V4シリーズ初の画像入力 3050億パラメータのマルチモーダルモデル
DeepSeekが8月31日にV4ファミリー初の画像入力モデル「DeepSeek-V4-Flash-Vision-Exp」を公開した。テキスト専用だったV4-Flashに画像処理モジュールを組み込み、追加学習で画像を理解する能力を足している。
MoE(Mixture-of-Experts)型で、入力ごとに必要なネットワークだけが動く仕組みだ。ベースのV4-Flashは総パラメータ2840億に対しアクティブパラメータは130億。Vision-Expはこれに視覚モジュールを加えて総パラメータが3050億に増えた。
コンテキスト長は100万トークンに対応する。対応する画像形式はJPEG・PNG・GIF・WebPの4種類。1枚の長辺は最大8192ピクセルで、15枚以上を同時に入力する場合は4096ピクセルまでに制限される。
大きな画像は800×800ピクセル相当にリサイズされ、1枚あたりのトークン消費は最大384トークン程度に収まる。

- 8/21API版がDeepSeek APIプラットフォームで提供開始
- 8/31Hugging FaceとModelScopeにモデルの重みを公開
Opus 4.8との比較 2つのテストで上回り1つは同等
画像を含むタスクでClaude Opus 4.8と並ぶスコアを出している。AIエージェント向けの「Agents’ Last Exam」は27.3でOpus 4.8の25.7を上回った。画像読み取りの「ZeroBench」でもPass@5で35.0対34.0とわずかに上回る。
テキスト処理の性能もV4-Flash-0731と同等以上だ。画像エージェントの「ApexBench」はPass@1で26.2から36.5へ大きく伸びた。テキスト7項目で唯一下がったのは「Cybergym」で76.7から75.3にとどまる。
チャートの読み取りを問う「Chartography」ではOpus 4.8を0.7下回っている。画像を足してもテキストの理解は犠牲になっていない。
Claude Opus 4.8はAnthropicのクローズドモデルで料金体系も異なる。オープンモデルがクローズドの最上位と同じ土俵に上がってきたこと自体が大きい。ベンチマークだけでなく実際に日本語で使ったときにどうかも確かめたい。

API入力0.44ドル・MITライセンス 無料と有料の2通りで使える
使い方は2通りある。DeepSeekのAPI経由で使う方法と、モデルをダウンロードして自分のサーバーで動かす方法だ。
API版は8月21日から先行して提供されている。料金はピーク時で入力100万トークンあたり0.44ドル(約70円)。キャッシュ済み入力は0.014ドル(約2円)で出力は1.32ドル(約211円)になる。
オフピーク時はすべて半額だ。ピーク時間帯は協定世界時で月曜〜金曜の1時〜4時と6時〜10時。テキスト版のV4-Flash-0731と同じ料金体系で、画像入力だからといって追加料金はかからない。
モデルの重みはHugging FaceとModelScopeからダウンロードできる。ライセンスはMITで商用利用も可能だ。
公式のFP8版は約168GB。Unslothが出した量子化版は4bit版が約155GB、8bit版が約162GBになる。
DeepSeekを業務で使うなら画像制限とデータの送り先を確かめる
API経由で使う場合はDeepSeekのサーバーにデータを送ることになる。社内の書類や個人情報を含む画像を扱うなら、自社の情報管理ルールと照らし合わせて問題がないか先に確かめておきたい。
自前のサーバーで動かすなら大容量のVRAMが要る。量子化版でも150GB前後だ。まずはAPIで性能を試してデータの扱いが問題になるならオンプレミスの構成を検討するのが現実的だろう。
公開から2日足らずでHugging Faceのダウンロード数は1万7000回を超えた。画像認識を含む無償のオープンモデルとしては現時点でトップクラスの性能だ。実験版のため仕様が変わる可能性はあるが、API料金の安さも相まって試す敷居は低い。
- MoE
- モデル内部を多数の小さなネットワークに分け、入力ごとに必要な部分だけを動かして計算量を抑える設計手法
画像を読めるオープンモデルがClaude Opus 4.8と並ぶ水準に達した。社内の書類や図面をAIに読ませたい企業にとって自社サーバーで動かせる選択肢が増えたことになる。ただしFP8版は約168GBあり動かすには高性能なGPUが要る。大半の企業はまずAPI経由で試すことになるが、DeepSeekは中国の企業なのでデータの扱いについて社内ルールと照らし合わせる必要がありそうだ。性能だけでなく情報管理の面でも判断が求められる。
- DeepSeek-V4-Flash-Vision-Expは商用利用できる?
- MITライセンスで商用利用を含め無償で使える。モデルの重みはHugging FaceとModelScopeからダウンロードでき、自分のサーバーで動かすことも可能だ。API経由で使う場合はDeepSeekのAPIプラットフォームに接続する。料金はピーク時で入力100万トークンあたり0.44ドル(約70円)で、オフピーク時はその半額になる。
- どんな画像を入力できる?
- JPEG・PNG・GIF・WebPの4形式に対応している。1枚の画像は長辺が最大8192ピクセルまでで、15枚以上を同時に入力するときは長辺4096ピクセルまでに制限される。大きな画像はアスペクト比を保って800×800ピクセル相当にリサイズされる。1枚あたりのトークン消費は最大384トークン程度だ。
