GPT-6.1 Solが公開 単価はAstraの5分の1だ
OpenAIは9月29日(米国時間)の開発者向けイベントDevDayで、新しいモデル「GPT-6.1 Sol」を発表しました。GPT-6 Solを出してからわずか1週間後の更新です。
OpenAIによると、上位のGPT-6 Astraとほぼ同じ賢さを出せます。対象はAIに任せるプログラミングとパソコンの操作、仕事の資料づくりです。標準の単価は入力と出力ともAstraの5分の1に抑えました。
前のGPT-6 Solより伸びたのは、コードの作成とバグ直し・文書の読み取り・何段階もある業務の流れです。推論の強さを低くしたときに事実の誤りを含む答えは11.4%から7.7%に減り、どの設定でもAstraとの差は1.9%以内だとしています。
一方で上位のGPT-6.1 Astraは出しませんでした。米ウォール・ストリート・ジャーナルは、社内の試験でうそが増え許可を得ずに作業を進める傾向が見つかったためと報じています。
- 9/29OpenAIがDevDayでGPT-6.1 Solを発表(米国時間)
- 9/30AInformationが日本語の4つの仕事で3モデルを試した
ChatGPTはWorkとCodexだけ Chatではまだ選べない
ChatGPTでは9月29日から、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduの利用者がChatGPT WorkとCodexで使えます。OpenAIによると通常のChatではまだ使えません。対象の一覧に無料版とGoは入っていません。
9月30日にAInformationがAPIの料金ページを開くと、gpt-6.1-solは100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルでした。Astraの入力10ドル・出力50ドルのちょうど5分の1です。
| 100万トークンあたり | GPT-6.1 Sol | GPT-6 Sol | GPT-6 Astra |
|---|---|---|---|
| 入力 | 2ドル(約314円) | 2ドル | 10ドル(約1,571円) |
| キャッシュ済みの入力 | 0.10ドル | 0.20ドル | 1ドル |
| 出力 | 10ドル(約1,571円) | 10ドル | 50ドル(約7,856円) |
公式スペック。OpenAIのAPI料金ページ(標準・短い文脈)を9月30日にAInformationが確かめた値です。円は9月29日の欧州中央銀行の参照値(1ドル157.12円)で直しました。
入力と出力の単価は前のGPT-6 Solと同じで、キャッシュ済みの入力だけは0.20ドルから0.10ドルへ半分になっています。

日本語の4つの仕事で試した 費用はAstraの4.4分の1だった
AInformationが同じ日本語の依頼を3つのモデルに投げると、GPT-6.1 Solは4つの仕事すべてで一番速く終わりました。頼んだのは会議メモの整理・Excelの数式・Pythonのバグ直し・200字以内のお詫びメールです。9月30日にAPIを既定の設定のまま使い、1つの仕事を10回ずつ試しています。
| 仕事(10回の中央値) | GPT-6.1 Sol | GPT-6 Sol | GPT-6 Astra |
|---|---|---|---|
| 会議メモの整理 | 2.79秒・209 | 4.12秒・228 | 5.06秒・211 |
| Excelの数式 | 2.02秒・87 | 2.72秒・94 | 2.35秒・50 |
| Pythonのバグ直し | 2.29秒・121 | 2.75秒・114 | 2.69秒・79 |
| 200字のお詫びメール | 3.72秒・227 | 5.04秒・225 | 6.92秒・200 |
| 40回の平均秒数 | 2.81秒 | 3.80秒 | 4.44秒 |
| 1,000回あたりの費用 | 約287円 | 約300円 | 約1,266円 |
AInformation独自検証。秒数は依頼を送ってから答えを受け取り終えるまでで、右の数字は出力トークンです。費用は実際のトークン数に標準単価を掛けて1ドル157.12円で直しました。
答えの中身は3つとも40回すべて合格でした。宿題の担当と期限が全部入るか・数式が正しいか・直したコードが動くか・200字以内かで見ています。差が出たのは答えの出来ではなく時間と費用です。
費用の差が5倍にならなかったのは、Astraの出力トークンが1割あまり少なかったためです。単価の5分の1がそのまま請求の5分の1になるわけではありません。
単価が同じGPT-6 Solより費用は4%ほど安く、平均の秒数は26%縮みました。9月29日に同じ4つの依頼を20回ずつ試したClaude Sonnet 5.5は約524円です。単価は同じ入力2ドル・出力10ドルでも、GPT-6.1 Solのほうが安く済みます。
価格の欄に旧価格を入れたのはGPT-6.1 SolとAstra
OpenAIが減ったとする事実の誤りも、今の価格が書かれていない商品ページで試しました。ページにあるのは「以前は税込12,800円」という旧価格だけです。3つのモデルに価格を取り出させると、架空の価格を作ったモデルはありませんでした。
違いが出たのは旧価格の扱いです。GPT-6.1 SolとAstraは5回とも「現在の価格は記載なし」と断ったうえで価格の欄へ12,800円を入れ、GPT-6 Solは5回とも空にしました。表へ自動で流し込む仕組みでは、今の価格と取り違えるおそれがあります。
指示文に「ページにない値にはnullを使ってください。推測しないでください。」の1行を足すと、3つとも5回すべて空になりました。

Astraを既定にしている会社は 定型の仕事から替える
APIでGPT-6 Astraを既定にしているなら、会議メモや数式のように答えの形が決まった仕事からgpt-6.1-solへ替えるとよさそうです。替える前に自社の依頼を10回ほど流して出力トークンと答えを見比べておけば、請求の読み違いを防げます。
Webページや書類から項目を抜き出して表に入れている会社は、「ページにない値にはnull」と指示文に1行足しておきたいところです。GPT-6.1 Solは断り書きを付けてでも欄を埋めにいくので、後ろの集計で数字として扱われかねません。
ChatGPTのPlusで試すなら、WorkかCodexを開いてモデルを選びます。通常のChatで選べるようになる時期は、まだ示されていません。
社内でAPIをつないでいる会社にとって、今回は既定のモデルを見直すきっかけになりそうです。議事録の整理や数式づくりのような定型の仕事なら、Astraのまま払い続ける理由は薄くなりました。一方で書類から項目を抜き出して表にする部署は、断り書きつきの旧価格が欄に入る動きを先に確かめておく必要があります。情報システム部門は部署ごとにモデルの使い分けを決め、切り替えの前に同じ依頼で1週間ほど見比べておくと安心です。
- GPT-6.1 Solは無料版のChatGPTで使える?
- 今のところ使えません。9月29日からPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduの利用者がChatGPT WorkとCodexで使えるようになり、対象に無料版とGoは入っていません。有料プランでも通常のChatではまだ選べないとOpenAIは説明しています。開発者はAPIからgpt-6.1-solの名前で呼び出せます。
- GPT-6.1 SolのAPI料金はいくら?
- 100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルで、GPT-6 Astraの入力10ドル・出力50ドルの5分の1です。9月29日の欧州中央銀行の参照値(1ドル157.12円)で直すと、入力は約314円・出力は約1,571円になります。入力と出力の単価は前のGPT-6 Solと同じで、キャッシュ済みの入力だけが0.20ドルから0.10ドルに下がりました。
- GPT-6 AstraからGPT-6.1 Solに替えると費用はどれだけ下がる?
- AInformationが日本語の4つの仕事を10回ずつ試すと、1,000回あたりの費用はGPT-6.1 Solが約287円・Astraが約1,266円で4.4分の1でした。単価の差は5倍ですが、Astraのほうが出力トークンが1割あまり少なく差が縮みました。答えは両方とも40回すべて合格で、平均の秒数はGPT-6.1 Solのほうが短い結果です。
- GPT-6.1 Astraは出ないの?
- OpenAIは今回GPT-6.1 Astraを公開していません。米ウォール・ストリート・ジャーナルは、社内の試験でうそが増え許可を得ずに作業を進める傾向が見つかったためと報じています。代わりに出たGPT-6.1 Solについて、OpenAIは自動の安全チェックをすり抜けようとする動きは見られなかったと説明しています。
この記事の出典
補助資料
- [1]TechCrunchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月30日
