生成AIは、効率的に業務をこなすツールとして次第に確立してきました。中でも人気があり注目されているのが、OpenAIによるChatGPTです。多くの企業や組織が、利便性に気づいて導入し始めています。
ところが、実際にはまだ不便な部分も課題となっていることや、利用そのものに嫌悪感を覚える人も少なくありません。今まで使い慣れてきた検索エンジンに、まだ利用価値を感じる人も多いことでしょう。
やがて、これらの細かい課題を背景にしながら、「ChatGPT for Google」が誕生しました。Chromeの拡張機能として、基本的に無料で使えるのが特徴です。検索エンジンとChatGPTの融合ツールとして、現在徐々に期待されてきました。
本記事では、ChatGPT for Googleとは?というテーマに沿って、概要や使い方、おすすめな理由、注意点などを解説していきます。
ChatGPT for Googleとは?
ChatGPT for Googleとは?OpenAI社によって開発・提供される生成AI「ChatGPT」をベースに誕生しました。
テキスト(文章)で質問を投げかけてみると、標準的な回答を自動生成して送り返してくれる機能性の高いツールです。Chromeでの検索に、ChatGPTのAI技術を組み合わせています。
概要については、以下のような項目がポイントです。
- Google Chromeの拡張機能
- Google検索とChatGPTの回答を同時にできる機能
- OpenAI社のAIチャットサービス「ChatGPT」を利用
Google検索の結果を基にしながら、自然で流暢な応答をしてくれるのがメリットです。そのため、従来の検索エンジンとは違って、質問内容をより理解しながら深い洞察となるべく正しい文章で情報提供できるよう工夫されています。
ChatGPT for Googleを利用すると、検索と同時に関連情報についての回答を得られ、効率的な作業がしやすくなるでしょう。仮に、質問内容が漠然とした文章や言葉でも、ユーザーが求める情報を具体的に変換して返答サポートをします。
ChatGPT for Googleの料金
ChatGPT for Googleのプラン比較 | 費用 | 機能 |
無料プラン | 無料 | 使用リクエスト数、利用可能時間に制限あり |
有料プラン | 3日間無料トライアル後に、24.9ドル/月、もしくは299ドル/年 | ・GPT-4oの最新モデルにアクセスが可能・質問回数無制限・リアルタイムでのWebアクセス・ウェブページとPDFの要約・アドバンス機能のロック解除 |
ChatGPT for Googleとは?既存の生成AIとGoogle検索機能を併せ持ったツールとして、誰でも原則として無料で利用が可能です。また、それとは別にさらに機能が充実している有料プロプランも用意されています。
プロプランでは、GPT-4oなどの全ての最新モデルへのアクセスができて、質問回数無制限、リアルタイムでのWebアクセス、ウェブページとPDFの要約、アドバンス機能のロック解除といった機能が試せます。
料金は3日間の無料トライアル後に24.9ドル/月、または299ドル/年です。一般的なChatGPTの場合、アクセス状況によってはつながりにくいことがあり、回答が途切れてしまうトラブルがあります。
しかし、ChatGPT for Googleの有料プロプランでは、安定したサービス利用ができるでしょう。もしビジネス上で頻繁に利用するのならプロプランがおすすめです。
ChatGPT for Googleができること
Chatgpt for Googleとは?ユーザーが求める答えに、より具体的な関連情報も瞬時に提供できるツールです。
ここでは、ChatGPT for Googleができることやおすすめな理由についてさらに解説していきましょう。
Google検索と質問が同時にできる
ChatGPT for Googleの魅力は、検索と質問が同時進行となる点です。
一般的なChatGPTなどの生成AIを使うときは、まず調べたい言葉などをGoogleの検索キーワード入力画面である「プロント」へ入力し、さらにChatGPT用のプロンプトへ入力し直し、結果を収集する手間があります。
一方、ChatGPT for Googleの場合、Googleの検索画面の横にChatGPTからの回答もリアルタイムに表示されます。一度の検索操作だけで、両方の情報源にアクセスできるので効率的なリサーチができるようになりました。
検索結果とChatGPTの回答を比較できる
ChatGPT for Googleは、検索結果とChatGPTの回答を同時に比較できます。一般的に普及するChatGPTでは、情報の信憑性を確認するために、改めて検索エンジンで調べ直す作業をしなくてはなりません。
ChatGPT for Googleを利用すれば、上の画像のように、検索結果とChatGPTエリアの回答表示とを比較しながら活用ができます。より正確さを判断しやすく、作業時間と手間を省くことができるでしょう。
検索結果の要約や翻訳を同時にできる
ChatGPT for Googleは、Google検索での結果の要約・翻訳などが同時に進行できるのもメリットです。
普通の検索では、ネット上にあるコンテンツの取得ができますが、検索結果の要約・翻訳までのデータを直接取得することができません。
そこで、ChatGPTを利用することで、要約や翻訳の機能を利用して同時にまとめておこなえます。
ChatGPTの表示を制御する
ChatGPT for Googleでは、ChatGPTの表示を制御することができます。仮に、検索だけをしたいのに、その度ChatGPTも同時進行してしまうと時間がかかって不便さを感じてしまうでしょう。
そのため、画面右側のアイコンを操作すれば、必要に応じながら表示サイズ・位置などの調整もできます。自分の作業状況などに応じながら、カスタマイズできるのも魅力です。
Google以外の検索エンジンの使用もできる
ChatGPT for Googleは、Google以外の検索エンジンの使用も可能です。例えばGoogle以外には、Bing・Yahoo・DuckDuckGoなどの検索機能も考えられます。
もし普段から他の検索エンジンを使っている場合でも、検索結果とChatGPTの回答を並べて表示してくれるので、効率的な情報収集が可能です。お好みの検索エンジンを使い続けながらChatGPTが活用できます。
ChatGPT for Googleの利用方法
ChatGPT for Googleの導入および利用方法はとてもシンプルです。比較的誰でも簡単にスタートできるでしょう。導入して利用する際の手順は、以下の段階を踏みながら、Google検索とAIアシスタントを連携させます。
ChatGPT for Googleのアカウント取得
ChatGPT for Googleは、アカウントの取得から始まります。OpenAI社が展開するChatGPTを利用するため、アカウント作成をしておきましょう。作り方も簡単で、ChatGPTの公式サイトでおこなえます。
アカウント作成は、以下の手順です。
- ChatGPTの公式サイトへアクセス、「Sign up」をクリック
- 「Continue with Google」を選択、Googleアカウントで登録
- 氏名・生年月日の入力、必要に応じて電話番号の認証
- ChatGPTアカウント作成完了
ChatGPT for Googleの拡張機能の導入
ChatGPT for Googleを実際にインストールをする場合、拡張機能の設定画面にてChatGPTのAPIキーなどを入力します。それによって、Google検索結果と同時にChatGPTの回答も表示されるようになるでしょう。
その際に、画面右上に「Chromeに追加」ボタンが現れるのでクリックします。すると、インストールが確認されてダイアログが表示され、再度「追加」を選択します。
Google Chromeで実際に検索する
インストールが無事に済めば、すぐにChatGPT for Googleが機能できます。その後は、いつものように検索をしてみましょう。検索結果とともに、ChatGPTへの問い合わせ結果も表示されるようになります。
また、初回検索時にはChatGPTへのログインが求められるはずなので、アカウント情報を入力します。
ChatGPT for Googleの注意点
とても便利なChatGPT for Googleですが、使用時において気をつけておくべき項目もあります。以下のような内容には注意が必要です。
情報の誤出力も考えられる
ChatGPT for Googleの出力結果は、誤出力になる恐れもあります。ChatGPT for Googleは、生成AIを利用したサービスです。現状でのAI機能は、必ずしも情報が正確だという保証がありません。
もし、あまりにも複雑な質問や、まだ未確認な最新情報を調べてみたいと思っても、情報が曖昧に回答表示されることがあるのです。これは、現行でのすべてのAIの回答に通じる課題でもあります。
専門家の情報に基づいた内容ではなく、ネット上の標準的な回答を集約して示しているだけだからです。重要な調査をするのであれば、信頼できる情報源との照合を推奨します。
ChatGPT for Googleの活用は、補助的ツールの役割から逸脱させない姿勢が望まれます。
出力が遅くなることや動作が停止するリスクもある
ChatGPT for Googleの使用時に、処理時間がかかる場合もあります。中でも、複雑な質問や大量の情報を処理するような場合です。応答の生成までに、数十秒以上はかかってしまうケースも考えられるでしょう。
原因として、OpenAIのChatGPTへテキスト生成処理を依頼してからChromeへの表示までの過程で、ネット接続の速度・サーバーの負荷などの状況が影響しています。
あまりにも遅いと感じた場合は、ページのリロードやブラウザの再起動をするか、他の方法で調べ直すという手段を取るしかないため注意が必要です。
情報漏えいの可能性がある
ChatGPT for Googleに限ったことではありませんが、セキュリティに関する危険性は頭の隅に置いておく必要があります。ChatGPTを安全に利用するにあたり、セキュリティ強化は不可欠です。
万が一の不正アクセス・情報漏洩のリスクを、極力減らす策を練っておきましょう。例えば、「二段階認証」の設定は重要です。しかし、ChatGPTにはその機能がありません。
そこで、Googleアカウントと連携する場合などの段階で、二段階認証を有効にする方法が可能です。パスワード漏洩が発覚しても、他者からは簡単にログインできないのでおすすめな策です。
GPT-4の利用ではOpenAI APIが必要になる
もし、GPT-4ベースでの使用をするのであれば、「OpenAI API」が必要になります。
現行でのGPT-4とは、ChatGPTの最新バージョンのことで、高度な自然言語処理能力と高精度を誇るものです。ただし、APIキー取得とAPIリクエストは有料です。
比較項目 | GPT-4.0 | GTP-3.5 |
---|---|---|
料金 | 月額20ドル | 無料 |
パラメーター数 | 推定5,000億〜1兆 | 3,550億 |
情報の最新さ | 2021年1月まで | 2021年1月まで |
プラグイン | 可能 | 不可 |
アクセス制限 | なし | 混雑時にあり |
反応速度 | 速い | 速い |
ChatGPT for Googleの無償バージョンでは、GPT-3.5が標準化されていますが、より精度のあるGPT-4の利用を希望するのであれば、料金体系も検討する必要があります。