このニュースのポイント
・従来の Gemini 1.5 を大幅に上回るパフォーマンス、使い勝手、コスト効率を実現したAI モデル群が提供開始。
・Flash、Flash-Lite、Flash Proが登場。
・一律料金体系と最新の安全対策技術により、数行のコードで様々なアプリケーション開発が実現可能。
Google 5日(現地時間) Gemini 2.0 ファミリーに関する大規模なアップデートを発表し、開発者向けに高性能かつ多機能なマルチモーダル AI モデルを提供開始いたしました。今回の発表では、従来の Gemini 1.5 モデルを大きく上回るパフォーマンスや使い勝手の向上、そしてコスト効率の改善が実現されました。
Gemini 2.0 ファミリーのラインアップ
今回発表された Gemini 2.0 ファミリーは、複数のバリエーションから構成されており、用途や開発環境に応じて最適なモデルを選択できるようになっています。主要なモデルは以下のとおりです。
1、Gemini 2.0 Flash
100万トークンにも及ぶ大規模なコンテキストウィンドウを備えており、膨大な情報量に対しても正確に対応可能です。さらに、マルチモーダル入力をサポートしており、テキスト出力はもちろん、今後は画像生成やテキスト読み上げ(TTS)といった出力機能も順次実装される予定です。実験段階ですが、Thinking Experimental機能により、一部の質問に対して事前推論を行ってから回答を返すモードが実装されています。
2、Gemini 2.0 Flash-Lite
最もコスト効率の高いモデルで、Flashと同じく100万トークンのコンテキストウィンドウをサポートします。大量のテキストを短時間で処理できるので、大量のデータを扱う場合に適しています。
3、Gemini 2.0 Pro
3つの中で最も高い性能を持ち、コーディングや複雑なプロンプトへの対応力が強化されています。200万トークンのコンテキストウィンドウを搭載し、より高度な世界知識と推論能力を備えています。Google Searchやコード実行などの外部ツールを呼び出して回答する機能もテスト中です。
料金体系
従来は短文リクエストと長文リクエストで価格が異なっていましたが、今回の変更により統一料金体系が導入されました。ただし、インプットとアウトプットといった各入力タイプごとに、定められた料金が適用されます。
Gemini 2.0 Flashの価格
・100万トークンあたり0.10ドル(約16円)(イン)
・100万トークンあたり0.40ドル(約64円)(アウト)
Google は強化学習や自動レッドチーミングなどの最新の安全対策技術を導入し、AI 自身が応答を検証する仕組みを整えることで、セキュリティリスクやセンシティブなプロンプトに対しても万全の対策を講じています。
今回の発表により、開発者の皆様は数行のコードで最新の Gemini モデルを活用し、さまざまなアプリケーションやサービスの開発を加速することが可能となります。Google は今後も、画像生成や音声出力などの追加モダリティの一般提供を進めるとともに、フィードバックを受けた機能強化と安全対策の改善に努め、さらなるイノベーションを推進していきます。
参照:Gemini 2.0 is now available to everyone、Gemini 2.0: Flash, Flash-Lite and Pro