ChatGPTに架空の売上CSV(5商品×12か月)と決算書のPDFを渡して、集計・比率・回帰分析・利益率の4問を出しました。結果は全問正解です。回帰分析はPythonで59.6秒かかりましたが、傾き288.8が正解の値と一致しました。
- ChatGPTに売上CSVと決算書PDFを渡して4問出したら全問正解だった
- 年間合計の集計は29.1秒・127文字で正解した
- 12月÷1月の伸び率は29.2秒で商品B 1.317倍と正解した
- 最小二乗法の回帰分析は59.6秒でPythonが傾き288.8を正解と一致させた
- PDFの決算書から売上総利益率38.9%と営業利益率6.1%を26.1秒で正解した
- 回帰分析のグラフもChatGPTのPythonで自動生成された
ChatGPTのCSV分析は4問投げて全問正解だった
ChatGPTのデータ分析機能に4つの課題を出して正確さを確かめました。AInformation編集部が2026年9月18日にChatGPTのブラウザ版で操作しています。画面にモデル名の表示はありませんでした。
用意したのは架空の会社の売上CSV(5商品×12か月・単位は千円)と決算書のPDFです。出した4問はこちらです。
- CSVの年間合計金額といちばん売れた商品名を答える(易)
- 5商品それぞれの12月の売上が1月の何倍かを計算する(中)
- 商品Bの月別売上に最小二乗法で回帰直線を当てはめて傾き・切片・予測値を出しグラフも描く(中)
- PDFの決算書から売上総利益率と営業利益率を計算する(難)
結果は4問すべてで正解でした。集計は29.1秒で正解しました。伸び率の計算は29.2秒で商品B 1.317倍と正解しました。回帰分析はPythonを使って59.6秒で傾き288.8と切片9839.4が正解と一致しています。PDFの利益率も26.1秒で正解しました。
検索すると「ChatGPTでCSVを分析する方法」を紹介する記事は多く見つかります。ただし実際にファイルを渡して正解の数字と突き合わせた記事はほとんどありません。この記事では投げた文と画面キャプチャを全部載せているので同じ文で試せます。上位の記事の多くはCSVの集計やファイルの添付方法を扱っています。この記事ではそこから先の比率計算・回帰分析・PDF読み取りまでChatGPTが正確にできるかを実測で確かめました。
CSVをChatGPTに渡して年間合計を聞くと29.1秒で返る
最初の課題は基本的な集計です。売上CSVの年間合計といちばん売れた商品名をChatGPTに聞きました。操作はCSVファイルを会話画面に添付して日本語で質問するだけです。
操作の手順はこちらです。
- ChatGPTで新しい会話を開く
- 売上データのCSVファイルを会話画面にドラッグして添付する
- 日本語で質問を入力して送信する
- 回答が返るまで待つ(今回は29.1秒)
- 返ってきた数字を元のCSVと突き合わせる
AInformation編集部が投げた文はこちらです。
添付した売上データ(CSV)の年間合計金額と、いちばん売れた商品名を教えてください。単位は千円です。

ChatGPTは29.1秒で回答を返しました。回答の文字数は127文字です。
回答の中身を確認します。ChatGPTは「年間売上合計:558,900千円」と答えました。正解は558,900千円なのでぴったり一致しています。いちばん売れた商品は「商品A(タンブラー)」で年間売上は146,400千円と答えました。正解も商品A(タンブラー)の146,400千円なのでこちらも一致しています。2位の商品B(エコバッグ)の年間売上は140,600千円です。ChatGPTは5商品の中から正しく1位の商品Aを選んでいます。
さらにChatGPTは「5商品の年間売上を合計しても558,900千円となりCSVの合計列と一致しています」と自分から検算結果を添えています。頼んでいない検算まで自動で付くので安心感があります。
この課題はExcelのSUM関数でも答えが出るレベルの問題です。ChatGPTでは29.1秒で正確に答えが返ります。操作は「ファイルを添付して日本語で聞く」の2つだけなのでExcelで関数を書く手間がかかりません。Excelの操作に慣れていない人でも日本語で質問するだけでCSVの集計結果を得られます。
ChatGPTに伸び率の計算を頼むと29.2秒で1.317倍と正解した
2つ目の課題は比率の計算です。5商品それぞれの12月の売上が1月と比べて何倍になったかをChatGPTに計算させました。正解は商品B(エコバッグ)の1.317倍が最大です。集計とは違い割り算の精度が問われる課題です。
AInformation編集部が投げた文はこちらです。
各商品の12月の売上が1月と比べて何倍になったか計算して、最も伸びた商品を教えてください。倍率は小数第3位まで出してください。

ChatGPTは29.2秒で回答を返しました。回答の文字数は313文字で、5商品すべての倍率を表にして出しています。
結果を正解と突き合わせます。ChatGPTの回答は商品A 1.100倍・商品B 1.317倍・商品C 1.000倍・商品D 0.823倍・商品E 1.059倍です。正解の値(商品A 1.1倍・商品B 1.317倍・商品C 1.0倍・商品D 0.823倍・商品E 1.059倍)と全部一致しています。
最も伸びた商品はChatGPTも「商品B(エコバッグ)」で1.317倍と答えました。正解と一致しています。「倍率は小数第3位まで出してください」と指定したとおり5商品すべてが小数第3位まで出ています。
ChatGPTは「エコバッグは10,100→13,300なので売上額では+3,200(約31.7%増)」と補足も付けています。元のCSVの値とも一致します。一方で商品D(弁当箱)は0.823倍で5商品のうち唯一1.0倍を下回りました。12月の売上が1月より減っている商品です。ChatGPTは増えた商品も減った商品も正確に計算しています。Excelなら「12月のセルを1月のセルで割る」式を5行書く操作が必要ですがChatGPTは日本語で頼むだけで5商品分を一度に計算します。29.2秒で全商品の倍率と順位まで出るので手早いです。
ChatGPTに回帰分析を頼むと59.6秒で傾きまで正解した
3つ目の課題は回帰分析です。商品B(エコバッグ)の月別売上に最小二乗法で回帰直線を当てはめて傾き・切片・2026年1月の予測値を計算させました。グラフも一緒に描かせています。CSVの集計や比率とは違い統計の計算が入る課題です。
Excelで同じことをやるには散布図を作って近似曲線を追加して式を表示する操作が必要です。ChatGPTなら日本語で頼むだけで裏のPythonが全部やってくれます。
AInformation編集部が投げた文はこちらです。
商品B(エコバッグ)の月別売上(1月=1, 2月=2, …, 12月=12)に最小二乗法で回帰直線を当てはめて、傾き・切片・2026年1月(x=13)の予測値をPythonで計算してください。グラフも描いてください。

ChatGPTは59.6秒で回答を返しました。回答の文字数は239文字です。集計の29.1秒や比率の29.2秒と比べて時間がかかっています。Pythonでコードを書いて実行しグラフを描く処理が入るためです。
傾き288.8と切片9839.4が正解と一致した
回答の中身を正解と突き合わせます。ChatGPTの答えは傾き288.811189・切片9,839.393939・2026年1月(x=13)の予測値13,593.939です。
正解は傾き288.8・切片9839.4です。ChatGPTの傾き288.811189を四捨五入すると288.8になり一致します。切片9,839.393939も四捨五入すると9839.4で一致します。小数点以下の桁数まで正確に計算できています。
ChatGPTは「1か月あたり約288.8ずつ売上が増加しており2026年1月は約13,594と予測されます」と読みやすいまとめも付けています。統計の知識がなくても結果の意味が分かります。
グラフにデータ点と直線が描かれていた
ChatGPTはPythonを実行してグラフも自動で生成しました。グラフには12か月分のデータ点と回帰直線が描かれています。横軸が月(1〜12)で縦軸が売上(千円)です。

回帰分析のコードを自分で書く必要はありません。「Pythonで計算してください。グラフも描いてください」と頼むだけです。ChatGPTが裏でPythonのコードを書いて実行してくれます。ただし59.6秒かかるので集計のように即座には返りません。時間のかかる計算を頼んだときは少し待つ必要があります。
ChatGPTにPDFの決算書を渡すと26.1秒で利益率を正解した

4つ目の課題はPDFの読み取りです。架空の会社の2025年度決算書をPDFファイルで渡して売上総利益率と営業利益率を計算させました。CSVではなくPDFを渡してもChatGPTは中身を読み取れます。表の形のデータがあれば数値を拾って計算できます。
AInformation編集部が投げた文はこちらです。
添付した決算書(PDF)から売上総利益率と営業利益率を計算してください。計算式も見せてください。

ChatGPTは26.1秒で回答を返しました。回答の文字数は418文字で4問のうち最も多い文字数です。計算式を詳しく出した分だけ長くなっています。
回答の中身を確認します。ChatGPTはPDFから「売上高68,200百万円、売上総利益26,550百万円、営業利益4,170百万円」と読み取った数値を示しています。これらは決算書の数値と一致しています。
計算結果は売上総利益率38.9%・営業利益率6.1%でした。正解は売上総利益率38.9%と営業利益率6.1%なので一致しています。ChatGPTは計算式も提示しました。「売上総利益率=売上総利益÷売上高×100=26,550÷68,200×100=約38.93%」と過程を見せています。
PDFの表から数値を正しく読み取って計算まで自動でやってくれます。26.1秒は4問の中で最も短い時間でした。PDFの読み取りにかかる時間は他の課題より短い結果です。CSVだけでなくPDFにも対応しているのはExcelにはない強みです。経理の資料や取引先から届いたPDFの数字を素早く確認したいときに使えます。
ChatGPTに出した4問の秒数と正解を表で並べた

4問すべてを表とグラフで並べて確認します。
ChatGPTのCSV分析4問の結果
| 課題 | 難易度 | 秒数 | 文字数 | 正解 |
|---|---|---|---|---|
| 年間合計と最売れ筋 | 易 | 29.1秒 | 127文字 | ○ |
| 12月÷1月の伸び率 | 中 | 29.2秒 | 313文字 | ○ |
| 回帰分析+グラフ | 中 | 59.6秒 | 239文字 | ○ |
| PDF利益率の計算 | 難 | 26.1秒 | 418文字 | ○ |
年間合計の集計は29.1秒・127文字で正解しました。伸び率の計算は29.2秒・313文字で正解しました。回帰分析は59.6秒・239文字で正解しました。PDFの利益率計算は26.1秒・418文字で正解しました。4問すべてが正解です。途中でエラーになった課題やスキップした課題はありません。
秒数は26.1秒から59.6秒の範囲でした。回帰分析だけ59.6秒と他の3問より長くなっています。Pythonでコードを書いて実行しグラフを描く処理が加わるためです。それ以外の3問は26〜29秒で返っています。
文字数は課題の複雑さに応じて変わりました。いちばん短いのは集計の127文字でいちばん長いのはPDF利益率の418文字です。PDFの課題は計算式を詳しく出した分だけ長くなっています。
特筆すべきは回帰分析の精度です。傾き288.811189は四捨五入で正解の288.8と一致しました。切片9,839.393939も四捨五入で正解の9839.4と一致しています。統計の計算でも小数点以下の精度が保たれています。
今回の検証では4問とも正解でした。ただしこれはあらかじめ正解を用意して突き合わせたから確認できたことです。正解が分からないデータでChatGPTを使うときは結果を鵜呑みにせず元のデータと照らし合わせてください。
ChatGPTのCSV分析は正解でも必ず元データと確認する
ChatGPTのCSV分析はここまでの検証で4問全問正解でした。ただし常に正解するとは限りません。業務でChatGPTのデータ分析を使うときに気をつけるべき点を3つ挙げます。
答えを元のデータと必ず突き合わせる
ChatGPTの回答は数字が整っていて計算式も付いているのでそのまま信頼したくなります。しかし数字を丸めるときにずれたり元データを読み間違えたりする可能性はあります。今回は正解を事前に用意して突き合わせたから「全問正解」と言い切れました。業務で使うときも回答の数字を元のCSVやExcelと照らし合わせる手順を省かないでください。
単位と小数点の桁数を指定して聞く
今回の伸び率の課題では「小数第3位まで出してください」と指定しました。これを省くとChatGPTが勝手に四捨五入して桁が変わることがあります。欲しい精度をあらかじめ伝えると正確な答えが返りやすいです。単位もCSVに含まれていない場合は「単位は千円です」のように明示すると間違いが減ります。今回のCSVには単位の列がなかったので質問文に「単位は千円です」と書きました。一方PDFの決算書は百万円で記載されており単位を伝えなくてもChatGPTは正しく読み取りました。CSVのように単位が曖昧なファイルでは明示したほうが安全です。
公式のヘルプで対応ファイルを確認する

OpenAIのヘルプページ「Data analysis with ChatGPT」にCSVやExcel以外にも対応しているファイルの種類が書かれています。今回のようにPDFも読み取れます。対応していないファイルを渡すとエラーになるので事前に確認してください。ChatGPTの無料版と有料版の違いも合わせて確認しておくと使える範囲が分かります。
ChatGPTのデータ分析でできないことが3つある

ChatGPTのデータ分析は今回の検証で4問全問正解しました。しかしできないこともあります。ChatGPTの弱みを知っておくと使いどころを間違えません。
リアルタイムのデータ更新はできない
ChatGPTは渡されたファイルをその場で分析します。データベースに接続してリアルタイムに更新されるダッシュボードを作ることはできません。データが更新されたら毎回最新のCSVを添付し直す必要があります。常に最新の数字を見たい場合はBIツールが向いています。
定期レポートの自動配信はできない
ChatGPTは会話ごとに1回の分析を実行します。「毎週月曜にCSVを読み込んで分析レポートをメールで送る」のような定期実行の仕組みはありません。定期レポートが必要ならデータ分析に使えるAIツールの中からBIツールや自動化ツールを探してください。
ファイルのサイズや行数が大きいと処理が遅くなる
今回のCSVは5商品×12か月で60行のデータです。この規模ではどの課題も60秒以内に返ってきました。しかし数万行や数十万行のCSVでは処理に時間がかかります。Pythonの実行がタイムアウトすることもあります。大きなデータを扱うならExcelやBIツールのほうが安定します。
ChatGPTのデータ分析は「その場で1回」の分析に向いています。操作が簡単で精度も高いですが自動化や常時監視には別のツールが必要です。
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