企業の公式HPになくてはならないものはなにか?それはユーザーの疑問に回答するための問い合わせフォームです!どんなに分かりやすいHPを作ったとしても、ユーザーからの問い合わせは避けられません。
とはいえ、細かい問い合わせにその都度人を使って答えていたのでは、コストがかかりすぎてしまいます。そこで役立つのが、チャットボットやFAQといったお問い合わせに対応してくれるシステムです。
ここで疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
「チャットボットとFAQって何が違うの?」
「両方一緒に使ったらだめなの?」
今回はそういった疑問に回答し、チャットボットやFAQを導入する手助けをしていきます。
チャットボットとFAQは何が違う?
チャットボットとFAQは、どちらもユーザーの疑問を解決するためのシステムである点は同じです。ただし、長所や特徴には差異があるので、どっちが適しているのかは導入する企業によって異なると言えるでしょう。
「結局どう違うの?」と思った人に向けて、簡単に特徴をまとめました。使い分けについても軽く触れていくので、導入を検討している人は必ず目を通しておきましょう。
引用:FAQシステムとチャットボットの違いは?使い分けや連携方法を解説
チャットボットの特徴
チャットボットとは簡単に言うと、問い合わせに対してロボットが自動で返答してくれるというものです。今までのデータを元にしたり、あらかじめ用意した回答を表示したりと返答方法はいくつか種類があります。人の手を借りずに質問の返事をしてくれるとっても役立つロボット、と覚えておけば大丈夫です。
質問に対してすぐ回答を出力してくれるので、ユーザーがすぐに疑問を解消できるのが大きなメリットです。回答も端的でわかりやすいので、難解な言葉を嫌うユーザー層に対しても役立ちますよ。
ですが、表示内容が端的ゆえに細かい解説まではおこなってくれない場合も多々あります。疑問点を深堀して聞きたいユーザーにとっては、回答が物足りない点が玉に瑕です。
FAQの特徴
FAQとは、あらかじめ質問と回答を用意しておき、それを分かりやすく表示するページのことです。いわゆる、「よくある質問」のページですね。
最初から企業側が回答を用意しておいてくれるので、回答の質は非常に高いです。画像や動画などで細かく解説されている場合も多く、質問内容に関する理解を深めるにはピッタリと言えますね。
一方、回答を用意していなかった質問に対しては、当然ながら回答ができません。チャットボットのように聞きたいことを直接入力する形でもないので、欲しい回答を得るまで時間がかかる点も、無視できないデメリットです。
役立つ場面の違い
とにかくすぐに回答が欲しい場合は、チャットボットの出番です。質問に対してすぐ回答が表示されるので、一瞬で回答が得られます。
一方で、質問内容を詳しく掘り下げたい場合は、事前に回答を用意できるFAQに軍配が上がります。いくらでも細かく丁寧に回答できるので、ユーザーの満足度アップ間違いなしです。
また、疑問をユーザー自身がどの程度理解しているかによっても、便利さは異なってきます。質問内容が曖昧ならフリーワードを入力できるチャットボットが、問題点が明確なら詳しく解説できるFAQを、といった具合ですね。
チャットボットとFAQは併せて使っても便利!
「どちらにも良い点と悪い点があるから、どちらを導入するか決められない!」
「自社のユーザーにはどちらが役立つかわからない!」
そんな悩みを抱えているときは、思い切って両方とも使ってみてはいかがでしょうか。チャットボットとFAQは、併用すると相乗効果で質をより高められるので、利用しない手はありません。
具体的にはどんなメリットがあるの?と思った人に向けて、併用することの良さをまとめました。
それぞれが苦手な分野をカバーできる
前述したように、チャットボットとFAQはそれぞれ苦手な分野があります。実は、両者の欠点が割と正反対であることにお気づきでしょうか。それを利用して、併用することでお互いの短所を補おうという作戦は非常に効果的です。
私がユーザーだった場合、疑問を直接聞けるチャットボットタイプのほうが使いやすいと感じます。しかし、疑問にしっかり答えてくれるFAQ型を好きだという人もたくさんいるので、片方に寄ってしまうのはもったいないです。
すぐ答えが知りたい人にはチャットボットで即回答を表示し、詳しく知りたい人にはFAQでじっくり説明できます。質問の解像度やユーザーの理解度に合わせて回答方法を変えられるので、想定ユーザーを問わず満足度を高められますよ。
ユーザーと従業員、双方の満足度アップ
併用によって納得できる回答を得やすくなれば、質問したユーザーの満足度も高くなっていきます。直接人に問い合わせることなく手軽に疑問を解消できた、という経験は企業が思っている以上に高評価のポイントですよ。
そして、有人対応が減少すれば、それだけ対人対応に従業員が時間を割かなくて済む、ということでもあります。ありていに言えば余計な業務が増えなくて済む、ということなので当然従業員満足度も右肩上がりです。
チャットボットとFAQを併用して問い合わせフォームの対応力を高めれば、ユーザーと従業員両方の満足度アップにつながるので、一石二鳥ですね。
FAQチャットボットの導入方法
前述したメリットを見て、FAQとチャットボットを併用して使ってみたい!と思った人も多いのではないでしょうか。導入にあたって、システムを自社開発するのか、外部ツールに頼るのかを決める必要があります。
外部ツールに頼ったほうが簡単なのは、言うまでもありません。とはいえ、自社開発はコストを抑えられるうえに、細かいカスタマイズに融通が利くというメリットも捨てがたいです。
もちろんどちらかが正解、というわけではありません。自社にとってどちらが得なのかを、長期的な目線で考えていくことが大切です。
自社開発を頑張る
自社開発のメリットは、なんといっても細かいカスタマイズが可能な点です。プログラマーの技量次第でもありますが、自社が必要な機能やUIなどを自由に設定できるので、納得できる仕上がりになりやすいと言えますね。
- 導入するプラットフォームの選定
- ツールやシナリオ、フローチャートの選定
- シナリオを元にFAQのプログラムを作成
- 動作チェック、改善点を見つけて直す
- 本格的に導入
一からプログラムを作るので、当然ながら時間と人的リソースの確保は必須です。難易度の高さから序盤でとん挫するケースもままあるので、多数のバグや仕様変更を乗り越えて、導入までこぎつけられるかが成否の鍵と言えます。
外部ツールに頼る
外部ツールは、とにかく簡単に導入できるのが最大のメリットです。複雑なプログラム作成を必要としないため、コンピューターに疎い会社でも導入を検討できますよ。
- 導入するツールの選定
- シナリオやフローの作成
- 運用しながら改善点を見つけて直す
- 本格的に導入
気軽に導入できる代償として、コストアップが懸念されます。また、ツールを使ったからといってほったらかしではいけません。細かいメンテナンスは必要なので、フィードバックを元に定期的な手直しも忘れないでください。
チャットボットとFAQを併用する場合の注意点
「チャットボットとFAQ、併用できるならとりあえず導入してみよう!」
そう思った人は一度足を止めてください。併用前の注意点も当然ながらあるので、やみくもに導入するとコストばかりかかって成果が出ない場合もあります。
事前に考えておくべき注意点をいくつか紹介するので、一度検討してみましょう。
導入期間を再確認しよう
あたらしいものを導入すると、コストや機能性ばかりに目が行きがちですが、忘れてはいけないのが導入期間です。どんなに便利なシステムでも、外部に申し込んで翌日からすぐに利用可能!というわけにはいきません。
チャットボットやFAQの導入までにかかる期間は、1ヵ月~3ヵ月程度と言われています。問い合わせに対する回答を作ったり、AIにデータを蓄積させたりしていると、最低でもそれくらいはかかってしまうわけですね。
導入完了までの期間を見越して早めに導入を始めるなり、導入前でも対応できるような仕組みを用意するなり、なにかしらの対策は必要と言えるでしょう。
こまめなメンテナンスが必須
チャットボットやFAQは、完成したらそれでおしまい、とはいきません。毎日の運用実績に応じて、こまめなメンテナンスが必要だからです。
新しい問い合わせに対応できるようFAQを追加したり、チャットボットの精度を上げるために新しいデータを蓄積させたりは、質を向上させるために欠かせません。ほかにも細かいバグ取りやメンテナンス、UIの改善など、おこなうことは日々山積みです。
導入後のメンテナンスは誰がいつおこなうのか?できる人はいるのか?そういった内容を事前に決めておかなかったために、だれもやらず導入しっぱなしになっている会社も少なくありません。メンテナンスの方法及び手段は、必ず話し合っておきましょう。
チャットボットとFAQは一緒に使うとさらに便利!
チャットボットもFAQも、利用者の満足度を高めるためのシステムには変わりありません。とはいえ、それぞれ長所と短所があるので、それならば両方使って欠点を無くしてしまうのも、立派な戦略です。
コストや導入までの期間、運用後のメンテナンスなど課題も多いですが、それだけユーザーや従業員へのメリットも大きいです。面倒だからと消極的に考えず、ぜひ導入を前向きに検討してみましょう。