Googleが判定サイトを全員に開放 1日100万件の確認が来ている
Googleは米国時間10月6日、画像・動画・音声がAIで作られたかを確かめられる「SynthID Detector」を誰でも使えるようにしました。2025年のGoogle I/Oで一部の記者や研究者に試してもらっていた道具で、今回はその対象を全員へ広げた形です。
判定に使うのは、Googleが2023年に発表した電子透かしのSynthIDです。透かしが入るのは、Googleの画像モデルNano Bananaや動画のVeo・音楽のLyriaで作ったものです。GeminiやFlow・ProducerAI・Vidsといった作る機能を持つツールも同じ透かしを入れています。
GoogleによるとGeminiのアプリとGoogle Chromeにも同じ確認の仕組みが入っていて、確認の依頼は1日100万件来ているそうです。調べられるファイルの形式は次のとおりです。
| 種類 | 対応する形式(公式の発表) | 結果の出方(公式の説明) |
|---|---|---|
| 画像 | JPG・JPEG・PNG・BMP・WEBP・AVIF・HEIC・HEIF・TIFF・TIF・GIF | 透かしがあるかどうか |
| 動画 | MP4・MOV・WEBM | 透かしのある区間 |
| 音声 | WAV・MP3・OGG・FLAC・AAC・M4A | 透かしのある区間 |
形式はTechCrunchの報道、結果の出方はSynthID Detectorのよくある質問から写しました(2026年10月8日に確認)。

- 2023GoogleがSynthIDを発表
- 2025Google I/Oで記者や研究者に判定を試験提供
- 10/6SynthID Detectorを全員に開放(米国時間)
対象はGoogleとOpenAIなど4社のAI 汎用の判定ではない
SynthID Detectorで見分けられるのは、SynthIDの透かしを入れている会社のAIで作ったものだけです。AInformationが10月8日にサイトを開くと、対応する会社としてNVIDIA・OpenAI・Google・Kakaoの4社のロゴが並んでいました。ロゴの下の説明には「This is not a general AI detector」とあり、どんなAIでも見分ける道具ではないとはっきり断っています。
TechCrunchによると、OpenAIはSynthIDに対応しつつ自社でも確認用のサイトを持っています。Appleも近く対応すると伝えられています。一方でMicrosoftとMetaは透かしと確認の仕組みを自前で持っています。サイトの4社の中にはMidjourneyやAdobe Fireflyの名前もありませんでした。
文章も判定の対象に入っていません。よくある質問ではSynthID自体は文章にも透かしを入れられると説明していますが、Detectorで選べるのは画像・動画・音声の3種類です。以前取り上げたChatGPTの文章の透かしも、ここでは調べられません。
サイトの説明どおりなら、GeminiやChatGPTで作った画像は受け取った側が誰でも透かしを確かめられるようになりました。会社のSNSや資料にこれらの画像を使っているなら、AIで作ったと分かる前提で扱うことになります。

判定にはログインが要る GoogleかAppleかChatGPT
誰でも使えるとはいえ、ログインしないと判定まで進めませんでした。AInformationがファイルを選ぶボタンを押すと「Please sign in before detection.」と出て、Google・Apple・ChatGPTのどれかで入るよう求められました。ログインなしでは1件も判定できなかったため、今回は判定の結果そのものは試していません。
利用規約も先に読んでおきたいところです。規約では、ファイルを自動で大量に送ることを禁じています。透かしを壊す加工を探るための利用や、複数のアカウントで回数の上限を避けることも禁止です。上限の回数と料金は、サイトのどこにも書かれていませんでした。
社内で使うなら、だれのアカウントで入るかを先に決めておくと迷わずに済みそうです。社外から届いた画像を個人のアカウントで上げると、業務のファイルを会社の外のサービスへ渡すことになるためです。

「透かしなし」はAIでない証明にならない 結果は2通りだけ
判定の結果は「透かしあり」と「透かしなし」の2通りです。よくある質問によると、SynthIDを使っていないAIで作ったものや強く加工して透かしが弱まったものは「透かしなし」と出ます。ごくまれに透かしの無いものに反応することもあるそうです。
TechCrunchも、こうした確認の道具は完璧ではなく自社のモデルで作ったものを見分けられないことも多いと指摘しています。社外から届いた画像を確かめるなら、次の順で見るとよさそうです。
- まず作った人に、どのAIで作ったかを聞く
- Google・OpenAI・NVIDIA・Kakaoのツールなら、SynthID Detectorで透かしを確かめる
- 圧縮や加工を重ねた画像ではなく、いちばん画質の高い元のファイルを上げる
- 「透かしなし」でも人が作ったとは決めず、元のファイルや撮った日時など別の手がかりを集める
Appleが加われば、対応する会社は5社に増えます。並びが広がるほど「透かしなし」の重みも増すので、自社で使っている画像AIが4社のどれに当たるかを今のうちに書き出しておくと話が早く進みます。

- SynthID
- Googleが2023年に発表した電子透かし。AIで作った画像・動画・音声に人には見えない印を入れ、あとから見分けられるようにする
AI画像を使う側にとって、今回の開放は「GeminiやChatGPTで作った絵は外からAI製と分かる」前提に変わる出来事だとみています。広報やSNSの担当が生成画像を使うなら、AIで作ったと書くかどうかの決まりを先に作っておきたいところです。後から指摘されて慌てずに済みます。逆に届いた画像を確かめる側は、透かしなしを白と読まない運用が要ります。判定できるのが4社の分だけのうちは、作った人への確認を先に置くのが現実的です。
- SynthID Detectorは無料で使える?
- 料金の表示はどこにもありません。AInformationが10月8日に開いた時点では、ファイルを選ぶとログインを求められました。入れるのはGoogle・Apple・ChatGPTのどれかのアカウントです。利用規約では自動で大量に送ることや、複数のアカウントで回数の上限を避けることを禁じています。上限の回数は書かれていません。
- MidjourneyやAdobe Fireflyで作った画像も判定できる?
- 見分ける対象には入っていません。SynthID Detectorが調べるのは、透かしのSynthIDを入れているGoogle・OpenAI・NVIDIA・Kakaoの4社のAIで作ったものだけです。サイトにも汎用のAI判定ツールではないと書かれています。4社以外のAIで作った画像を上げても、透かしなしと出る可能性が高いです。
- 透かしなしと出たらAIで作っていないと言える?
- 言えません。よくある質問によると、SynthIDを使っていないAIで作ったものや強い加工で透かしが弱まったものは透かしなしと出ます。ごくまれに透かしの無いものに反応することもあります。結果は透かしありと透かしなしの2通りだけです。作った人への確認や元のファイルなど、別の手がかりと合わせて判断します。
- 文章がAIで書かれたかも調べられる?
- 調べられません。SynthID Detectorが扱うのは画像・動画・音声の3種類です。画像はJPGやPNGやHEICなどに対応します。動画はMP4やMOV、音声はWAVやMP3などが使えます。SynthID自体は文章にも透かしを入れられるとよくある質問に書かれていますが、判定の画面では文章を選べません。
この記事の出典
補助資料
- [1]TechCrunchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月8日
