Aiarty Image Mattingとは?切り抜き精度や使い方、他ツールとの比較を紹介

Aiarty Image Mattingは、AI技術を活用して、誰でも簡単に高精度な背景除去ができる画像切り抜きツールです。髪の毛やレースなど、細かい輪郭も自然に処理できるため、商品画像や人物写真など、幅広いシーンで活躍します。しかし、どのモデルを使えばいいの?他のツールと何が違うの?と悩んでしまいますよね。

そこで今回は、Aiarty Image Mattingの特徴や使い方、他ツールとの比較からおすすめの活用方法まで、徹底的に紹介します。この記事を読めば、自分にぴったりの使い方が見つかります。

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AI導入コンサルタント

藤井俊太(Shunta Fujii)

AIのスペシャリストとして、最新のAI情報を常にキャッチ、アップデートしている。自らもAI導入コンサルタントとして活動し、主に生成AIを駆使した業務効率化、生産性向上、新規事業開発を行なっている。
AIの総合情報サイト「AInformation」は、AIに関する専門的な情報やサービス・プロダクトを解説、紹介するWebメディア。AIの専門家集団の編集部がAIの活用法、最新ニュースやトレンド情報を分かりやすく発信していいます。藤井俊太のプロフィール

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目次

Aiarty Image Mattingとは?

Aiarty Image Mattingは、AI技術を活用して画像から背景を高精度に取り除くツールです。専門的なスキルがなくても、誰でも簡単に被写体を自然に切り抜くことができ、写真やイラストの加工、商品画像の作成など幅広い用途に対応しています。毛髪や細かいパーツの輪郭処理にも優れており、個人利用からプロの現場でも活用されています。

背景除去だけでなく、編集やエフェクトの適用も可能で、効率的かつ高品質な画像処理を実現します。

Aiarty Image Matting公式サイト

Aiarty Image Mattingの仕組み

Aiarty Image Mattingは、複数の高度なAIモデルを組み合わせて、画像の中から対象物を高精度に見分ける仕組みです。画像内の被写体と背景を細かく解析し、境界線を滑らかに処理することで、自然な切り抜きを実現しています。特に、毛髪や動物の毛のように複雑な輪郭も丁寧に処理されるため、違和感のない仕上がりになります

また、グラデーションによる透明度の調整やエッジのなめらかな表現により、リアルなマット画像を生成することが可能です。

Aiarty Image Mattingのモデルの種類

Aiarty Image Mattingには、4つのモデルがあります。

モデル名特徴向いている画像具体的なおすすめ画像
AlphaStandard V2なめらかな輪郭を生成。シンプルな画像に最適毛や髪など細かな質感を含む画像、背景が単純なものペットや髪の毛の写真、証明写真、シンプルなイラスト、空と雲の写真
AlphaEdge V2シャープなエッジを表現。輪郭が明確な画像に適応背景とのコントラストが強いシンプルな画像商品写真、マンガ調イラスト、アイコン、モノクロ写真
EdgeClear V2複雑な背景でも正確に切り抜く性能を持つ質感のバリエーションがある、要素が多い写真自然風景、室内の写真、ディテールが多い商品画像、抽象的アート
SolidMat V2境界線をはっきりと保ちつつ、複雑な構成にも対応透明な素材、明瞭な形状を持つもの建築物、機械部品、乗り物、マクロ撮影(昆虫・植物など)

AlphaStandard V2は柔らかい質感や背景に適し、AlphaEdge V2はシャープな輪郭を求めるシンプル画像に最適です。背景が複雑な写真にはEdgeClear V2、輪郭を際立たせたい構造物や透明な素材にはSolidMat V2が効果的です。シーンや被写体の特徴に合わせてモデルを選ぶことで、仕上がりの精度が大きく向上します

Aiarty Image Mattingの料金プラン

プラン名料金(税込)主な内容・特典
無料プラン0円背景除去などの基本機能が利用可能。機能は限定されるが、お試しに最適
年間プラン5,980円/年無制限に使える上、画像高画質化ソフト・動画処理ソフト(年間版)がセットで付属
永久ライセンス9,980円(買い切り)一度の支払いで永続的に利用可能。高画質化&動画AIソフト(年間ライセンス)がセットで付属
ビジネスプラン299,980円/年法人やチーム向けの大規模利用に対応。専用サポートやライセンス管理機能、柔軟な契約条件などを提供

個人でのお試し利用には、無料プランがおすすめです。本格的に利用する場合は、年間プランや買い切り型の永久ライセンスも検討しましょう。有料プランには、画像の高画質化や動画編集AIソフトがセットでついてくるため、編集作業の幅が広がります。

さらに、企業や制作現場など、複数人での活用や大量の画像処理が必要な場面では、ビジネスプランを選ぶことで、より柔軟かつ効率的な運用が可能になります。

Aiarty Image Mattingでできること

Aiarty Image Mattingでできることは、主に以下の5つです。

  • 高精度な背景透過
  • 半透明・細かい素材の処理
  • 暗所や低コントラスト画像への対応
  • 大量の画像を一括処理
  • 多彩な背景エフェクトと画像編集機能

まず、非常に高精度な背景透過が可能です。被写体の輪郭を細かく認識し、髪の毛や動物の毛のような繊細な部分も自然に切り抜けます。ガラスやレースといった半透明な素材や複雑な質感のあるものにも対応しており、素材の特性を活かしながら背景だけを除去できます。また、暗い場所で撮影された写真や背景との境界がわかりにくい画像でも、被写体を正確に捉えてきれいに処理できるのも特徴です。

さらに、大量の画像をまとめて処理できる一括機能もあり、最大3,000枚まで同時に対応できるため、業務での利用にも適しています。加えて、単色への変更やぼかし、ピクセル化といった背景エフェクトの追加や、明るさ調整・トリミング・回転・反転といった基本的な画像編集も可能です。

Aiarty Image Mattingでできないこと

Aiarty Image Mattingは非常に多機能で高精度な背景透過ツールですが、不得意・対応できない部分もあります。

  • 被写体と背景の色や質感が極端に似ている画像の処理
  • 密集した複数の被写体を個別に正確に切り抜く処理
  • レイヤー合成や複雑なグラフィック編集作業

被写体と背景の色や質感が極端に似ている場合、輪郭の判別が難しくなり、切り抜き精度が落ちることがあります。特に、同系色でコントラストがほとんどない画像では、自然な処理が難しい場合があります。

また、画像内に複数の人物や物体が密集していると、意図した被写体だけを正確に切り抜くのが困難です。Photoshopのような高度なレイヤー編集や合成には対応していないため、細かいデザイン作業には他のソフトとの併用が必要です。

Aiarty Image Mattingと他サービスの比較

Aiarty Image Mattingのほかにも、AIを活用した有名な切り抜きツールはいくつかあります。ここでは、remove.bg・PhotoRoom・Slazzerと比較し、それぞれの特徴と違いを見ていきます。

サービス名特徴おすすめ用途
Aiarty Image Matting高精度な切り抜き+手動補正ツールで自由度が高い高品質な切り抜き・合成画像制作全般
remove.bgスピード重視・操作が簡単SNS投稿や簡易資料の画像処理
PhotoRoomテンプレート付きでそのままデザイン可能EC画像・バナー・プロフィール画像
Slazzer多用途対応・業務向け機能も充実まとめて処理したい場合やAPI連携

remove.bgとの比較

remove.bgは、ワンクリックで背景を自動削除できる手軽さが魅力のサービスです。操作も直感的で、特に背景がシンプルな写真に強く、スピーディーに処理できます。ただし、細かい調整機能は少なく、仕上がりを微修正したい場合には別のソフトを併用する必要がある場合もあります。

Aiarty Image Mattingは、切り抜き精度の高さに加え、描画ツールなどによる細部の微調整が可能です。髪の毛の先端や透けた素材も自然に処理できるため、クオリティを重視したいユーザーに向いています。

remove.bg公式サイト

では、実際に同じ画像を切り抜いて比較してみましょう。

remove.bgで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

remove.bgもかなり高い精度で切り抜きできていますが、首元の毛並みはやや不自然に切り抜かれていることがわかります。また、ダウンロード後の画質の差も大きく感じます。

続いて、人物です。

remove.bgで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingは、人物だけを的確に認識し、切り抜きできています。右の女性のコップを持つ手も、手だけを認識して切り抜いています。

最後に、建物です。

remove.bgで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

青空がバックの建物に関しては、remove.bgのほうが得意かもしれません。Aiarty Image Mattingはどのモデルで試してもビルが消えかかっており、右下の電線も切れてしまっています。

PhotoRoomとの比較

PhotoRoomは、背景削除だけでなく、テンプレート機能を使ってそのままバナーや商品画像、プロフィール画像などをデザインできる点が特徴です。ECやSNS用途で「画像を仕上げてすぐ使いたい」というニーズに応える設計となっています。

一方、Aiarty Image Mattingは切り抜きに特化したツールであり、背景の除去精度や透明部分の調整に強みがあります。デザインそのものは他のソフトで行う前提ですが、そのぶん切り抜き品質にフォーカスしているため、あとから自由に合成や編集したいユーザーに適しています。

PhotoRoom公式サイト

では、実際に同じ画像で切り抜きを試してみましょう。

PhotoRoomで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

PhotoRoomもしっかり切り抜きできていますが、よくみると口元の毛や首あたりの毛がやや省略されてカットされていることがわかります。ふわふわ感をより出せるのは、Aiarty Image Mattingといえます。

続いて、人物を切り抜いてみます。

PhotoRoomで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

PhotoRoomはテーブルごと切り抜かれる結果になりました。精度は悪くないですが、よく見ると男性の髪の毛のフサフサ感が弱くなり、丸い感じになってしまっているのが見て取れます。

最後に、建物で試してみました。

PhotoRoomで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

青空が背景のビルの写真は、PhotoRoomのほうが上手に切り抜けています。しっかりと背景と空の色を認識して、手前のビルも残せています。

Slazzerとの比較

Slazzerは、人物だけでなく車や商品など幅広い被写体への対応をうたっており、バッチ処理やAPI連携など業務用途にも対応した機能が特徴です。画像をまとめて処理したい場合や、企業での利用に便利な設計となっています。

Aiarty Image Mattingも高精度なAIによる切り抜きを提供していますが、さらに「描画ツール」による細かい手動補正が可能で、微妙な境界線や複雑な素材にも柔軟に対応できます。精度と自由度を両立したい場合には、より細かなニーズに応えられるでしょう。

Slazzer公式サイト

では、同じ画像を処理してみて、結果を比べてみます。

Slazzerで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

毛並みの感じはどちらもかなり精度高く切り抜けていますが、よく見るとよりふわふわ感が残っているのはAiarty Image Mattingといえます。

次に、人物です。

Slazzerで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

どちらも人物のみを認識し、テーブルは切り抜かれています。細かくみていくと、男性の髪の毛や女性が握っているコップなどもきれいに切り抜けているのは、Aiarty Image Mattingです。

最後に、建物です。

Slazzerで切り抜いた画像

Aiarty Image Mattingで切り抜いた画像

建物をよりきれいに切り抜けたのはSlazzerです。ただし、Slazzerもよく見てみるとクレーンのフックを吊り下げている部分は消えてしまっています。Aiarty Image Mattingで細かく調整するか、別のツールを使うほうがおすすめです。

Aiarty Image Mattingの始め方・登録方法

Aiarty Image Mattingの利用を開始するには、まず公式サイトにアクセスしましょう。

Aiarty Image Matting公式サイト

そして、右上の「いますぐ無料で始める」をクリックします。すると、ファイルのダウンロードが開始されます。

お使いのパソコンのダウンロードフォルダから、ダウンロードしたファイルを選択し、アプリケーションを開けば利用開始できます。

このまま利用すると無料版です。すでにライセンスを購入されている場合は、購入に利用したメールアドレスと、ライセンスのコードを入力してアップグレードしましょう。

Aiarty Image Mattingの使い方

ダウンロードしたアプリを開き、ログインします。

まずは、切り抜きたい画像をアップしましょう。中央の矢印部分をクリックするか、画像やフォルダをドラッグ&ドロップして追加してください。今回は、クラゲの画像をアップしてみました。

そして、利用するAIモデルを選択します。4種類のAIモデルがあるので、画像の特徴に合わせて選びましょう。今回は一番基本の「AlphaStandard V2」を使ってみます。右下の「開始」を押せば、処理がスタートします。

するとこのように、切り抜いた画像が表示されます。

かなり細かく複雑な画像ですが、繊細に切り抜きできていることがわかります。

切り抜き前の画像

切り抜き後の画像

Aiarty Image Mattingで実際に画像を切り抜いたレビュー

Aiarty Image Mattingを使って、実際にさまざまな画像を切り抜いてみました。

まずは、難易度が高そうなふわふわの毛並みの犬の写真です。

切り抜き後

風に吹かれて立ち上がっている毛並みも、きれいに切り抜きできていることがわかります。

次に、商品画像などにも使えそうな化粧品の写真を切り抜いてみます。

切り抜き前

切り抜き後

通常のテーブルと、容器の透明な部分に透けているテーブルもしっかり認識し、切り抜きできています。

続いては、人物です。2名の人が写っており、手前の人が少しぼやけている場合、どのようになるのか検証してみます。

切り抜き後

手前の人物もしっかり認識し、切り抜きできています。しかし、髪の毛部分はよく見ると背景まで切り抜きされている箇所があり、微調整が必要そうです。

続いて、透け感のあるベールの画像で試してみます。

切り抜き後

下のほうの透け感が強い部分は一部切り抜きできていますが、それ以外はちょっとベールの目が細かすぎたのか難しかったようです。4つのモデルすべてで試してみましたが、これが限度でした。

最後に、ビルの風景の画像で試してみました。

切り抜き後

一部ビルが消えているものの、かなりしっかりと切り抜きできています。こちらはかなりモデルによる差が大きく、モデルによってはほぼすべてのビルが消えてしまうこともありました。

このモデル選択が正直なかなか難しく、対象に合わせていろいろ試してみて、一番合ったものを選んでいく形になりそうです。

Aiarty Image Mattingの活用例

Aiarty Image Mattingは、特別な撮影環境や専門知識がなくても、誰でも簡単に人物や物体を背景から高精度に切り抜き、プロ仕様の画像に仕上げられます。では、ECサイトの商品画像やSNS投稿・動画サムネイル、プロフィール写真など、具体的な活用例をいくつか紹介します。

ECサイトの商品画像作成

Aiarty Image Mattingは、ECサイトの商品画像作成の際に、スタジオで撮影したようなさまざまなパターンの画像を用意するのに役立ちます。商品写真から背景を自動的かつ高精度に切り抜けるため、撮影時に特別な背景やセットを用意する必要がありません。撮影コストや準備の手間を大幅に削減できます。

また、切り抜いた商品画像を別の背景に自然に合成することが可能なため、ブランドイメージに合わせた多様なビジュアル表現を実現できます。たとえば、同じ商品でもシーズンごとに異なる背景に差し替えることで、キャンペーンや特集ページに合わせた演出がしやすくなります。

実際に、以下のような以下にも自宅で撮影した感じの画像も、上手に切り抜いて加工することで、商品画像に仕上がります。

切り抜き後

背景加工後

SNSの投稿画像や動画のサムネイル作成

Aiarty Image Mattingは、SNSの投稿画像や動画のサムネイル作成にも活用できます。人物や物体を背景から正確に切り抜けるため、視覚的にインパクトのあるコンテンツを簡単に制作することが可能です。SNSでは、スクロールの中で目を引くビジュアルが重要であり、背景を自由に差し替えたり、グラフィック要素を追加したりすることで、オリジナリティのある投稿が作れます。

また、動画のサムネイルにおいても、主役となる人物や製品だけを強調する構図を作ることで、クリック率の向上が期待できます。特にYouTubeやInstagram、TikTokなどでは、サムネイルの印象が再生数に直結するため、魅力的なビジュアルを効率的に生成できる点は大きなメリットとなります。

例えば、おいしそうな料理を切り抜いてインパクトのある画像を作れます。

切り抜き後

背景合成後

スタジオで撮ったようなプロフィール画像を作成

Aiarty Image Mattingを活用すれば、スタジオで撮影したかのような高品質なプロフィール画像を手軽に作成できます。通常、プロのプロフィール写真を用意するには、スタジオを借りて専門のカメラマンに依頼する必要がありますが、スマートフォンや家庭用カメラで撮影した写真からでも、人物をきれいに切り抜き、好みの背景に差し替えることが可能です。

たとえば、シンプルな白背景やオフィス風の背景、ナチュラルな屋外風景など、使用シーンに応じて印象を自由にコントロールできます。リモートワークやSNSでの自己紹介、ポートフォリオや企業の顔写真としても、洗練されたイメージを演出できるため、第一印象を良くするうえで大きな効果があります。

例えば、プライベート・観光感がある画像も、切り抜いて背景を変えると、一気に雰囲気が変化します。

切り抜き後

背景追加後

Aiarty Image Mattingを思い通りに使いこなすコツ

Aiarty Image Mattingは、シンプルな操作で高精度な切り抜きが行える便利なツールですが、より理想的な仕上がりを目指すためには、いくつかの工夫やポイントを押さえておくと効果的です。元画像の選び方や仕上げ段階での微調整などを意識することで、より自然で美しい画像を作成できます

では、Aiarty Image Mattingを思い通りに使いこなすための具体的なコツを紹介します。

できるだけ高解像度の画像を使う

画像の解像度が高いほど、Aiarty Image Mattingは細かい輪郭やディテールを正確に認識しやすくなります。低解像度の画像では、髪の毛のような細かな部分がぼやけて処理されてしまい、不自然な仕上がりになることがあります。

特に、人物の顔や衣服の輪郭を丁寧に切り抜きたい場合は、高解像度の画像を使うことで、より自然で滑らかな結果が得られるでしょう。スマートフォンで撮影する際も、設定で最大解像度を選ぶことをおすすめします。

被写体と背景の差がはっきりしている画像を使う

Aiarty Image Mattingの切り抜きの精度を高めるためには、被写体と背景とのコントラストがはっきりしている画像を選びましょう。たとえば、背景がごちゃごちゃしていたり、被写体と似た色味で構成されていたりすると、境界が曖昧になり正確に認識されにくくなります。

無地の壁やぼかしの効いた背景など、シンプルで被写体が際立つ構図のほうが、ツールの処理精度も高まります。撮影時に背景を工夫することで、仕上がりのクオリティが格段に向上します。

描画ツールで微調整する

Aiarty Image Mattingでは自動で高精度な切り抜きが可能ですが、さらに仕上がりを細かく調整したい場合には、内蔵の描画ツールを活用するのが効果的です。ツールには消しゴム・ブラシ・覆い焼き・焼き込みの4つのモードが用意されており、切り抜きの輪郭や透明度を直感的に調整できます。

たとえば、髪の毛の先やレース素材のような繊細な部分がうまく切り抜けていない場合には、ブラシで透明度を整えたり、焼き込みで背景とのなじみを調整することで、自然な見た目に仕上げられます。また、不要な部分が残っているときは、消しゴムで丁寧に除去することで、クリーンな切り抜きが可能になります。

自動処理だけでは対応が難しい細部も、描画ツールを使えば思い通りにコントロールできるため、より完成度の高いビジュアルを求める方には非常に便利な機能です。仕上がりに満足できない場合は、ぜひ積極的に活用してみてください。

Aiarty Image Mattingの注意点

Aiarty Image Mattingを使用する際には、いくつかの注意点もあります。特に、大量の画像を一括処理する負荷や画像の保存形式による品質の変化、ソフトウェアを安定して動作させるためのPCのスペックなどが挙げられます。

では、Aiarty Image Mattingをより快適かつ効果的に活用するために、事前に把握しておきたい注意事項について詳しく紹介します。

大量の画像処理を一気に行うには時間がかかる場合がある

Aiarty Image Mattingは最大で3000枚までの画像を一括で処理できますが、大量の画像を一度に処理する際には、完了までに時間がかかる場合があります。特に、すべての画像に対して高精度な処理を行うため、処理時間は画像の解像度や枚数に応じて長くなる傾向があります。

Aiarty Image Mattingはローカル環境でAIによる処理を実行する仕様であるため、クラウドベースの高速処理とは異なり、処理中はPCのリソースを多く消費します。そのため、作業を始める前には処理時間に余裕を持ち、他の作業との並行利用を避けるなど、運用面での工夫が必要です。

また、一括処理中は他のアプリケーションの動作に影響を与える場合もあるため、業務用途で使用する際にはスケジュール管理やリソース配分に注意を払いましょう。

処理後保存した形式やサイズによっては品質が落ちる

Aiarty Image Mattingで画像を処理した後、保存する形式やサイズの設定によっては、元の画質よりも品質が劣化する場合があります。特にJPEG形式で保存すると、圧縮の過程で細部がぼやけたり、ノイズが発生したりすることも考えられるでしょう。また、解像度を下げて保存した場合も、印刷や拡大表示に耐えられないことがあります。

透明背景を活かしたい場合には、PNG形式での保存が推奨されますが、ファイルサイズが大きくなる点には注意が必要です。さらに、画像編集ソフトやWebサービスに再度読み込む際にも、形式や解像度によっては意図しない表示になることがあります。最終的な利用目的に合わせて、適切な保存形式やサイズを選ぶようにしましょう。品質を保ったまま使用したい場合は、なるべく元画像に近い状態で保存し、必要に応じて後からサイズを調整してください。

十分な性能のあるデバイス以外だと動作しない場合もある

Aiarty Image Mattingは、高度なAI技術を用いて画像の背景を切り抜く処理をローカル環境で行うため、ある程度の処理能力を持つデバイスが必要です。特に、CPUやGPUの性能が低いパソコンやメモリ容量が不足しているデバイスでは、正しく起動しなかったり、処理が途中で止まってしまったりといった不具合が発生する可能性があります。

動作要件を満たしていない環境では、処理速度の低下だけでなく、ソフト全体の安定性にも影響を与えることがあるため、事前に推奨スペックを確認しましょう。

Windows推奨環境

項目内容
CPU64-bit Intel® または AMD® プロセッサー
OSMicrosoft Windows 10(x64)バージョン1809以降
メモリ(RAM)16GB以上推奨(最低8GB)
GPUビデオメモリ2GB以上、DirectX 12.0以上対応のグラフィックカード
対応GPU例AMD GCN 1st Gen(Radeon HD 7000シリーズ)以降Intel Haswell HD Graphics以降NVIDIA Kepler(GTX 600シリーズ)以降

macOS推奨環境

項目内容
CPU(Intel Mac)任意のIntelプロセッサー
OS(共通)macOS 11.0(Big Sur)以降
メモリ(RAM)8GB以上
ストレージ500GB以上推奨
CPU・GPU(Apple Silicon)Appleシリコンプロセッサー:M1、M2、M3(各Pro/Max/Ultra含む)

快適に利用するためには、AI処理に適した性能のデバイスを用意し、他の重たいアプリケーションとの同時使用を控えるといった工夫も効果的です。特に業務用途で使用する場合には、性能の低い端末で無理に使用を試みるよりも、処理能力の高いPC環境を整えることが、安全かつ効率的な運用につながります。

Aiarty Image Mattingの商用利用

Aiarty Image Mattingは、契約プランに関係なく商用利用が可能です。たとえば、商品のパッケージデザインに使用したり、オンラインショップの商品画像の背景を透明にして、より魅力的な見せ方を演出したりする際に活躍します。また、動画制作やプレゼンテーション資料の素材として利用する場合でも、使用制限を心配することなく導入できます。

ただし、利用規約は変更される可能性もあるため、最新の情報をチェックしてから利用するようにしましょう。

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