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Harunobu公開、神Excelの崩し9か所中2か所は素通りした

読了 約6分
9か所中2か所の崩しを見逃した。採点ツールHarunobuが30項目で判定
この記事の要点

デジタル庁がExcelやCSVの読みやすさを100点満点で採点するツールHarunobuをGitHubで無料公開した。セル結合だらけの神Excelを機械とAIが読める形へ直す入口になる。AInformationが手元で試すと、仕込んだ崩し9か所のうち2か所は素通りした。

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100点採点の満点
30項目判定の元になるルール
2か所試して見逃した崩し

デジタル庁のHarunobu ExcelとCSVを100点満点で採点する

デジタル庁は、ExcelやCSVが機械にとって読みやすいかを判定するツール「Harunobu」をGitHubで公開した。紙に印刷したときの見た目を優先し、セル結合などを多用したいわゆる「神Excel」の対策に使える。Excel・CSV・TSVを、行政データの機械可読性ルールに沿って100点満点で採点する。

判定はルールベースで動く。デジタル庁の公式ブログは「100回採点すれば100回とも同じ結果が返されます」と書いている。生成AIに判定させると答えがぶれるので、そこを避けた作りだ。軽く動くので、人が1つずつ見るより速く大量のファイルを処理できるという。

名前は江戸時代の浮世絵師、鈴木春信から取った。神Excelという紙に複数のルールを版のように重ね、きれいなデータに仕上げるという意味を込めている。

HarunobuのGitHub公開ページ
HarunobuのGitHub公開ページ / 出典:digital-gov.note.jp / 制作:AInformation
これまでの流れ
  1. 3/31政府の会議で機械可読性ルールが決まる
  2. 10/21デジタル庁がHarunobuをブログで紹介

採点の元は30項目のルール レベル1から3まで3段ある

物差しになるのは、2026年3月31日に政府の会議で決まった行政データの機械可読性ルールだ。リポジトリにはレベル1が15項目、レベル2が6項目、レベル3が9項目の計30項目がJSONとCSVで入っている。

レベル 満たすとできること(公式ブログ) ルールの例
レベル1(15項目) 機械で閲覧・転記できる セルを結合しない・1シートに1表・スペースで体裁を整えない
レベル2(6項目) 集計・分析できる 数値に文字を混ぜない・項目名を省略しない
レベル3(9項目) データの連携と自動化ができる コード表や定義を添える など

結果はJSONで出て、どのセルがどのルールに引っかかったかが全部並ぶ。これをAIへの指示書として渡せるのが狙いだ。ツールの部分はMITライセンスで、使うのに料金はかからない。動かすにはPython 3.10以上が要る。

神ExcelをHarunobuで採点すると。神Excel。結合と空白行でレベル1は0点。整えた表。縦長の1表にすると100点。崩し9か所のうち2か所は素通りした。AInformation編集部が作ったイラスト図解(前と後の場面)
神ExcelをHarunobuで採点すると / 制作:AInformation

手元で神Excelを採点 0点と100点に分かれ2か所は素通りした

AInformationは10月21日、Harunobuを手元のMacに入れて試した。支店別の売上表をわざと崩した神Excelと、同じ中身を縦長の1表に整えたExcelの2つを用意した。採点にかかったのは1ファイル0.2秒ほどだった。

AInformation独自検証(10月21日・各1回) 神Excel 整えた表
レベル1の点数 0点 100点
レベル2の点数 0点 100点
仕込んだ崩し9か所の指摘 7か所 崩しなし

セル結合と表の途中の空白行は、重大度がいちばん重いfatalの扱いで、その時点でレベル1は0点になった。タイトルと作成日の行、合計の行、氏名の中の全角スペース、「1,200千円」のような単位入りの数字、支店名を空欄にした省略も、セルの番地つきで指摘された。

見逃したのは2か所だ。空欄の代わりに入れた「-」と、数値の列に入れた「6百」は、Harunobuが指摘できなかった。「6百」は空白行の下に1行だけ残した部分にあり、別の小さな表として扱われたためとみられる。公式ブログも、判定が一例の実装であり対象外のルールがあると断っている。0点が出たら直す場所の一覧として使い、100点でも目で1度見ておくのが確実だ。

HarunobuとChatGPTで表を直す流れ。Harunobuで採点。違反のセルがJSONで出る。AIに読ませる。採点結果とファイルを渡す。整形プログラム。表は直接書き換えさせない。もう1度採点。点数が上がったか確かめる。プログラムなら毎回同じ結果になる。AInformation編集部が作ったイラスト図解(横並びの手順コマ)
HarunobuとChatGPTで表を直す流れ / 制作:AInformation

ChatGPTと組むなら直すのはプログラムに任せる

デジタル庁は、採点結果をChatGPTに渡してデータを直す手順も公開した。ポイントは、AIに表を直接書き換えさせず、整形するPythonプログラムを書かせる点だ。プログラムなら同じファイルから毎回同じ結果が出る。

  • 崩れたファイルをHarunobuで採点する
  • 採点結果とファイルをAIに読ませる
  • AIに整形プログラムを作らせて実行する
  • できたファイルをもう1度Harunobuで採点する

ブログでは、無料で使えるChatGPTのGPT-5.6 Lunaでこの流れを試し、きれいな1枚の表に直せたと紹介している。社内の売上表や集計表をAIに分析させてもうまく読まない人は、先にHarunobuで点数を見ると原因の当たりが付く。外部のAIに社内データを渡すときは、会社の利用ルールを先に確かめておきたい。

この記事に出てくることば
機械可読性
システムやAIから見たデータの読みやすさ。セル結合や項目の省略があると機械が読み間違える原因になる
藤井俊太(AI導入コンサルタント)の見方

企業のAI導入で最初につまずくのは、AIの性能より社内のExcelの形だとみている。部署ごとに作った報告用の表は結合と小計だらけで、そのまま渡すとAIが列を取り違える。Harunobuはその現状を点数で見せられるのが強い。情報システム部門が共有フォルダのExcelをまとめて採点し、部署ごとの平均点を出すだけでも、どこから直すかの順番が決まる。ただ今回の試験のように見逃しもあるので、100点を合格の印にせず直す場所の一覧として使うのがよさそうだ。

よくある質問
Harunobuは無料で使える?
使える。デジタル庁がGitHubで公開していて、ツールの部分はMITライセンスで料金はかからない。Python 3.10以上の環境で動き、コマンドで採点するほか、ブラウザでファイルを上げて結果を見る画面も用意されている。AIで判定を補う機能は任意で、使う場合だけGeminiやOpenAIなどのAPIキーが要る。
Harunobuで100点なら神Excelは直ったと言える?
言い切れない。AInformationが10月21日に試したところ、仕込んだ崩し9か所のうち「-」と「6百」の2か所は指摘されなかった。デジタル庁の公式ブログも、判定は一例の実装で対象外のルールがあると書いている。点数は直す場所の一覧として使い、最後は人の目で確かめるのが確実だ。
HarunobuはChatGPTと一緒に使える?
使える。採点結果はJSONで出るので、ファイルと一緒にChatGPTへ渡して整形用のPythonプログラムを書かせる。デジタル庁の公式ブログは無料で使えるGPT-5.6 Lunaでこの手順を試し、1枚の表に直せたと紹介している。AIに表を直接書き換えさせないのがコツで、プログラムなら毎回同じ結果になる。

この記事の出典

補助資料

  • [1]ITmedia AI+ITmedia AI+・補助的な二次資料・確認 2026-10-21この記事の元にした報道

出典の最終確認日:2026年10月21日

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