2024年は、AIツールの発達が顕著な1年でした。
みなさんも、今まで人間が手作業で処理するしかなかった、データ分析や文章の自動化・ツールの活用から、生産性が向上したことから、AIの有用性を感じることが多かったのではないでしょうか?
AIは、便利なツールですが、まだ万能というわけではありません。ただし、うまく使いこなせば私たちの最高のパートナーになり得る可能性を秘めています。
私も、AIに任せられる作業はAIに、私が着手することでクオリティを上げられるパートは私の手で進めています。作業を分担することで、業務時間を軽減しながら質の向上も見込める訳です。
今回は、このような経験を活かしたAIによる文章作成の効率化や、レポート執筆の基礎について、わかりやすくご紹介していきます。
AIをうまくサポート役につけて、効率化と品質向上を同時に叶えるヒントにしてみてくださいね!
AI文章作成レポートの概要
AIは文章を作成できるのか?
AIに文章を作成させることは可能です。
自然処理(NLP)や深層学習(ディープラーニング)といったAI技術から、文章を書く作業を支援したり、自動化することで文章を作成する事ができるようになります。
また、AIと壁打ちをすることで、ビジネスの提案書の全体構成を考えたり、それを元に構成から提案書の骨子を作成、修正・校閲サポートなどをAIに任せることで、人間の手作業で1から文章を考えて書くよりも効率的に進められるようになります。
具体的なAIのツールでいうと、ChatGPTやGoogleのGeminiや、Claude、日本初のAIであるFeloなどが挙げられます。これらを使うと、人間がキーワードやトピックを考えるだけで、それに合わせた文章が自動で生成されるのが大きな特徴です。
レポート作成への応用
AI文章作成をレポート作成に適用する際のメリットをまとめてみました。
- 作業効率化と時短
- 新たな視点やアプローチの提案
- 文体や表現の補正
1.作業効率化と時短
調査結果やデータ、議事録の概要をAIに入力することで、AIがポイントや概要に集約した文章や、さらに良い提案にまとめ上げてくれます。会議後の議事録係は、会議を聞きながら、ポイントをまとめる作業を同時に進めなければならないため、私も毎回苦労していました・・・。
AIに頼むだけで、執筆時間の短縮に加え、文章構成を考える手間も減り、全体の作業効率も議事録係の評価も同時に上がって非常に生産性向上に寄与してくれるツールなのは間違いありません。
2.新たな視点やアプローチの提案
AIは、今までの学習データをもとに、様々な情報から「良いであろう」というアウトプットを提示してくれます。
すでに世にあるものでも、意外な組み合わせを提示してくれたり、アイデアとして思い浮かんでいるがうまく表現できない時は、想像した通り言語化してくれることも。
さらには、視野を広げて、普段の思考では到底思いつかないけど面白い!という新しいアプローチを提案してくれることもあります。
こういったスキルを発揮してくれるAIツールは、普段の業務でも、いいパートナーで壁打ち相手として助けられている人も多いでしょう。
3.文体や表現の補正
AIは、誤字脱字や文法上のミスを自動で指摘するツールもあり、文章作成をする際クオリティを上げたい時にもとても便利です。
提案相手や、ビジネスシーンにに合わせた文章の最適化もしやすいため、語調や文体を変える時も手作業よりスムーズに進められるのが特徴です。
ただし、気をつけなければならないのは、AIに全て任せてしまうと、情報の正確性やオリジナリティが欠けてしまうリスクがあるということ。
特に、レポートにおいては、事実確認や独自の考察が重要です。そのため、AIの出力内容を確認しながらも、ファクトチェックや、専門的な内容の補完は人間による精査の作業は欠かせません。
とはいえ、手作業で行うには骨が折れるような大容量の処理も、AIにかけるとかなりの時短になります。
レポートの質の向上やディレクションの高速化など、AIに任せる業務と人間にしかできない部分に時間をかける事を分担できるので、AIで作業効率化を図れるチームは、アウトプットの差が大きく出せることに繋がりますね。
初心者向けAIツールの紹介
AI文章作成に挑戦してみたいもの、「どのサービスを選べばいいのかわからない」という人は多いでしょう。ここでは、初心者でも比較的導入しやすい代表的なツールを紹介します。
初心者向けAIツール
- ChatGPT(OpenAI)
- Google Gemini
- Claude
- Felo
1.ChatGPT(OpenAI)

Chat GPTは、OpenAIが提供するチャット型AIで、汎用性の高さが魅力です。
日本でも、「AIといえばChat GPT」という認識が高まっていますね。
対話形式でプロンプトを調整しながら文章を生成できるため、初心者でも操作がしやすいのが特徴です。 最近は、日本語対応も充実してきたため、いかにも翻訳された文章のような違和感も軽減されてきています。
2.Google Gemini

Geminiは、Googleが開発中の次世代大規模言語モデルを活用するサービスです。特に多言語対応や、検索機能との連携による最新情報の取得が期待されています。
学術分野からビジネスまで幅広いトピックをカバーし、日本語対応も今後さらに向上する予定です。
3.Claude

Claudeは、Anthropic社というスタートアップ企業によって開発された、大規模言語モデルを活用したチャット型 AI です。安全性と透明性を重視した設計が特徴で、誤った情報や偏見を減らしながら自然な文章を生成できるよう工夫されています。
シンプルで使いやすいインターフェースと、柔軟な会話のメリットが強みです。また、アダルトに関する要約などは排除するようなリスクヘッジも伴っているため、未成年者の利用も安心です。
4.Felo

Feroは日本語特化型のAI文章生成ツールとして登場した、話題のAIです。ビジネス文章や論文の要約など、高度な日本語処理が必要な場面で力を発揮するため、日本語にこだわりたい方に適しているでしょう。
ここまで、4つのAIを紹介しましたが、AIツールを選ぶ際には、まず「どのような用途で使うか」を決めることが重要になってきます。
また、大規模なデータ解析や、専門性の高い文章作成が必要なときは、無料プランだと上限が来てしまって、思ったような内容を出すことができない、ということも。
結果的に、有料プランの高度な機能やサポートを使うことで、作業効率が上がったり手間が減ることに繋がるケースもあるため、企業で取り入れる際には、無料プランで使った上で有料プランを試してみるのも良いですね。
さらに、サービスごとに得意分野やインターフェースの違いがあるため、ご自身の文章作成のスタイルに合ったツールを活用することが大切です。
無料版と有料版の比較
無料版では一定回数または一定文字数まで無料で利用できるケースが多く、「どのくらいの品質で文章が生成されるのか」を試してみる分には十分です。
一方で、無料版では利用量に上限があったり、使いたいスキルは限定されているものがあるのに対し、有料版であれば優先的にアクセスできることが多く、長文の生成や高度なモデルの利用も可能になります。
ツール名 | 無料版の有無 | 有料版の料金目安 | 特徴的なポイント |
---|---|---|---|
ChatGPT | あり | 月額20USD〜200USD | 汎用性の高いAIモデルで、堅実なトピックに対応しやすい。 英語情報も強み。 |
Gemini | あり | 未公開 | Google開発の最新モデル。検索との連動で最新情報を取り込みやすく、Googleスプレッドシートへの連携なども使いやすい。 |
Claude | あり | 月額19.99USD | 安全性と説明責任を重視。誤情報を減らす工夫が実施されている。 |
Felo | あり | 月額3,000円~ 1万円以上 | 日本発のAIモデルのため、日本語表現を重視。論文やビジネス資料の自動化に適する。 |
導入する場合は、まずは無料版やトライアル期間を活用し、どこでツールが使えなくなってしまうか?という上限値や、生成される文章の品質を比較してみるのがおすすめです。
ほとんどのAIが月額プランのため、1ヶ月お試しという形でも良いでしょう。私も、一度無料プランを使ってどうにもならずに有料プランにクラスアップ、また、使わなくなったので有料プランを解約しながら最適なツールを試しています。
自分のレポート作成スタイルや求める成果物によって、使いやすいサービス最適なツールを選択し、AI文章作成を上手に取り入れることで、短時間で質の高いレポートを仕上げられるようになるでしょう。
いざ実践!実際にAIでレポート作成
AIの種類が把握できたところで、実際のレポート作成のフローをご紹介します。大まかなレポート完了までフローを5ステップにまとめました。
- テーマとゴール設定
- 情報収集と整理
- AIへの表示(プロンプト)の作成
- 投稿文章の確認・修正・チェック
- レイアウトと仕上げ
1.テーマとゴール設定
レポートを書く目的と、最終的に伝えたいメッセージを明確にするところから始めましょう。
「商品の販売実績をまとめ、今後の戦略を提案する」や、「研究データを分析し、新たな速報を提案する」など、最終的なアウトプットイメージを固めます。
ここが曖昧だと、AIに指示を出す際にも方向性がブレやすく、結果的に作成したいレポートに出来上がらない事が多いため、しっかりとゴール設定を行いましょう。
2.情報収集と整理
どのようなレポートも、まずは根拠となるデータや事実が不可欠です。
市場調査の結果や参考文献、統計データなど、用意できる情報をできるだけ網羅的に集めましょう。AIにいきなり「文章を書いて」と依頼しても、具体的な材料がなければ、裏付けのない中身の薄い出力になってしまいます。
3.AIへの指示(プロンプト)の作成
用意したデータやテーマを踏まえ、AIに対して「どう書いてほしいか」を伝える段階です。
AIへの指示文を「プロンプト」と言います。プロンプトを作成するときのポイントをまとめます。
- 文章の用途や対象読者: ビジネス向けか学術向けかによって文体や用語が変わります。対象に合わせた文体や用語を指定しましょう。
- 全体の構成や段落数: 「導入・本論・結論」のような構成を指定すれば、受け手が読みやすい文章が得られます。
例)導入:〜〜〜〜 といったように、導入文に構成のポイントを入れると良いでしょう。 - 分量や文体のトーン: 「敬体(です・ます)」か「常体(だ・である)」か、読み手との距離感をどう設定するかも大切です。
具体的かつ絞り込まれたプロンプトを与えることで、AIの出力精度は格段に上がります。
最初のパート、「1.テーマとゴール設定」で決めたアウトプットに合わせて、指示内容を決めていきます。
4.出力文章の確認・修正・追記
プロンプトを入れると、AIが考えた文章を提示してくれますが、ここでAIが提示した文章を、そのまま鵜呑みにしてはいけません。
なぜかというと、AIは、学習内容と確率をもとに「〇〇であろう」という結果を出しているだけで、正誤や事実は確認されていないケースがあるからです。
ここからは、私たち人間の出番です。最終調整に向けて、事実確認や、資料のクオリティを上げる作業に入りましょう!
- ファクトチェック: 引用元や数値、名称の誤りがないかを確かめます。
- 文体や構成の微調整: 人間が読む際にわかりやすい流れになっているか、表記ゆれはないかを見直します。
- 独自の考察を追加: AIの文章だけでは分析や考察が不十分なケースが多いため、自分の専門知識やオリジナルの視点を入れましょう。
レポートは「自分の主張や分析内容を相手に伝えるもの」です。
AIが作る文章はあくまでも補助的な素材と捉え、最終的なブラッシュアップは人間が行うことで、本来の課題解決に向けた資料にクオリティが上がり、読み応えのあるコンテンツへと仕上げることができます。
5. レイアウトと仕上げ
文章内容が固まったら、見出しや箇条書き、図表やグラフの配置などを整え、読みやすさを追求しましょう。
最近は、この辺りも整えてくれるAIも増えていますが、PowerPointやExcelで整えることが多いビジネス文書は、ご自身の会社や部署、担当クライアントが好むレイアウトやフォント、体裁に整えることでAIと人間の共同作業によるクオリティ向上が見込めます。
もしWeb上に公開するのであれば、メタディスクリプションや、キーワード配置などのSEO対策にも目を配るとよいでしょう。またPDFで提出する場合は、フォントや文字サイズ、配色やレイアウトに配慮することで、よりプロフェッショナルな印象とオリジナルのコンテンツとして納品できるようになりますね。
まとめ
今回は、「AI文章作成レポート」とは何か、そのメリットや導入方法、初心者向けの具体的なツール選びから実践ステップに至るまで、一通り解説しました。
レポート作成を効率化して、短時間で作成するためのに、人間の得意分野(独創的な発想・深い考察と今までの知見)とAIの得意分野(データ整理・文章の自動生成)を組み合わせることで、クオリティの高いレポートに仕上げるイメージは湧いたでしょうか?
はじめは、カンタンなレポートや、社内向けの簡易報告書などでまず使ってみて、ツールやプロンプト設定のコツをつかんでいくとよいでしょう。
AIが提示する文章から新たなアイデアを得たり、逆に、誤った情報を発見して修正したりするプロセスは、実は書き手側のスキルアップにもつながることが多いと私自身も感じます。
AIは、無料版から使えます。まずは、実際に使ってみることから始めてみて、ぜひAIと業務の効率化を図ってみてくださいね!