音楽を作れるAIツール18本のうち13本(72%)は0円で始められる。有料でも中央値は月1,385円で全14用途中もっとも安い。ただし日本語に対応した音楽AIは5本だけで日本円で払えるのはSunoとLALAL.AIの2本しかない。
- 音楽を作れるAIツール18本のうち13本(72%)は0円で使える
- 14の用途の中で音楽AIの無料率がもっとも高い
- 有料でも中央値は月1,385円で全用途中もっとも安い
- 日本語に対応しているのは18本中5本だけだ
- ChatGPTとClaudeに聞いても18本中5本しか教えてくれない
- 無料プランで作った曲は商用利用できないケースが多い
はてブ2位のYuE2をきっかけに音楽AI18本を調べた
2026年9月11日のはてなブックマーク テクノロジーで2位に入ったのは音楽生成AI「YuE2」の無料公開だった。有料のSuno v5に近い性能で日本語ボーカルにも対応するとされている。テクノロジーに関心のある層に一気に広まった。
「音楽をAIで作れる」こと自体はもう珍しくない。AInformationのAIツールデータベースには2026年9月11日時点で「音楽を作る」用途のAIツールが18本登録されている。494本の全ツールに対して18本は少ない部類だ。ただしこの18本には他の用途にない特徴がある。無料率がきわめて高く有料でも料金がきわめて安い。
読者がもっとも知りたいのは「本当に0円で使えるのか」と「有料ならいくらかかるのか」だろう。この記事ではAInformationが494本の料金ページを直接見て集めたデータをもとに音楽AIの料金を他の13用途と並べて比べる。さらにChatGPTとClaudeに同じ質問を実際に投げてAIが教えてくれる情報とデータベースのずれも確かめた。
「音楽生成AI 無料」で検索しても出てくるのは公式ページばかりだ
「音楽生成AI 無料」でBingを2026年9月12日に検索すると上位9件のうち8件はツールの公式ページだった。Musicful、Canva、Suno、Soundraw、Murekaなどがそれぞれ自社のツールを無料で使えると案内している。比較記事は9件中1件だけだ。どのページも「無料で作れる」ことは書いているが14の用途を横に並べて音楽AIがどれだけ安いかを示したものは1件もない。以下では「14用途の中で音楽AIはどの位置にいるのか」という切り口で数字を見ていく。
音楽AIの72%は0円で14用途中もっとも無料率が高い
AInformationのAIツールデータベースは494本のAIツールを14の用途に分けて料金を記録している。2026年9月11日時点で「音楽を作る」用途のAIツールは18本ある。このうち無料プランを持っているのは13本で無料率は72%だ。
72%という数字は14用途の中でもっとも高い。2番目に無料率が高いのは「資料・スライド」の70%で3番目が「プログラミング・開発」の66%だ。もっとも低いのは「問い合わせ対応」の21%で音楽の72%とは大きな差がある。
無料率が高い理由はツールの仕組みにある。音楽AIは無料で作った曲を聴いてもらうこと自体が宣伝になる。ユーザーが「商用利用したい」「もっと長い曲を作りたい」と思ったときに有料プランへ移る。だから入り口を広くしてまず触らせることに意味がある。
反対に「問い合わせ対応」や「データ分析」は法人向けのツールが中心だ。問い合わせ対応の無料率は21%でデータ分析は22%にとどまる。個人が趣味で使うか法人が業務で使うかの違いがそのまま数字に表れている。
ちなみに「作業の自動化」は58%で「翻訳」は59%だ。中間帯に多くの用途が集まっていて音楽と問い合わせ対応だけが両端に位置する。音楽AIの無料率の高さは突出していると言ってよい。
18本は494本全体に比べれば少ない。ただし1本ずつ料金ページを見て確認した結果なので「だいたい無料」ではなく「72%が無料」と言い切れる。
有料でも月1,385円で14用途中もっとも安い
無料率が高いだけでなく有料にしたときの料金も安い。音楽を作るAIツール18本の月額の中央値は1,385円だ。これは14用途の中でもっとも安い金額になる。2026年9月11日時点のAInformationの集計による。
2番目に安いのは「資料・スライド」で中央値が1,848円だ。もっとも高いのは「問い合わせ対応」の6,156円になる。音楽の1,385円と問い合わせ対応の6,156円では大きな開きがある。音楽AIは無料率でも料金でも14用途中もっとも敷居が低い用途だと言える。
安さの背景には個人ユーザーが多いことがある。音楽を作りたい人の大半は趣味や副業で使うので月に数千円を超える料金では契約してもらえない。法人向けの「問い合わせ対応」や「データ分析」とは客層がまったく違うため料金設定も低くなる。
AIツール全体の月額の中央値は2,506円だ。音楽の1,385円はこの全体中央値を下回る。有料プランに移行しても「毎月数千円の出費」にはならないのが音楽AI特有のメリットだ。ただし安さには理由がある。音楽AIは生成できるものが「曲」に限られるため1つのツールでできることの幅が狭い。汎用AIツールと違って曲を作る以外の用途には使えない。その分だけ料金が抑えられている。
「画像を作る」用途の中央値が1,885円で「動画を作る」は2,154円だ。クリエイティブ系の用途は比較的安い傾向にあるがその中でも音楽は頭一つ抜けている。「相談・調べもの」は2,555円で「仕事の管理・共有」は2,885円になる。ビジネス寄りの用途になるほど月額が上がっていく。用途ごとの料金差はAInformationの別の記事でも取り上げている。
日本語に対応した音楽AIは18本中5本しかない
音楽AIの無料率と料金の安さだけを見ると「音楽AIは最高の環境だ」と思えるかもしれない。ただし日本語への対応を条件に加えると話が変わる。AInformationが2026年9月11日時点で18本の対応言語を確認したところ日本語に対応しているのは5本で全体の28%だった。
18本中5本という絶対数の少なさが問題だ。画像を作る用途なら75本中20本が日本語対応で選択肢に余裕がある。音楽は5本の中から選ぶしかない。「日本語の歌詞で歌わせたい」という日本の読者にとって当然の条件が一気に選択肢を絞る。
5本の日本語対応率28%は14用途の中で真ん中あたりに位置する。「資料・スライド」の42%や「仕事の管理・共有」の23%と比べて突出して低いわけではない。ただし音楽AIは歌詞を歌わせるという性質上、言語の対応がそのまま使えるかどうかを決める。日本語に対応していないツールで日本語の歌を作ることはできない。

18本から条件をつけていくと選択肢がさらに減る。無料で試せるもので絞ると13本だ。日本語対応を加えると5本になる。「日本円で払える」まで求めるとSunoとLALAL.AIの2本しか残らない。無料率72%という入り口の広さと「日本語で歌える2本」の狭さは同じデータベースから出ている数字だ。
「無料で音楽が作れる」と聞いて触り始めた人が日本語で使おうとしたときに選択肢の少なさに気づく。このギャップが音楽AI特有の落とし穴になっている。
2026年9月12日にChatGPTとClaudeに同じ質問を投げた結果でもClaudeが「日本語歌唱に対応」と明言したのはSunoだけだった。ChatGPTはSuno、Mureka、Eleven Music、TopMediaiの4本を日本語対応と答えたがUdioは「公式に明示していない」と評価を下げた。AIに聞いても日本語の対応状況は回答ごとにぶれが出る。
日本円で払えるのはSunoとLALAL.AIの2本だけだ
音楽用途のAIツール18本のうち日本語に対応し日本円で支払えて無料プランも持っているものはSunoとLALAL.AIの2本だけだ。AInformationが2026年9月11日時点で各社の料金ページを直接見て確認した。
Sunoの有料プランは月1,200円だ。日本語の歌詞を入力するとAIが歌声つきの楽曲を生成する。J-POPやロックなどジャンルの指定もできる。LALAL.AIは月1,185円で音源からボーカルと伴奏を分離する用途に強い。曲を一から作るというよりは既存の音楽を加工する側のツールだ。
この2本はどちらも月額1,200円前後でAIツール全体の中央値2,506円を大きく下回る。音楽用途で日本円払いに対応している有料ツールの中央値は1,200円だ。「日本円で安く使いたい」という条件に合う2本はどちらも手の届く料金設定になっている。
残りのツールはドル建ての支払いになる。為替レートの変動で実質的な支払額が毎月変わるため予算を立てにくい。2026年9月12日時点の為替レートは1ドル153.76円だ。ドル建てのツールはこのレートで日本円に換算して払うことになる。
AInformationのデータベースで「日本語に対応し日本円で払えて無料でも試せる」の3条件を満たすAIツールは全494本のうち43本しかない。音楽用途はそのうちの2本だ。選択肢が2本しかないのは制約だがどちらも月額が安いため「まず1つ契約して試す」ハードルは低い。
ChatGPTとClaudeに聞いても18本中5本しか出ない
AInformationでは2026年9月12日にChatGPTとClaudeへ同じ質問を実際に投げて回答を比べた。質問は「無料で使える音楽生成AIを5つ教えてください。商用利用できるかと日本語の歌詞で歌えるかも教えてください」だ。
Claudeは51.2秒で回答しSuno、Udio、Soundraw、AIVA、Google MusicFXの5本を挙げた。ChatGPTは67.0秒かかりSuno、Udio、Mureka、Eleven Music、TopMediaiの5本を答えた。2社で共通しているのはSunoとUdioの2本だけだ。合わせると8本の名前が出たがAInformationのデータベースに登録されている18本の半分以下にとどまる。
2社のAIが推薦した音楽AIツール
| ツール名 | Claude | ChatGPT | 無料の商用利用 |
|---|---|---|---|
| Suno | ○ | ○ | ×(有料で可) |
| Udio | ○ | ○ | DL停止中 |
| Soundraw | ○ | ― | ×(有料で可) |
| AIVA | ○ | ― | × |
| MusicFX | ○ | ― | 要確認 |
| Mureka | ― | ○ | × |
| Eleven Music | ― | ○ | × |
| TopMediai | ― | ○ | × |
AIに聞いただけでは選択肢の全体像が見えない。18本中8本しか名前が出ないということは残りの10本はAIの推薦から漏れている。料金ページを1本ずつ見て集めたデータベースでなければ18本という全体の数も72%という無料率も分からない。
2社とも「無料で商用利用OK」を1本も答えなかった
注目すべきは2社とも「無料プランで作った曲を商用利用できる」と明言したツールが1本もなかった点だ。Claudeは5本すべてについて「無料版は商用不可」か「有料プランが前提」と回答した。ChatGPTも5本中5本で「無料での商用利用は不可」としている。
つまりAIに聞いても「無料で音楽を作れて商用利用もできるツール」は出てこない。無料率72%の内訳は「お金を払わずに試せる」という意味であって「無料のまま仕事に使える」という意味ではない。この違いは無料率の数字だけを見ていると見落としやすい。
AIの回答に日本円の料金は1つも出なかった
もう1つ気になったのは2社とも有料プランの料金をドル建てでしか示さなかった点だ。Claudeの回答にもChatGPTの回答にも日本円の具体的な金額は出てこない。「Pro以上が必要」「有料プランで可」と書くだけで月いくらかかるかの円換算は読者任せだ。
AInformationのデータベースではSunoの月額を1,200円(円払い対応)と記録している。AIに聞いただけではこの情報にたどり着けない。日本で暮らしている読者にとって「月いくらかかるか」は日本円で知りたい情報だ。ドル建ての金額を出されても為替レートを自分で調べて計算する手間がかかる。
Sunoは月1,200円で歌が作れるが無料の商用利用はできない
ChatGPTとClaudeの両方が1番目に挙げたSunoは音楽AIの中でもっとも知名度が高いツールだ。2026年9月11日時点のAInformationのデータベースでは月額1,200円で日本円払いに対応している。日本語の歌詞を入力するとAIが歌声付きの楽曲を生成する。
Sunoの無料プランでは曲を作ること自体はできる。ただし作った曲をYouTubeの収益化やSpotifyへの配信に使うにはPro以上のプランが必要だ。ChatGPTの回答によると無料で作った曲を後から課金しても商用利用の権利はさかのぼって付かないとされている。「まず無料で作って気に入ったら有料に切り替えよう」という流れだと無料で作った分は使えないことになる。

2社とも推薦したUdioは別の問題を抱えている。Universal Music Groupとの著作権訴訟の和解に伴いダウンロード機能が停止中だ。曲を作ること自体はできるがファイルとして取り出せないため実質的に外部で使うことができない。ClaudeもChatGPTもこの制約に触れていた。Sunoのv6での変更点もあわせて確認しておくとよい。
Claudeが推薦したSoundrawは著作権の面ではもっともクリーンだとされている。独自の学習データを使っており大手レコード会社からの訴訟リスクがないと回答した。ただしSoundrawはBGM専用でボーカル付きの歌は作れない。日本語の歌詞で歌わせたいという用途には合わない。
「無料で商用利用OK」をうたうツールも探せばあるかもしれない。ただしChatGPTとClaudeのどちらに聞いても1本も出てこなかった。条件の細かさが商用利用を難しくしている。曲の著作権がユーザーに帰属するのかツール側に残るのかはプランとツールによって異なるため規約の確認が欠かせない。
音楽AIを選ぶ前に確かめることは3つある
ここまでの数字を踏まえると音楽AIを選ぶ前に確かめるべきことは3つに絞れる。日本語の歌詞に対応しているか、日本円で支払えるか、無料プランで商用利用できるかだ。

1つ目の「日本語の歌詞に対応しているか」は18本中5本(28%)しか当てはまらない。英語やスペイン語であれば選択肢は広がるが日本語の歌を作りたい人にとっては5本が出発点になる。
2つ目の「日本円で払えるか」はさらに厳しい。日本語対応かつ日本円払いかつ無料トライアルありの3条件を満たすのはSunoとLALAL.AIの2本だけだ。ドル建てのツールを使う場合は為替変動を受け入れる必要がある。
3つ目の「無料で商用利用できるか」はもっとも見落とされやすい条件だ。ChatGPTとClaudeに聞いても「無料で商用利用OK」のツールは1本も出てこなかった。個人で楽しむ分には問題ないが曲を仕事に使いたいなら有料プランが前提になる。
この3つを全部満たすツールは今のところ見つかっていない。「日本語」「日本円」までクリアしたSunoでも商用利用には月1,200円が必要だ。3つの条件はどれか1つを受け入れるか費用を払うかの選択を迫る。
3つの条件の中でもっとも改善が進みそうなのは日本語対応だ。YuE2のように新しく日本語ボーカルに対応するツールが出てきている。日本円払いの対応は決済の仕組みの問題なので進み方は遅いかもしれないが日本語対応だけなら技術の進歩で増える余地がある。
0円の入り口は広いが条件をつけると2本に絞られる
音楽AIは14用途の中で入り口がもっとも広い用途だ。72%が0円で試せて有料でも中央値1,385円ともっとも安い。「AIで何か作ってみたい」と思った人がもっとも気軽に手を出せるのが音楽の分野だ。
ただし「日本語で歌わせたい」と「日本円で払いたい」の2つの条件を足すだけでSunoとLALAL.AIの2本に絞られる。商用利用したいならSunoのPro以上が必要で月1,200円がかかる。0円の入り口の広さと実用上の選択肢の狭さのギャップが音楽AI特有の構造だ。
ChatGPTとClaudeに聞いても18本中8本しか名前が出ない。日本円の料金も出てこない。AIに聞いた情報だけでツールを選ぶと見落としが生まれる。料金ページを1本ずつ見て集めた一次データを使うほうが正確な判断につながる。
まずは0円で触ってみるのが音楽AIの正しい始め方だ。そのうえで商用利用の条件と日本語対応の有無を確かめてから有料プランへ移ればよい。
2026年9月11日のはてなブックマークで話題になったYuE2のような新しい無料ツールがこの先も出てくるだろう。ツールが増えれば日本語対応や日本円払いの選択肢も広がる。ただし現時点では音楽AIの実用的な選択肢は限られている。その「限られ方」を数字で知っておくことが最初の一歩になる。
音楽AIは入り口の広さが14用途の中で飛び抜けている。72%が0円で試せて有料でも月1,385円だ。ただし仕事で使おうとすると「日本語で歌えるか」「日本円で払えるか」「商用利用できるか」の3つの条件が立ちはだかる。まず0円で1曲作ってみてから考えるのがいちばん確実だ。商用利用が必要なら月1,200円のSuno Proから始めるのが手堅い。
- 音楽生成AIは本当に無料で使えるか
- 使える。AInformationが2026年9月11日時点で調べた18本のうち13本(72%)は無料プランを持っている。ただし無料プランで作った曲をYouTubeの収益化動画や広告に使うことはほとんどのツールで禁止されている。個人で楽しむぶんには問題ないが仕事で使うなら有料プランへの移行が前提になる。
- SunoとUdioはどちらがよいか
- 2026年9月12日時点ではSunoのほうが使いやすい。Sunoは日本語の歌詞に対応し日本円で月1,200円から始められる。UdioはUniversal Music Groupとの訴訟和解に伴いダウンロード機能が停止中で作った曲を外部で使えない状態が続いている。
- 日本円で払える音楽AIはあるか
- ある。AInformationが2026年9月11日時点で調べた18本のうち日本語対応と日本円払いと無料トライアルの3条件を満たすのはSuno(月1,200円)とLALAL.AI(月1,185円)の2本だ。他のツールはドル建ての支払いが必要になる。
