Anthropicの研究開発26%がAI主導のレベル4に達した
Claudeの開発元Anthropicが社内のAI利用状況を数字で公開しました。「Anthropic R&D Automation Index」という6段階の指標です。AI研究機関Epoch AIの基準をベースに研究開発へのAIの関与度を分けています。
レベル0は人間だけで作業する段階です。レベル1と2ではAIが補助しますが主体は人間です。レベル3では人間の細かい指示のもとでAIが作業の大部分を担います。レベル4になると大まかな指示だけでAIが自力で進めます。最上位のレベル5はAIがタスクの発見から実行まで自律的に回す段階です。
2026年8月時点でAnthropicの研究開発業務の26%がレベル4に達しました。年初にはほぼ0%だったので半年強で急伸しています。レベル3以上まで広げると90%を超えます。一方でレベル5に達した業務はゼロです。

- 2026年初頭レベル4の割合がほぼ0%
- 8月レベル4が26%に到達、3万体のエージェントが同時稼働
- 9/18Anthropicが指標を公開
3万体のAIエージェントと10億件の監視を同時に回す
Anthropicの社内プラットフォームでは約3万体のAIエージェントが同時に稼働しています。研究とエンジニアリングの両方を担当しています。
監視の仕組みは2段構えです。エージェントの操作を実行前に確認する事前監視と、実行後の活動記録を分析する事後監視を組み合わせています。2026年8月には10億件以上の判断を監視しました。その中から優先度が高い約50件を毎週人間の担当者が確認しています。
3万体が動いて10億件を監視できるのは仕組みが自動化されているからです。全件を人間が見るのではなく機械的なフィルタを通してから人が判断する流れになっています。
Anthropic R&D Automation Indexの6段階
| レベル | 内容 | Anthropicの状況 |
|---|---|---|
| 0 | 人間だけで作業 | — |
| 1 | AIの関与がごく限定的 | — |
| 2 | AIが一部を支援、人間が主体 | — |
| 3 | 人間の細かい指示でAIが大部分を担当 | レベル3以上で90%超 |
| 4 | 大まかな指示だけでAIが自力で進める | 26% |
| 5 | AIがタスク発見から実行まで完全自律 | 0% |
安全性研究には計算資源の6%を割き完全自律は0%だ
計算資源の配分も公開しました。2026年7月13日から20日の1週間を調べた結果、AI研究開発向けの計算資源の約6%が安全性関連の研究に使われていました。AIがAI研究を行う用途に限ると安全性の割合は約12%です。
完全自律のレベル5が0%である点も重要です。AIにAIを作らせる自己改善ループが加速すると制御が難しくなるリスクがあります。Anthropicは現時点で完全自律の業務を走らせていないと明示しました。
今後も各指標を継続的に公開します。複数の外部組織から独立した第三者評価者を受け入れてデータや評価プロセスを検証できるようにするとしています。
この6段階を使えば自社のAI活用度が見える
Anthropicの6段階はAI研究に限った指標ですが考え方はどの業種でも使えます。自社の業務をレベル0から5に当てはめてみると「AIを導入済み」と一括りにせず、どこまで任せているかが見えてきます。
多くの企業はレベル1か2の段階です。AIに下書きを作らせて人間が直す使い方はレベル2にあたります。大まかな指示だけでAIが進めるレベル4まで行けている業務があるか点検してみてください。Anthropicでさえレベル5はゼロです。完全自律はまだどこも到達していない基準だと分かります。
- Anthropic R&D Automation Index
- AnthropicがEpoch AIの基準をもとに試作した指標。AI研究開発への関与度をレベル0(人間のみ)からレベル5(完全自律)の6段階で分類する
- レベル4
- 人間から大まかな指示を受けたAIが作業の大部分を自力で進める段階。細かい監督は不要だが最終判断は人間が持つ
AIがAI研究の26%を主導しているという数字はAI開発が自己加速し始めた証拠です。ただし完全自律は0%で人間の監督は残っています。この6段階の枠組みは自社のAI活用を整理するのに使えます。「AIを入れた」で終わらせず何をどの段階まで任せているかを見直すきっかけになります。日本企業の多くはレベル1か2にいるはずです。どの業務をレベル3に引き上げるかを考えるところから始めるとよいです。
- 完全自律のレベル5がゼロとはどういう意味ですか
- AIがタスクの発見から実行まで人間の指示なしに進める段階がレベル5です。Anthropicの研究開発業務でこの段階に達したものは2026年8月時点でゼロでした。26%がレベル4に達していますがそこでも大まかな指示は人間が出しています。
- 10億件の監視は人間が全部見ているのですか
- いいえ。事前確認と事後分析の自動監視を組み合わせています。10億件超の判断を機械的にフィルタし、優先度が高い約50件だけを毎週人間が確認する仕組みです。
- 安全性研究に計算資源の6%は少なくないですか
- AI研究開発向け計算資源全体の約6%が安全性関連に使われています。AIがAI研究を行う用途に限ると約12%です。Anthropicは今後もこの数字を公開し第三者の検証も受け入れるとしています。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月18日
