CopilotにGrokが加わった 使えるAIは3社になった
Microsoftが9月12日にMicrosoft CopilotでSpaceXAIのGrokモデルを提供すると発表した。対象はWord・Excel・PowerPointのCopilotだ。
最初に使えるのはMicrosoft Frontierプログラムの参加企業に限られる。Frontierは大企業向けの早期アクセス枠で、一般への開放時期は明らかにされていない。
CopilotにサードパーティのAIモデルが入るのはこれで3社目になる。もともとOpenAIのGPTシリーズが標準モデルだった。2025年9月にAnthropicのClaudeが加わり今回SpaceXAIのGrokが続いた。Copilot Studioに限ればMistral AIのモデルも使える。

- 2025年9月AnthropicのClaudeがCopilotに追加された
- 9/12MicrosoftがCopilotへのGrok追加を発表
Grokは既定で無効 管理者の許可が要る
Grokは初期状態で無効だ。使うにはグローバル管理者がMicrosoft 365管理センターのCopilot設定からSpaceXAIを許可し利用規約に同意する必要がある。
アクセスの範囲も細かく絞れる。ユーザー単位で指定できるほかMicrosoft Entra IDのセキュリティグループ単位で制限をかけることも可能だ。利用者にはCopilotライセンスの割り当ても要る。
プレビュー期間中はEU・EFTA・英国の顧客が対象外になっている。欧州拠点のチームがある企業はこの機能を当面使えない。

データはSpaceXAIで処理 規約の説明が矛盾する
今回の発表でSpaceXAIがMicrosoft Online Servicesのサブプロセッサーに追加された。Grokモデルはマイクロソフトの社外にあるSpaceXAIのインフラでホストされる。
サブプロセッサーの定義に従えばMicrosoftのデータ保護補遺(DPA)が適用される。しかしMicrosoftのドキュメントには「MicrosoftのDPAは適用されずxAIの規約に従う」と書かれている。同じ会社の2つの文書が矛盾している状態だ。
企業がGrokを有効にする前にどちらの条件でデータが扱われるのか最新の規約を確かめる必要がある。顧客データや社内文書をCopilot経由でGrokに渡す場合はデータの保管先と利用範囲を把握しておきたい。CopilotにWord文書を読み込ませるだけで命令が広がるAIワームの報告もあり、外部AIにデータを渡す設計は慎重に決めたい。
Grok導入前に企業が確認すべき3つのこと
Grokの導入を検討するなら次の3点を先に押さえておきたい。
1つ目はデータ保護の条件だ。DPAが適用されるのかxAIの規約に従うのか最新のドキュメントを確認する。社内の法務やセキュリティ担当と共有しておく。
2つ目はアクセス範囲の設計だ。全社に開放するのか特定の部署やプロジェクトだけに限定するのかを決める。Entra IDのセキュリティグループで制御できるので既存のグループ構成に合わせて設定する。Copilotエージェントの料金体系も含めて全体のコストを見積もっておくとよい。
3つ目は欧州拠点への影響だ。プレビュー中はEU・EFTA・英国のユーザーは対象外になる。海外チームとの作業でGrokの出力を前提にしたワークフローを組むと使えない拠点が出てくる。
- サブプロセッサー
- 委託先がさらにデータ処理を外部へ再委託する先のこと。GDPRやDPAではサブプロセッサーにも同等のデータ保護義務が課される
- DPA
- Data Processing Addendumの略でデータ保護補遺と訳される。クラウドサービスが顧客データをどう扱うかを定めた契約条件のこと
CopilotのAIモデルが3社目に増えた。選択肢が増えるのは歓迎だが、今回のGrok追加で気になるのはデータ保護の条件だ。サブプロセッサーとしてDPAが適用されるはずなのにドキュメントでは否定されている。企業が業務文書をGrokに渡してよいかの判断材料がそろっていない。Frontierプログラムの参加企業は先に検証できる立場にあるので規約の矛盾が解消されるまでは小さい範囲で試すのが安全だ。
- CopilotでGrokを使うには何が必要か
- Microsoft Frontierプログラムへの参加が前提です。その上でグローバル管理者がMicrosoft 365管理センターのCopilot設定からSpaceXAIを許可し利用規約に同意する必要があります。利用者にはCopilotライセンスの割り当ても要ります。Entra IDのセキュリティグループ単位でアクセスを制限することもできます。プレビュー期間中はEU・EFTA・英国の顧客は対象外です。
- CopilotでGrokを使うとデータはどこで処理されるのか
- GrokモデルはMicrosoftの社外にあるSpaceXAIのインフラでホストされます。SpaceXAIはMicrosoft Online Servicesのサブプロセッサーとして追加されました。サブプロセッサーの定義ではMicrosoftのDPAが適用されますが、Microsoftのドキュメントには「DPAは適用されずxAIの規約に従う」との記載もあります。導入前に最新の利用条件を確認してください。
この記事の出典
補助資料
- [1]窓の杜この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月14日
