若手の技術職採用は27%から9%へ 技術部門も56%に減った
Claudeを作るAnthropicは、技術職で採る人のうち若手の割合が2025年初めの27%から9%へ下がったと公表した。技術部門にいる若手社員の割合も21%から14%に減っている。10月16日に出した雇用の変化をまとめた報告で、TechCrunchが内容を伝えた。
会社全体で見ても技術部門の比率は下がった。全社員に占める割合は61%から56%になった。Anthropicは理由を2つ挙げている。
- 会社が大きくなり、営業などの事業部門が自然に増えた
- コーディング用のAIで、技術職でない社員もソフトを自分で作れるようになった
| 項目 | 前 | いま |
|---|---|---|
| 技術職の採用に占める若手 | 27% | 9% |
| 技術部門の社員に占める若手 | 21% | 14% |
| 全社員に占める技術部門 | 61% | 56% |
| 1人あたりの会議の時間 | 1年前 | 20%増 |
出典はAnthropicの報告とTechCrunchの記事だ。若手の数字は2025年初めとの比べで、会議の時間はカレンダーの記録を1年前と比べている。

- 10/16Anthropicが雇用の変化の報告を公表
社員の20%が「仕事がClaudeの管理に変わった」と答えた
2026年4月の社内調査では、27%がClaudeで生産性が上がったと答えた。20%は仕事が「自分で作業すること」から「Claudeたちを管理すること」に移ったと答えている。ある社員は「速く動いてすべてにClaudeを使えという圧力が絶えずある」と話した。
あるエンジニアはこれを子守りにたとえた。子どもはどんな用事でも同じ強さで呼んでくるが、何体ものClaudeも同じように注意を求めてくるという。報告は人の注意と判断が生産性の詰まりどころになったとまとめている。Claudeが出す大量の文章を、人が読んで整理しないと先へ進まないからだ。
成果の面では、1人あたりのコードの量・営業1人あたりの成約・契約書の処理件数が増えたという。ただしAnthropic自身も「コードが増えても良いコードとは限らない」と認めている。品質が落ちている兆しは見つかっていないとした。

会議は1年で20%増えた AIを入れても人の話し合いは減らない
カレンダーの記録で見ると、社員1人あたりの会議の時間は1年前より20%増えた。技術職の社員だけでも16%増えている。Anthropicは人どうしの信頼と責任が大事になったためだと説明した。社員は顔を合わせた調整を「欠かせない」と繰り返し話している。
AIで作業が速くなると、決めることと確かめることが人のもとに集まる。その受け皿が会議になったと読める。AIを入れれば打ち合わせが減るという期待とは逆の結果だ。
AInformation編集部は10月18日に報告の本文を開き、国や拠点ごとの数字を探した。日本を含む国別の内訳は出てこなかった。東京の社員にも同じ傾向があるかは、この報告からは分からない。

日本の会社が先に決めること 若手に任せる仕事とAIの出力を読む人
日本で見るべき点は、若手の仕事がAIに移るかどうかより、AIが出したものを誰が読むかだ。Claude Codeのようなコーディング用のAIを配ると、書く量は増えて読む人が足りなくなる。Anthropicの報告はその詰まりを数字で示した。
Microsoftも社内のエンジニアを対象にCopilot CLIの効果を測っている。AIを作る会社ほど自社で使った結果を出し始めた。導入を進める側は、次の3つを先に決めておくとよさそうだ。
- AIが書いたコードや文書を確かめる担当と、1日に読める量
- 若手がAIに頼らず基礎を覚える仕事を、どこに残すか
- 導入の前と後で会議の時間がどう変わったかを測る方法
Anthropicの数字は、AIを全面的に使う会社の1つの例にすぎない。それでも採用の計画を立てる人事部門にとって、若手の採用が3分の1以下に減った例が公式に出た意味は大きい。来年の採用の枠を決める前に、自社の若手がいま何の仕事をしているかを書き出しておきたい。
企業にClaudeやCopilotを入れると、最初に詰まるのは書く工程ではなく確かめる工程だ。AIが一晩で出した修正案を、翌朝の会議で人が並べて承認する形になりやすい。日本の新卒一括採用の会社では、若手が覚えるはずだった下書きやテストをAIが先に片づけてしまう。3年後に確かめる側へ回れる中堅が育たない可能性がある。採用の枠を減らす前に、若手にAIの出力を読ませて直させる仕事を教育の柱に据えるかどうかを決めておきたい。
- Anthropicは若手の採用をやめたのか
- やめたわけではなく、割合が下がった。技術職の採用に占める若手は2025年初めの27%から9%になり、技術部門にいる若手社員の割合も21%から14%に減った。報告が示しているのは割合で、採った人数そのものは出していない。会社が大きくなって営業などの事業部門が増えたことも、技術部門の比率が61%から56%に下がった理由に挙げている。
- AIを入れたのにAnthropicの会議はなぜ増えたのか
- 人どうしの信頼と責任が前より大事になったためだとAnthropicは説明している。カレンダーの記録では社員1人あたりの会議の時間が1年前より20%増え、技術職の社員でも16%増えた。Claudeが出す大量の文章を人が読んで判断する必要があり、その調整を顔を合わせて進める場面が増えた。
- AIで書いたコードの品質は落ちていないのか
- Anthropicは品質が落ちている兆しは見つかっていないとしている。一方で「コードが増えても良いコードとは限らない」とも認めた。1人あたりのコードの量や営業の成約は増えたが、それが事業の成果にどこまでつながったかは報告の範囲では言い切っていない。
この記事の出典
補助資料
- [1]TechCrunchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月18日
