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Revolut、GLMの自社運用へ 100万トークン0.30ドルに
英国の金融テクノロジー企業Revolutは、開発に使うAIを外部のサービスから自社で動かすモデルへ移した。費用は約10分の1に下がった。AI運用とインフラの部門を率いるデビッド・アビトボル氏が、10月の開発者向けイベント「AI Engineer NYC 2026」で話した。
使っているのは中国のZ.aiが出すオープンウェイトモデル「GLM」シリーズだ。最初はGLM-5.1を入れ、今はGLM-5.3に移っている。GLM-5.1を自社で動かした費用は入力と出力を合わせて100万トークンあたり約0.30ドルで、1ドル158.25円なら約47円になる。
この値はCodexやClaude Codeを使う場合の約10分の1だという。動かしているのはNVIDIAのGPU「B200」56基だ。ただし性能の伸びの約80%はGPUを足したことではなく、AIが一度に読む情報量の調整や量子化といった設定の見直しから来た。

- 2025年初めRevolutがGoogleのGeminiを導入
- 2026年初めClaude Codeを導入し1人月1,000ドルの例も
1人月1,000ドルの請求 上限を付けたら使う場面が減った
きっかけは費用の膨らみだ。Revolutは2025年初めにGoogleのGemini、2026年初めにClaude Codeを入れた。使う人が増えると、エンジニア1人で月1,000ドル(約15万8,000円)、多い人では月1万ドル(約158万円)分を使う例が出た。
そこで予算に上限を付けたが、これが裏目に出た。エンジニアは利用枠を残そうとして難しい作業にしかAIを使わなくなった。AIを使う場面そのものが減ってしまった。
自社運用で単価が下がると、エンジニアは不具合の調査やJiraの課題の処理にもAIを使い始めた。Revolutによれば、コーディングにかかる時間は約60%改善した。作業の開始から変更を取り込んで公開の準備が整うまでの時間も約70%改善したという。
商用AIを全部やめたわけではない。画像を読み取る作業では今もGeminiを使い、用途ごとに使い分けている。

Z.aiのAPIは入力1.4ドル 0.30ドルは自前のGPU頼み
同じGLM-5.1でも、Z.aiのAPIで借りると0.30ドルには届かない。AInformationは11月5日にZ.aiの公式料金ページを開いて確かめた。GLM-5.1は100万トークンあたり入力1.4ドル(約222円)で、出力は4.4ドル(約696円)だった。今の主力のGLM-5.3も同じ値段だ。
10分の1という数字は、B200を56基そろえて自分で回す会社の話になる。APIで使う会社がそのまま当てはめると見込み違いになる。
Z.aiはClaude CodeやCursorなどの道具からGLMを使う定額のプランを、月18ドル(約2,849円)からと案内している。道具は今のままで、中のモデルだけを替える使い方を想定したものだ。
GLM-5.1を使う費用の比べ
| 使い方 | 100万トークンあたり | 出どころ |
|---|---|---|
| Revolutの自社運用(B200 56基) | 入力と出力の合計で約0.30ドル | Revolutの講演 |
| Z.aiのAPI(入力) | 1.4ドル | Z.ai 公式料金ページ(11月5日) |
| Z.aiのAPI(出力) | 4.4ドル | Z.ai 公式料金ページ(11月5日) |
| CodexやClaude Code | 自社運用の約10倍 | Revolutの講演 |
Claude Codeの上限を決める前に 1人あたりの消費量を測る
日本でClaude CodeやCodexを全社に配っている開発チームは、上限を決める前に1人あたりの月の消費量を測っておきたい。Revolutの例は、上限を先に決めるとAIを使う場面ごと減ることを示している。
自社運用を考えるなら、GPUの台数より設定の詰めに手間がかかると見ておくとよさそうだ。Revolutでは性能の伸びの8割が設定の見直しだった。社内にその作業を担える人がいるかが分かれ目になる。
GPUを買う前に、Z.aiのAPIや定額プランで自社のコードを試してClaude Codeと出来を比べるのが手堅い。Revolutも今後は自社運用を標準にして、高い商用AIは要る場面だけに絞る。

AInformation調べ開発向けの主要AIサービスをいちばん安く使うといくらか
| サービス | 月あたり | 無料 |
|---|---|---|
| Cursor | $8/月Plus/ドル建て | ○ |
| GitHub Copilot | $10/月Pro/ドル建て | ○ |
| Windsurf / Devin | $20/月Pro/ドル建て | ○ |
| v0 | $30/月Plus/ドル建て | ○ |
2026年10月26日時点でAInformationが調べたもの。金額はそのAIを使える一番安い有料プラン。個人が申し込める4件のうち日本円の表示は0件
- 量子化
- 計算に使う数値の精度を下げてメモリの使用量を減らす調整。少ないGPUでも大きなモデルを動かしやすくなる
企業のAI導入を手伝っていると、Claude Codeの費用が読めないので1人あたりの上限を先に決めたいという相談がよく来る。Revolutの例は、その上限がAIを使う場面ごと削ってしまうことを示している。日本の会社がB200を56基そろえるのは現実的でない。まずは部署ごとに月の消費量を測り、重くない作業だけを安いモデルへ逃がす形から始めるのがよさそうだ。金融のように規制の厳しい業種では、中国発のモデルを使う理由を誰が説明するかも先に決めておきたい。
- GLM-5.1をZ.aiのAPIで使うといくらかかる?
- Z.aiの公式料金ページでは、GLM-5.1は100万トークンあたり入力1.4ドルで出力4.4ドルだ。1ドル158.25円なら入力約222円、出力約696円になる。Revolutが自社運用で出した約0.30ドルは入力と出力の合計なので、APIで借りる場合はこの値に届かない。Claude CodeやCursorから使う定額のプランは月18ドルからと案内されている。
- 自社運用に切り替えればどの会社でも費用は10分の1になる?
- そうとは限らない。RevolutはNVIDIAのB200を56基そろえたうえで、AIが一度に読む情報量の調整や量子化を詰めている。性能の伸びの約80%はこうした設定の見直しから来たという。GPUを持たない会社やその調整を担える人がいない会社では、同じ数字は出しにくい。
- RevolutはClaude CodeやGeminiを完全にやめたの?
- 完全にはやめていない。画像を読み取る作業では今もGoogleのGeminiを使い、用途に合わせてAIを使い分けている。今後は自社で動かすGLMを標準にして、高い商用AIは要る場面に限って使う方針だとアビトボル氏は話している。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年11月5日
