WordのサイドバーでChatGPTが使える
OpenAIが9月17日にWord用アドイン「ChatGPT for Word」を発表した。無料プランを含む全プランが対象でグローバルに提供される。
WordのサイドバーにChatGPTのチャット画面が開く。開いている文書の内容について質問したり選択したテキストを別の文体に書き直したりできる。荒いメモから下書きを起こす使い方も想定されている。書式の崩れを自動で検出する機能もある。
「スキル」にも対応している。繰り返し発生する作業に一貫した指示と基準を適用できる。OutlookやSharePoint・Google Workspace・Dropboxといった接続済みアプリから情報を取り込んで文章の裏付けに使うことも可能だ。使えるアプリはプランやワークスペースの設定と接続先のアクセス権限によって変わる。
ExcelとPowerPointにも同じアドインが入る。3つのOfficeアプリで共通のアドインとして提供される形だ。

- 9/17OpenAIがChatGPT for Wordを発表。全プランで提供開始
- 10/1組織で既定有効に切り替わる予定。管理者が無効にしなければ全社員が使える状態になる
利用枠はCodexと共有しトークン単位で減る
利用量はモデルのAPI料金に準じてトークン単位で計算される。まずプランに含まれる利用枠を消費する。枠を超えた分は対応プランでクレジットを追加購入して使い続けられる。
注意すべきはCodexなどと利用枠を共有するプランがある点だ。Wordアドインを使った分だけCodexや他の機能に回せる枠が減る。無料プランでも使えるが利用枠は限られている。ヘビーに使うならPlusやTeamなど上位プランが要る。
インストールはMicrosoft Marketplaceから行う。Excel向けとPowerPoint向けと共通のアドインになっている。Wordのリボンから開いてChatGPTのアカウントでサインインすればサイドバーで使い始められる。
ChatGPT for Wordでできることと制限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象プラン | 無料を含む全プラン |
| 文書への質問 | 開いている文書の要約・分析 |
| テキスト書き直し | 選択テキストを別の文体に変換 |
| 下書き作成 | メモから文書の下書きを生成 |
| スキル対応 | 繰り返す作業に一貫した指示を適用 |
| 連携アプリ | Outlook・SharePoint・Google Workspace・Dropbox |
| メモリ引き継ぎ | ChatGPT本体から引き継がれない |
| 会話履歴 | ChatGPT本体とは別管理 |
10月1日から組織では既定で有効になる
組織で利用するにはワークスペース管理者がChatGPTの管理コンソールで有効化しMicrosoft 365の管理者もアドインを許可する必要がある。2段階の許可が要る。
重要なのは2026年10月1日から既定で有効になるという点だ。管理者が何も操作しなければ全社員がWordでChatGPTを使える状態に切り替わる。事前に利用範囲と運用ルールを決めておかないと想定外の利用が広がるおそれがある。
すでにCopilotを導入している企業ではChatGPTアドインとの使い分けも整理が要る。どちらもWordの中で動くAIだ。両方が有効な状態で放置すると現場が混乱する。IT管理者が先に動くなら管理コンソールでアドインを無効のまま維持する設定を10月1日より前に入れておくことだ。

ChatGPT本体のメモリとスキルは引き継がれない
アドイン内の会話はChatGPTの会話履歴とは別管理になる。ChatGPT側で設定したメモリもスキルもアドインには引き継がれない。つまりChatGPTで積み上げた文脈はWordでは白紙から始まる。
10月1日までに社内で決めておきたい点は3つある。1つ目は会社のセキュリティポリシーでアドイン利用を許可するか。2つ目はトークン利用枠の配分をCodexとどう分けるか。3つ目は社員への利用ルールをいつまでに整備するか。自動有効化を知らずに10月を迎えると情シス部門が後手に回る。
- アドイン
- WordやExcelなどのアプリに後から機能を追加するプログラム。Microsoft Marketplaceからインストールできる
- トークン
- AIが文章を処理するときの最小単位。日本語1文字が約1.5〜2トークンに相当する。利用量の計算に使われる
WordにChatGPTが入ることでCopilotとの住み分けが曖昧になる。どちらもWordの中で動くAIだが課金の仕組みが違う。CopilotはMicrosoft 365の契約に含まれChatGPTはOpenAIのプラン枠で動く。10月1日の自動有効化までに情シス部門はアドインの許可とトークン配分の方針を決めておきたい。放置すると社員が個人プランで勝手に使い始めて会社のデータがOpenAI側に流れる事態も起きうる。
- ChatGPT for Wordは無料で使えるのか
- 無料プランを含む全プランで使える。ただし利用量はトークン単位で計算されプランごとの利用枠を消費する。無料プランの枠は限られているためヘビーに使うならPlusやTeamなど上位プランが要る。枠を超えた分は対応プランでクレジットを追加購入できる。
- ChatGPT本体の会話やメモリはWordでも使えるのか
- 使えない。アドイン内の会話はChatGPTの会話履歴とは別管理でメモリやスキルもアドインには引き継がれない。Wordでは白紙の状態から始まる。ChatGPT本体で積み上げた文脈や設定はアドイン側には反映されない。
この記事の出典
補助資料
- [1]窓の杜この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月18日
