Claude Sonnet 5.5が公開 単価は同じで「30%速い」
Anthropicは9月28日、中位のモデル「Claude Sonnet 5.5」を公開しました。3か月ほど前に出たSonnet 5の後継です。
Anthropicの公式発表によると、出力は30%以上速くなりました。料金は100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルでSonnet 5と変わりません。同じ仕事に使うトークンが減るので、多くの仕事で1回の費用は最大30%下がるとしています。
伸びが目立つのはプログラミングです。Terminal-Bench 4.0は70.6%で、上位のOpus 5.5の66.4%も上回りました。CursorBench 4.0は55.5%で、Opus 5.5の57.8%には届いていません。
| 項目 | Sonnet 5.5 | Sonnet 5 | Opus 5.5 |
|---|---|---|---|
| 入力(100万トークン) | 2ドル | 2ドル | 4ドル |
| 出力(100万トークン) | 10ドル | 10ドル | 20ドル |
| Terminal-Bench 4.0 | 70.6% | 10.3% | 66.4% |
| CursorBench 4.0 | 55.5% | 34.1% | 57.8% |
公式スペック。Anthropicの公式発表と料金ページの値で、9月29日に確かめました。Opus 5.5のTerminal-Bench 4.0は最も高い設定での値です。

- 9/28AnthropicがClaude Sonnet 5.5を公開
- 9/29AInformationが日本語の4つの仕事で試した
GPT-6 Solとも単価は同じ 差は1回に使うトークンで付く
Sonnet 5.5の単価は、OpenAIが先週出したGPT-6 Solの標準料金とも同じです。OpenAIの料金ページでも、GPT-6 Solは入力2ドル・出力10ドルでした。単価が並ぶので、どれが安いかは1回の仕事で使うトークンの数で決まります。
円に直すと入力は約314円、出力は約1,569円です(9月28日の欧州中央銀行の参照値・1ドル156.88円)。上位のOpus 5.5はちょうど2倍の入力4ドル・出力20ドルです。
使える場所はClaude Platform・AWS・Google Cloud・Microsoft Azureです。Claude CodeとClaudeのアプリでは、考える強さ(effort)の既定がMediumになっています。
Sonnetで初めてOpusと同じ種類のサイバー攻撃への悪用を防ぐ安全策も付きました。危険度の高いセキュリティの依頼はSonnet 5の答えに切り替わりますが、ふだんのバグ直しは対象外です。

日本語の4つの仕事で試した メールだけ出力が2.2倍に増えた
AInformationが同じ日本語の依頼を3つのモデルに投げると、Sonnet 5.5はいちばん速い一方で費用はいちばん高くなりました。頼んだのは会議メモの整理・Excelの数式・Pythonのバグ直し・200字以内のお詫びメールの4つです。9月29日にAPIを既定の設定のまま使い、1つの仕事を20回ずつ試しています。
| 仕事(20回の中央値) | Sonnet 5.5 | Sonnet 5 | GPT-6 Sol |
|---|---|---|---|
| 会議メモの整理 | 2.25秒・278 | 3.21秒・268 | 3.84秒・234 |
| Excelの数式 | 1.23秒・70 | 1.39秒・70 | 2.58秒・94 |
| Pythonのバグ直し | 1.50秒・176 | 2.04秒・177 | 3.05秒・107 |
| 200字のお詫びメール | 5.26秒・719 | 4.93秒・325 | 5.68秒・241 |
| 80回の平均秒数 | 2.62秒 | 2.94秒 | 3.83秒 |
| 1,000回あたりの費用 | 約524円 | 約400円 | 約307円 |
AInformation独自検証。秒数は依頼を送ってから答えを受け取り終えるまでで、右の数字は出力トークンです。費用は実際のトークン数に公式の単価を掛け、1ドル156.88円で直しました。
答えの中身は3つとも80回すべて合格でした。宿題の担当と期限が全部入るか・数式が正しいか・直したコードが動くか・200字以内かで見ています(SUMPRODUCTの数式も正解)。
かかった時間は会議メモで3割縮みました。Sonnet 5の3.21秒に対しSonnet 5.5は2.25秒で、バグ直しも2.04秒から1.50秒になっています。GPT-6 Solは4つとも3つの中でいちばん遅い結果でした。
お詫びメールは本文172字でも出力は719トークン
逆に200字のお詫びメールでは、Sonnet 5.5のほうが遅くなりました。出力トークンの中央値は719でSonnet 5の325の2.2倍です。Sonnet 5.5は20回とも603〜898の間で、Sonnet 5は213〜643でした。
本文は中央値で172字と、Sonnet 5の136字より長めでした。Claudeの2つのモデルはAPIの返事の頭に考えた跡の枠が付き、中身は空で返ってきます。この見えない部分も出力として数えられ、料金がかかります。
4つの仕事の費用を1,000回あたりに直すと、Sonnet 5.5は約524円でSonnet 5の約400円より31%高くなりました。メールを除く3つでは出力トークンがほぼ同じで、差はほとんどメールで付いています。公式が言う「最大30%安い」は、今回の日本語の仕事では再現できなかったことになります。

Sonnet 5.5へは会議メモとバグ直しから 字数指定は後回しだ
APIでSonnet 5を使っているなら、モデル名をclaude-sonnet-5-5に替えれば移れます。まずは会議メモの整理やバグ直しのように、答えの形が決まった仕事から替えるとよさそうです。
字数を指定した文章を大量に作る会社は、切り替える前に同じ依頼を10回ほど流して出力トークンを比べておきたいところです。費用だけで選ぶなら、今回の試験で最も安かったのはGPT-6 Solの約307円でした。
思考をオフにして使っている開発者は、新しいbetween_toolsの設定に切り替えてから移ります。小さいHaiku 5.5も数週間のうちに出る予定なので、量をさばく仕事はその発表を待つ手もあります。
- effort
- Claudeが答える前にどれだけ考えるかを決める設定。低いほど速く安く、高いほど長く考えて確かめる。アプリの既定はMedium
- Terminal-Bench 4.0
- コマンドを打つ画面で、複数の手順がある仕事をAIがどこまでこなせるかを測る試験。Anthropicがプログラミングの力の比較に使った
APIでClaudeを社内の仕組みにつないでいる会社にとって、今回は値下げではなく使い方しだいで安くも高くもなる話だとみています。議事録の整理やコードの修正のように答えの形が決まった仕事は速くなるので、社内の定型作業には向きそうです。一方で字数を指定した文章を大量に作る部署は、切り替えたとたんに請求が増える可能性があります。情報システム部門はモデルを一斉に替える前に、部署ごとの仕事で出力トークンを1週間ほど見比べておくと安心です。
- Claude Sonnet 5.5のAPI料金はいくら?
- 100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルで、Sonnet 5と同じです。9月28日の欧州中央銀行の参照値(1ドル156.88円)で直すと、入力は約314円・出力は約1,569円になります。上位のOpus 5.5は入力4ドル・出力20ドルでちょうど2倍です。OpenAIのGPT-6 Solも標準の単価は入力2ドル・出力10ドルで並んでいます。
- Sonnet 5.5に替えると安くなる?
- 単価は同じなので、安くなるのは1回に使うトークンが減る仕事だけです。AInformationが日本語の4つの仕事を20回ずつ試すと、1,000回あたりの費用はSonnet 5.5が約524円でSonnet 5の約400円より高くなりました。200字のお詫びメールで出力トークンが2.2倍に増えたのが原因です。会議メモの整理やExcelの数式では出力トークンがほぼ同じでした。
- Claude Sonnet 5.5はどこで使える?
- Anthropicの開発者向けのClaude Platformと、AWS・Google Cloud・Microsoft Azureで使えます。APIのモデル名はclaude-sonnet-5-5です。Claude CodeとClaudeのアプリでは考える強さの既定がMedium、Claude PlatformではHighになります。無料プランで選べるかどうかは、9月29日時点の発表には書かれていません。
- Sonnet 5.5ではセキュリティの作業が制限される?
- 危険度の高いサイバーセキュリティの依頼だけが、目に見える形でSonnet 5に切り替わります。Sonnet 5.5のサイバー能力がOpus 5並みに上がったため、Sonnetで初めてOpusと同じ種類の安全策が付きました。ふだんのソフト開発でバグを探して直す作業は対象外です。防御の専門家向けには、より高度な機能を使える審査の制度が近く広がります。
この記事の出典
補助資料
- [1]TechCrunchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月29日
