このニュースのポイント
・OpenAI CEOのサム・アルトマン氏が人工汎用知能(AGI)の進化について最新の見解を発表
・AIの知能は向上、利用コストは低下すると予測
・社会経済を大きく変革する可能性があるが、倫理的・社会的課題への対応も不可欠であると主張
OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が、最新のブログ記事で人工汎用知能(AGI)に関する見解を発表しました。本記事では、アルトマン氏が示した3つの重要な発見と、それが社会経済に与える影響について解説します。
AIの知能は加速度的に進化する
アルトマン氏は「AIの知能は、投入される計算資源やデータなどの投資リソースの対数に比例して向上する」と述べています。つまり、研究開発に十分な資金が投入されることで、AIの性能は着実に向上し続けるということです。
私たちが日々使用するスマートフォンやパソコンが年々進化するのと同じように、AIも日進月歩で進化を遂げています。AIの発展が加速度的に進むことで、将来的には人間の活動の多くを支援し、効率化する存在となるでしょう。
AIの利用コストは劇的に低下する
アルトマン氏は「AIの利用コストは12か月で約10分の1にまで低下する」と述べています。従来のムーアの法則によれば、半導体の性能は18〜24か月ごとに倍増するとされていましたが、AI技術の進歩はそれを上回る速度で進んでいます。
実際、GPT-4のトークン単価がわずか1年で150分の1にまで低下したという情報もあり、これにより多くの企業や個人が手軽に高性能なAI技術を活用できるようになります。AIが一部の大企業だけでなく、広範な分野で普及することで、イノベーションの加速が期待されます。
AIの知能向上が社会経済的価値を飛躍的に拡大させる
アルトマン氏は「知能の向上による社会経済的価値の増加は単なる線形的な成長ではなく、超指数関数的に拡大する」と指摘しています。これは、わずかな知能の向上が、経済全体に劇的な影響を与える可能性があるという考え方です。
AIが経済の成長を加速させるような形で、産業構造や労働市場の変革をもたらすことが予想されます。企業の生産性向上はもちろんのこと、イノベーションの創出や新たな雇用機会の誕生など、社会全体に広範な影響を及ぼすことが考えられます。
アルトマン氏の見解と今後の展望
アルトマン氏は、これらの発見をもとに、AGIの開発について楽観的なビジョンを描いています。彼の見解では、AGIは今後の人類の進歩に大きく貢献する「次世代のツール」として位置付けられています。近い将来、ソフトウェアエンジニアリングをはじめとする知識労働の分野で、バーチャルなAIエージェントが活躍する時代が訪れるでしょう。
しかし、アルトマン氏は単なる楽観論にとどまらず、AGIの進化がもたらす倫理的・社会的課題にも言及しています。技術の急速な進歩は、監視社会の進行や個人の権利侵害といったリスクを伴う恐れがあります。そのため、各国の政府や企業、市民社会が連携し、安全かつ公正な技術利用のためのルール作りを進めることが不可欠であると強調しました。また、人々が技術を適切にコントロールできるよう、より多くのオープンソース化を推進する必要があるとも述べています。
未来への展望
今回の発表は、未来のテクノロジーの可能性を示すものです。現在の私たちにとってスマートフォンやインターネットが欠かせない存在となっているように、AGIもまた、いずれ身近な存在になるかもしれません。
1年後、5年後、そして10年後、私たちの生活や働き方、さらには社会全体が大きく変革される未来がすぐそこまで来ているのかもしれません。
参考:Three Observations、OpenAI CEO Sam Altman admits that AI’s benefits may not be widely distributed