ChatGPT広告は低所得の設定ほど多い 91アカウントで調査
米ペンシルベニア大学と米ハバフォード大学の研究チームは、論文「The Beginning of ChatGPT Ads」で所得を低く設定したアカウントほど広告が多く出たと報告した。広告を1回でも受け取ったアカウントの推定世帯年収は6万ドル付近に集まっている。1回も受け取らなかったアカウントは8万ドル付近に山があった。
チームは黒人・ヒスパニック・白人の3つの人種と、低・中・高の3つの所得水準を組み合わせて91個のアカウントを作った。想定した居住地域に合わせたネットワークを通し、日常の疑問から社会問題まで毎日質問を投げている。調査は2026年2月に始まり、広告はアカウントを作って約2週間後から出始めた。

- 2/9OpenAIが米国でChatGPT広告の試験を開始
- 10/20ITmediaが論文の結果を紹介
広告の57%は小売とIT 医療と政治にはほぼ出なかった
配信された広告の約57%は、小売業とIT関連のサービスに集中していた。「タイ料理の作り方」を聞くとフードデリバリーの広告が出るなど、質問の中身に合わせて選ばれている。
医療・メンタルヘルス・政治の話題には、OpenAIが先に決めたルールどおり広告がほぼ出なかった。OpenAIのヘルプも、健康の個人的な内容やメンタルヘルスの近くには広告を出さないと書く。政治広告はそもそも受け付けていない。
ただし論文が見たのは米国の利用者をまねたアカウントだけだ。所得で差が出た理由が配信の仕組みなのか広告主の入札なのかは、紹介記事では触れられていない。

広告が出るのは無料版と月1,400円のGo Plus以上は出ない
OpenAIのヘルプによると、広告が出る場合があるのは無料版とChatGPT Goの利用者だけだ。米国では2026年2月9日に試験が始まり、一部の地域へ順に広げている。広告は回答の下に1つ出て、画像を作っている間に出る形も試している。
| 使い方(OpenAIヘルプ・10月20日に確認) | 広告 |
|---|---|
| 無料版 | 出る場合がある |
| ChatGPT Go | 出る場合がある |
| Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu | 出ない |
| 18歳未満と判定されたアカウント | 出ない |
| 一時チャット | 出ない |
AInformationが10月19日に料金ページを見たところ、ChatGPTのいちばん安い有料プランはGoの月1,400円だった。月1,400円を払っても広告は消えず、消すにはPlus以上へ上げることになる。日本円で払えるチャットAI5件の有料プランは月725円から月3,200円の幅にある。
広告の出し方は「設定」の「広告の管理」で変えられる。メモリがオンだと、保存したメモリや最近のチャットも広告選びに使われることがある。パーソナライズを切ってもいま開いているチャットの中身に合わせた広告は出続ける。

日本の会社も広告を出せる 1クリックの目安は約475〜791円だ
広告主の側では、日本はすでにセルフサービスで出稿できる国に入っている。広告主向けヘルプの国の一覧で、日本は「利用可能」になっていた。日本語の広告主ページには、広告に¥35,000を使うと¥35,000分の広告クレジットを渡す特典が出ている。
課金は表示ごととクリックごとの2通りだ。OpenAIはクリック課金なら1クリックの上限入札を3〜5ドルから始めるよう勧めている。1ドル158.24円(10月19日)で直すと約475円から約791円になる。
一方で日本の利用者にいま広告が出ているかは、利用者向けの提供国の一覧がヘルプのどこにも出てこなかった。会社で無料版やGoを使っている人は、仕事の相談の下に他社の広告が並ぶと考えておきたい。業務用のアカウントのプランは先に決めておくとよさそうだ。

AInformation調べチャット向けの主要AIサービスをいちばん安く使うといくらか
| サービス | 月あたり | 無料 |
|---|---|---|
| Gemini最安 | 725円/月Google AI Plus | ○ |
| GrokX Premium | 980円/月プレミアム(これより安いプランはGrokの対象外) | × |
| ChatGPT | 1,400円/月Go | ○ |
| Felo | 1,750円/月年額プラン | ○ |
| Microsoft Copilot | 3,200円/月有料プラン | ○ |
| Perplexity | $17/月Pro/ドル建て | ○ |
| Claude | $18/月Pro/ドル建て | ○ |
2026年10月19日時点でAInformationが調べたもの。金額はそのAIを使える一番安い有料プラン。調べた8件のうち月額のプランがある7件で、日本円の表示は5件
- パーソナライズ
- ほかのチャットや広告の履歴をもとに広告を選ぶ設定。切っても、いま開いているチャットの中身に合わせた広告は出る
企業の導入相談では、社員が個人の無料版を仕事に使っているのを情報システム部門がつかめていないことが多い。今回の調査でアカウントの属性によって広告の出方が変わると分かった。社員の無料アカウントには、相談の中身に沿った広告が並ぶとみておいたほうがよい。業務の質問の下に競合や取引先の広告が出ても、回答と広告を見分けるのは本人だけだ。まずは業務で使うアカウントを広告の出ないプランか法人契約にそろえるところから決めておくと迷いが減りそうだ。
- ChatGPTの広告を消すにはいくら払えばいい?
- Plus以上の有料プランにすれば広告は出ない。OpenAIのヘルプでは、広告が出る場合があるのは無料版と月1,400円のGoだ。Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduには出ない。無料版のまま広告なしを選ぶ方法もあるが、1日に送れるメッセージが減り画像などのツールは使えなくなる。一時チャットにも広告は出ない。
- ChatGPTの広告は会話の内容を広告主に渡している?
- 渡していないとOpenAIは説明している。広告主が見られるのは表示回数やクリック数などの集計だけで、チャットや履歴とメモリには触れられない。ただし広告を選ぶときにはいまのチャットの中身を使う。パーソナライズがオンならほかのチャットやメモリも手がかりにするので、気になるなら「設定」の「広告の管理」で切っておく。
- 所得が低い人ほどChatGPTの広告が多いのは本当?
- 米大学の研究チームが91のアカウントで調べた結果ではそう出た。広告を1回でも受け取ったアカウントの推定世帯年収は6万ドル付近に集まった。受け取らなかったアカウントは8万ドル付近に山があった。ただし対象は米国の利用者をまねたアカウントだけで、日本で同じ傾向が出るかは分からない。
- 日本の会社はChatGPTに広告を出せる?
- 出せる。広告主向けヘルプの国の一覧で、日本はセルフサービスが「利用可能」になっている。日本語の広告主ページでは¥35,000を使うと同じ額の広告クレジットがもらえる。クリック課金ではOpenAIは上限入札を1クリック3〜5ドルから始めるよう勧めていて、1ドル158.24円なら約475円から約791円だ。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月20日
