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規制・社会

OpenAIの助成を受けた新聞2社が提訴 生成AIを「自分の尾を食べるヘビ」と呼んだ

更新 2026/9/9 読了 約3分
OpenAIのロゴが白文字で中央に表示された青空に、樹木の枝葉と飛び交うオレンジと茶色のチョウが四方から写っている。
この記事の要点

米新聞2社がOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴した。訴状は生成AIを「自分の尾を食べるヘビ」と呼んだ。原告のシアトル・タイムズはMicrosoftとOpenAIから報道助成を受けていた。助成してもらった相手を訴えた形になる。

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2提訴した新聞社
2023NYTがOpenAIを訴えた年

新聞2社がOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴した

米シアトル・タイムズとニューズデイの2社が9月5日、OpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴した。生成AIを「自分の尾を食べるヘビ」と呼ぶ訴状は、AIが報道コンテンツを生み出す組織そのものを壊しかねないと主張している。

ChatGPTCopilotはコンテンツの生産者としてうたわれているが、実際には貪欲な消費者だ」と訴状は述べた。人間が書いた記事を大量に取り込んで商業目的に使い、そのコピーや派生的な模倣を世に返しているだけだという。このままではジャーナリズムの業界が「修復できないほど壊れる」おそれがあるとも訴えている。

これまでの流れ
  1. 2023NYTがOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴
  2. 9/5シアトル・タイムズとニューズデイが新たに提訴した

報道を助成したMicrosoftとOpenAIが訴えられた

この訴訟が目を引くのは原告と被告の関係だ。MicrosoftとOpenAIはシアトル・タイムズの報道プロジェクトや奨学金制度に資金を出してきた。助成を受けた新聞社が助成した側を著作権侵害で訴えたことになる。

Microsoftの広報担当者はGeekWireの取材に対し「訴訟に驚いている」と述べた。「この種の紛争について解決策を探る話し合いにはいつでも応じたい」としている。報道を資金面で支えつつ、その報道をAIの学習データにも使っていたのかが問われることになる。

報道機関がOpenAIを訴えるまで。1. 2023年にNYTがOpenAIを提訴。2. ほかの報道機関も後を追って提訴。3. 助成した新聞社にも訴えられた。データ:TechCrunch。制作:AInformation。
TechCrunchの記事をもとに訴訟の流れを整理した / データ:TechCrunch / 制作:AInformation

NYTの2023年の提訴から報道側の訴訟が広がった

2023年にニューヨーク・タイムズがOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴したのがこの流れの始まりだ。その訴訟が続くなかでほかの報道機関も後を追った。シアトル・タイムズとニューズデイはその最新の事例になる。

各訴訟に共通するのは「AIが報道コンテンツを消費し尽くす」という問題意識だ。「自分の尾を食べるヘビ」は報道を学習データに使ったAIが報道の読者を奪い、やがて学習データの供給源そのものを壊すという悪循環を指している。報道業界とAI企業の対立は始まったばかりだ。

新聞社とMicrosoftの言い分。◎ 新聞社の主張:報道が「修復できないほど壊れる」、AIは貪欲な消費者だ。著作権侵害で提訴。△ Microsoftの反応:「訴訟に驚いている」、話し合いで解決を探りたい。交渉に応じる姿勢。データ:TechCrunch。制作:AInformation。
訴状とMicrosoftの声明から両者の立場を整理した / データ:TechCrunch / 制作:AInformation

ChatGPTとCopilotを使う企業は訴訟の行方を追っておきたい

この訴訟はChatGPTやCopilotのユーザーに直接の制限を加えるものではない。だが著作権侵害が認められればAI企業の学習データの扱い方は変わりうる。モデルの出力に影響が出る可能性は頭に入れておきたい。

訴状が名指ししたのはChatGPTとCopilotの2つだ。業務でこれらを使っている企業は報道機関からの訴訟がどう決着するかを追っておくとよい。和解で終わるのか著作権侵害が認められるのかによってAIモデルが学習に使えるデータの範囲が変わる。Microsoftが「話し合いに応じたい」と述べていることから、まず交渉の場が設けられる可能性がある。

藤井俊太(AI導入コンサルタント)の見方

助成金を出した相手に訴えられるという構図は、AI企業と報道機関の関係が転換点にあることを示している。生成AIは報道記事で学習しつつ、その出力で報道の読者を奪う。「尾を食べるヘビ」はこの悪循環を的確に言い当てた。企業でChatGPTやCopilotを業務に使う立場からすると、訴訟の結果次第で学習データの範囲が制限される可能性がある。いまの使い方を見直す必要はないが、この流れは追っておきたい。

この記事の出典

補助資料

  • [1]TechCrunchTechCrunch・補助的な二次資料・確認 2026-09-06この記事の元にした報道

出典の最終確認日:2026年9月6日

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