成し、問題解決の効率化を可能にします。
マーケティング業務にも活用の場が大いにあります。広告コピーやWebサイトのコンテンツ作成、SNS投稿などの市場調査に幅広く活用できます。
Geminiの活用事例:日常的なシーン
Geminiの日常生活での活用事例を、6つに絞って紹介します。
- さまざまな質問への回答
- 文章作成の支援
- 旅行の計画
- 外国語から日本語に翻訳
- 手書きメモのデジタル化/要約
- 音声をテキストに変換/要約
例えば、「明日の天気は?」「今日の予定は?」「ここから歩いて行けるおすすめのカフェを教えて。」などといった、リアルタイムで知りたい情報でも、その場ですぐ答えてくれます。
また、Geminiは画像を読み取る機能が優れているため、手書きのメモをテキスト化し、その内容を瞬時に要約することもできます。さらに、その情報を複数人と共有することもできるため、授業中に取ったノートをデジタル上で友人と共有するといった活用の仕方もあるでしょう。
GeminiとGoogle Workspaceの連携により、ユーザー自身の情報にも容易にアクセスできるため、ユーザー次第でその活用の幅が大きく広がります。
Copilotの活用事例:ビジネスシーン
Copilotのビジネスシーンでの活用事例を、6つに絞って紹介します。
- 企画書/報告書/提案書などの草案を自動作成
- 長文のWord文書の要約/重要点の抽出
- スライドに合わせた画像生成
- 発表中の質疑応答のサポート
- メールの作成/要約/整理
- グループ作業時のタスク割り当て
例えば、企画書/報告書/提案書を作成する際に、テーマやキーワードをプロンプトとして入力するだけで、文章の叩き台が作成できます。Copilotはデータ分析とその結果を可視化することが得意なので、瞬時にグラフや表を作成し、さらにExcelに変換することも可能です。
また、プレゼンテーションの場にも幅広く活用することもできます。テーマやキーワードまたは既存のWord文書をもとに自動でプレゼン資料の草案を作成し、さらにはそのイメージに合うスライドの構成やデザイン、アニメーションの提案もしてくれます。
さらに、プレゼンテーションの内容に対しての質疑応答の補助にも役立ちます。プレゼンテーションの内容から想定される質問をあらかじめ生成できるので、より入念な準備ができるようになります。
Copilotの活用事例:日常的なシーン
Copilotの日常生活での活用事例を、6つに絞って紹介します。
- 手紙/メッセージの作成
- 文書をテイストごとに書き換え
- 日記やブログ記事の作成
- レシピの整理
- 子どもの宿題の補助
- 家族写真の整理
例えば、結婚式での友人への手紙や家族へのメッセージ、お礼状など数々のシーンに合った文案が作成できます。特にフォーマルなシーンでの文案を得意としています。
日常の出来事を綴る日記やブログ記事を書く際の構成や、表現のヒントを得ることもできます。文章を書くことに苦手意識がある人でも、比較的スムーズに文章作成ができるでしょう。
また、子どもの宿題にも活用できます。作文を書く際に、適切な表現が使えているか、誤字脱字がないかなどの添削や、レポート作成時の構成案を作成するなどの学習支援にも役立てられます。
Gemini VS Copilot はこんな人におすすめ
GeminiとCopilotはどんな人に向いているのかを、職業や目的別に解説します。GeminiとCopilotの特長をよく理解して、より自分に合ったAIツールを選びましょう。
GeminiはクリエイターやAIツール初心者におすすめ
Geminiは、おもに情報処理能力・創造的なアイデア出し・文章作成に優れた力を発揮します。以下に、Geminiをおすすめしたい人とその活用例を紹介しています。
- コピーライター/Webライター/ブロガー/小説家/脚本家
文章作成や構成案、多角的方面からのアイデア出し、表現の幅を広げるなど
- 作詞/作曲/編曲を行う音楽家
新曲を作る際の案出し、複雑なコード進行の生成、音楽理論の学習補助など
- 映像クリエイター
映像の編集作業、動画コンテンツの要約、脚本作成やストーリーボードの作成など
- 日常生活での活用を検討しているAIツール初心者
Google拡張機能の活用で、旅行の行程作成、希望に沿った目的地やホテルの提案/予約、リアルタイムのフライト検索/予約、YouTube動画の要約など
Geminは、各業界のクリエイターや日常的なタスクを効率よくこなしたい人におすすめです。事前に大量のデータを学習しているため、各業種に関する情報収集やアイデア出しに大いに活用できるでしょう。
また、質問内容の意図を推測する能力にも長けているため、AIツール初心者でも知りたい情報を感覚的かつスピーディーに取得できます。
Copilotはオフィスワークを効率化したい人におすすめ
CopilotはMicrosoftが提供する各種ツールとの連携で、さまざまなオフィスワークの作業効率化が得意です。以下に、Copilotの活用をおすすめしたい人と活用例を紹介します。
- オフィスワーカー全般
企画書/提案書/マーケティングコンテンツ(広告文章/ブログ記事/SNS投稿など)の作成、データ分析
- エンジニア/プログラマー
コードの自動補完、バグの検出、テストコードの生成支援など
- 学生
レポート/論文作成、参考文献の洗い出し/整理など
- Microsoft製品を効率よく活用したい人
Microsoft 365/GitHub/Windows などを使用する際の作業効率化,トラブルシューティングの活用など
Copilotは、特にオフィスワークを効率化したい人におすすめです。CopilotとMicrosoft365のアプリケーション(Word/Excel/PowerPointなど)との連携で、オフィスワークのさまざまなタスクを効率的に処理できます。
プログラミング技術にも優れているため、エンジニアやプログラマーなど業界のプロにとっても活用の余地があります。逆に、プログラミングの専門知識がないユーザーでも、コード補完機能があるため容易にコードを生成することが可能です。
またMicrosoft製品を普段から愛用している人なら、Microsoftアプリをより直感的に使用できるようになります。さまざまな作業が効率化、簡略化されるため時間短縮にもつながります。
【まとめ】Gemini vs Copilotを比較!あなたにぴったりなAIツールを選ぼう
Geminiは大量の情報を収集/処理する能力が優れているため、ユーザーに創造的で質の高いアイデアを提案してくれます。一方、CopilotはMicrosoftの各種アプリとの連携で、オフィスワーク全般の作業効率化が図れます。
AIツールの導入に迷っている方は、まずは無料版で試してみることをおすすめします。有料版でもトライアル期間を設けている場合があるため、積極的に活用してみましょう。
ただし、GeminiやCopilotは今もなお開発途上のAIツールです。そのため、過度な依存には十分に注意が必要です。各ツールのプライバシーポリシーをきちんと理解したうえで活用していきましょう。