Comfy Routerが公開 画像と動画のAIを1本のAPIで呼ぶ
画像生成AIのComfyUIを開発するComfyは、9月23日にComfy Routerを公開した。画像・動画・音声・3Dを作る各社のAIを1つのAPIとAPIキーで呼べる仕組みだ。
複数のAIをまとめて呼ぶAIゲートウェイでは、文章を作るAIを束ねるOpenRouterがよく知られている。Comfy Routerはその画像・動画版にあたる。初日から呼べるモデルには、Seedance 2.5・MiniMax H3・Nano Banana Pro・Kling・FluxとOpenAIの画像生成AIが入った。
中心になるのは提供元(プロバイダー)を選べる機能だ。同じモデルを複数の会社が動かしていれば、パラメーターを1つ変えるだけで別の会社へ移せる。falで混んで止められたときに別の提供元で続ける、といった使い方を想定している。
大量の処理はsubmitで順番待ちに入れ、終わったものから受け取れる。

切り替え先はSeedanceが4社 MiniMax H3は0社だ
AInformationは9月27日にComfy Routerの公式ページと開発者向けの説明書を開き、モデルごとの提供元を数えた。Routerで呼べる212本のうち、Comfy以外の提供元にも対応しているのは10本だけだった。
| モデル | Comfy以外で動かせる提供元 | 社数 |
|---|---|---|
| Seedance 2.0・2.5 | fal・Higgsfield・Runware・WaveSpeed | 4社 |
| Nano Banana 2・Pro | fal・Runware・WaveSpeed | 3社 |
| GPT Image 2・2.5 Flare・2.5 Sunburst | fal・Runware・WaveSpeed | 3社 |
| Kling 3.0 Turbo・Kling V3 | Higgsfield | 1社 |
| Wan 3.0 Video | Higgsfield | 1社 |
| MiniMax H3・FLUX 2 Pro・Grok Imagine Video 1.5 | なし(Comfyだけ) | 0社 |
| 残りの199本 | 「Comfyで動く」とだけ書かれている | - |
表はComfy公式の対応表をもとにAInformationが整理した(9月27日時点)。切り替え先の多さで比べると、Nano Banana ProやGPT Image 2のほうが動画のKlingより2社多い。KlingとWanが移れるのはHiggsfieldの1社だけだ。
MiniMax H3とFLUX 2 ProとGrok Imagine Video 1.5の3本は、Comfyが混んでも逃げる先が無い。公式のFAQによると、指定した提供元が使えないときはリクエストがそこで失敗して返る。Comfyが黙って別の会社へ回すことはせず、予備の提供元を順に試す仕組みはこれからの予定だ。

作った画像は24時間で消える 費用も応答に載らない
月額は要らないが単価の一覧は見られなかった
Comfy Routerに月額の契約は要らない。支払いはComfy Cloudなどと共通のクレジットで行う。定額のComfy Cloudは、チーム向けを除く3プランが月払いで月20ドルから月100ドルかかる。
9月25日の欧州中央銀行の参照値(1ドル157.59円)で直すと、3,152円から15,759円になる。Routerだけならこの定額に入らなくてよい。クレジットは前払いで、使い残しても返金されないと説明書のFAQにある。
モデルごとの単価は「model catalog」に載っていると、発表のブログは書いている。ところがリンク先は「Finalize Comfy Router Landing Page Copy Creative」という名前のNotionのページだった。9月27日に開くとComfyのNotionへのログインを求められ、中身を見ることはできなかった。
結果は手元へ移す 締め切りは10分
入れた素材はアップロードから24時間、作った画像や動画は生成から24時間で消える。説明書は結果のURLが切れることもあるとして、ダウンロードして手元に置くよう勧めている。
応答にはComfyの費用もクレジットの残高も載らず、使った額はワークスペースの請求の画面で確かめる形だ。部署ごとにAI代を分ける会社は、1回ごとの額を応答から拾えない。
既定の締め切りは10分で、時間切れや接続切れは請求が無かった証拠にならないと説明書にある。同じ依頼だと示すIdempotency-Keyを付けずに送り直すと、もう1回ぶん請求されることがある。

組み込む前に確かめる4つ 1社で足りるなら直接つなぐ
Comfy自身が、提供元1社とモデル1本で足りるなら直接つなぐのが正解でRouterは要らないと書いている。Routerが生きるのは、同じモデルを複数の会社で動かしたいときやキーと実行の記録を1か所にまとめたいときだ。手で動画を数本作るだけなら、AInformation調べで月8.8ドル(約1,387円)のKling AIのStandardのような利用者向けのプランのほうが早い。
- 使うモデルが切り替え先のある10本に入っているか
- 作った画像や動画を24時間以内に自社の保存先へ移す処理があるか
- 送り直すときに同じIdempotency-Keyを付けているか
- クレジットを少額から買っているか(使い残しは返金されない)
Comfyは対応するモデルと提供元をこれから増やすと予告している。MiniMax H3の行に2つ目の印が付くかどうかを、公式の対応表で時々見ておきたい。
- プロバイダー
- 同じAIモデルを自社の計算機で動かしAPIで貸し出す会社。同じモデルでも会社ごとに値段や通信の質にばらつきがある
- OpenRouter
- 複数のAIモデルと提供元を1つの場所でまとめて扱えるAIゲートウェイ。文章を作るAIの呼び出しでよく使われている
社内の業務に画像生成を組み込む相談を受けると、止まるのは技術より請求と保存の決まりのほうが多い。Comfy Routerは応答に費用が載らず、作った画像も24時間で消える。経理が部署ごとにAI代を分ける会社や制作物を案件のフォルダに残す会社は、試作が動いても本番の前に段取りで詰まりそうだ。10本に入るモデルかどうかより先に、この2つの受け皿を決めておくほうが導入は早く進むとみている。
- Comfy Routerに月額料金はかかる?
- 月額の契約は要らない。支払いはComfyのクレジットで、ComfyUIのパートナーノードやComfy Cloudと同じものを使う。定額のComfy Cloudは月払いで月20ドルからだが、Routerだけならこの定額に入らなくてよい。クレジットは前払いで、使い残しても返金されない。モデルごとの単価は発表の案内先がログインの要るページで、9月27日時点では確かめられなかった。
- Comfy Routerで提供元を切り替えられるモデルはどれ?
- 切り替えられるのは公式の対応表で212本中10本だ。Seedance 2.0と2.5はfal・Higgsfield・Runware・WaveSpeedの4社へ移せる。Nano Banana 2とProとGPT Image系の3本はHiggsfieldを除く3社で、Kling 3.0 TurboとKling V3とWan 3.0 VideoはHiggsfieldだけだ。MiniMax H3とFLUX 2 ProとGrok Imagine Video 1.5はComfyでしか動かない。
- Comfy Routerで作った画像や動画はいつまで残る?
- 生成から24時間で消える。公式ブログでは入れた素材がアップロードから24時間、作った画像や動画が生成から24時間で削除されるとしている。説明書は結果のURLが期限切れになることもあるとして、ダウンロードして手元に置くよう勧めている。社内で使うなら自社の保存先へすぐ移す処理を先に作っておきたい。
- 1つのモデルしか使わない場合もComfy Routerを通すべき?
- 通さなくてよい。Comfy自身が、提供元1社とモデル1本で足りるなら直接つなぐのが正解だと書いている。Routerが役立つのは同じモデルを複数の提供元で動かしたいときや、キーと実行の記録を1か所にまとめたいときだ。手で動画を作るだけなら、AInformation調べで月8.8ドルのKling AIのStandardのような利用者向けのプランのほうが早い。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月27日
