画像AIの月額中央値は1,856円。お金を払えば仕事に使えるかというとそうではありません。この2週間でAI画像を仕事で使って指摘を受けた事例がITmedia AI+のランキングに3件入りました。AInformationが496本のAIツールの公式料金ページを見て集めたデータと、ChatGPT・Claudeに実際に聞いた結果から、画像AIの商用利用の実態を出します。
- 画像を作るAI77本の月額中央値が1,856円で無料率は43%であること
- ChatGPTに著作権の注意点を聞いたら42秒で5項目のチェックリストが出たこと
- Claudeは「AI画像は独占できない」という法的な話から始めたこと
- AInformationの496本で「商用利用」と紹介文に書いてあるのは7本だけだったこと
- 仕事でAI画像を使う前の確認は3つで1本5分あれば終わること
仕事のAI画像トラブルが2週間で3件ランキングに入った
2026年9月8日から9月17日までのあいだに、AIで作った画像を仕事で使って指摘を受けた事例がITmedia AI+のアクセスランキングに3件入った。
1件めはマラソン大会のポスターだ。9月8日に「マラソン大会のポスターが”AIっぽい”と波紋」の記事が公開され16位に入った。大会事務局は「説明に不適切な部分があった」と声明を出している。
2件めはセブンイレブンの店内掲示物だ。9月15日に公開された記事が1位になった。AI生成の掲示物が「きもい」「内部資料そのまま」と話題になり、セブンイレブン本部は「本部提供ではない」と回答した。
3件めは九州国立博物館の特別展ポスターだ。9月17日の記事が3位に入った。特別展のポスターに生成AIを使っていたが当初は「使用していない」と説明した。後から訂正されている。
同じランキングの15位には2026年5月に公開された「セーラームーンに似ている」と物議になった化粧品広告の記事もまだ残っていた。AI画像の仕事利用トラブルは月が変わっても読まれ続けるテーマになっている。
4件に共通するのは「AI画像を使ったこと」自体ではない。使ったことが問題になったことだ。問題の根にあるのはツールごとの商用利用条件を確認しなかったか、AIで作った事実を明示しなかったかのどちらかだ。料金を払っているかどうかとは別の話になる。

ここから先はAInformationが496本の公式料金ページを直接見て集めたデータをもとに画像AIの料金と商用利用条件の実態を出す。
AInformationが数えた画像AIは77本で43%が無料で月1,856円
AInformationのAIツールデータベースには2026年9月17日時点で496本のAIツールが載っている。そのうち「画像を作る」に対応するツールは77本だ。月額の中央値は1,856円になる。
77本のうち無料で始められるのは33本で全体の43%にあたる。月額を払わなくても画像AIは試せる。ただし無料プランと有料プランで商用利用の条件が違うツールがある。無料なら個人利用のみに限定し有料に切り替えると商用利用が解放される設計は珍しくない。
日本円で払える画像AIは22本で全体の29%だ。残りの7割以上はドル建てかユーロ建てで請求される。日本円で払えるツールの月額中央値は1,474円だ。ドル建てツールの中央値は2,319円で通貨だけで月845円の差がつく。
名前が知られているところではAdobe Firefly(月1,580円)、MiriCanvas(月790円)、PicWish(月1,350円)がある。Gemini(月725円)も画像生成機能を持ちこの中では最も安い。Canva(月11,800円)も画像を作れるが月額は高い。
ChatGPT(月1,400円)もDALL-E経由で画像が作れる。ただしAInformationのデータベースではチャットに分類されており77本の画像AIには含まれていない。チャットAIの副機能として画像を作っている形だ。
Adobe Fireflyは学習データにAdobe Stockの画像を使っており商用利用を前面に打ち出している。一方でCanvaは有料プランの生成画像を商用利用できるが無料プランだと条件が変わる。同じ「画像を作る」でも料金と商用条件はツールごとにまったく違う。月額を払えば仕事で自由に使えると思い込むのは危ない。

ChatGPTに著作権の注意点を聞いたら42秒で5項目が返ってきた
AInformationは2026年9月18日にChatGPTへ「AIで作った画像を会社の掲示物やポスターに使うとき著作権やライセンスで気をつけることを教えてください」と投げた。42.9秒で1,696文字の回答が返ってきた。
ChatGPTは最初に「AIで作った=著作権フリーではありません」と断ったうえで5つのチェック項目を並べた。
1つめはAI利用規約の確認だ。ChatGPT・Adobe Firefly・Midjourney・Canvaなどサービスごとに利用規約が違い、無料プランと有料プランで条件が変わる場合もあると説明した。
2つめは既存作品との類似性だ。文化庁の見解を引用して「類似性」と「依拠性」が問題になると書いた。「このアニメのイラストと同じ構図で」のような指示はリスクが上がるとも付け加えた。
3つめはキャラクター・企業ロゴ・ブランドを入れないことだ。著作権だけでなく商標権も関係するとNikeやAppleの名前を出して指摘した。
4つめは実在人物に似せた画像への注意だ。芸能人や経営者に似せた画像は肖像権やパブリシティ権の問題があると書いた。文化庁も著作権以外に肖像権の確認が要る場合があると案内していると引用した。
5つめは記録を残すことだ。使用AI・生成日・プロンプト・加工履歴を保存するよう勧めた。ChatGPTはこの5項目を表にまとめて「社内ルールにするのがおすすめ」と付け加えた。回答の中で文化庁と経済産業省のページを出典として引いている。
ChatGPTが出した商用利用チェック5項目
| チェック項目 | 確認すること |
|---|---|
| ① AI利用規約 | サービスごとに商用利用の条件が違う。無料と有料で変わる場合もある |
| ② 元画像の権利 | 他人の写真やイラストを無断でAIに入力していないか |
| ③ 類似性の確認 | 既存のキャラクターや有名作品に似すぎていないか |
| ④ 第三者の権利 | 実在の人物・ロゴ・ブランドが画像に入っていないか |
| ⑤ 記録の保存 | 使用AI・生成日・プロンプト・加工履歴を残しているか |
42.9秒でこれだけの情報が出てくるのは早い。ただし「では月いくら払えば商用利用できるのか」という料金の具体的な数字は出てこなかった。「確認してください」とは書くが「月いくらで商用利用できる」という回答にはならない。
同じ日にChatGPTへ「コンビニの新商品POPをA4で作って」と画像生成も試みたがログインが切れていたため回答が取れなかった。知識としてのチェックリストは出せても画像生成は環境次第で止まることがある。
Claudeは54秒で「AI画像は独占できない」を最初に出した
同じ質問をClaudeにも投げた。54.4秒で1,388文字の回答が返ってきた。ChatGPTより308文字少ないが構成がまるで違う。
Claudeが最初に出したのは「AI生成画像は著作権フリーに近い」という指摘だ。AIが自動生成しただけの画像には人間の創作的表現が入っていないため著作権が発生しない。つまり自社が独占できないとClaudeは説明した。他社に流用されても止めにくいためブランドのキービジュアルには向かないとも書いた。
ChatGPTは「著作権フリーではない」から入った。Claudeは「著作権フリーに近い」から入った。表現は真逆に見えるが意味は違う。ChatGPTは「他人の著作権を侵害するリスクがある」と言い、Claudeは「自分の画像に著作権が発生しない」と言っている。見ている角度が違うだけでどちらも正しい。
2番めに出したのは「一番怖いのは既存著作物への侵害で責任は使った会社側」だ。ChatGPTと同じく類似性と依拠性を挙げた。さらにClaudeは「AI開発会社ではなく利用した企業・担当者自身が責任を負う」と明確に書いた。この一文はChatGPTの回答にはなかった。
3番めは著作権以外の権利だ。肖像権・パブリシティ権・商標権・不正競争防止法を並べた。Claudeは「◯◯風」「特定作家の画風」を狙ったプロンプトが類似性・依拠性を疑われやすいと具体的に書いた。
4番めはツールの利用規約の確認だ。確認すべき項目としてClaudeは商用利用範囲・権利帰属・免責条項・再学習利用の4つを挙げた。ChatGPTの「AI利用規約を読め」よりも確認項目が細かい。

なおClaudeには同じ日に「おいもラテのPOPを作って」とも投げた。Claudeは画像を生成する機能を持たないがデザイン用キャンバスを開いてPOPのレイアウトを組もうとした。画像が作れないツールでもデザインの枠は作れる。
2社が共通で挙げた確認は3つだが料金の相場には触れなかった
ChatGPTとClaudeの回答を突き合わせると3つの共通項がある。
1つめは「利用規約を読むこと」だ。両社とも無料と有料で条件が違う場合があると書いた。ツールごとに商用利用の範囲が変わるため規約を確認するのが前提だという点で一致している。
2つめは「既存作品との類似性を確かめること」だ。両社とも文化庁の見解を引用し類似性と依拠性の2要件を挙げた。掲示前に画像検索で似た作品がないか確認するようどちらも勧めている。
3つめは「人物・ロゴ・キャラクターを避けること」だ。著作権だけでなく肖像権や商標権にも触れた点が同じだ。企業の掲示物やポスターで実在のブランドや人物の印が入ると事故になると両社が書いた。
一方で2社とも触れなかったことがある。画像AIの料金だ。月額をいくら払えば商用利用できるのかという金額がどちらの回答にも出てこなかった。「規約を確認してください」とは書くが「有料プランは月いくらで商用利用できる」という情報は返ってこない。
AInformationが77本の料金を調べた結果、画像AIの月額中央値は1,856円だった。この数字は検索上位9記事にも書かれていない。「AI画像 商用利用 条件」で検索して出てくる上位9ページはすべて「著作権の注意点」「安全な使い方」という切り口だ。具体的な料金データを出しているページはゼロだった。
料金を払っているかどうかと商用利用できるかどうかは別の問題だ。無料プランで商用利用を禁止して有料プランで解放するツールがある。逆に有料プランでも商用利用に条件をつけるツールもある。月1,856円を払ったからといって仕事で何に使ってもいいわけではない。
AInformationの496本で「商用利用」が紹介文にあるのは7本だけだ
AInformationのAIツールデータベースで496本のツール紹介文を「商用利用」の語で検索した結果、当たったのは7本だけだった。
7本の内訳はMurf AI(音声)、D-ID(動画)、Playground AI(画像)、SOUNDRAW(音楽)、AIVA(音楽)、Boomy(音楽)などだ。画像AIに限るとPlayground AIの1本しか当たらなかった。音楽ツールが3本と多いのは音楽の商用利用(BGMの販売やYouTubeでの収益化)が一般的なため紹介文に明記する必要があるからだ。
496本中7本という数字が意味するのは「商用利用できるかどうか」がツールの説明文にほとんど書かれていないことだ。多くのツールは料金ページや利用規約の中に商用利用の条件を書いているが、ツールを比べる段階では見えない。
77本の画像AIを1本ずつ英語の規約を読んで比較するのは現実的ではない。だから「有料プランなら商用利用できるだろう」と思い込んで使う人が出てくる。冒頭の3件のトラブルはこの構造の中で起きている。
画像AIの規約に商用利用を明記しているのがPlayground AIの1本だけという事実は「仕事で使うなら自分で規約を読むしかない」ことを示している。AIに聞いても料金は教えてくれない。検索しても出てこない。規約を読むのが最も確実だ。
日本円で払える画像AIは77本中22本で中央値は1,474円
画像AI77本のうち日本円で払えるのは22本で全体の29%にあたる。10本のうち7本以上はドル建てかユーロ建てで請求される。
日本円で払える22本の月額中央値は1,474円だ。ドル建ての中央値は2,319円で845円の差がある。為替レートは2026年9月18日時点で1ドル155.58円だ。円安が進めばドル建てツールの月額はさらに上がる。
日本円で払えて無料で試せる画像AIの具体名を挙げるとMiriCanvas(月790円)、PicWish(月1,350円)、Adobe Firefly(月1,580円)がある。月2,000円以下で始められる選択肢だ。Canva(月11,800円)も日本円で払えるが月額は高い。Gemini(月725円)も画像生成機能を持っておりこの中では最も安い。
AIツールの月額を日本円とドル建てで比べた調査でも同じ傾向が出ている。日本円で払えるツールを選ぶだけで月額が下がる。画像AIでもこの法則は変わらない。月額を固定したいなら日本円の22本から選ぶのが安全だ。

用途別の無料率で画像AIの43%は14用途の真ん中にいる
画像AI77本の無料率43%はAInformationが分類している14の用途のなかでちょうど真ん中にある。
無料率が高い用途は音楽(72%)とスライド(71%)だ。逆に低い用途は問い合わせ対応(21%)とデータ分析(23%)になる。画像AIの43%は動画(43%)と同じ水準にいる。
画像と動画がどちらも43%で並んでいるのは偶然ではない。クリエイティブ系のツール(画像・動画・音楽・音声のいずれかに対応するもの)は全体で163本ある。無料で試せるのは70本で無料率は43%だ。画像AIとぴったり同じ数字になる。
文章AI(38%)と相談AI(35%)も近い水準にある。業務で使うAIツールほど無料枠が小さく有料への切り替えが早く来る傾向がある。画像AIの43%は業務系よりは高いがスライドや音楽には及ばない。仕事で本格的に使うなら有料プランへの移行は避けられない。
無料プランで作った画像を仕事で使えるかどうかはツールの規約次第だ。無料プランでは「個人利用のみ」と定めているツールがある。有料に切り替えて初めて商用利用が解放される設計は珍しくない。無料率43%の数字だけ見て「タダで仕事に使える」と思うのは早い。
仕事で画像AIを使う前の確認は3つで1本5分で終わる
ChatGPTとClaudeの回答、AInformationの77本の料金データ、そしてこの2週間で起きた3件のトラブルを合わせると仕事で画像AIを使う前に確認すべきことは3つに絞れる。
1つめは利用規約で「商用利用」が許可されているかだ。無料プランと有料プランで条件が変わるツールがある。規約ページを開いて「commercial」か「商用」で検索すれば該当箇所はすぐ見つかる。英語でも1ページで読める。
2つめは生成した画像が既存のキャラクター・ロゴ・人物に似ていないかだ。Googleの画像検索で確認するだけでも類似画像は見つかる。Claudeが指摘したように「◯◯風」のプロンプトはリスクを上げる。ChatGPTも掲示前の画像検索を勧めた。
3つめは「AIで作った」事実を記録に残しておくことだ。ChatGPTは使用AI・生成日・プロンプト・加工履歴の保存を勧めた。九州国立博物館のケースでは当初「使用していない」と説明して後から訂正した。記録を残しておけば問われたときにすぐ説明できる。

この3つの確認は1本のツールにつき5分もあれば終わる。規約を読んで画像検索にかけてメモを残すだけだ。5分で終わることを省いた結果がアクセスランキングに入るトラブルになった。
画像AIの月額中央値は1,856円だ。月1,856円を払うかどうかより先にこの5分の確認を入れるかどうかが分かれ目になる。
月額を払えば商用利用できると思い込むのはAI画像トラブルの共通パターンだ。77本の画像AIの月額中央値1,856円という数字は検索上位にも2社のAI回答にも出てこない。料金と商用利用条件は別の問題で、この区別を知っているかどうかでトラブルを避けられる。5分の規約確認を入れるかどうかが分かれ目だ。
- 画像AIで作った画像は仕事で使えるか
- ツールと利用プランによります。AInformationが調べた画像AI77本の多くは有料プランで商用利用を許可していますが、無料プランでは「個人利用のみ」とするツールがあります。利用規約で商用利用が認められているか確認し、生成画像が既存作品に似ていないか画像検索でチェックし、AIで作った記録を残す必要があります。2026年9月の2週間でAI画像の仕事利用で指摘された事例がITmedia AI+のランキングに3件入りました。
- 画像AIの月額はいくらか
- AInformationが2026年9月17日時点で77本の公式料金ページを見て集めた結果、月額中央値は1,856円です。日本円で払えるツールに限ると中央値は1,474円に下がります。77本のうち43%(33本)は無料で始められます。
- 商用利用OKかどうかはどこで確認するか
- ツールの利用規約を読みます。規約ページで「commercial」か「商用」の語で検索すれば該当箇所が見つかります。AInformationが496本のツール紹介文で「商用利用」を検索した結果、当たったのは7本だけでした。多くのツールは紹介文ではなく規約の中に条件を書いています。確認は1本5分あれば終わります。
