生成AIが注目される昨今、勉強したいけどもう手遅れかな……と思っている人もいるかもしれません。
生成AIの勉強って、具体的には何をするんだろう?などの疑問もあるでしょう。
今回はそんな方向けに、今からでも遅くない!生成AIが学べる大学とその活用例を一覧にしてご紹介しますので、気になるところからご確認ください。
そもそもAIとは?前提知識のおさらい
生成AIについて学べる大学を見ていく前に、まずは前提となる知識のおさらいをしていきましょう。
AIとはArtificial Intelligenceを略した言葉です。日本語でざっくり言うと、人工知能、ですね。
研究している人によって定義が異なる部分はもちろんありますが、おおむね「人間が考えるときの形に近い形で動作するコンピュータプログラム」や「人間が知的であると受け止めることのできる情報処理技術」のことを指します。
AIの流行と変遷
最初のブームは1950年~60年代。
コンピュータを使った様々な推論、探索と呼ばれる行為が可能となったことで、チェスや数学の定理の照明などの「例外の少ない問題」に対しての解答を導き出せるようになったのがきっかけです。
続いてのブームは1980年~90年代。
この時代は専門分野の知識をコンピュータに取り込むことで推論が可能になりました。
Aという条件の時に、Bという答えを出す。このようなふるまいを設定することで複雑な問題を解決することもできるようになりましたが、たくさんのルールを処理できるほどのマシンスペックがなかったために徐々に下火になっていきます。
そして2000年ごろから現在にまで至る三度目のブーム。
ディープラーニング(深層学習)の登場によってコンピュータが自ら思考するように大量のデータを学習し、ルールやパターンを見出すことができるようになりました。それによって可能なことの幅も広がり、ハード面でも進歩が著しかったことも相まって技術が広がり続けているというわけですね。
AIの種類
AIは様々なことができる分、その専門性によって様々な分野にも分かれます。
アルゴリズム開発や画像認識、音声認識、対話型AIに代表される自然言語処理など。
勉強する際にはコンピュータサイエンスと呼ばれる領域であったり、プログラミングの高度な知識が必要になってくるほか、AIが「人間が考えるときの形に近い」性質を持つために人間そのものを知るための認知科学や脳科学、心理学にまで対象が及ぶことになります。
AIでできること
AI!と聞いてロボット開発などを想像する方は多いのではないでしょうか。
しかし、最近では創薬や新素材開発、バイオテクノロジー、スポーツ科学、気象予測や景気の予測まで、非常に幅広い分野に応用されています。
皆さんの身近な分野でいうと、スマホに搭載されている「顔認識機能」や「自動翻訳機能」もそうですね。
AIを学ぶには?
AI開発にあたっては、先述の通り高度な理系の知識が必要になります。
しかし、「AI活用」にあたってはその限りではありません。社会や生活との関わりは、文系の分野にも及びます。
さてそうなってくると、どうやって調べればAIを学べる場所が見つかるの?と疑問に思うことになるかもしれません。
基本的には、理学部や工学部の「情報系学科」、「AI」や「データサイエンス」を冠した学部や学科が大きな手掛かりとなります。
また、他分野を学ぶ延長線上でAIの開発や活用に関わることができる場合もありますので、生物学(バイオ系)や医療系、経済学、地域創生などの社会学からでも挑戦できるケースがあります。
幅広く視野を持って、本記事を手掛かりに様々調べてみることができると、あなたにとってより良い結果が得られるのではないでしょうか。
生成AIが学べる大学の一例
では本題、生成AIが学べる大学を一覧にして、特徴を押さえつつ紹介していきます。
サイバー大学
すべての授業がオンラインで提供される、「デジタル大学」です。
17年前に開学し、働きながら学ぶ社会人向けの大学として、実用的なITとビジネススキルに焦点を当てた教育が受けられるとのこと。
サイバー大学で学べる事は、ソフトウェアの開発や、フロントエンドからバックエンド、フレームワークに関する知識。Webやインターネットの概念や、基本的な考え方。
ネットワーク技術の基本から、各種サーバ構築、Linuxの導入やシステム管理に関わる知識やスキルを実践的な部分まで。
セキュリティに関しては、基本知識、暗号やブロックチェーン技術の基本、情報システムとネットワークの運用の安全性を担保するための基本的な考え方。
気になるAIに関しては、基本的なAIの考え方、生成AIの利活用。表現や推論の手法、基本的な機械学習に方法など。
他にも、ビジネスパーソンとして、業務内での生成AIの扱いやスキル、DXの推進、企業管理、プロジェクトの計画立案や実行、評価に関する部分。起業に必要な基本知識や事業計画書、応用力、経営知識や財務の知識なども学ぶことができます。
サイバー大学HP
https://www.cyber-u.ac.jp/camp/brand/
東京国際工科専門職大学
AIやIoT、ロボット、ゲーム、CGやアニメなど、これからの日本をリードする分野の教育に特化した大学です。
特に生成AIに関しての学習に焦点を当てて見てみましょう。
東京国際工科専門職大学で学べる事は基本の段階、人工知能の理論。そこから実装のためのプログラミングの技術までを、段階的に学んでいくことができます。また、技術だけでなく新しいAIサービスの発想、デザインに関しても対応可能な人材育成を行っているようです。
システム開発、ソフトウェア開発に携わるAIエンジニアとしてだけではなく、ITコンサルタントやデータアナリストとしての活躍も視野に入れることができ、学位としては情報工学士が授与されます。
デザインエンジニアリングの概要や方法論、実践的な課題に基づいたシステム開発、人工知能を用いたシステム開発に携わるためのプロトタイプの作成からテスト、評価まで。また、深層学習に関しては、ニューラルネットワークの技術内容から実現方法、効果に関しての講義を通じて具体的な技術の適用方法を学ぶことができますね。
東京国際工科専門職大学HP
https://www.iput.ac.jp/tokyo/
KADOKAWAドワンゴ情報工科学院大学部
こちらは大卒資格対応の専門スクールです。
エンタメ創業企業であるKADOKAWAと、IT企業であるドワンゴ、そしてITやプログラミングの専門スクールを運営するバンタンなどが協調して運営するもので、連携する通信制大学での大卒資格取得をしながら、社会で即戦力となるスキルを身に着けることができます。
一般的な大学とは異なるため、少人数のクラス制です。また、カリキュラムもドワンゴ社監修の実践的な学習となっており、講師も同様に現役のエンジニアやデザイナー、ビジネスマンが担当しますので、社会への意識に特化した構成となっていると言えるのではないでしょうか。
専攻も、IT総合からAI/IoT専攻、ホワイトハッカー専攻にWEBデザイン専攻と、他に類を見ない珍しいものがあるのが特徴の一つです。
アプリ開発やセキュリティエンジニアリングに関するカリキュラムも存在しますので、さまざまな分野への造詣を深めることができるでしょう。
また、大学部とは異なり2年から3年での早期活躍を目指すための専門部もあります。
IT総合コースはありませんが、他の3専攻は存在しますので、AI人材を目指したい方にとっては嬉しいしらせではないでしょうか。
KADOKAWAドワンゴ情報工科学院大学部HP
https://kadokawadwango-it-university.jp/lp/all/02/
東京通信大学
生成AI専門ではありませんが、東京通信大学にもIT・情報システムコースがあります。
こちらは基礎からプログラミングやシステム開発までを体形的に学習しつつ、最先端の分野まで網羅的に履修することができます。
1年次には基礎的な教養、教育の科目から、プログラミングや経営学。
2年次にはデータ構造やアルゴリズム、セキュリティ分野、ソフトウェア概論。
3年次にはプログラミングの応用やサーバ構築、クラウド技術や実際的なシステム開発。
4年次にはAIやブロックチェーンなどの新技術を学びながら、新しい技術の創造も視野にいれた応用学習。
これらの科目を、年の開始時に自分で選択して受講することができるため、自分の将来像を持っている方にとっては最適な選択肢と言えるかもしれません。
東京通信大学HP
https://www.internet.ac.jp/faculty/im-system/
他にもAIを学べる大学はたくさん
さて、AI(生成AI)が学べる大学の中でも社会人にも優しく、かつ有名でありそうなところから紹介しましたが、もちろん他にも学べる場所はあります。
上記より簡単にはなりますが、こちらも紹介していきましょう。
東京工科大学
コンピューターサイエンス学部が、2020年度から「人工知能専攻」と「先進情報専攻」の2専攻をベースに教育を展開しています。特に前者は機械学習やデータサイエンス、認知科学やロボティクスといったAI分野に近いものを主としているほか、AIと社会のかかわりに関する研究も行われています。
武蔵野大学
データサイエンス学部が存在します。ここでは、蓄積されたビッグデータの分析、新しい価値の創造やイノベーションといった観点への到達が目標とされており、その手段としてPythonやそのライブラリを用いた技術の学習や、データサイエンスに関する幅広い知識とスキルを身に着けてゆくことになります。生成AIの根幹とも言える部分の学習ですね。
大阪工業大学
大阪工業大学でAIを学ぶなら、ロボティクス&デザイン工学部。エンジニアリングとデザインを融合させた、人の生活に寄り添う福祉機器やロボット、IoT機器などの創造に関する未来に向けたものづくりの学習が可能です。
生成AIとは少し毛色が違いますが、ロボティクスにもAI技術が必要となります。必然的に、学ぶことにもなるでしょう。
ほかにも、東京大学や滋賀大学、広島大学、横浜市立大学などでAIに関連する技術を学ぶことが可能ですし、大学に限らなければもっとあります。
「人を知る」人工知能講座、SmartSE、データサイエンス&AI人材育成プログラムや、enPiT-everiなど。オンラインで受講できるものや、AI関連イベントなど。さまざまありますので、興味があれば検索してみてください。
まとめ【今からでも遅くない!生成AIが学べる大学】
AIとは?という基本の点から生成AIが学べる大学の探し方、実際に見つけた学べる大学の例など、本記事に記載した内容をまとめていきます。
- AIブームは今で3度め。年々進歩が見込まれており、実際に進歩をし続けている
- AIは理系と思われがちだが、探し方次第で文系でもAIを活用しながら研究ができる場所を見つけられる
- 社会人にも嬉しいリモート講義が主なのは、「サイバー大学」、「KADOKAWAドワンゴ情報工科学院大学部」、「東京通信大学」
- がっつりしっかり学びつつ、キャンパスライフも謳歌できるであろう場所は「東京国際工科専門職大学」、「東京工科大学」、「武蔵野大学」、「大阪工業大学」
本記事は以上となります。生成AIをこれから学びたい!だけどどう探せばいいのか……と悩んでいる方の一助になど、なれればよいなと思います。
今後も生成AIに関連して、実際にプロンプトを作成するときに気を付けるとよいこと、生成AIにまつわる疑問についてなど、さまざま記事を作成していく予定ですので、もしお気に召したならブックマークなどで見逃しのないよう工夫いただけると嬉しいです。