AIツールの料金は数字だけ見ても比べられない。ドル建てだと請求額が毎月変わるからだ。AInformationが自社データベースの494本を1本ずつ調べたところ、日本円で払えるのは82本だった。用途による差も大きい。実際にAIへ聞いた結果とも突き合わせた。
- AIツール494本のうち、日本円で払えるのは82本(16.6%)
- 用途で差が大きい。資料・スライドは42%、プログラミング・開発は10%
- 月額のまん中は2,602円。月3,000円以下が55%を占める
- 日本円で払えるツールのほうが、月額のまん中で1,346円安かった
- AIに聞くと円換算が1ドル150円のまま返ってくる。実勢は160.11円(2026年9月2日)
- 日本語・日本円・無料の3つがそろうのは43本だけ
日本円で払えるのは494本のうち82本だけだった
AInformationはAIツールデータベースに494本のAIツールを載せている。2026年9月1日から2日にかけて、その全部の公式料金ページを開いて支払い通貨を1本ずつ確かめた。結果はこうなる。
- 日本円で払える … 82本(全体の16.6%)
- 米ドル建て … 213本
- ユーロ建て … 3本
- 料金を公開していない … 196本
日本円で払えるのは6本に1本しかない。米ドル建ての213本は、請求のたびに為替で金額が変わる。料金を公開していない196本は、問い合わせないと値段が分からないものが中心になる。会社向けのツールに多い。このうち27本は無料プランだけを出していて、有料の金額は載せていなかった。

どうやって数えたか
数字の出どころをはっきりさせておく。他のまとめサイトの一覧を写したものではない。
まず対象の494本は、うちがAIツールデータベースに載せているものになる。日本から使えて、公式サイトが生きているものだけを入れている。その1本ずつについて、公式の料金ページを開いて表示を記録した。

「日本円で払える」と数えたのは、料金ページに円の金額が出ているものになる。日本語のページがあっても、金額の表示がドルなら米ドルとして数えた。ページの言語ではなく、請求される通貨で分けている。為替の円換算には2026年9月1日のレートを使った。この記事の実測の章だけは9月2日の実勢(1ドル160.11円)を使っているので、そこは数字が少し違う。
この調べは5日ごとに取り直している。料金は改定されるので、1回きりの調査だとすぐ古くなる。前回との差も記録していて、値上げがあれば分かるようにしてある。

ドル建ての213本は、毎月の請求額が自分では決まらない
日本円で払えないと何が変わるのか。3つある。
1.請求額が毎月変わる
2026年9月2日の為替は1ドル160.11円だった。月20ドルのプランなら3,202円になる。1ドル150円のころは3,000円だったので、同じプランで月202円ふえる。年に直すと2,424円の差になる。
1本だけなら小さい額に見える。ただしAIツールは1つで終わらない。文章と画像と議事録で3本契約している会社なら、その3本ぶんが毎月動く。

2.カードの手数料が別に乗る
ドル建ての決済には、カード会社が決めた海外事務手数料が加わる。率はカードによって違うので、自分が使っているカードの規定を先に見ておく。料金ページの数字だけで予算を組むと、そのぶんが抜ける。
3.経費の処理がひと手間ふえる
ドル建ての領収書は、社内で円に直す作業が要る。どの日のレートを使うかも決めておく必要がある。1人で使うぶんには小さい手間だが、部署で10本契約すると毎月10回になる。
では、ドル建ては避けたほうがいいのか
そうとは限らない。ドル建てにしかないツールは多い。とくに開発まわりは、あとで見るとおり日本円で払えるものが1割しかない。避けようとすると選択肢がほとんど残らなくなる。
決め方は2つに分けるとはっきりする。長く使い続けるものは日本円で払えるほうを優先する。毎月の額が動かないほうが、予算も経費もラクになるからだ。1つの案件だけで使うものは、ドル建てでも構わない。終わったら解約するので、為替が動く前に使い終わる。この線引きをしておくと、契約のたびに迷わずに済む。
用途によって10%から42%まで差が開いた
次に、用途ごとに分けて数えた。ここがいちばん差が出たところになる。
用途ごとの本数と、日本円で払える割合
| 用途 | 調べた本数 | 日本円で払える | 無料プランあり | 月額の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 資料・スライド | 40本 | 42% | 70% | 1,848円 |
| 音楽を作る | 18本 | 28% | 72% | 1,429円 |
| 画像を作る | 75本 | 27% | 41% | 1,957円 |
| 議事録・文字起こし | 44本 | 25% | 48% | 3,035円 |
| 文章を書く | 109本 | 24% | 37% | 2,652円 |
| データ分析 | 81本 | 17% | 22% | 4,153円 |
| 音声・ナレーション | 49本 | 16% | 41% | 2,716円 |
| 動画を作る | 88本 | 14% | 42% | 2,237円 |
| 問い合わせ対応 | 28本 | 11% | 21% | 6,390円 |
| プログラミング・開発 | 68本 | 10% | 66% | 3,195円 |
いちばん高いのが資料・スライドで42%。40本のうち17本が日本円で払える。国産のツールが多い分野だからだ。
いちばん低いのがプログラミング・開発で10%。68本のうち7本しかない。開発者が使うツールは海外で作られたものが中心になる。
ここから分かるのは、探す前から結果がある程度決まっているということ。プログラミングのツールなら、日本円で払えるものを探しても見つからない。最初からドル建てで予算を組んだほうが早い。逆に資料作成なら国産から選べる。

AIにおすすめを聞いてみたら、円換算が1ドル150円で止まっていた
ここからはAInformationが実際に試した結果になる。
AIツールを探すとき、検索ではなくAIに直接聞く人が増えている。そこで2026年9月2日に、Claudeへ4つの用途で同じ聞き方をした。「◯◯のAIツールのおすすめを5つ教えてください。それぞれの料金も教えてください」。返ってきた20本を、うちの494本のデータと突き合わせた。
AIが挙げた20本のうち、日本円で払えたのは10本だった
| 聞いた用途 | 日本円で払える | AIが挙げたツール |
|---|---|---|
| 資料・スライド | 4/5本 | Gamma/イルシル/Canva/Microsoft 365 Copilot/Beautiful.ai |
| 議事録・文字起こし | 3/5本 | Notta/Rimo Voice/AI GIJIROKU/tl;dv/CLOVA Note |
| 画像を作る | 3/5本 | ChatGPT/Midjourney/Adobe Firefly/Canva/Ideogram |
| プログラミング・開発 | 0/5本 | GitHub Copilot/Cursor/Claude Code/Windsurf/Cline |
20本のうち日本円で払えるのは10本だった。用途ごとに見ると、プログラミング・開発だけが0本になっている。うちのデータでもこの用途は10%なので、AIの答えは日本の事情を無視しているわけではない。そもそも選べるツールが無い。
円換算が1ドル150円で止まっていた
もう1つ分かったことがある。AIはドル建てのプランに円の目安を添えていた。その換算がすべて1ドル150円だった。同じ日の実勢は160.11円なので、10円ずれている。
AIが添えた円の目安と、その日のレートで計算した額
| プラン | ドル建ての額 | AIが言った円 | 実際の円 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT Plus | $20 | 約3,000円 | 3,202円 | +202円 |
| Midjourney Basic | $10 | 約1,500円 | 1,601円 | +101円 |
| Midjourney Mega | $120 | 約18,000円 | 19,213円 | +1,213円 |
| Adobe Firefly Standard | $9.99 | 約1,500円 | 1,599円 | +99円 |
| Adobe Firefly Premium | $199.99 | 約30,000円 | 32,020円 | +2,020円 |
| Ideogram 有料 | $8 | 約1,200円 | 1,281円 | +81円 |
月199.99ドルのプランだと、AIは約30,000円と答えた。実際は32,020円になる。差は月2,020円。年に直すと24,240円になる。
高いプランほど差が開く。AIの答えをそのまま予算にすると足りなくなる。ドルの金額のほうを見て、自分でその日のレートを掛ける。これだけで防げる。

そろっていない条件で並んでいることもある
返ってきた20本を1本ずつ公式ページと突き合わせると、条件がそろっていないところが3つ見つかった。
1つ目。ChatGPTについて、AIはPlus(月20ドル)だけを挙げた。ただし日本の料金ページには月1,400円のGoプランがある。使える回数や機能はPlusと同じではないので置き換えにはならないが、日本円で払える選択肢があることは触れていなかった。
2つ目。Adobe Fireflyについて、AIはStandardを9.99ドルと答えた。日本の料金ページでは月1,580円で、日本円のまま払える。額はほぼ同じでも、円で払えるかどうかは請求の見え方が変わる。
3つ目。Beautiful.aiについて、AIは月14.50ドルと答えた。これは年払いを月あたりに直した額で、AI自身も年払い表示だと断っている。月払いで契約すると月45ドルになる。3倍の開きがある。
どれもAIが嘘をついているわけではない。1つのリストに月払いと年払いが混ざっている。上位プランと下位プランも、ドル建てと日本円も同じように並んでいる。だから、AIの答えは候補を出す道具として使う。金額は公式の料金ページで自分で見る。5本挙がったら5つのページを開く。ここは省けない。

日本円で払えるツールのほうが、月1,346円安かった
調べているうちに、思っていたのと逆の結果が出たところがある。日本円で払えるツールとドル建てのツールで、月額のまん中を比べた。
- 日本円で払える82本 … 月額の中央値は1,650円
- ドル建ての213本 … 月額の中央値は2,996円
ドル建てのほうが月1,346円高い。日本円で払えるツールは選べる数が少ないぶん高いのだろうと思っていたが、そうではなかった。
用途ごとに分けても同じだった。どちらも5本以上ある13の用途のうち、12でドル建てのほうが高い。差がいちばん大きいのがデータ分析で月3,056円。逆になったのは議事録・文字起こしの1つだけで、こちらは日本円のツールが月592円高かった。
理由まではこの調べでは分からない。日本円で出しているのが個人向けのツールに寄っている可能性はある。ただ「日本円で払えるものを選ぶと高くつく」は、少なくとも今回の494本では当てはまらなかった。円で払えるものから探しても、損はしていない。
無料で試せるのは197本。ただし用途で偏っている
494本のうち、無料プランがあるのは197本(39.9%)だった。2本半に1本は、お金を払う前に触れる。ただし用途で偏りがある。
無料プランがある割合がいちばん高いのは音楽を作るツールで72%。次が資料・スライドの70%になる。プログラミング・開発が66%で、翻訳が59%と続く。個人が使う分野ほど無料で試せる。
低いのは問い合わせ対応の21%。データ分析が22%で、仕事の管理・共有が29%になる。どれも会社向けの色が濃い分野だ。ここは無料で試せないので、担当者に連絡して見せてもらう流れになる。
無料プランがあることと、無料で仕事が回ることは別
無料プランの中身は3つの型に分かれる。1つ目が回数で切る型。2つ目が機能で切る型で、3つ目が期間で切る型になる。
回数制は月に何回までと決まっていて、使い切ると月末まで止まる。機能制だと出力に透かしが入る。書き出しの形式が限られることもある。期間制はいちばん分かりやすいが、試用が終わると自動で課金される作りが多い。3つとも、無料で仕事が最後まで回るかどうかは別の話になる。無料で試すときは、自分がふだんやっている作業をそのまま1回通してみる。それで最後まで行けなければ、有料にしても同じところで止まる。
相場は月2,602円。3,000円を超えたら理由を確かめる
料金を公開している298本を円に直して並べた。円換算は2026年9月1日の為替を使っている。
- まん中(中央値) … 月2,602円
- 安いほうから4分の1 … 月1,596円
- 高いほうから4分の1 … 月4,400円
- 上位1割 … 月9,266円
- いちばん安い … 月200円
- いちばん高い … 月319,520円
月3,000円以下が55%を占める。1人で使うツールなら、この線が目安になる。これを超えるものは、何にお金を払っているのかを確かめたほうがいい。
人数ぶんの席か、作れる回数か。それとも専用のサポートが付くのか。ここが分かれば、自分に要らないものへお金を払っていないかも見える。はっきりしない値付けのものは、たいてい後で使わなくなる。
いちばん高かったのは月319,520円。最安の200円と比べると1,600倍の開きがある。同じ「AIツール」という言葉で語られていても、中身はまったく違う。

日本語・日本円・無料の3つがそろうのは43本だけ
条件を重ねると数は一気に減る。
- 調べた全部 … 494本
- 日本語がしっかり通る … 208本
- さらに日本円で払える … 69本
- さらに無料で試せる … 43本
494本から43本まで落ちる。11本に1本しか残らない。この43本は「日本の会社が、稟議を通す前にまず触れる」ツールになる。
3つがそろった43本から、月額の安い10本
| ツール名 | 得意なこと | 月額 | 運営 |
|---|---|---|---|
| ジョブカン | 仕事の管理・共有 | 200円 | 国内 |
| Todoist AI | 仕事の管理・共有 | 672円 | 海外 |
| Gemini(Google AI プラン) | 相談・調べもの/画像を作る | 725円 | 海外 |
| Confluence(Atlassian Intelligence) | 仕事の管理・共有 | 744円 | 海外 |
| MindMeister | 資料・スライド | 800円 | 海外 |
| Chatwork | 仕事の管理・共有 | 840円 | 国内 |
| Slack(AI) | 仕事の管理・共有 | 1,050円 | 海外 |
| Brevo | 仕事の管理・共有 | 1,125円 | 海外 |
| DeepL | 翻訳 | 1,150円 | 海外 |
| DeepL Write | 文章を書く | 1,150円 | 海外 |
並べてみると、仕事の管理や共有のツールが多い。もともと日本で使われているサービスがAIの機能を足した形なので、日本円で払えて日本語も通る。AIツールを新しく探すより、いま使っているサービスにAIが付いていないかを先に見たほうが早いこともある。ChatworkもSlackもkintoneもこの43本に入っている。
ここで1つ断っておく。この43本に入っていないツールが劣るわけではない。3つの条件は「日本の会社が試しやすいか」を見ているだけで、そのツールが良いかどうかは見ていない。海外で作られた強いツールは、日本円で払えないというだけで外れる。43本はあくまで最初の1本を選ぶときの入口になる。
よく探される4つの用途で、進め方はこう変わる
ここまでの数字から、用途によって進め方を変えたほうがいいことが見えてくる。よく探されている4つで書く。
資料・スライドを探すなら、国産から見る
日本円で払えるのが42%、無料プランがあるのが70%。14の用途の中でどちらも一番高い。月額の中央値も1,848円といちばん安い。まず無料で2〜3本さわって、日本語の資料がきれいに出るものを選べばいい。英語のツールを無理に選ぶ理由が少ない分野になる。
プログラミングを探すなら、ドル建て前提で組む
日本円で払えるのは10%しかない。探しても見つからないので、最初からドル建てで予算を組む。その代わり無料プランは66%にある。会社のカードを通す前に、無料枠で自分の書き方に合うかを確かめられる。月額の中央値は3,195円なので、ここを超えるものは何が乗っているかを見る。
データ分析を探すなら、時間を長めに取る
無料プランがあるのは22%だけ。14の用途でいちばん低い。月額の中央値も4,153円といちばん高い。つまり試さずに決める場面が多くなる。担当者に連絡してデモを見せてもらう前提で、2週間くらいの余裕を見ておく。料金を公開していないツールもこの分野に多い。
議事録を探すなら、日本円のほうが高いことを知っておく
13の用途の中で、日本円のツールのほうが高かったのはここだけだった。日本円のツールの中央値は月3,148円。ドル建ては月2,556円で、592円の差になる。日本語の音声を正しく起こせるかは、ツールによって差が出やすいところでもある。値段だけで決めず、自社の会議の音声を無料枠で必ず1回通す。
契約する前に確かめる4つ
ここまでの調べで分かったことを、確認の手順にまとめた。

1.支払いは日本円か、ドル建てか
料金ページの金額の頭を見る。「$」なら請求額が毎月変わる。日本語のページでも決済はドルということがあるので、申し込みの最後の画面まで進んで通貨を確かめる。
2.無料プランの上限は回数か期間か
回数制なら、自分が月に何回使うかを先に数える。週に2回使うなら月8回になる。その回数が無料の枠に収まるかを見る。期間制なら、いつ課金が始まるかをカレンダーに入れておく。
3.作ったものを仕事で使ってよいか
無料プランでは商用利用を認めていないツールがある。画像と音声と動画は特に多い。利用規約の商用利用の項目を見る。見つからなければ、そのツールは仕事では使わない。
4.解約はどの画面からできるか
契約する前に解約の手順を見ておく。アプリ内から解約できず、Webの管理画面に入り直す作りのものがある。請求日の何日前までに手続きが要るかも、あわせて確かめる。
うちでもドル建てのツールを何本か契約している。困るのは値上げより、毎月の額が動くことのほうだ。予算を組むときに幅を持たせるしかなくなる。月の請求が3,000円か3,200円かは小さい話に見えるが、部署で10本契約していれば毎月2,000円ぶれる。会社で入れるなら、同じ仕事ができる国産のツールが無いかを一度は見ておくといい。無ければドル建てで割り切る。それも判断のうちになる。
- 日本円で払えるAIツールはどれくらいあるのか
- AInformationが2026年9月1日から2日に494本の公式料金ページを調べたところ、日本円で払えるのは82本だった。全体の16.6%にあたる。米ドル建てが213本。ユーロ建てが3本で、料金を公開していないものが196本になる。
- AIツールの料金の相場はいくらか
- 料金を公開している298本を円に直すと、月額の中央値は2,602円だった。月3,000円以下が55%を占める。いちばん安いのが月200円。いちばん高いのが月319,520円で、1,600倍の開きがある。用途でも差があり、資料・スライドは月1,848円。データ分析は月4,153円が中央値になる。
- AIにおすすめのツールを聞けば料金も分かるのか
- 2026年9月2日にClaudeへ4つの用途で聞いたところ、ドル建てのプランに添えられた円の目安がすべて1ドル150円で計算されていた。同じ日の実勢は160.11円になる。月199.99ドルのプランでは2,020円のずれが出た。ドルの金額を見て、自分でその日のレートを掛けるほうが確実になる。
- 無料で試せるAIツールはどれくらいあるのか
- 494本のうち197本(39.9%)に無料プランがある。ただし用途で偏りがある。音楽を作るツールは72%、資料・スライドは70%に無料プランがある。一方で問い合わせ対応は21%、データ分析は22%にとどまる。日本語が通り、日本円で払えて無料でも試せる3つがそろうのは43本だった。
