Grokは、イーロン・マスクが設立したxAI社が手がける生成AIで、文章生成はもちろん、画像生成やリアルタイム検索、データ分析など多機能なツールです。
近年はChatGPTやClaudeといった生成AIが話題ですが、「Grokはそれらと何が違うの?」「イーロン・マスクが手がけるAIって、やっぱりスゴいの?」と気になる方も多いはず。
この記事では、Grokの基本から使い方、注意点や料金プランまで、わかりやすく整理してご紹介します。Grokが自分に合っているAIツールかどうか、判断する参考にしてください。
Grokとは?
Grok(グロック)とはイーロン・マスクが設立したxAI社によって開発された、対話型AIです。従来の生成AIと同様に、テキスト生成はもちろん、画像の生成、リアルタイム検索、データ分析など、多様な用途に対応できるのが特徴です。
X(旧Twitter)との統合が強化されており、リアルタイム性の高い情報取得が可能な点も注目されています。2024年にGrok 1が発表され、2025年3月時点ではGrok 3が公開されています。
Grok3については以下の記事で詳しく解説しています。利用者の口コミも掲載しているので、使うか迷っている人は参考にしてください。
xAI社とは?
xAI社は、2023年にイーロン・マスクによって設立された企業です。OpenAIやGoogleと同じく、汎用人工知能(AGI)を目指して研究開発を行っており、「宇宙の本質を理解すること」を目標に、AIの透明性や実用性を重視する方針を掲げています。
イーロン・マスクはOpenAIの共同創業者であったこともあり、ChatGPTに代わるものを開発したいと考えています。
Grokの仕組み
Grokは、大規模言語モデル(LLM)を基盤にしています。自然言語処理(NLP)や画像認識など、複数のモダリティに対応しており、会話を通じて複雑な問いにも柔軟に応じることができます。
また、Xプラットフォームとの連携によって、リアルタイムな情報検索や投稿の文脈理解が可能になっているのも大きな特徴です。
Grokのモデル
2025年3月現在、Grokは「Grok 3」を搭載しており、X連携やマルチモーダル対応している点から、ChatGPTやClaudeと異なる独自の強みを持っています。過去にはGrok 1やGrok 2があり、今後はさらに進化したモデルが期待され、推論速度や多機能性の向上が期待されています。
Grokの料金プラン
Grokはサーバーが利用可能な間、無料で最新のgrok 3を使用することができますが、有料プランもあります。プランによって使える機能やモデルの精度、利用可能な回数が異なるため、目的に応じて選択してください。
プラン名 | 月額料金 | 特徴 |
---|---|---|
Premium+(Webから) | 6,080円 | ・DeepSearchやThinkモードの使用制限あり ・画像生成制限あり ・Grokへの標準アクセス |
Premium+(iPhoneから) | 8,000円 | |
Premium+(Androidから) | 8,190円 | |
SuperGrok | 月額30ドル(約4,500円) | ・DeepSearchやThinkモードの使用制限が緩和 ・画像生成制限なし ・Grokへの優先アクセス・今後実装される新機能への早期アクセス |
無料プラン
無料プランでは、Grokの基本的な会話機能や簡単な文章生成などを体験できます。ただし、サーバーがダウンした場合は使用ができなくなったり、Deep Researchの利用回数に制限があります。「まずはGrokを試してみたい」という方におすすめのプランです。
Premium+
Premium+は有料プランで、音声モードや有線アクセスなど実用的な機能を利用することができます。Xの有料会員(Premium+)に加入することで利用できるため、SNS活用と連動させたい方におすすめです。Webサイトからの加入とiPhone、Androidからの加入で費用が異なるため注意してください。
SuperGrok
SuperGrokは上位プランで、Grokの最新機能に優先的にアクセスできます。画像生成の制限がなくなったり、Grok 3 Think、Grok 3 DeepSearchへの優先アクセスも可能です。制限なく使用したい方におすすめです。
Grokでできること
Grokは文章生成・画像生成・リアルタイム検索・データ分析など、複数の分野での活用が可能なマルチモーダルAIです。ここでは、Grokでできる主な機能を紹介します。
文章生成
Grokは、高度な自然言語処理能力を活かし、ブログ記事、ビジネス文書、キャッチコピー、コードなどの多様な文章を自動生成できます。文脈を理解しながら、論理的で読みやすい文章を出力できるため、ライティング業務の効率化にも役立ちます。
「30代日本人女性に刺さるエンタメのブログ記事を書いて」と入力したところ「30代の私にぴったり!日常を癒す韓国ドラマ3選」というタイトルで以下のように回答してくれました。
画像生成
Grokには、テキストから画像を生成する機能が搭載されています。プロンプトに沿ってユニークなイラストや写真風の画像を作成できるため、画像制作に活用可能です。ただし、著作権に注意して利用しましょう。
「日本の桜の魅力を伝えるアニメ調の写真風画像を生成してください」と入力すると、10秒ほどで2枚の画像を出力してくれます。
画像を選択すると編集もできます。「人物を家族のイラストにしてください」と指示すると子どものイラストを追加してくれました。
Grokで画像生成する方法について詳しくは以下の記事で解説しています。プロンプト例も紹介しているので、参考にして画像制作に役立ててください。
Grokで画像生成する方法は?コピペOKのプロンプトとコツなど解説
DeepSearch
GrokのDeepSearch機能では、X(旧Twitter)と連動したリアルタイム検索が可能です。最新ニュースやトレンド、世論の動向などをAIが分析し、ユーザーにわかりやすく要約してくれるため、情報収集のスピードが格段に上がります。
今回は「2025年のAI技術の最新トレンドを教えてください」と指示し、答えてもらいました。
18件のリソースから比較と優先順位の設定を行い、3分2秒の考察の後、以下のように回答してくれました。
主要な引用も提示してくれます。
リアルタイム情報の取得
Grokはインターネットに常時接続された設計になっているため、天気、株価、スポーツの結果、ニュースなどを“今この瞬間”の状態で取得・出力できます。時系列の比較や分析にも対応しています。
「最新のデータを使用して、2025年の東京の桜の満開予想を教えてください」と打ち込むと13件のポストと15のWebページを参考に回答してくれます。今が何日で、何日の情報をもとにしているか明確なため、簡単にリアルタイムの情報を得ることができます。
Grokで活用できるプロンプトは以下で紹介しています。メールの返信文章や文章の校正でGrokを利用したい人は参考にしてください。
Grokプロンプト24選!コピペOKの例文やコツ、注意点などを解説
データ分析
数値データの読み込みやグラフ化、傾向分析、要約などもできます。ビジネスレポートの作成や市場調査など、日々の業務にも活用可能です。
今回は令和5年人口動態統計を「要約してください」とだけ入力してみました。pdfのURLを入力するだけで、リンクにアクセスし、ポイントを解説してくれます。
Grokの使い方
GrokにはWebブラウザ版とアプリ版があり、目的や利用シーンに応じて選択できます。ここでは、それぞれの使い方の概要を紹介します。
Web版Grokの使い方
こちらのWeb版Grokにアクセスしてください。
右上のサインアップからログインしましょう。Xアカウント、Google、Apple、メールアドレスから選ぶことができます。
ログイン後、聞きたいことや依頼したいことをそのまま入力してください。
アプリ版Grokの使い方
アプリ版Grokは、iOS・Androidアプリから利用できます。アプリを開いて下部のGROKをタップしてください。
DeepSeekやThinkモードも簡単に切り替えられます。
外出先でもすぐに使えるため、移動中の情報収集や、スマホでの簡単な文章生成、調べものに便利です。
Grokと他のAIツールを比較する
ここでは代表的なAIツール、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity AIと比較しながら、Grokならではの特徴を整理します。
Grok vs ChatGPT
項目 | Grok | ChatGPT |
---|---|---|
提供元 | xAI | OpenAI |
会話スタイル | やや砕けた印象 | 丁寧で中立・安心感のある応答 |
画像生成 | あり(SNS向け表現に強み) | あり(DALL·E搭載) |
情報の新しさ | X(旧Twitter)との連携でリアルタイム取得可能 | 制限あり |
モデルバージョン | Grok 3 | GPT-3.5(無料)GPT-4(有料) |
GrokとChatGPTは、どちらも高度な文章生成ができるAIですが、文体や情報取得方法において異なります。
Grokはややカジュアルかつ人間味のある応答が特徴なのに対し、ChatGPTは丁寧で中立的な口調で安定性が高く、フォーマルな用途にも向いています。GrokはX(旧Twitter)と連携しており、SNS上のトレンドや投稿内容をリアルタイムで解析できますが、ChatGPTはリアルタイムでの情報取得には劣ります。画像生成に関しては両者とも対応していますが、ChatGPTはDALL・Eを使用した生成スタイルで、GrokはXと連携したSNS映えする画像生成に強みがあります。
ChatGPTについては以下の記事で基本を解説しています。料金プランについて詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。
ChatGPTとは?使い方や画像付き活用例、料金プランなどを解説
Grok vs Claude
項目 | Grok | Claude |
---|---|---|
提供元 | xAI | Anthropic(アンソロピック) |
長文処理 | 標準的な処理能力 | 10万トークン超の文書処理が可能 |
応答のトーン | 砕けた表現あり | 丁寧な文章で、誤情報を避ける傾向が強い |
適した用途 | 雑談・発想支援・SNSトレンド分析 | 法律、研究、教育、フォーマルなビジネス文書など |
ClaudeはAnthropic社が開発したAIで、安全性・倫理性・透明性を追求しているのが特徴です。Grokに比べると、中立的な対話設計がされており、教育現場やビジネスのフォーマルな環境でも安心して使える設計です。また、Claudeは10万トークン以上の超長文を処理できるため、法的文書や学術資料の要約、複雑なビジネスレポートの解析などに適しています。一方、Grokはそこまでの長文処理には特化しておらず、スピード感のある対話やSNS文脈の理解に向いています。
Claudeについては以下の記事で紹介しています。長文生成AIを活用したい人はぜひ参考にしてください。
Claudeとは?使い方や活用例、ChatGPTとの比較などを紹介
Grok vs Gemini
項目 | Grok | Gemini |
---|---|---|
提供元 | xAI | |
リアルタイム性 | Xの投稿・トレンドに基づいた即時検索 | Google検索と連携 |
利用環境 | Xアカウント、Google、Apple、メールなど | Googleアカウントが必要 |
適した用途 | トレンド分析・SNS運用者 | ビジネス全般・Googleユーザー・学習者 |
GeminiはGoogleが提供するAIで、YouTube、Google検索と連携がされています。メールの要約やスケジュール確認、YouTube動画の内容要約といった、日常と業務を横断した使い方ができるのが特徴です。Grokもリアルタイム検索には強いですが、主にX(旧Twitter)の投稿をもとにしたトレンド抽出や意見要約が中心です。そのため、情報の信頼性や網羅性では、Geminiのほうが安定感があります。また、GeminiはGoogleアカウントと連携しているため、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートとの統合もスムーズです。
Geminiについては以下の記事で解説しています。Googleのサービスを頻繁に使う人はぜひ参考にしてください。
Geminiの使い方を徹底解説!利用方法、バージョン、プラン
Grok vs Perplexity AI
項目 | Grok | Perplexity AI |
---|---|---|
提供元 | xAI | Perplexity社 |
検索精度 | トレンドやSNSに強いが、出典提示は少なめ | 必ず出典を明記・学術的検索にも対応 |
応答の形式 | 会話型(文脈を拾いながら回答) | 検索型(参照リンク) |
適した用途 | 雑談・発想補助・Xからの情報収集 | レポート作成・調査・論拠付き情報確認 |
Perplexity AIは、回答に出典元のURLを必ず提示する点が強みです。ユーザーは回答をそのまま信じるのではなく、信頼性の裏付けを自分でチェックしやすい設計になっています。GrokはSNS連携による時事性に強いものの、出典の提示は少なく、情報の信ぴょう性やソースの透明性ではPerplexityに劣る部分があります。また、Perplexityはコンパクトな回答を出す傾向があり、簡潔にまとめてくれるAIともいえます。一方、Grokは対話しながら情報を広げる設計なので、検索というより対話を重視する場合に合っているといえるでしょう。
Perplexity AIについては以下の記事で解説しています。AIを使って検索の質を上げたいと思っている人はぜひ参考にしてください。
Perplexity AIとは?使い方やChatGPTとの違い、日本語対応などを解説
Grokの注意点
Grokは非常に高機能で魅力的なAIツールですが、利用にあたってはいくつか注意すべきポイントがあります。特に、商用利用や個人情報の扱い、出力結果の正確性などに関しては、他のAIツールと同様に慎重な姿勢が求められます。
以下では、代表的なリスクや懸念点を3つに分けて詳しく見ていきましょう。
著作権を侵害した画像が生成される可能性がある
Grokは画像生成機能を備えていますが、その生成物には既存のアート作品や有名キャラクターの要素が含まれる可能性があります。これは、学習データに含まれていた画像情報をもとにしているためで、意図せず著作権を侵害してしまう危険性があります。
商用利用やSNSでの公開を行う場合、万が一第三者の権利を侵害してしまうと、法的リスクが生じる可能性があります。そのため、「権利関係がクリアなものだけを使用する」「自社制作物と明記する」などの対策が重要です。
プライバシーが侵害される危険性がある
GrokはXと連携してリアルタイム情報を取得できることが特徴ですが、その反面、個人情報やセンシティブな内容が含まれる可能性のある投稿にアクセスすることもあります。また、ユーザーがGrokに入力した情報も、学習・改善のために収集される可能性があり、機密情報や個人情報を不用意に入力することは推奨されません。
特に企業利用の場合は、「顧客データ」「内部文書」などをAIに入力する前に、プライバシーポリシーや利用規約を必ず確認しましょう。
誤った情報が出力される可能性がある
Grokに限らず、あらゆる生成AIには事実とは異なる情報を語る場合があるという特性があります。特にGrokは、SNSやリアルタイム検索の情報をベースにするため、誤報や未確認情報を含む可能性も高くなります。
そのため、医療・法律・投資など専門性の高い分野での利用には慎重さが必要です。出力された情報が正しいか確認し、一次情報や公式サイトでの確認を徹底することが重要です。
Grokの商用利用
Grokで生成された成果物に対して、商用利用の規則は明記されていません。公式からの情報がないため、商用利用はおすすめできません。
また、生成コンテンツには既存の著作物に類似した表現が含まれる可能性もあるため、著作権や商標などの権利関係にも注意が必要です。
Grokで生成した画像は商用利用できますか?と聞いたところ、
結論として、xAIやXから商用利用を許可する公式な発表がない限り、商用利用は控えるのが安全です。もし商用利用を検討している場合、xAIのサポートに直接問い合わせるか、専門家に相談して法的リスクを評価することをお勧めします。
という回答だったため、正式な見解や規則の発表があるまで商用利用はおすすめしません。