Google PicsはNano Banana搭載 テキスト指示で4Kまで作れる
Googleが画像生成・編集ツールGoogle Picsの提供を始めた。同社の画像生成モデルNano Bananaを使い、テキストで指示を出すだけでポスターやSNS投稿用の画像を作れる。5月のGoogle I/Oで初披露されていたもので、正式に使えるようになった。
画像内の特定のオブジェクトだけを切り出して変形する機能を載せた。埋め込まれた文字をフォントを崩さず翻訳することもできる。解像度は2Kと4Kへの拡大に対応し、Web・SNS・印刷用など形式に合わせたトリミングも用意されている。
使い方は2通りある。Web版のスタンドアロンアプリpics.newと、GoogleドキュメントやGoogleスライドの中から直接使う統合版だ。ドキュメントとスライドへの統合は発表と同時に始まっている。
Googleドライブへは数週間以内に広がる。既存の画像をGoogleドライブやGoogleフォトからアップロードして加工することもできる。

- 5月Google I/Oで「Google Pics」を初披露
- 9/1提供開始を発表、DocsとSlidesへの統合が始まる
CanvaやAdobe Expressとの違い プロンプトで作る仕組みだ
Google Picsが狙う位置はCanvaやAdobe Expressと同じだ。日常のデザイン作業をこなすツールである。ただしアプローチが違う。
Canvaはクリエイターがテンプレートや写真を出品する市場を持ち、そこから素材を選んで組み合わせて作る。Adobe Expressはゼロから手作業でデザインする。Google Picsは生成AIにテキスト指示を出して画像を作る。
1つの指示から複数のバリエーションを出して好みのものを選ぶこともできる。
Workspace内で完結する点も見逃せない。スライドやドキュメントの中で画像を選んでそのまま編集できる。外部ツールで作って書き出して貼り直す手間がなくなる。
作った画像はプラットフォーム間で自動同期される。共同編集にも対応しており、同僚と同じ画像を一緒に仕上げることもできる。
Google PicsとCanvaの違い
| 比較項目 | Google Pics | Canva |
|---|---|---|
| 画像の作り方 | テキスト指示(プロンプト) | テンプレートから選んで組み合わせる |
| Workspace統合 | Docs・スライドに直接統合 | 外部ツールとして別途利用 |
| テンプレート市場 | なし | あり(クリエイターが出品) |
対象はBusiness Standard以上 Google AI Proでも使える
Google Picsは全員に開放されているわけではない。使えるのは以下の有料プランの利用者だ。
- Google Workspace Business Standard以上(Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plusを含む)
- Google AI Pro / Google AI Ultra
Workspaceの有料プランにすでに入っている企業なら追加料金はかからない。Workspace無料プランやGoogle AI Plusだけでは対象外になる。
AInformationが調べた画像生成AIツール75本のうち、無料で試せるのは25本。日本円で払えるのは17本だけで、残りは外貨建てになる。Google PicsはWorkspace契約があれば追加料金なしで使えるため、すでにWorkspaceを入れている企業には選びやすい。
GoogleはPicsとGoogleフォトの違いについて「Picsは仕事や学校のプロジェクト向けの制作ツール。フォトは個人の思い出を整理する場所」と説明している。

pics.newにアクセス 自分のプランで使えるか確認する
まずpics.newを開いて自分のアカウントで使えるか確認するのが早い。対象プランでも順次展開のため、まだ使えない場合がある。Googleの製品ページにも「現在展開中」の案内が出ている。
すでにWorkspace Business Standard以上を契約している企業の管理者は、Picsが有効になっているか確かめておきたい。CanvaやAdobe Expressの年額契約を見直せるかどうかの判断材料にもなる。
対象外のプランを使っている場合は、他の画像生成AIツールを比較して選ぶことになる。
AInformation調べ画像を作るAIツールはいくらで使えるか
| ツール | 月あたり | 無料 |
|---|---|---|
| GeminiGoogle AI プラン最安 | 725円/月Google AI Plus | ○ |
| remove.bg | 891円/月Lite | × |
| ElevenLabs | $6/月スターター/約959円 | ○ |
| GrokX Premium | 980円/月プレミアム | × |
| PicWish | 1,350円/月Pro | ○ |
| ChatGPT | 1,400円/月Go | ○ |
| Hostinger Website Builder | 1,499円/月Premium | × |
| Photoroom | 1,500円/月Pro | × |
2026年9月1日時点でAInformationが調べたもの。金額はそのツールを使える一番安い有料プランの月あたり。画像を作るAIツール74本のうち、日本円で払えるのは16本、無料で試せるのは24本。表に出したのは画面が日本語のもの。外貨は1ドル159.76円で換算
- Nano Banana
- Googleの画像生成・編集モデル。テキスト指示から画像を作り、既存画像の修正や翻訳も処理するGoogle Picsの基盤となっている
Workspace契約企業にとっては意味が大きい。Canvaの年額を払って使い分けていた企業が、追加の支出なしでWorkspace内に画像制作を集約できる。ただしテキスト指示だけで作るAI生成は毎回仕上がりが変わる。ブランドガイドラインどおりの画像が要る場面ではテンプレートのほうが安定する。情報システム部門はPicsに渡してよい素材の線引きを先に決めておきたい。生成した画像は自動で同期されるため、社外秘の要素が混ざったまま共有されるリスクがある。
- Google Picsは無料で使えるか
- 無料プランでは使えない。Google AI ProまたはGoogle AI Ultraの有料プランか、Google Workspace Business Standard以上の法人プランが必要になる。Workspaceの対象プランにすでに入っている企業なら追加料金はかからない。個人で使いたい場合はGoogle AI Pro以上への加入が必要だ。なお順次展開中のため、対象プランでもまだ使えない場合がある。
- Google PicsとGoogleフォトは何が違うのか
- 役割が違う。Google Picsは仕事や学校のプロジェクト向けに画像を生成・編集するWorkspace内の制作ツールだ。テキスト指示から画像を作ったり、既存の画像を加工したりする用途に使う。一方のGoogleフォトは個人の写真をバックアップ・整理・検索・編集するためのアプリで、画像を新しく作る機能は持っていない。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月2日
