LLMとは根本的に違うAI「Jev」をChatGPT開発者が公開した
ChatGPTの共同開発者であるディオゴ・アルメイダ氏がCEOを務めるTypeSafe AIが9月15日にAIモデル「Jev」を発表した。同社が開発した新しいAI体系「System One Models」の第1弾モデルだ。
LLMはテキストを左から右へ1トークンずつ生成する。この仕組み自体が速度とコストのボトルネックになっている。Jevはテキスト生成の仕組みを丸ごと捨てた。事前に定義された構造に従って成果物を一度に並列で出力する。学習にはRLCDという独自の手法を使った。アルメイダ氏は「なぜ超人的なチャットモデルがAGIにつながらないのか」という問いから2年間かけて開発したと話している。
費用はGPT-5.6 Terraの100分の1だがテキストは一切作れない
入力は100万トークンあたり0.042ドル(約6.5円)。出力は0ドルで「安すぎて測定不能」とされる。GPT-5.6 Terraと同等の精度でタスクをこなしつつ費用は約100分の1だ。処理速度もLLMの非推論モードと比べて20〜200倍速い。
代わりにテキストの生成は一切できない。小説もメールもコードの説明文も書けない。順番に言葉を並べる処理を捨てたことが安さと速さの源泉であり同時に最大の制約だ。DOOMをプレイする動画も公開されており1時間のプレイ費用は7ドル(約1,090円)だった。

ツール呼び出しのエラー率0%が業務の自動化で効く
Jevの出力構造は事前に定義されておりツール呼び出しのエラー率は0%だ。GPT-5.6やClaude Fableを含む他のモデルはいずれも0%より高い。すべての出力に信頼度スコアが付くためどの結果をどこまで信用してよいか機械的に判断できる。
データの分類・APIの呼び出し・判定の連鎖など構造化されたタスクを大量にさばく場面が得意だ。文章を書く必要がない裏方の自動処理に向いている。Wikipediaのリンクをたどって目的のページに着く速度テストでもLLMの高速モードより速かった。選択肢が数百から数千ある中で正解を選び続ける場面ではハルシネーションしない利点が積み重なる。

アーリーアクセスが始まった 日本語対応は不明だ
TypeSafe AIはJevの発表と同時にアーリーアクセスの受付を始めた。System One Modelsのドキュメントも公開されている。
ただし日本語への対応は発表に記載がない。LLMではないため言語能力の考え方自体が従来と異なる可能性がある。興味があればまずドキュメントを読んで自分の業務に合うか確かめたい。テキスト生成が要る仕事には使えないのでLLMとの使い分けが前提になる。
- System One Models
- TypeSafe AIが開発したLLMとは異なるAIモデル体系。テキストを1語ずつ生成せず構造化された出力を一度に返す
テキストを作れないAIを仕事でどう使うかがこの発表の論点になる。データの分類やAPIの連続呼び出しなど構造化されたタスクは企業の裏側に大量にある。そこにJevを入れれば費用が100分の1になる計算だ。ただしアーリーアクセスの段階であり日本語対応も不明なので導入の検討はドキュメントを読んでからでよい。
- Jevは無料で使えるのか
- アーリーアクセスの段階で参加受付が始まっている。入力は100万トークンあたり0.042ドル(約6.5円)で出力は0ドルとされる。無料枠があるかどうかは発表に記載がない。APIの料金はGPT-5.6 Terraの約100分の1にあたる。
- JevとChatGPTは何が違うのか
- ChatGPTはテキストを1語ずつ生成するLLMだ。文章もコードも書ける。JevはLLMではなくテキストの生成ができない。代わりに事前に定義された構造で成果物を一度に返す。処理速度はLLMの20〜200倍で費用は100分の1だがメールや報告書の作成には使えない。用途で使い分けることになる。
- Jevは日本語に対応しているか
- 2026年9月16日時点の発表に日本語対応の記載はない。JevはLLMとは異なる仕組みのため言語能力の考え方自体が従来と違う可能性がある。ドキュメントが公開されているのでまず仕組みと対応範囲を確かめたい。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月16日
