「AI info」ラベルが人の写真に付く報告が8月末から急増した
Instagramの投稿に付く「AI info」ラベルが、人間が撮った写真や手描きのアートにも付いてしまう誤検知が広がっています。Metaは2024年5月にAI生成コンテンツへのラベル付けを始めましたが、当初から写真家を中心に「本物の写真に付く」という指摘が出ていました。
ラベルの名称は2024年7月に「Made with AI」から「AI info」に変わりましたが、名前が変わっただけで問題は解決していません。Metaは2026年7月にAI識別ツールの研究デモを公開し、同月末にはEU AI法の行動規範にも署名しています。それでも8月末から誤検知がさらに増えている状況です。

Canvaの背景除去を1回使っただけでAI製と判定される
誤検知のきっかけになっているのはAdobeのPhotoshopやCanvaに搭載されている画像編集機能です。背景除去やレイヤー作成といったAIを使った機能を通すと画像にメタデータが埋め込まれ、Instagramがそれを読み取ってラベルを付けてしまいます。
あるショップのアカウントは「背景除去ツールを一度使っただけでAIラベルが付いた」と報告しました。4時間かけて自社素材だけで作った広告も「レイヤーを作成」を使った瞬間にAI製と判定されています。
100%手描きのアートにラベルが付き修正を申し立てることすらできなかったケースもありました。CanvaのFAQには「背景削除機能ではメタデータは追加されない」と書かれていますが、別のAI編集機能では追加される可能性が残っています。

ビジネス用Instagramで確かめるべきことは2つある
日本でInstagramをビジネスに使っている担当者はまず2点を確かめておくとよいでしょう。1つ目は投稿前に使っている画像編集ツールがAI関連のメタデータを埋め込むかどうかです。
CanvaやPhotoshopのどの機能がメタデータを追加するかは公式ドキュメントで確認できます。画像生成AIそのものを使っていなくても編集過程でAI搭載の機能を経由するだけでラベルが付く恐れがあります。
2つ目は過去の投稿に意図しないAIラベルが付いていないかの確認です。ラベルが付くとフォロワーから「AIで作ったのか」と思われかねません。商品写真やブランドのクリエイティブを載せるアカウントでは信頼に直結します。
本物のAI画像はすり抜ける MetaのAI検知は何を見ているのか
The Vergeが独自に検証した結果はさらに深刻です。業界標準のC2PAやGoogleのSynthIDが埋め込まれた画像生成AIの出力を投稿しても、InstagramはAIラベルを付けませんでした。
ボットのように動くアカウントを作って2週間以上放置しても取り締まりは行われていません。人が撮った写真にラベルが付く一方で本物のAI画像はすり抜けるという逆転が起きています。
MetaがAIラベルを確実に付けるのはMeta自身の生成AIで作った画像だけだとThe Vergeは結論づけました。検知の基準が公開されていない以上、投稿前の編集工程で対策するしかないのが現状です。
- AI info
- MetaがInstagramやFacebookのAI生成コンテンツに付けるラベル。2024年5月に「Made with AI」として始まり同年7月に現在の名称に変わった
企業がInstagramの運用を外注している場合、画像の編集工程まで把握していないことが多い。背景除去やレイヤー操作がAIラベルのきっかけになりうるなら、使うツールと操作の範囲を制作チームと事前にすり合わせておく必要がある。Metaが検知の基準を公開していない以上、クリエイター側で防ぐしかない状態がしばらく続きそうだ。
- InstagramのAIラベルは外せるのか
- 2026年9月時点ではラベルを外す手段が限られている。修正を申し立てられなかったという報告もあり、Metaはラベルの適用基準を公開していない。確実に避けるには投稿前の画像編集でAI搭載機能の使用を控えるしかないが、メタデータの確認方法もMetaからは案内されていない状態だ。根本的な解決にはMeta側の対応が必要になる。
- Canvaで編集するとInstagramでAIラベルが付くのか
- CanvaのFAQによると背景削除機能ではAI関連メタデータは追加されない。ただしCanvaの中でもAI編集機能で新たなコンテンツを生成したり大幅に変更した場合はメタデータが付く可能性がある。Canvaに限らずPhotoshopなどでもAI搭載の編集機能を通すとInstagramがAI製と判定するリスクがあるため、投稿前にどの編集ステップが対象になるか確認しておくのが現時点での対策になる。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月8日
