Copilot導入企業の78%が「カバーできている」と答えた
双日テックイノベーションが2026年9月15日に公開した調査結果だ。従業員1000人以上でCopilotを導入している企業に勤め、生成AIの導入・推進に携わる担当者105人が対象だ。調査は2026年7月31日〜8月3日にインターネットで実施した。
CopilotとMicrosoft 365だけで業務に必要な社内情報の検索・活用をカバーできるかを尋ねたところ「非常にそう思う」が39.0%、「ややそう思う」が39.0%だった。肯定回答は計78.0%に上る。福島県のCopilot導入でも約8割が満足と答えた調査があり、今回も同水準の数字が出ている。

- 9/15双日テックイノベーションが調査結果を公開
満足なのに87.5%が「情報が分散している」と答えた
ところが同じ回答者に業務に必要な情報がM365の内外に分散していると感じるかを聞くと結果が変わった。「非常に感じている」が42.3%、「やや感じている」が45.2%で計87.5%が課題を感じていた。
78%が「カバーできている」のに87.5%が「情報が散っている」と答えている。矛盾しているようだがそうではない。M365の中にある情報はCopilotで探せる。だがM365の外にある情報にはCopilotが届かないということだ。
さらにM365外の情報も横断的に検索できるAI環境があれば自社のAI活用が広がるかと尋ねた。「非常にそう思う」が50.5%、「ややそう思う」が45.7%で計96.2%が肯定している。Copilotだけでは足りないと感じている企業がほぼ全数だ。
Copilot導入企業105社の調査結果
| 質問 | 肯定 | 内訳 |
|---|---|---|
| CopilotとM365で社内情報をカバーできているか | 78.0% | 非常にそう思う39.0%+ややそう思う39.0% |
| 業務情報がM365内外に分散していると感じるか | 87.5% | 非常に感じている42.3%+やや感じている45.2% |
| 横断検索AI環境があればAI活用が広がるか | 96.2% | 非常にそう思う50.5%+ややそう思う45.7% |
日本の大企業がまず見るべきはM365の外にある情報だ
双日テックイノベーションはこの結果を受けてCopilotによる効率化は評価される一方で複数システムを横断する検索の負荷が残っていると分析した。
日本の大企業はM365以外にもSalesforceやkintoneやBoxなど複数のSaaSを使っている。Copilotが探せるのはM365内のファイルやメール、Teamsのやり取りまでだ。他のシステムにある契約書や顧客情報にはCopilotだけで到達できない。
MicrosoftはCopilotのエージェント機能を強化しているが外部システムとの接続にはコネクタの構築や権限設計が要る。「Copilotを入れたのに思ったほど便利にならない」という声がある場合、原因はCopilotの性能ではなく情報がM365の外にあることかもしれない。

Copilotを入れる前に情報がどこに散っているか洗い出しておきたい
この調査が示しているのはAIを入れるかどうかの前に情報の所在を整理する必要があるということだ。
部署ごとに使っているシステムを一覧にしてよく探す情報がどこに保存されているかを書き出す。M365の中にあるものはCopilotが探せるがそれ以外はCopilotの手が届かない。その境界を把握することが最初の一歩になる。
横断検索のAIを追加で入れるかM365に情報を集約するかは企業の判断だ。どちらにしても「どこに何があるか」を把握しないまま導入しても効果が出にくい。96.2%が横断検索を求めているという数字は多くの企業が情報の分散に手を焼いている証拠だ。
- 横断検索
- 複数のシステムやデータベースをまたいで情報を検索すること。1つのAIからM365・Salesforce・kintone等の社内全システムを一括で探せる状態を指す
Copilotへの満足度は高いのに情報の分散で困っている。この調査が示しているのはCopilotの性能の問題ではなく情報の置き場所の問題だ。M365の中だけ見ればCopilotは機能している。だが実務で必要な情報はM365の外にもある。Copilotの導入を検討している企業はまず社内の情報がどのシステムにどれだけ散っているかを洗い出してほしい。その結果によってCopilotだけで十分なのか横断検索が要るのかが変わる。
- この調査の対象はどんな企業か
- 従業員1000人以上でMicrosoft 365 Copilotを導入している企業に勤務し生成AIやAIツールの導入・活用推進に携わる担当者105人が対象だ。調査は2026年7月31日〜8月3日にインターネットで実施した。双日テックイノベーションが主体で結果は2026年9月15日に公開された。
- Copilotでカバーできない情報とはどんなものか
- Microsoft 365の外にあるシステムの情報だ。SalesforceやkintoneなどのSaaSに保存された顧客情報や案件データ、BoxやDropboxの外部ストレージにあるファイル、社内Wikiやナレッジベースの情報などが該当する。CopilotはM365のWord・Excel・Outlook・Teams・SharePointの情報を検索できるがそれ以外には標準では届かない。
- 横断検索のAI環境とは何か
- 複数のシステムにまたがる社内情報を1つのAIから一括で検索・活用できる仕組みを指す。CopilotがM365内の情報を探すのと同じような操作でM365の外にあるSalesforceやkintone等のデータも検索できる状態だ。調査では96.2%の回答者がこうした環境があれば自社のAI活用が広がると答えている。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月21日
