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Kimi K3.1 Proの重みを公開 商用利用も原則は無償だ
Moonshot AIは11月5日(中国時間)、10月23日に発表した「Kimi K3.1 Pro」の重みをHugging Faceで公開した。発表のときに、重みの詳細は11月4日までに出すと予告していたものだ。ライセンスは独自の「Kimi K3.1-Pro License」で、利用・改変・再配布・販売を無償で認めるオープンウェイトの形になる。
モデルは総パラメータ2.8兆・アクティブ1,040億のMoEで、文脈は100万トークンまで読める。テキストと画像を入力でき、推論エンジンはvLLM・SGLang・TokenSpeedを勧めている。モデル自体は10月23日から、Kimi.aiのアプリ・Kimi Work・Kimi Code・Kimi APIで使えていた。
コーディングの代理作業を測るTerminal-Bench 4.0の点数は65.7%だった。GPT-6 Astraの58.2%を上回り、Claude Opus 5.5の66.4%にはわずかに届かない。モデルカードの表では、同じく重みを配るDeepSeek-V4.1-Flash-1017の42.3%とGLM-5.3の41.8%を大きく上回った。

- 10/23Kimi K3.1 ProをAPIとアプリで提供開始
- 11/4重みの詳細を出すと予告した期限
- 11/5Hugging Faceで重みを無償公開
線は年2,000万ドルのAPI事業 社内利用なら条件なし
無償の範囲は広い。ファインチューニングや派生モデルづくりも含めて、商用の利用が原則認められている。条件が付くのは次の2つの場合だけだ。
| どんな使い方か | ライセンスの条件 |
|---|---|
| APIなどで他社にモデルを貸す事業(Model as a Service)を営み、グループの総収入が連続12か月で2,000万ドル(約31億6,000万円)を超える | 商用で使う前にMoonshot AIと別の契約を結ぶ |
| 月間アクティブユーザーが1億人超か、月の収入が2,000万ドル超の商用サービス | 画面に「Kimi K3.1-Pro」と目立つように出す |
| 第三者に出さない社内での利用 | 上の2つはかからない |
| Moonshotの公式製品か認定推論パートナー経由の利用 | 上の2つはかからない |
表はライセンスの全文を写した(11月5日時点・円は1ドル約158円で換算)。AInformationが全文を読むと、Model as a Serviceに入らない使い方も書いてあった。特定の機能にモデルを組み込んだだけの製品と、他社がホストするモデルへ依頼を中継するだけの使い方は外れる。
自社アプリの要約ボタンにKimiを載せる程度なら、売上の大きい会社でも別の契約の線にはかからないと読める。一方で認定推論パートナーがどこの会社かは、モデルカードにもKimi APIの説明書の目次にも出てこなかった。クラウドの会社を通して使うときに条件が外れるかは、今の資料だけでは決められない。

重みは1.56TB 最小の構成でもGPU8枚が要る
手元のPCで動かす道はほぼ無い。AInformationが11月5日にHugging Faceのファイル一覧を開くと、リポジトリ全体は1.56TBあった。重みのファイルは96個に分かれていて、READMEには重みをMXFP4の形に量子化したまま学習させたと書いてある。
推論エンジンvLLMの公式の手順書は、いちばん簡単な構成をGPU8枚のテンソル並列としている。NVIDIAならGB300を2トレイかB300の1ノード、AMDならMI355Xの1ノードだ。ゲーミングPCやMacで動かす手順は出てこなかった。
有志がMac向けに組み直した754.7GBの版も上がっている。M3 Ultra 512GBで試したと書いてあるが、1秒に何トークン出たかの欄は空のままだった。専門家の部分をメモリでなくストレージから読む作りなので、速さはあまり期待できなさそうだ。
サイバーの力は削ったが改造版も出た
Moonshotは、学習の途中でサイバー関連のデータを取り除いて攻撃に使える力を抑えたと説明している。脆弱性の発見と攻撃コードの作成を問う社内の試験xdev-bench-hardでは、取り除かなかった版の90.5%に対して最終版は81.0%だった。少なくとも3か月前から公開されている商用の最先端モデルより、攻撃の力は低いとしている。
ただし重みは配った時点で作り手の手を離れる。AInformationが11月5日にHugging Faceを検索すると、断る回数を減らしたとうたう第三者の改造差分がもう上がっていた。作った人の試験では、89問中86回だった断りが37回に減ったという。
社内で動かすなら、moonshotaiの公式リポジトリから落とした重みだけを使う決まりを先に作っておきたい。検索の結果には、公式と同じ名前の写しのリポジトリも8本並んでいた。

まずKimi APIで試す 入力100万トークンは約317円
自前の設備が無いなら、同じモデルはKimi APIで使える。AInformationが11月5日に料金表を開くと、単価は入力100万トークン2ドル・出力10ドルで10月24日から動いていなかった。11月4日の欧州中央銀行の参照値(1ドル158.25円)で直すと、入力は約317円で出力は約1,583円になる。
急がない大量の処理なら、バッチAPIで標準の60%の値段になる。表示は税抜きで、月額のプランは無い。まずは今の仕事を1つ選んでAPIで流し、請求額と答えの質を見てから自前で動かすかを決めるとよい。
設備を持たない会社が重みを使うなら、国内のクラウドに載せて動かす形が中心になりそうだ。そのとき子会社や取引先にも使わせるなら、自社が貸す側に当たるかが分かれ目になる。試作を始める前に法務と線を引いておけば、契約の話で止まらずに済む。

- Model as a Service
- APIなどを通じて第三者にAIモデルの推論やファインチューニングを提供する事業。今回のライセンスでは条件の対象になる
- オープンウェイト
- 学習ずみのAIモデルの重み(中身の数値)のファイルを公開する出し方。落とした人は自分の設備でモデルを動かせる
重みが出たことで、中国の会社のAPIへ社内のデータを送れないという理由で止まっていた検討は机に戻ってくる。ただしGPU8枚の設備を自前で持つ会社は少なく、実際は国内のクラウドに載せて動かす形になりそうだ。そのとき子会社やグループ外の取引先にも使わせるなら、ライセンスのModel as a Serviceに当たるかを法務と先に詰めておきたい。試作が終わってから契約の話で止まるのがいちばんもったいない。
- Kimi K3.1 Proは商用利用できる?
- 原則できる。Kimi K3.1-Pro Licenseは利用・改変・再配布・販売やファインチューニングを無償で認めている。別の契約が要るのはAPIなどで他社にモデルを貸す事業を営み、グループの総収入が連続12か月で2,000万ドル(約31億6,000万円)を超える会社だけだ。月間1億人超か月収2,000万ドル超の商用サービスは、画面に「Kimi K3.1-Pro」と目立つように出す。
- Kimi K3.1 Proは手元のPCやMacで動かせる?
- 公式の重みをそのまま動かすのは難しい。AInformationが11月5日に見たHugging Faceのリポジトリは1.56TBあった。推論エンジンvLLMの手順書が示すいちばん簡単な構成もGPU8枚のテンソル並列だ。有志がMac向けに組み直した754.7GBの版はあるが、M3 Ultra 512GBで試した速さの欄は空のままだった。
- 社内のチャットに組み込むときもライセンスの条件はかかる?
- 第三者に出さない社内での利用なら、別の契約と名前の表示の条件はどちらもかからない。ライセンスは社内利用を、モデルや出力を外部の人に使わせない使い方と定めている。取引先や顧客がそのチャットを使えるなら社内利用から外れるので、どこまで開くかを先に決めておきたい。
- Kimi K3.1 ProをAPIで使うといくら?
- 入力100万トークンで約317円、出力100万トークンで約1,583円だ。単価はAInformationが11月5日に開いたKimi APIの料金表で入力2ドル・出力10ドルだった。円は11月4日の欧州中央銀行の参照値(1ドル158.25円)で直した。急がない大量の処理はバッチAPIで標準の60%になる。表示は税抜きで月額のプランは無い。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年11月5日
