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Haas-ja-v1.0が公開 Geminiの文字起こしを上回る
日本のAI企業Third Intelligenceが、日本語に特化した音声認識モデル「Haas-ja-v1.0」を公開した。パラメーター数は6億1580万と軽く、精度と速さの両方を売りにしている。重みはHugging Faceに、推論のコードはGitHubに置いてある。ライセンスはApache License 2.0だ。
同社が測った日本語の精度では、評価したオープンモデルの中でいちばん高い点が出た。商用のGemini 3.5 transcribeも上回ったという。同じくらいの精度のモデルの中では、処理の費用がいちばん安いとも示している。
無料のデモもある。GIGAZINEが4分19秒の音声を入れると、アップロードが終わってから0.32秒で文字起こしが終わった。ただし「くまみね先生」が「くまみ先生」になるなど、人の手直しが要る箇所は残っている。
会議の録音29秒で試した 登録なしの固有名は6語中4語
AInformationは11月2日に、公式デモへ会議の連絡を読み上げた29秒の音声を3回ずつ送った。中身は5つの文で、キントーン・セールスフォース・渡部・東海林・RPA・ノーションの6語を入れてある。音声はmacOSの読み上げで作り、雑音を重ねた版も用意した。
語を登録しないと、表記どおりに出たのは雑音なしで6語中4語、雑音ありで3語だった。キントーンは「金と音」や「ヒント4」になり、RPAは小文字のrpaで出た。デモの「カスタム語彙」に6語と読みを登録すると、雑音なしは6語すべて、雑音ありは5語まで上がった。
| 条件 | Haas 登録なし | Haas 登録あり | gpt-4o-transcribe |
|---|---|---|---|
| 雑音なし(6語中) | 4語 | 6語 | 6語と5語 |
| 雑音あり(6語中) | 3語 | 5語 | 5語と5語 |
| 送ってから返るまで | 1.23〜1.28秒 | 1.28〜1.37秒 | 1.74〜2.87秒 |
AInformation独自検証(2026年11月2日)。29秒の音声1本を雑音なしと雑音ありの2通りで送った。回数はHaasが各3回でgpt-4o-transcribeが各2回、言語は日本語を指定した。Haasは3回とも同じ文を返した。
速さはHaasのほうがはっきり上だ。デモが示すモデルの処理時間は0.10秒前後で、語を登録しても0.15秒で済む。比べたのはChatGPTと同じOpenAIの文字起こしAPIで、雑音ありでも5語を出したが返るまでに2秒前後かかった。雑音ありのキントーンは、Haasでは登録しても「ヒント4」のままで正しく書くことはできなかった。

Macでは動かない NVIDIAのGPUを積んだLinuxが要る
手元のパソコンで動かす道は狭い。GitHubの説明書は動く環境をNVIDIAのGPUを積んだLinuxに限っており、CPUとmacOSには対応しないと書いている。編集部の手元はMacなので、今回はブラウザのデモで試した。
この条件は、会議の音声を社外へ出したくない会社にとって分かれ目になる。クラウドの文字起こしは録音を外へ送るので、ChatGPTに学習させない設定のような手当てを毎回考えることになる。Haasを社内のGPUサーバーに置ければ、録音は社外へ出ない。
AInformation調べでは、議事録・文字起こしに使えるAIツールは46本ある。料金が分かった38本の月額の中央は2,237円で、日本円で払えるのは12本だけだ。Haasはライセンス料がかからない代わりに、GPUを積んだLinuxの環境を自分で用意することになる。

まずデモに自社の録音を1本入れる 社名は登録して比べる
最初にやることは、デモに自社の録音を1本入れることだ。ブラウザで開いてファイルを選ぶか、マイクで録音すれば文字になる。デモは外部のサーバーなので、社外秘の会議でなく公開してよい音声で試しておきたい。
次に、社名・製品名・担当者の名前を「カスタム語彙」に登録して、前と後を比べる。今回の試験では、登録しないと6語中2〜3語が崩れた。社内の固有名をどこまで拾えるかで、清書の手間はほぼ決まる。
使えそうなら、情報システム部門にGPUを積んだLinuxの環境があるかを聞く。無い会社では、外へ出せない会議だけをどう扱うかが次の論点になる。
AInformation調べ議事録や文字起こしのAIツールはいくらで使えるか
| ツール | 月あたり | 無料 |
|---|---|---|
| Google WorkspaceGemini最安 | 800円/月Starter/年払い | × |
| ElevenLabs | $6/月スターター/約944円 | ○ |
| Notta | 1,185円/月プレミアム/年払い | ○ |
| Doraverse | $8/月Starter/年払い/約1,259円 | × |
| Happy Scribe | $8.5/月Basic/年払い/約1,338円 | ○ |
| PLAUD NOTE | 1,400円/月Pro/年払い | ○ |
| LINE WORKS AiNote | 1,440円/月ソロ/年払い | ○ |
| TurboScribe | $10/月無制限/年払い/約1,574円 | ○ |
2026年11月2日時点でAInformationが調べたもの。金額はそのツールを使える一番安い有料プランの月あたり。議事録や文字起こしのAIツール46本のうち、日本円で払えるのは12本、無料で試せるのは27本。表に出したのは画面が日本語のもの。外貨は1ドル157.37円で換算
議事録の自動化で現場がつまずくのは、全体の精度より固有名の崩れだ。今回の試験でも、登録なしで外れたのは社名と人名だった。Haasは語の登録で直せる作りなので、入れるなら総務や情報システム部門が社内の固有名の一覧を先に作っておくとよさそうだ。一方でGPUを積んだLinuxという条件は中小の会社には重い。録音を外へ出せない会議だけをHaasに回し、残りは今のツールに任せる二段構えが現実的とみている。
- Haas-ja-v1.0は無料で使える?
- 無料で使える。重みはHugging Faceで、推論のコードはGitHubで公開されており、ライセンスはApache License 2.0だ。ブラウザで試せる無料のデモもあり、GIGAZINEが4分19秒の音声を入れるとアップロード後0.32秒で文字起こしが終わった。ただし手元で動かすにはNVIDIAのGPUを積んだLinuxが要る。
- Haas-ja-v1.0の精度はGeminiと比べてどうか
- 開発元の測定では、評価したオープンモデルの中で最も高く、商用のGemini 3.5 transcribeも上回った。ただし完璧ではない。GIGAZINEの試験では「くまみね先生」が「くまみ先生」になり、AInformationの試験でも語を登録しないと社名など6語中2〜3語が崩れた。
- 社名や人名を正しく書かせるには?
- デモの「カスタム語彙」に語と読みを登録する。AInformationが11月2日に29秒の会議音声で試すと、登録なしで6語中4語だった正答が登録後は6語すべてになった。雑音を重ねた音声では登録後も5語で、キントーンは正しく出せなかった。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年11月2日
