Gemini×スプレッドシートで何ができる?使用法から活用例まで徹底解説!

Gemini×スプレッドシートで何ができる?使用法から活用例まで徹底解説!

ビジネスの現場では、データ分析やレポート作成、会議資料の準備などに、膨大な時間や労力を費やしてしまうものです。どうにかして、作業効率化できないものかと悩んでいる人も多いでしょう。

普段からGoogle WorkSpaceを使用している方なら、GoogleのAIツール”Gemini”との連携で『Geminiスプレッドシート』が使用できます。複雑なデータ分析が自動的かつスピーディーに行えるため、作業効率が大幅にアップすること間違いなしです。

この記事では、Geminiスプレッドシートで何ができるのか、その使用法からメリット・デメリットまで詳しく解説します。

Geminiスプレッドシートを使えば、今までかなりの時間を費やしていた作業から一気に解放されます。すぐに試してみたくなる活用事例は必見です。

AInformation編集部/藤井俊太のアバター

AI導入コンサルタント

藤井俊太(Shunta Fujii)

AIのスペシャリストとして、最新のAI情報を常にキャッチ、アップデートしている。自らもAI導入コンサルタントとして活動し、主に生成AIを駆使した業務効率化、生産性向上、新規事業開発を行なっている。
AIの総合情報サイト「AInformation」は、AIに関する専門的な情報やサービス・プロダクトを解説、紹介するWebメディア。AIの専門家集団の編集部がAIの活用法、最新ニュースやトレンド情報を分かりやすく発信していいます。藤井俊太のプロフィール

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目次

Gemini×スプレッドシートを使用するための条件と方法

スプレッドシートをGeminiと連携させて使用したい人は、第一前提としてGoogle Workspaceに契約していることが必須条件です。無料のGoogleアカウントでは、使用できない機能となっているため注意しましょう。

Gemini×スプレッドシートを使用するための具体的な方法は以下です。

Gemini×スプレッドシートを使用する方法
  1. Google Workspaceの有料プランに加入する(企業で契約している場合は省略)
  2. スプレッドシート上で、新しいシートを開く
  3. 画面右上のGeminiアイコンをクリックする
  4. 画面向かって右側にサイドパネルが現れる
  5. サイドパネル下部にある、プロンプト入力箇所に指示を入力する

Google Workspaceの有料プランに加入していれば、以下の画像のように『Geminiボタン』を1回のみクリックするだけで、スプレッドシート上でGeminiが使用できるサイドパネルが現れます。

スプレッドシートの右上『Geminiボタン』をクリック
画面右側にサイドパネルが出現

あとは、目的に沿ってプロンプトを入力していけば、Geminiが自動で作業を行ってくれます。プロンプトは、できるだけ具体的かつ詳細に入力することが必要です。

※現時点(2024年12月現在)では、無料でGeminiとスプレッドシートを連携させて使用することはできません。

Gemini×スプレッドシートで何ができる?

今まで、Excelやスプレッドシートを使用して表やグラフなどを作成する際は、ユーザー自身が関数や分析に関する一定の知識を持っていないと使いこなせないという点がネックでした。

しかし、Geminiとスプレッドシートを連携させて使用することで、Excelやスプレッドシートの使用法が分からなくても、簡単に使用できるようになりました。Gemini×スプレッドシートを使用することで、具体的に何ができるようになったのかを見ていきましょう。

Gemini×スプレッドシートでできること概要
効率的なデータ分析データをもとに、表やグラフの作成をする
データの予測過去のデータから、未来を予測する
レポート作成の自動化データに基づいて、レポートを自動で作成する
会議資料の準備を自動化会議に必要なデータを抽出し、資料を自動で作成する
質問に対する回答内容に関する質問に回答する
アイデアを提案内容をもとに新しいアイデアを提案する

Gemini×スプレッドシートを活用すれば、複雑な数式や関数などの知識はまったく必要ありません。誰でも簡単にデータ分析が可能です。そして、活用法はデーター分析だけに留まりません。

データを分析した上で、「そこから読み取れることは何なのか?」そこからさらに「どのような指標を出すと良いのか?」「今後どのような状況が考えられるのか?」などといった、ワンランク上の考察までもをサポートしてくれます。

日々膨大なデータと向き合っている会社経営者はもちろんのこと、事業を仕切るチームリーダー、フリーランスで働く人々にとっては、特に画期的な機能と言えるでしょう。次に、実際にビジネスの現場でどのように活用されているのかを見ていきます。

Gemini×スプレッドシートの活用事例3つを紹介

ビジネス現場で、Geminiとスプレッドシートを連携させて活用している実例を3つに絞って紹介します。

実用例①:売上実績管理表を分析する

Geminiとスプレッドシートを連携させると、売上実績管理表からその内容を簡単に分析することができます。

とある企業で、全国に展開している支店の売り上げ実績管理表を作成したとします。ここから、各支店ごとの成長率を求めたい場合、対象の表を選択したうえでGeminiのサイドパネル下部にある枠に「各支店の成長率を計算してください。」といったプロンプトを入力します。

「各支店の成長率を計算して下さい。」と入力した後の画面
スプレッドシートに数式を挿入するときの画面

すると、各支店の売り上げ金額と前年比をもとに各支店の成長率を求める関数を自動で作成します。そこから『↖ボタン』をクリックすると、選択したセルに関数が挿入され数値が瞬時に挿入される仕組みです。

このように数式を自ら入力しなくても、求めたい項目を自然な会話形式でGeminiに問いかければ、とても簡単に数値化できます。

実用例②:人事評価シートを分析する

Geminiとスプレッドシートを連携させると、会社の人事評価シートから必要なデータのみを抽出することも可能です。

とある会社の人事評価シートから、成績優秀な営業マンのみを抽出したい場合、まず対象の表を選択します。そのうえでGeminiのサイドパネル下部にある枠に「この中から、自己評価と上司評価がAランクの人だけを抽出してください。」といったプロンプトを入力します。

対象の表と抽出したデータを表示させたいセルを選択する
選択したセルの場所に抽出結果が挿入される

すると、自己評価と上司評価がともにAランクの人だけが抽出され、表示させたいセルの場所に瞬時に挿入されました。このように、使用したいデータを素早くピックアップし、そのデータのみの表を新たに作成することも簡単にできます。

実用例③:アンケート内容を要約しレポート化する

Geminiとスプレッドシートを連携させると、アンケートを取った際の自由記述式の項目をデータ化し、分かりやすくまとめる作業にも役立ちます。

例えば、とある美容サロンの口コミ・レビュー90件分をスプレッドシートに入力したデータがあるとします。スプレッドシートをGeminiと連携させておくと、その膨大なテキストデータを自動で要約し、分かりやすくまとめることも可能です。すべての口コミに目を通さずとも、その内容を大まかに把握することができます。

膨大なテキストデータを要約
要約をもとにレポートを作成

さらに『この要約をもとにしたドキュメントを作成してください。』といったプロンプトを入力すると、上記画像のようなレポートを自動で作成することも可能です。

その内容はとても見やすく、肯定的な意見と否定的な意見をきちんと区別したうえで箇条書きで提示され、さらにその内容を発展させた「今後の課題」まで示されています。

また場合によっては、今後どのような業務改善を行っていけば良いかのアドバイスを提案してくれることもあります。ユーザーが投げかけるプロンプト次第で、活用の幅は大いに広がっていくことでしょう。

Gemini×スプレッドシートのメリット・デメリット

Geminiとスプレッドシートを連携させると、作業効率が格段に上がることは間違いありません。これからビジネスシーンにおいて、大いに活用したいと考えている方のために、Gemini×スプレッドシートのメリット・デメリットについて解説します。

メリットデメリット
データ分析が簡略化される
作業効率が上がる
人為的なミスを減らせる
新たな気づきの発見につながる
創造性が上がる
情報漏えいの危険性がある
データ処理が偏る場合がる
倫理的な問題が発生することがある
導入にコストがかかる
AIに関する技術的な知識が必要な場合がある

スプレッドシートをより便利に効率的に活用したいなら、Geminiと連携させることをおすすめします。ただし、上記のようなデメリットが存在することも覚えておきましょう。

Geminiを含め、AIの技術はまだまだ発展途上にいます。企業で扱う際はもちろんこと、個人で利用する際にも事前にマニュアルに目を通したり研修会を開いたりするなど、AI全般についてをきちんと学ぶことが大切です。

Gemini×スプレッドシートに関するよくある質問

Gemini×スプレッドシートについての「よくある質問」を以下にまとめました。本記事の内容を振り返りつつ、一つひとつチェックしていきましょう。

スプレッドシートのGeminiでできることは何ですか?

おもに以下のようなことが可能です。

  • 表やグラフの作成
  • データ分析における数式や関数の作成
  • データ内容から目的の内容のみを抽出
  • 表やグラフから読み取った内容を要約
  • 過去のデータから未来のデータを予測する
Geminiとスプレッドシートを連携させて使用する際の導入コストはどのくらいですか?

個人で使用する際は、Geminiの有料版(Gemini Advanced)を契約します。その際の金額は、月額2,900円(税込)です。

企業で使用する際は、すでにGemini for Google Workspaceに加入していれば、そのまま使用できます。価格は法人ごとに見積もるため、決められた価格は提示されていません。

\Gemini有料版の価格について詳しくはコチラも!/

Geminiが作成した表をスプレッドシートに挿入するにはどうすればいいですか?

スプレッドシート画面右側にあるサイドパネル上で操作する場合はGeminiが作成した表のしたある「↖ボタン」をクリックすると、そのまま瞬時に左側のスプレッドシートに挿入されます。

Geminiのワークスペース画面で表を作成した場合は、その表の一番下にある『Googleスプレッドシートにエクスポート』をクリックします。すると、数秒程度でスプレッドシートが作成され、表として出力されます。

Googleスプレッドシートを複数人と共有することはできますか?

Googleスプレッドシートを複数人の人と共有することは、可能です。それはGeminiと連携させて使用する場合も同じです。

スプレッドシート右上にある『共有ボタン』をクリックし、リンクをコピーします。それを複数人に知らせることで可能になります。

ただし、その場合はアクセス権限を開放しておくことが必要です。『だれでも閲覧可』もしくは『このリンクを知っている人のみ閲覧』にしておきましょう。

【まとめ】Gemini×スプレッドシートでさらなる作業効率化へ!

従来のスプレッドシートでは、データ分析に関して一定の知識を必要とする場合もあったため、中にはその機能を使いこなせていない人もいました。しかし、スプレッドシートをGeminiと連携させることで、難しい関数を用いたデータ処理がすべて自動化されます。

特にGeminiは、ユーザーが要求した内容を汲み取る能力もあります。そのため、1つの回答を出すにとどまらず、そこから発展的なアイデアを提案してくれます。そのおかげで今後はさらに作業が効率化し、よりいっそう質の高いデータ処理が行えるようになるでしょう。

しかし、AI技術はまだまだ未熟であるということも忘れてはいけません。AIの便利さゆえに、過度に依存してしまうことは危険です。正しい知識を持って扱うようにましょう。

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