ChatGPTにファイルを送ると中身を読んでくれます。ただ、同じ中身でも保存した形式で答えが変わるのかは分かりません。AInformation編集部は1円も違わない同じ売上表をエクセル・CSV・PDF・画像の4形式で送り、同じ11項目を照らしました。CSVとPDFと画像は11項目すべて正解。エクセルだけ2回とも5分待って答えが空でした。
- ファイルの送り方は3手順。入力欄の+からファイルを選び、聞きたいことを書いて送るだけ
- 同じ売上表をCSVで送ると54秒、PDFなら45秒、画像なら35秒で、どれも11項目すべて正解だった
- エクセルだけ2回とも5分待って答えが空のまま。質問を1つに絞ると26秒で正解した
- 文章と表が混ざった3ページの決算PDFは、20秒で11項目すべて正解した
- 決算PDFと売上エクセルを同時に送ると、頼んでいない集計期間の違いまで自分で指摘した
- 3,359字の議事録からは、担当と期限のある指示10件のうち6件しか書き出さなかった
結論:同じ中身でも、エクセルだけ答えが返ってこなかった
ChatGPTはファイルを送ると中身を読んでくれます。ただ、同じ中身でも保存した形式によって答えが変わるかどうかは、送り方の解説を読んでも分かりません。AInformation編集部は1円も違わない同じ売上表をエクセル・CSV・PDF・画像の4つの形式で送り、同じ11項目を1つずつ照らしました。
結果は形式でくっきり分かれました。CSVとPDFと画像は11項目すべて正解したのに、エクセルだけ5分待っても答えが返ってきません。この記事では、その原因をどこまで切り分けられたかと、決算のPDF・2つのファイルの突き合わせ・長い議事録・英語の文書を送ったときの実測を並べます。
同じ売上表を4つの形式で送って、同じ7つの質問(照合する項目は11個)を投げた結果です。CSVは54秒、PDFは45秒、画像は35秒で、どれも11項目すべて正解でした。エクセルだけは2回とも5分待って答えが空のままでした。

エクセルが読めないわけではありません。質問を1つに絞ると26秒で正解します。折れるのは質問の数でした。詳しくは後の章で切り分けます。
ファイルを送る手順は3つ
操作はどの形式でも同じです。入力欄の左にあるプラスのボタンを押し、ファイルを追加を選び、聞きたいことを書いて送信するだけです。実際の操作を47秒の動画にしました。
添付するとファイル名が入力欄の上に出ます。ここで中身が正しいかを確かめてから送ります。

今回どの形式にも投げた質問はこれです。
添付した2025年の売上表を読み取って、次の7つに答えてください。単位は千円です。
1. 年間の合計はいくらですか
2. 商品ごとの年間合計を5商品ぶん教えてください
3. 年間で最も売れた商品はどれですか
4. 合計が最も大きかった月と、その金額はいくらですか
5. 12月を1月と比べて、伸びが最も大きかった商品はどれですか
6. 下期(7〜12月)を上期(1〜6月)と比べて、伸びが最も大きかった商品はどれですか
7. 同じ月の行が重複していませんか
読み取れない項目は「読み取れません」と書いてください。
送った売上表は2025年1月から12月までの12行で、商品5つと月ごとの合計が入っています。AInformation編集部が検証用に作った架空の数字です。年間合計は558,900千円で、答えは全部こちらで分かっています。
エクセルで送ると5分待っても答えが空だった
最初に送ったのはエクセル(.xlsx)です。添付は3.8秒で終わり、画面にもファイル名が出ました。ところが送信から302秒たっても答えの本文が出てきません。

画面を見ると、答えを入れる枠とコピーのボタンはできているのに中身が空です。エラーの文も出ません。同じことをもう一度やっても303秒で同じ結果でした。
同じ中身をCSVにすると54秒で11項目すべて正解
次に、同じ表をCSVで保存し直して送りました。数字は1つも変えていません。

54秒で答えが返り、11項目すべて合っていました。年間合計558,900千円、最も売れた商品は商品A(タンブラー)で146,400千円、合計が最大の月は2025年12月で49,800千円。12月と1月を比べて最も伸びた商品は商品B(エコバッグ)、下期と上期で最も伸びたのは商品C(冷感タオル)。行の重複もないと正しく答えました。
頼んでいない「各月の合計列と5商品の合計が一致しています」という確認まで添えてきました。
PDFでも45秒で11項目すべて正解
同じ表をPDFにして送りました。1ページの表だけのPDFです。

45秒で11項目すべて正解。数字には「千円」の単位まで付けて返してきました。PDFの中の表を文字として読み取れています。
画面を撮った画像がいちばん速かった
4つ目は、表を画面に出してそのまま撮った画像(PNG)です。文字データではなく、見た目だけのファイルになります。

35秒で11項目すべて正解しました。4つの形式のなかでいちばん速い結果です。エクセルやCSVは中でプログラムを動かして集計するのに対し、画像は見て読むだけなので短く済んだと考えられます。
4つの形式をまとめると
| 送った形式 | かかった時間 | 11項目の正解 | 備考 |
|---|---|---|---|
| エクセル(.xlsx) | 302秒・303秒 | 答えが返らない | 2回とも空のまま |
| CSV(.csv) | 54秒 | 11項目 | 頼んでいない検算まで添えた |
| PDF(.pdf) | 45秒 | 11項目 | 単位まで付けて返した |
| 画像(.png) | 35秒 | 11項目 | 4つでいちばん速い |
中身は同じ表です。それでも形式を変えるだけで、返ってくるまでの時間が35秒から5分超まで開きました。
エクセルはどこで折れるのか
エクセルが読めないのか、それとも別の理由かを切り分けました。同じファイルに、質問の数だけを変えて投げ直しています。
| 送ったもの | 質問の数 | 結果 |
|---|---|---|
| エクセル | 1つ(年間合計だけ) | 26秒で正解 |
| エクセル | 3つ | 5分待って答えが空 |
| エクセル | 7つ | 5分待って答えが空(2回) |
| CSV(比べるため) | 1つ | 20秒で正解 |
| CSV(比べるため) | 7つ | 54秒で11項目すべて正解 |

エクセルそのものは読めています。年間合計だけを聞けば26秒で558,900千円と返ってきました。折れたのは質問を3つ以上まとめたときです。同じ質問をCSVに投げれば通るので、ファイルの中身ではなく形式と質問の数の組み合わせで起きています。
待ち時間を10分に延ばしても答えは出ませんでした。5分待って駄目なら、そのまま待ち続けても変わらないと考えたほうがよさそうです。
決算のPDFからは20秒で11項目すべて正解
表だけのPDFではなく、文章と表が混ざった3ページの決算資料も送りました。売上高・営業利益・当期純利益・利益率・増えた費目・減った費目・EC比率・従業員数・来年度の見通しなど11項目を聞いています。

20秒で11項目すべて正解でした。増えた費目を金額の大きい順に3つ挙げる、という並べ替えも正しくできています。文章の中に書かれた数字も、表の中の数字も、どちらも拾えました。
| 聞いた項目 | 返ってきた答え | 正誤 |
|---|---|---|
| 2025年度の売上高 | 68,200百万円 | 正解 |
| 営業利益 | 4,170百万円 | 正解 |
| 当期純利益 | 2,800百万円 | 正解 |
| 売上総利益率 | 38.9% | 正解 |
| 営業利益率 | 6.1% | 正解 |
| 増えた費目の上位3つ | 人件費+440/物流費+340/その他+210 | 正解 |
| 減った費目 | 広告宣伝費 -280 | 正解 |
| EC比率 | 35.0% | 正解 |
| ECの前年度比 | +16.6% | 正解 |
| 従業員数 | 412名 | 正解 |
| 2026年度の売上の見通し | 71,000百万円 | 正解 |
答えの各行には引用元のファイル名が付いて返ってきます。どこから取った数字かが分かるので、確かめるときに役立ちます。文章の中に「EC比率は35.0%(前年度31.3%)です」と書かれた部分からも、表の中の数字からも、どちらも正しく抜き出しました。
2つのファイルを一度に送って突き合わせる
決算のPDFと売上のエクセルを同時に添付し、2つを見比べてもらいました。単位も集計期間も違う2つです。

109秒で3つとも正解しました。

面白いのはこの先です。こちらは「5商品だけの表だから会社全体ではない」という答えを想定していました。ChatGPTはそれに加えて、エクセルは2025年1月から12月まで、決算資料は2025年4月から2026年3月まで、と集計期間が違うことまで自分で指摘しました。頼んでいない観点です。
ここでエクセルが使えている点にも触れておきます。7つまとめて聞いたときは空だったのに、PDFと一緒に送って3つ聞いたときは答えが返りました。エクセルを送ると必ず失敗するわけではありません。
長い議事録は担当と期限を4割落とした
3,359字の会議の記録(テキストファイル)を送り、決まったことと、担当と期限が書かれているやることを全部書き出してもらいました。

50秒で返ってきましたが、ここは取りこぼしが出ました。
| 聞いたこと | 記録にある数 | 書き出した数 | 落としたもの |
|---|---|---|---|
| 決まったこと | 8件 | 6件 | 受注管理システムの更新を10月の会議で決める/名古屋出店の判断を11月の会議で行う |
| 担当と期限があるやること | 10件 | 6件 | EC特集ページを11月20日に公開/短期アルバイト15名の募集/付属品の原価を9月25日までに連絡/ライセンス30名分の費用の試算 |
落ちたのは、議題の途中で「10月の会議で決める」と結論が持ち越されたものと、本文の後ろのほうに出てくる指示です。書き出した6件は本文のとおりで、間違いはありませんでした。
拾い方で感心した点もあります。前半で「付属品の原価は1個120円以内」と決めた内容が、後半の質疑で「130円まで認める」に変わっています。ChatGPTは両方を書き出したうえで「1の120円以内は、後半の質疑で130円までに変更されています」と自分で注記しました。
それでも4割の取りこぼしがあります。議事録を丸ごと送って終わりにせず、出てきた一覧と元の記録を突き合わせる手間は残ります。
英語の文書は数字が正確、ただし日本語に英語が混ざる
英語のプレスリリースを送り、日本語で5行にまとめて、そのあと原文に出てくる数字を表にしてもらいました。

26秒で返り、数字は12項目すべて原文どおりでした。月額4,980円、5ユーザーまで、42店舗で3か月の試験、朝の報告が38分から9分へ、42店のうち16店で上位10商品の欠品が20%以上減、過去52週のデータ、音声要約は平均90秒、1998年創業、1,300店舗、売上682億円。どれも合っています。
ただし日本語のまとめに英語がそのまま残りました。「October 1, 2026から月額4,980 yen(税込)、最大five usersで提供します」「three-month trial with 42 storesでは報告時間が38 minutesから9 minutesに短縮されました」といった具合です。日付・人数・期間・単位が英語のまま混ざっています。
原因は頼み方にありそうです。「数字は原文のまま書き写してください」と書いたので、数字にくっついた単位や修飾語まで原文のまま残したと考えられます。日本語だけで欲しいときは「数字は半角のまま、単位と日付は日本語に直してください」のように書き方まで指定したほうが早そうです。
数字の表のほうは正確でした。原文に出てくる数字を32個ひろい、それぞれ何の数字かを日本語で説明しています。電話番号や受付時間まで拾っていて、原文を読み落とす心配は小さそうです。
実測から言える使い方
エクセルを送るなら質問は1つずつにする
今回いちばん再現したのがこれです。7つまとめて2回、3つまとめて1回、どれも5分待って答えが空でした。1つだけ聞けば26秒で返ります。エクセルを送るときは、聞きたいことを1問ずつ分けて投げるのが確実です。
まとめて聞きたいならCSVで保存し直す
エクセルを開いて「CSV UTF-8」で保存し直すだけで、同じ7つの質問が54秒で通りました。数式や書式は落ちますが、数字を読ませるだけなら困りません。項目が多いときはこちらが速いです。
表の画面を撮って送るのも手
画面を撮った画像が35秒でいちばん速く、11項目すべて正解しました。行数が少ない表なら、ファイルを探して添付するより画面を撮って貼るほうが早く済みます。行数が多い表や、数字が小さくて読みにくい画面では試していないので、そこは確かめてから使ってください。
公式が公表している仕様と突き合わせる
OpenAIのヘルプセンター(File Uploads FAQ・2026年9月24日時点)には次のように書かれています。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 1ファイルの大きさ | 512MBまで |
| テキストと文書 | 1ファイル2Mトークンまで(表計算は対象外) |
| CSVと表計算 | およそ50MBまで |
| 画像 | 1枚20MBまで |
| 送れる回数 | 3時間で80ファイル。無料プランは1日3ファイルまで |
| 保存できる量 | 1人25GB・組織100GB |
ファイルの添付は無料プランでも使えます。ただし1日3ファイルまでという制限があるので、今回のように形式を変えて何度も試す使い方には向きません。
公式にはもう1つ、今回の結果と関わる記述があります。文書ファイルは文字だけを取り出して画像は捨てる、と書かれています(Enterpriseの一部を除く)。今回のPDFは文字が入ったPDFなので読めましたが、紙をスキャンしただけのPDFは中身が画像なので、同じようには読めないと考えられます。
気をつけること
今回の結果は2026年9月24日にAInformation編集部が実際に操作して測ったものです。ChatGPTは同じ質問でも答えが毎回同じとは限りません。エクセルで答えが返らなかった件も、時期やアカウントによって変わる可能性があります。
数字を扱う場面では、返ってきた答えをそのまま信じずに、元のファイルと突き合わせてください。今回は答えが全部分かっている架空のデータを使ったので照合できましたが、実務では「合っているように見える数字」が混ざっても気づけません。
会社の資料を送るときは、その資料を外部のサービスへ渡してよいかを先に確かめてください。公式には、添付したファイルはそのチャットの保存期間と同じだけ残り、チャットを消すと30日以内に消えると書かれています。
関連する記事とツール
写真を送って読み取らせる機能は、同じ連載の1本目で実測しています。同じレシートを4段階に崩して13項目を照合した結果はChatGPTの画像読み取りはどこまで正確?レシートを4段階に崩して照合したにまとめました。ファイルとして送るか画像として送るかで迷ったときは、あわせて読んでみてください。
ほかのAIツールと比べたいときはAIツールデータベースで料金や日本語対応を絞り込めます。
- ChatGPTのファイル添付は無料プランでも使えますか?
- 使えます。ただしOpenAIの公式ページには、無料プランは1日3ファイルまでと書かれています(2026年9月24日時点)。有料プランは3時間で80ファイルまでです。
- 送れるファイルの大きさと形式の上限は?
- 公式によると1ファイル512MBまで、CSVと表計算はおよそ50MBまで、画像は1枚20MBまでです。テキストと文書は1ファイル2Mトークンまでという上限もあります(表計算は対象外)。
- エクセルを送ったのに答えが返ってきません。
- AInformation編集部の実測では、エクセル1つに質問を3つ以上まとめると5分待っても答えが空のままでした。質問を1つに絞ると26秒で返ります。まとめて聞きたいときは、同じ表をCSVで保存し直すと54秒で11項目すべて答えました。
- スキャンしただけのPDFも読めますか?
- 公式には、文書ファイルは文字だけを取り出して画像は捨てると書かれています(Enterpriseの一部を除く)。文字が入ったPDFは読めますが、紙をスキャンしただけのPDFは中身が画像なので同じようには読めないと考えられます。
- 長い議事録を送れば要約してもらえますか?
- 要約はできますが取りこぼしが出ます。3,359字の会議の記録を送ったところ、担当と期限のある指示10件のうち6件しか書き出しませんでした。書き出された中身は正しかったので、元の記録と突き合わせて足りないぶんを補う使い方が向いています。
