Clipchampが動画をAIで最大4Kに 処理は手元のPCで終わる
Microsoftの無料の動画編集アプリ「Microsoft Clipchamp」に、低解像度の動画を最大4Kまで引き上げるAIのアップスケール機能が入った。米国時間9月21日付けの公式ブログで紹介された。古いスマートフォンで撮った動画も、より鮮明な映像にできる。
処理は手元のWindowsデバイスの中で終わり、動画がクラウドへ上がることはない。OpenAIやAnthropic、GoogleといったAI各社のサブスクリプションも追加のクレジットも要らない。使われているのは、Windowsで動画の超解像を行うAPI「VideoScaler」だ。
NPUを積んだCopilot+ PC(AMD・Intel・Qualcomm)なら、アップスケールはNPUが受け持つ。CPUで処理するより消費電力を抑えられるので、バッテリーで動くノートPCでも使いやすい。

無料の書き出しは最大1080p 4K UHDはPremiumの欄だけ
Clipchampの日本語の料金ページでは、4K UHDの書き出しはPremiumの欄にしか載っていない。AInformationが9月28日にページを開いて確かめたところ、比較表のエクスポートの解像度は無料が「最大 1080p HD」でPremiumが「最大 4K UHD」だった。
| 項目(料金ページ・9月28日時点) | 無料 | Premium |
|---|---|---|
| エクスポートの解像度 | 最大1080p HD | 最大4K UHD |
| 使う条件 | 個人用のMicrosoftアカウント | Microsoft 365 PersonalかFamily |
| アップスケールの記載 | なし | なし |
表のとおりなら、無料プランのまま4Kにアップスケールしても4Kのファイルとしては書き出せない。窓の杜の記事も、クリップを4Kにしただけでは書き出しの解像度は4Kにならないと断っている。4Kで保存するには書き出しのときにも4Kを選ぶ必要があり、その4Kが料金ページではPremiumの側にある。
料金ページにアップスケールの行は無かった
もう1つ気になったのは、料金ページのどこにもアップスケールの語が出てこなかったことだ。窓の杜はコストなしで高画質化できると伝えているが、料金ページの比較表には行が無い。無料とPremiumのどちらの機能として扱うのかは、料金ページからは読み取れない。

使えるのはWindows版のデスクトップアプリだけ Web版は対象外
アップスケールが使えるのは、Windows版のClipchampデスクトップアプリだけだ。Clipchampはクロスプラットフォームで使えるWebベースのアプリだが、この機能はWeb版には来ていない。個人用アカウントでも職場・学校アカウントでも使える。
- Windows版のClipchampデスクトップアプリで開いている
- 使うWindows 11 PCで動画のアップスケーリングが使える状態になっている
- 4Kで残すならPremium(Microsoft 365 PersonalかFamily)がある
業務で見ると、動画をクラウドへ上げずに済むのが大きい。社外に出せない研修の録画や現場の記録映像でも、手元のPCの中で高画質にできる。ただし4Kで書き出すPremiumは個人向けのMicrosoft 365に付く形で、職場アカウントで4Kまで書き出せるかは料金ページの表からは分からない。

まず1080pで試すのが早い 4Kは書き出し画面まで確かめる
無料プランで使うなら、まず1080pまでの引き上げで仕上がりを見るのが早い。料金ページの表では、無料でも1080p HDまでは書き出せるからだ。
Clipchampでアップスケールする4つの手順
- 動画ファイルをClipchampで開き、ビデオクリップとして追加する
- クリップを選んだ状態で、ウィンドウ右端のバーから[アップスケール]を選ぶ
- 開いたサイドパネルの[品質]で解像度を選び、[アップスケール]を押す
- ステージで元の映像と見比べ、気に入らなければ[元の復元]で戻す
選べる解像度は480p・720p・1080p・4Kの4つで、元のクリップより高いものだけが出る。複数のクリップをまとめて選べば、同じ解像度を一度にかけられる。処理は待機列に入って1つずつ進み、元の動画ファイルや音声が書き換わることはない。
4Kが要るなら、書き出しの画面で4Kを選べるかを先に確かめておきたい。無料のアカウントで選べなければ、Microsoft 365 PersonalかFamilyを契約するか1080pで納めるかの2択になる。
- アップスケール
- 低い解像度の映像を高い解像度へ引き上げて、より鮮明に見せる処理。Clipchampでは480pから4Kまでの4段階から選ぶ。
- NPU
- AIの処理を専門に受け持つプロセッサー。Copilot+ PCに載っていて、CPUで処理するより消費電力を抑えられる。
社内で動画を扱う部署にとって、映像をクラウドへ上げずに高画質にできる点は使いやすい。ただ4Kの書き出しは料金ページ上では個人向けのPremiumにあり、職場アカウントでどこまで書き出せるかは読み取れない。広報や研修の担当者が4Kを前提に作り始めると、最後の書き出しで止まる可能性がある。まず1080pで足りる用途かを決め、4Kが要る部署だけ情報システム部門と契約の形を詰めておくと手戻りが少なそうだ。
- Clipchampのアップスケールは無料で使える?
- 追加の料金はかからない。処理は手元のWindows PCの中で終わり、AI各社のサブスクリプションも追加クレジットも要らない。ただしClipchampの日本語の料金ページでは、書き出しの解像度は無料プランで最大1080p HDだ。4K UHDの書き出しはPremiumの欄にしか無く、PremiumはMicrosoft 365 PersonalかFamilyの契約で使える。
- Web版のClipchampでもアップスケールは使える?
- 使えない。アップスケールが使えるのはWindows版のClipchampデスクトップアプリだけだ。個人用アカウントと職場・学校アカウントのどちらでも使えるが、使うWindows 11 PCで動画のアップスケーリングが使える状態になっている必要がある。Clipchamp自体はWebベースでどの端末からも使えるものの、この機能は対象外になる。
- 4Kにアップスケールすれば4Kの動画として保存される?
- 自動では4Kにならない。クリップを4Kへ引き上げても、書き出すときに改めて4Kを選ぶ必要がある。さらに料金ページの比較表では、4K UHDの書き出しはPremiumの欄にだけ載っている。無料プランのままなら最大1080p HDで書き出すことになる。
- アップスケールの仕上がりが気に入らないときはどうする?
- [元の復元]を押せば元のクリップに戻せる。アップスケールしたクリップはステージでプレビューして、元の映像と見比べられる。元のソース動画が書き換わることはなく、音声も変わらない。複数のクリップをまとめて選んだときも、処理は待機列に入って1つずつ進む。
この記事の出典
補助資料
- [1]窓の杜この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年9月28日
