Microsoft 365 Copilotのエージェント機能は月2,698円のプロモーション価格で使い始められる。ただし自作エージェントを動かすとCopilot Creditsの従量課金が月額とは別にかかる。自動化ツール81本の月額中央値2,924円と比べて安く見えるが従量課金を足すと実費は倍以上になりうる。
Copilotエージェントの月額はプロモーション価格2,698円から始まる
Copilotエージェントとはマイクロソフトが提供する業務自動化のAI機能だ。社内のデータを読み込んで質問への回答や定型作業の実行を担う。Microsoft 365 Copilotのエージェント機能を使うには月額2,698円(税別・年間契約)のアドオンが必要だ。これはプロモーション価格で通常は月3,148円になる。別途Microsoft 365 Business BasicやEnterprise E3などのベースライセンスも要る。
2026年5月1日にはMicrosoft 365 E7というバンドルも登場した。月額$99(1ドル153.89円換算で約15,235円)でCopilot・Agent 365・Entra Suiteがまとめて入る。大企業向けの上位プランだ。
Copilotの料金は3段階に分かれる
| プラン | 月額(税別) | エージェント機能 |
|---|---|---|
| Copilot Chat(無料) | 0円 | 既成エージェントの一部のみ |
| Microsoft 365 Copilot | {{2,698円}}(プロモーション) | Agent Builder+既成エージェント |
| Microsoft 365 E7 | $99(約<<15,235円>>) | Copilot+Agent 365+Entra Suite統合 |
無料のCopilot Chatもあるが機能は限られる。エージェントを作って動かすなら有料プランが前提になる。問題はこの月額を払えばすべて使えるように見えてしまうことだ。自作エージェントには別の従量課金がかかる。その仕組みは料金ページに小さく書いてあるだけで見落としやすい。月額とCopilot Studioの従量課金が別のページに分かれているのも原因だ。
既成エージェントはCopilotの月額だけで動く
Copilotの月額を払えば最初から使えるエージェントがある。Microsoftが用意した既成品でリサーチツール・アナリスト・ファシリテーターなどが含まれる。追加料金なしで使える。
SharePoint上の社内資料を検索して回答するエージェントやTeamsの会話を要約するエージェントも月額の範囲内だ。Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーはCopilot Chat・Teams・SharePoint経由でエージェントと対話できる。この対話にはCopilot Creditsの従量課金がかからない。Microsoftの公式サポートページにはリサーチツール・アナリスト・ファシリテーターなどの既成エージェントが例として挙げられている。
ただしこの「月額だけで使える」範囲はCopilotライセンス保有者が対話的に使う場合に限られる。Power Automateからのトリガー実行やスケジュールによる自動実行は別の課金体系になる。ここが見落としやすいところだ。同じエージェントでも呼び出し方で課金の有無が変わる。たとえば営業チームがSharePointの提案書をもとに回答をまとめる作業は月額の範囲内だ。しかし同じエージェントをPower Automateで定時実行に切り替えるとCreditsがかかる。
自作エージェントにはCopilot Creditsの従量課金が別でかかる
Copilot Studioで自作したエージェントを動かすとCopilot Creditsという従量課金がかかる。月額2,698円には含まれていない。

料金体系は2つある。従量課金(Pay-as-you-go)なら1 Creditあたり$0.01(約1.54円)だ。プリペイド(容量パック)なら月$200(約30,778円)で25,000 Creditsを先に買える。プリペイドのほうが1 Creditあたり$0.008で2割安いが翌月への繰り越しはできない。使い切れないと損になる。
何にいくらかかるかはタスクの種類で変わる。Microsoftの公開情報によると通常回答は1 Creditだ。AI生成回答は2 Creditsでアクション実行は5 Creditsになる。Microsoft Graphを使ったテナント情報参照は10 Creditsだ。ただし全種類の一覧はMicrosoftから公表されていない。公開されている消費量は代表的なタスクの目安にすぎない。
たとえばAI生成回答が月1,000回なら2,000 Credits。従量課金では$20(約3,078円)になる。さらにアクションを1回ずつ使うなら7,000 Creditsで約$70(約10,772円)だ。月額2,698円の上にこれが乗る。合計すると月5,776円から13,470円の範囲に入る。月額だけ見て安いと思っていると予算が大きくずれる。
1 Creditは約1.54円でWork IQ APIなら1回0.15円で済む
2026年6月16日に一般提供(GA)されたWork IQ APIは従量課金の単価が低い。Tools APIは1回あたり0.1 Copilot Creditsで従量課金なら約0.15円だ。通常のエージェントアクションが5 Creditsかかるのに比べて50分の1で済む。
Work IQはデータ層・コンテキスト層・スキル&ツール層の3層構造で組織のデータを意味的に理解する仕組みだ。エージェントがTeamsの投稿やOutlookのメールを横断して「この案件の最新の進捗はどうなっているか」を答えるときに使われる。
エージェントが1日100回Work IQ APIを呼んでも10 Credits。従量課金なら$0.10(約15.4円)にしかならない。月20営業日で約308円だ。社内データの横断検索を安くこなせるのがWork IQの強みになる。Work IQ APIの0.1 CreditsはMicrosoft Graph経由の10 Creditsに比べて格段に安い。検索頻度が高い部署ほどコストの差が開く。
ただしWork IQ APIの日本語環境での動作制限がMicrosoft公式に明記されていない。英語で動くからと言って日本語でも同じように動くとは限らない。導入を決める前に自社環境でテストしたほうがいい。
Work IQのGA以降Copilotエージェントの検索が前年比177%に伸びた
「copilot エージェント 使い方」の月間検索数は480回で前年比+177%だ(Googleキーワードプランナー調べ)。直近3か月の平均は720回まで伸びている。その前の3か月の平均450回から60%伸びており加速が続いている。「copilot エージェント 料金」も月間70回で前年比+125%になった。
Google Trendsでも「copilot work iqとは」の上昇率が400と急上昇している。Work IQ APIが6月16日にGAになったことでエージェントの実用度が上がり検索が加速した形だ。
検索上位10件を見ると「Copilotエージェントとは?できること・料金・使い方を解説」のようなタイトルが並ぶ。しかし自作エージェントの従量課金が月額の外にかかることまで踏み込んだ記事は少ない。月額だけ見て安いと思って始めたあとに従量課金に気づくパターンが起きやすい状況だ。
Copilot Studioでの作り方は宣言型とカスタムエンジンの2つある
Copilotエージェントの作り方は大きく2つに分かれる。宣言型アプローチとカスタムエンジンアプローチだ。

宣言型はMicrosoft 365 CopilotのAgent Builderで作れる。コードを書かなくてもSharePoint・OneDrive・Webサイトなどを知識として登録するだけでエージェントが動く。社内資料の検索や営業Q&Aのような用途に向いている。Copilotの月額範囲内で動く場面が多いのも利点だ。
カスタムエンジンは独自のオーケストレーターとモデルを組み込む方式だ。外部APIとの連携やCRMの更新ができる。Webサイトへのチャットボット設置やPower Automateでの自動起動にも対応する。ただし開発力が必要になりCopilot Studioの従量課金がほぼ確実にかかる。
どちらを選ぶかで料金が大きく変わる。まずAgent Builderの宣言型で十分かどうかを確かめてからカスタムエンジンに進む順番がいい。宣言型で済むならCopilot Creditsの追加負担を避けられる。
Copilot Studio料金は月額2,698円の外にかかる
ここが今回いちばん伝えたいところだ。Copilot Studioの料金はMicrosoft 365 Copilotの月額2,698円とは別枠で発生する。月額のアドオンと従量課金の2つが重なる構造になっている。
従量課金を使うにはAzureサブスクリプションが必要だ。Azureを持っていない企業は環境の準備から始めることになる。IT部門のない中小企業にはこの初期設定がハードルになりやすい。プリペイド(容量パック)なら月$200(約30,778円)で25,000 Creditsを先に買う形になる。社内向けエージェントを少人数で使う程度なら従量課金のほうが安く済む場合が多い。月の利用が5,000 Credits以下であれば$50(約7,695円)に収まる。
Power Automateでトリガー実行するケースやスケジュールで自動実行するケースはCopilotライセンスの有無に関係なく従量課金が発生する。「社員全員にCopilotを入れたから追加費用はかからない」と思っていると予算が狂う。対話利用と自動実行で課金の仕組みが違うことを押さえておく必要がある。
プロモーション価格の2,698円が2027年以降も続くかどうかはMicrosoftから発表されていない。通常価格の3,148円に戻る可能性もある。導入の意思決定をするなら通常価格を前提にしたほうが安全だ。
自動化ツール81本の月額中央値2,924円とCopilotエージェントの位置
AInformationが集めたAIツールデータベース494本のうち「作業の自動化」に使えるツールは81本ある(AInformation調べ・2026年9月11日時点)。この81本の月額中央値は2,924円だ。
Copilotエージェントのプロモーション月額2,698円はこの中央値より226円安い。ただしこれはCopilotの月額だけの話で従量課金のCreditsは含まれていない。自作エージェントを動かしてCreditsが月$20(約3,078円)かかれば合計は約5,776円になり中央値を大きく上回る。
AIツール494本全体の月額中央値は2,506円だ。「作業の自動化」は用途別で見ると中央値が高めの分野に入る。自動化ツールは全般的に安くはない領域でCopilotもその中に位置する。AIツールの月額は用途で4.4倍の差がつくこともわかっている。
AInformationのツールデータベースにMicrosoft製のツールは3本しか登録されていない。GoogleやAdobeは6本ずつある。Microsoftはツールの数こそ少ないがCopilotを軸に企業向け市場を押さえにきている。
AI求人2,563件でGitHub Copilotの名前が出る求人は240件
AInformationが集めたAI関連求人2,563件のうちGitHub Copilotの名前が出る求人は240件だ(AInformation調べ・2026年9月12日時点・749社から収集)。
上位を見るとClaudeが677件で最も多い。ChatGPTが407件で2番目だ。Claude Codeは395件でGeminiは368件と続く。Cursorが345件でNotionが331件だ。GitHub Copilotは7番目だがMicrosoftのツールとしては最上位になる。エージェント開発ツールのDifyも82件で広がりを見せている。
GitHub CopilotはコードのAI補完ツールで今回のCopilotエージェントとは別の製品だ。ただし同じMicrosoftの「Copilot」ブランドであり求人票で両方を求めるケースもある。Copilotを使える人材への需要が高まっていることは間違いない。Copilotに8割満足と答えた福島県の事例のように自治体でも導入が進んでいる。
AIに料金を聞いても正しい数字が返ってこない
AInformation編集部がChatGPTにCopilotエージェントの料金を聞いた(2026年9月12日実施)。返ってきた月額は4,497円だった。プロモーション価格でも通常価格でもない数字だ。Microsoft公式の現行プロモーション価格2,698円とは異なる。ChatGPTの回答にはCredit消費量の一覧表も含まれていたが月額の数字が古い情報に基づいている。
Claudeに「Copilot Studioで作ったエージェントの従量課金はCopilot Creditsで計算されます。1 Creditはいくらでメール1通を送るアクションで何Credit消費しますか?」と聞いた。1 Creditが$0.01という単価は正しく返ってきた。ただし「5 creditは確定値ではない」「契約書やレートカードで要確認」と注意が付いた。Credit消費量の全種類をMicrosoftが一覧化していないためAIも正確に答えるのが難しい領域だ。
どちらのAIも料金体系の大枠は説明できている。しかし金額の正確さでは公式ページを直接確認するほうが確実だ。月20ドル払っても使えない場所があるようにAIサービスの料金と実際に使える範囲はAIに聞くだけでは正しく読み取れない。自分の目でMicrosoftの料金ページを開いて最新の数字を確かめるのがいちばん早い。
いまCopilotエージェントの使い方を検討するなら3つやることがある

1つ目はMicrosoft 365 Copilotの月額だけでどこまで使えるか試すことだ。Agent Builderで宣言型エージェントを1つ作りSharePointの社内資料を読ませてみる。Agent Builderならコードを書かずに知識を登録するだけで動く。既成エージェントも含めてこれだけなら月2,698円の範囲で済む。使ってみて足りなければCopilot Studioに進めばいい。
2つ目はCopilot Studioの従量課金を見積もることだ。自作エージェントが月に何回呼ばれるか。そのうち何回がAI生成回答でアクションは何回か。2 Credits × 回答数 + 5 Credits × アクション数に$0.01を掛ければ月のCredits費用がわかる。Work IQ APIを使うならさらに0.1 Credits × API呼び出し数を足す。
3つ目はプロモーション価格の終了に備えることだ。月2,698円はプロモーション価格で通常は3,148円になる。2027年以降の価格がMicrosoftから発表されていない以上、通常価格で予算を組んでおいたほうが安全だ。
Copilotエージェントの月額はほかの自動化ツール81本の中央値2,924円と近い水準にある。ただし従量課金が上乗せされることを忘れると実費が予想の2倍以上になりかねない。まずは月額の範囲内でできることを確認してからCreditsの予算を決める順番がいい。
AInformationではAIツール494本を毎日更新しているがCopilotエージェントは月額の外に従量課金がかかることが料金ページからは見えにくい。この記事では公式情報とAIへの検証結果を突き合わせて実際にいくらかかるかを整理した。
- Copilotエージェントは無料で使えるか
- Microsoft 365 Copilotの月額2,698円(プロモーション価格・税別・年間契約)が必要だ。無料のCopilot Chatでも一部の既成エージェントは使えるが機能は限られる。自作エージェントを動かすにはさらにCopilot Creditsの従量課金がかかる。
- Copilot Creditsは1回いくらかかるか
- 従量課金なら1 Creditあたり$0.01(約1.54円)だ。AI生成回答は2 Credits(約3円)、エージェントアクションは5 Credits(約7.7円)が目安になる。ただしCredit消費量の全種類はMicrosoftから公表されていない。
- Agent BuilderとCopilot Studioの違いは何か
- Agent Builderはノーコードで社内資料の検索や回答ができるエージェントを作る方式だ。Copilot Studioは外部API連携や自動実行など高度な処理ができるが従量課金がかかる。まずAgent Builderで試して足りなければCopilot Studioに進むのがいい。
- Work IQ APIは日本語で動くか
- Work IQ APIは2026年6月16日に一般提供されたが日本語環境での動作制限はMicrosoft公式に明記されていない。1回あたり0.1 Creditsと安いが導入前に自社環境でテストすることを勧める。
- https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing
- https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing/copilot-studio
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/extensibility/agents-overview
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot-studio/add-work-iq
- https://support.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/get-started-with-agents-in-the-microsoft-365-copilot-app
