Geminiの5倍・GPTの10倍速い 精度1位で最安値も取った
Microsoftが公開したMAI-Transcribe-2は、60言語を自動で判別して文字に起こす音声認識モデルだ。音声認識の精度を測るFLEURSベンチマークで平均単語誤り率5.2%を記録し、1週間前に公開されたばかりのGemini 3.5 Transcribeを抑えて1位になった。
速さの差はさらに大きい。第三者機関Artificial Analysisの検証で、GPT-Transcribeの10倍速い結果が出た。ElevenLabs Scribe v2の7倍、Gemini 3.5 Transcribeの5倍も上回っている。精度で勝ちながら速度でも他社を引き離した。
Microsoftは2026年4月に初代MAI-Transcribe-1を公開し、6月にMAI-Transcribe-1.5へ更新した。半年で3世代目を投入するペースだ。

- 4月Microsoftが初代MAI-Transcribe-1を公開
- 6月MAI-Transcribe-1.5にアップデート
1時間0.1ドルは2026年末まで API経由の開発者向け
コストは1時間あたり0.1ドル(約16円)。1000分に換算すると1.67ドル。ElevenLabs Scribe v2の3.67ドルやSmallest AI Pulse Proの4ドルと比べて半額以下になった。ただしこの価格は2026年末までの期間限定で、正規料金はまだ出ていない。
提供はMicrosoft Foundry経由。言語の指定は不要で60言語を自動で検出する。話者を区別して録音内の各単語を正しい人物に割り当てる機能や、すべての単語のタイミングを把握して検索・編集を容易にする機能も備えている。
「えーと」のような言いよどみ(フィラー)を残すか消すかを設定で選べるのも特徴だ。議事録には削除して出し、取材記録にはそのまま残すという切り替えが設定1つで済む。

会議の録音を文字に起こす現場で何が変わるか
いまの文字起こしツールを選び直す判断材料がそろった。GPT-Transcribeの10分の1のコストで精度1位という数字が出たためだ。速さでも5〜10倍の差がついており、大量の録音を短時間で処理する場面で差が出る。
AInformationが調べた文字起こし・議事録ツール44本のうち、無料で試せるのは21本。日本円で払えるのは11本だけで、残りは外貨建てになる。月額制の有料プランは中央値で月3,035円。MAI-Transcribe-2のような従量課金APIとは料金体系が違うが、少ない件数から試しやすいのは従量課金の利点になる。
ただしMAI-Transcribe-2はAPIモデルとして提供されている。社内で使うには開発者がAPIを組み込む必要がある。
Microsoft Foundryですぐ試せる 比べる相手は3社
MAI-Transcribe-2はMicrosoft Foundryで利用できる。比べるなら相手は3つだ。
- GoogleのGemini 3.5 Transcribe
- OpenAIのGPT-Transcribe
- ElevenLabsのScribe v2
同じ音声ファイルを投げて精度と速さを確かめるのがいちばん分かりやすい。Microsoftは「当社史上もっとも高性能で効率的な文字起こしモデル」と位置づけている。
GoogleのGemini 3.5 Transcribeが出た1週間後にそれを5倍の速さで抜くモデルが出てきた形で、文字起こし分野の競争はいちばん速く動いている。
AInformation調べ議事録や文字起こしのAIツールはいくらで使えるか
| ツール | 月あたり | 無料 |
|---|---|---|
| Google WorkspaceGemini最安 | 800円/月Business Starter/年払い | × |
| ElevenLabs | $6/月スターター/約959円 | ○ |
| Notta | 1,430円/月プレミアム | ○ |
| TurboScribe | $10/月無制限/年払い/約1,598円 | × |
| Notion | 1,650円/月プラス | ○ |
| Read AI | $15/月プロ/年払い/約2,396円 | ○ |
| tl;dv | 3,080円/月プロ/年払い | ○ |
| Microsoft 365 Copilot | 3,148円/月Microsoft 365 Copilot/年払い | × |
2026年9月1日時点でAInformationが調べたもの。金額はそのツールを使える一番安い有料プランの月あたり。議事録や文字起こしのAIツール44本のうち、日本円で払えるのは11本、無料で試せるのは21本。表に出したのは画面が日本語のもの。外貨は1ドル159.76円で換算
- フィラー
- 「えーと」「あの」のように話の途中に入る不要な音。議事録では消すがインタビュー記録では残すことが多い
Microsoftは4月から5か月で3世代を出してきた。文字起こし市場で本気でシェアを取りにきている。社内で文字起こしツールを選んでいる企業は、既存の契約を更新する前にMAI-Transcribe-2のAPI価格を確認しておきたい。今はAPI経由で開発者が使う形だが、この精度と速さがTeamsやCopilotに組み込まれれば社内の文字起こし環境は大きく変わりそうだ。1時間0.1ドルの限定価格をきっかけに試して、正規料金との差を見たうえで判断するのが現実的だろう。
- MAI-Transcribe-2とGPT-TranscribeやGeminiの違いは何か
- MAI-Transcribe-2はFLEURSベンチマークで平均単語誤り率5.2%を記録し精度で1位になった。速さではGPT-Transcribeの10倍、Gemini 3.5 Transcribeの5倍。コストは1000分あたり1.67ドルで、ElevenLabs Scribe v2の3.67ドルより半額以下になっている。ただし1時間0.1ドルは2026年末までの期間限定で、それ以降の正規料金は公表されていない。
- MAI-Transcribe-2で話者を区別できるか。言いよどみの処理はどうなるか
- 話者判別に対応している。録音内の各単語を正しい話者に割り当てられる。「えーと」のような言いよどみは残すか削除するかを設定で切り替えられるので、議事録には削除して出し取材記録にはそのまま残すという使い分けが可能だ。言語の指定も不要で60言語を自動で判別する。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月4日
