AlibabaとZ.aiが無料の新モデルを公開した
AlibabaのQwenチームとZ.ai社が新しいAIモデルをオープンウェイトで公開した。テクノエッジの生成AIウィークリー(第158回)が報じた。
QwenチームのQwen3.8-Flash-Nextは次世代モデル「Qwen4」の技術を先行搭載している。Z.ai社のGLM-5.3-Flashはテキストと画像を同時に処理できるマルチモーダルモデルで、総パラメータ数は3200億にのぼる。
どちらもHugging Faceから無料でダウンロードできる。同じ週にはTencentのHy4 previewも出ており、中国のAI企業から高性能なオープンモデルが立て続けに公開された。

Qwen3.8は100万トークンを扱い学習コストは9分の1に下がった
Qwen3.8-Flash-Nextは1250億パラメータのうち1トークンの処理で動くのは60億だけというMoE構成を採る。主に4つの改良が加わった。
- 長文から重要な文脈だけを抜き出す新しいアテンション機構
- 情報の伝達と学習を安定させる残差接続の拡張
- 計算を増やさず記憶容量を広げる埋め込み技術
- 学習効率を高める新しい最適化手法
前世代から学習コストを約9分の1に抑えつつ、コーディングや複雑なオフィス業務での性能が上がった。一度に読み込める文脈は標準で26万トークン。最大100万トークンまで対応しており、長い文書を丸ごと処理することもできる。
2つの新モデルの主なスペック
| 項目 | Qwen3.8-Flash-Next | GLM-5.3-Flash |
|---|---|---|
| 提供元 | Alibaba(Qwen) | Z.ai |
| 総パラメータ | 1250億 | 3200億 |
| 稼働パラメータ | 60億(MoE) | 180億 |
| 前世代比のコスト | 学習コスト9分の1 | 10分の1 |
GLM-5.3はコスト10分の1でClaude水準に迫った
GLM-5.3-Flashはベンチマーク評価で前世代のGLM-5.2を上回った。コーディングやエージェント向けのベンチマークではClaude Opus 4.8に迫る性能を出している。コストはGLM-5.2の10分の1だ。
AInformationの標準問題でも性能を測った。
長文の計算量やメモリ使用量を減らす独自のハイブリッド構造を採っている。もう1つの特徴は視覚処理がシステムの根本に組み込まれていることだ。コードを書くだけでなく、作ったWebサイトやアプリの画面を自分で確認してデザインの崩れを見つけて直す作業までこなせる。
正式リリース前に「ox-alpha」という匿名モデルとしてOpenCodeやOpenRouterで公開テストされており、素性を知らない利用者から支持を集めていた。

Hugging FaceかAPI経由で試せる
どちらのモデルもHugging Faceからダウンロードできる。Unslothが作った量子化版(GGUF形式)も公開されており、手元のGPU環境で動かせる。
自前でGPUを持っていない場合はOpenRouterのようなAPI経由も選択肢になる。GLM-5.3-Flashは匿名テストの段階からOpenRouterで動いていた。
Qwen3.8-Flash-Nextの100万トークン対応は長い議事録や報告書を丸ごとAIに渡す場面で使える。GLM-5.3-Flashはコーディングに強いため、開発工程でオープンモデルを試したい現場にも向きそうだ。
- MoE
- Mixture of Experts。全パラメータのうち一部だけを動かして計算量を抑える設計
- オープンウェイト
- AIモデルのデータが公開されていて誰でもダウンロードして使える形式
オープンウェイトの性能がClaudeに近づくと、有料サービスとの比較検討に入る企業が増えそうだ。AInformationがQwenを試した限りでは日本語の受け答えはできるが、画面は英語と中国語が中心になる。オープンモデルの導入にはGPU環境の構築やモデル運用のノウハウが要る。情報管理の要件と社内のエンジニアリソースを先に整理してから検討に入るのが現実的だ。
- Qwen3.8-Flash-NextとGLM-5.3-Flashは無料で使えるのか
- どちらもオープンウェイトで公開されておりHugging Faceから無料でダウンロードできる。Unslothが作った量子化版(GGUF形式)もある。自前でGPU環境を用意すればローカルで動かせる。GPUが無い場合はOpenRouterのようなAPI経由で利用する方法もあるが、API側の料金は別途かかる。GLM-5.3-FlashはOpenRouterで匿名テストされていた実績がある。
- GLM-5.3-Flashはどんなタスクに向いているのか
- コーディングとエージェント向けのベンチマークでClaude Opus 4.8に迫る性能を出している。テキストと画像を同時に処理でき、作ったWebサイトやアプリの画面を自分で確認してデザインの崩れを見つけて直す作業もできる。長文の計算量を減らすハイブリッド構造によりGLM-5.2の10分の1のコストで動く。
この記事の出典
補助資料
- [1]テクノエッジこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月6日
