MidjourneyのSeed値とは?使い方や取得方法、注意点などを実際に使って解説

「同じプロンプトなのに構図が変わってしまう…」とMidjourneyで悩んだことはありませんか?

その原因のひとつが「Seed値」にあります。

本記事では、画像構成の再現性を高めるカギとなるSeed値の基本から取得・設定方法、シリーズ制作への応用テクニックまでを、初心者にもわかりやすく解説します。

意味や使い方、失敗しやすいポイントまで網羅しているので、安定した画像生成を目指す方はぜひ参考にしてください。

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AI導入コンサルタント

藤井俊太(Shunta Fujii)

AIのスペシャリストとして、最新のAI情報を常にキャッチ、アップデートしている。自らもAI導入コンサルタントとして活動し、主に生成AIを駆使した業務効率化、生産性向上、新規事業開発を行なっている。
AIの総合情報サイト「AInformation」は、AIに関する専門的な情報やサービス・プロダクトを解説、紹介するWebメディア。AIの専門家集団の編集部がAIの活用法、最新ニュースやトレンド情報を分かりやすく発信していいます。藤井俊太のプロフィール

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目次

MidjourneyのSeed値とは?

MidjourneyのSeed値とは、画像生成における“乱数の初期値”のことです。画像の構図や雰囲気を再現する際に非常に重要な役割を持ちます。

以下では、Seed値の仕組みと種類について詳しく解説します。

MidjourneyのSeed値の仕組み

MidjourneyのSeed値は、乱数を使って画像を生成する仕組みの起点となります。生成される画像は、同じプロンプトでも毎回少しずつ異なります。これはランダム要素が関与しているためであり、そのランダム性を制御するのがSeed値です。

画像生成のたびに異なるSeed値が自動的に割り当てられます。ただし、明示的にSeed値を指定すれば、同じプロンプトであっても同一または類似の画像が再生成されます。これにより、構図や雰囲気の再現性を高めることが可能です。

MidjourneyのSeed値の種類

MidjourneyのSeed値には、以下の3種類があります。

  • 自動割り当てのSeed値
  • 明示的に指定したSeed値
  • 特殊なSeed値(0)

自動割り当てのSeed値は、特に指定をしない場合に使用可能です。生成のたびに異なるSeed値が自動的に付与されるため、毎回異なる画像が生成されます。

明示的に指定したSeed値は、コマンドで”–seed 123456″のように入力することで、任意の値を固定できます。この方法により、構図や雰囲気を再現した画像を安定して生成可能です。

また、特殊なSeed値(0)を指定すると、生成は完全にランダムな状態になります。明確な制御が必要ない場合に適した設定です。

目的に応じて使い分けることで、画像生成の自由度と安定性のバランスが取れます。

MidjourneyのSeed値を使う方法

MidjourneyでSeed値を利用する方法を知っておくことで、画像の再現や構図の維持が可能です。目的に応じた使い方を理解すれば、創作の精度が高まります。

ここでは取得からコマンド入力、再生成までを順に解説します。

MidjourneyのSeed値をDiscordで取得する方法

Midjourneyでは、画像をつくったあとに「封筒マーク」を押すと、Seed値を調べることができます。

【手順】

1.DiscordのMidjourneyの画面で、自分が作った画像を見つけます。

2.その画像にマウスをのせて「にこちゃんマーク(リアクション追加)」を押します。

3.出てきた絵文字の中から、✉️この「封筒マーク(envelope)」を選びます。

4.少し待つと、Bot(ボット)からSeed値が書かれたメッセージが届きます。

※もし届かない場合は、Discordの「DMの受信許可」がオフになっていないか確認してみましょう。

MidjourneyのSeed値をコマンドで指定する方法

Seed値がわかったら、今度はその番号を使って画像をつくります。

やり方はとても簡単です。プロンプト(画像の説明)のうしろに–seed 数字をつけるだけです。

【例】/imagine prompt an old Japanese house in sunset –seed 123456

このように書くと、Seed値「123456」を使って画像がつくられます。前に使った番号を入れると、「同じような画像」がもう一度できる仕組みです。

MidjourneyのSeed値を固定して画像を再生成する方法

Seed値を使えば、かなり似た画像ができますが、「まったく同じ」にはならない場合もあります。

その理由は、Midjourneyのモデル(頭脳)やサイズの設定が違うと、少し結果が変わってしまうからです。

以下のポイントも合わせて同じにするのがコツです。

  • 同じプロンプト(文章)を使う
  • 同じモデル(例:v5.2など)を選ぶ
  • 同じAspect Ratio(例:–ar 16:9)を使う

MidjourneyのSeed値を活用する場面

MidjourneyのSeed値は、再現性の高い画像生成をしたい場面で特に活用されます。キャラクターや商品など、複数のバリエーションを安定して作る際に欠かせません。

以下に、代表的な活用シーンを紹介します。

MidjourneyのSeed値でキャラクター表現の一貫性を保ちたい場面

同じSeed値と構成を使えば、ポーズや構図を維持しながら表情や衣装だけを変えられます。これにより、キャラクターのバリエーションを安定的に作成できます。

たとえば、同じポーズのキャラクターに対して、季節ごとの衣装(浴衣・セーター・コートなど)を着せたシリーズ画像を作るような場合、Seed値を固定すれば構図のブレがなく、違いが明確に伝わります。

マンガやアニメ制作において、複数カット間での一貫性を維持するために有効です。統一感を保ちながら柔軟な表現が可能です。

MidjourneyのSeed値でブランドイメージを統一したい場面

製品やサービスのビジュアルを揃える場合にも、Seed値は強力に機能します。一定の構図や色調をSeed値で維持することで、デザインガイドラインに沿ったビジュアルの量産が可能です。

広告・LP・SNS投稿用素材の一貫性を保つ場面で特に効果を発揮します。

MidjourneyのSeed値でスタイルを比較したい場面

プロンプトの文言やスタイル指定を変えながら、Seed値は固定することで、表現の差を明確に比較できます。

たとえば、同じキャラクターに対して”–style raw”と”–style scenic”を適用するなど、パラメータごとの影響を視覚的に確認できます。

MidjourneyのSeed値を使いこなすためのヒント

MidjourneyのSeed値を効果的に活用するには、日常的な記録や工夫も欠かせません。作風の一貫性を保ちたい方や構図の再利用を行いたい方にとって、運用テクニックは成果に大きく影響します。

MidjourneyのSeed値からお気に入りを見つける方法

リセマラのように画像を複数生成し、気に入った構図に対してSeed値を取得しておきます。気に入った構図が見つかれば、それを軸にバリエーションを展開できます。

このSeed値を保存しておけば、再現・調整・再活用が簡単になります。

MidjourneyのSeed値を整理・記録しておく方法

取得したSeed値は、スプレッドシートなどに記録すると効率的に管理しやすくなります。画像ファイル名にSeed値を含めたり、画像と一緒にクラウドへ保存しておくのもよいでしょう

継続的に制作を進める場合は、構図ライブラリとしても活用可能で、プロジェクト間の連携にも役立ちます。

他人のSeed値を参考にする際の注意点

他人が公開したSeed値を使用する場合、著作権や類似表現のリスクに注意が必要です。

商用利用や公開物に流用する際は、事前にライセンスや利用ルールを確認してください。生成元と全く同じ画像ができるわけではないため、模倣と誤解される恐れもあります。

MidjourneyのSeed値に関する注意点

MidjourneyのSeed値は便利な機能ですが、すべてを完全に制御できるわけではありません。想定外の結果を避けるには、注意点も把握しておく必要があります。

MidjourneyのSeed値で同じ数値でも画像が変わるときの注意点

Seed値が同じであっても、以下の要素が異なると生成される画像は大きく変わることがあります。

  • プロンプトの文言
  • 使用しているモデルのバージョン
  • その他のパラメータ

これは、Midjourneyの画像生成が複数の要素の組み合わせによって決まる仕組みになっているためです。

そのため「Seed値だけを合わせれば同じ画像ができる」とは限りません。

構図や雰囲気を完全に再現したい場合は、プロンプト・モデル・アスペクト比・スタイルなどの条件をすべて揃えることが必要です。

Midjourneyのアップデートによる再現性低下への注意点

Midjourneyは、定期的にモデルやアルゴリズムが更新されます。以前と同じSeed値・プロンプトを使っても、まったく同じ画像が再現できないことが多いです。

このような仕様変更により、過去の出力結果が将来的に再現できなくなる可能性もあります。

そのため、使用時点のモデルバージョンやすべてのパラメータを記録しておくことが推奨されます。特に、商用利用や再現性が重要な制作用途では注意しましょう。

一貫した出力が求められるシーンでは、特に注意が必要です。

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